職歴のない発達障害のある人でも就職可能! 就職するコツや就活で抱える困難を解説 | キズキビジネスカレッジ  

職歴のない発達障害のある人でも就職可能! 就職するコツや就活で抱える困難を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

発達障害のあるあなたは、職歴がないことで就職活動がうまく進まずに悩んではいませんか?

確かに、職歴がない人の採用を考えるとき、人事担当者は慎重になります。

応募する側としても、面接で実績や強みをアピールするのが難しく感じられる時がありますよね。

しかし、適切な支援を受けながら対策を練れば、就職活動を成功させることは充分に可能です。

このコラムでは、人事を担当する部署で就労していた筆者の経験などに基づき、職歴のない発達障害のある人が就職活動で抱える困難、就職するコツについて解説します。

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職歴なしでも就職することは充分可能

職歴のない発達障害のある人の中には、「就職活動に希望を持てない」と感じる人が少なからずいるようです。

しかし、発達障害で職歴なしの状態からでも、就職することは充分可能です。

職歴のない人の職場定着率は、職歴のある人よりも高いというデータがあります。

発達障害の有無を問わない障害のある人全体の数値にはなりますが、障害者職業総合センターの調査によると、企業に就職した障害のある人のうち、職歴のない人の1年後の職場定着率は約83.4%という結果が出てきます。(参考:障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」

しかし、職歴のある人を含む全体の職場定着率は約58.4%と、職歴のない人のみの場合と比較して約25%も差があるのです。

さまざまな要因が考えられますが、以下のような点が考えられます。

  • 「職歴なし」の人は前職の経験がないからこそ、最初の就職先でできるだけ多くのことを吸収しようと前向きになれる
  • 「せっかく就職できたのだから、頑張って仕事に慣れよう」と思える

いずれにせよ、雇用主側は、「採用するからには長く働いてほしい」と思うのが一般的でしょう。

そのため、「職を転々としている人よりは、職歴なしの人の方が頑張ってくれそうだ、定着してくれそうだ」という考えを持つ人事担当者は少なくないはずです。職歴なしでも職場定着を期待する雇用主側が少なからずいるのです。

あなたの特性にあった職場を見つけることができれば、就職することは充分可能です。安心してください。

職歴のない発達障害のある人が就職活動で抱える困難と対策3選

職歴のない発達障害のある人が就職活動で直面しがちな困難には、どのようなものがあるのでしょうか?

この章では、職歴のない発達障害のある人の就職活動での困難について解説します。

あなたの特性によって、直面する困難は変わってきますが、参考としてご覧ください。

困難①自分の能力に自信が持てない

1つ目は、自分の能力に自信が持てないことです。

発達障害のある人であっても、特性や状況によっては、成果を大きく発揮できる場合があります。

そうした成果を具体的な実績や職歴として示せる場合には、就職活動でも自信を持って自己PRをすることができるでしょう。

しかし、職歴のない発達障害のある人は、就労経験がないことで、「自分がどの程度働けるのか」「仕事に活かしうる能力があるのか」という点を想像しにくいかもしれません。

このような自分の能力に対する疑念から、なかなか自信が持てずに、就職活動が困難に思われる方もいるようです。

こうした場合は、周囲の人や支援者と相談し、ご自身の強みを分析してみることをオススメします。周囲の人から意見をもらうことで自分ひとりでは考えつかなかったことや新たな強みを見つけるきっかけになるかもしれません。

困難②履歴書の空白が気になる

2つ目は、履歴書の空白が気になることです。

これは発達障害の有無に限らず、職歴のない人が直面しやすい困難です。

もちろん、就職活動においては、履歴書だけがその人の評価につながるというわけではありません。

ですが、人事を担当する部署で就労していた筆者の経験を振り返ると、学校卒業後、就労していない期間が長引いている場合には、その人の年齢と経歴欄の余白が気にかかることもありました。

なお、アピールポイントや自己PRの欄が充実していれば、人事担当者はその点を評価するはずです。これまでご自身が取り組んできたことや得意なこと、継続してきたことなど、どんなことでも良いのでまずは一度振り返って考えてみてください。

困難③面接で何を話せばよいかわからない

3つ目は、面接で何を話せばよいかわからないことです。

履歴書の職歴欄が空白になっている場合、面接時に「職歴はなしということで間違いありませんか?」と、記入漏れかどうかを確認されることがあります。

場合によっては、応募者の業務遂行能力を少しでも推し量るために、「何かアルバイトや家事手伝いのようなことをした経験は?」といった質問をする人事担当者もいるでしょう。

そうしたとき、明確な職歴のない人は、「この経験は話すべきだろうか」「評価してもらえる経験と言えるのだろうか」と迷うことがあるかもしれません。

その結果、何を話せばよいかがわからなくなることがあると思います。

特に、ASDのある人は、コミュニケーションにおける特性が目立つ場合があります。

「職歴がないと伝えたのに、どうして同じような質問をしてくるのか理解できない」と、面接官の意図がわからずに、混乱することもあるかもしれません。

また、単純に職務経験として話すべきことがないものの、「特にありません」と答えるのは気が引けるというケースも考えられます。

このように、「面接で何を話せばよいかわからない」というのは、職歴のない発達障害のある人が直面しやすい困難のひとつと言えるでしょう。

こうした場合は、面接練習をしたり、自分なりのテンプレートを作っておくと面接時の不安が軽くなるはずです。

ニート状態の発達障害のある人が仕事を探す際のポイント

発達障害のある人が仕事を探す際のポイントは、以下のとおりです。

  • 長く働き続けられそうか
  • 障害の特性に理解があるか
  • 福利厚生制度が整備されているか
  • 働き方が柔軟か
  • 就労条件があっているか
  • 職場環境があっているか
  • 興味のある仕事か

発達障害のある人が仕事を探す際のポイントについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

ニート状態の発達障害のある人が就職を成功させるコツ

発達障害のある人が就職をうまく進めるためには、いくつかの工夫が必要です。

発達障害のある人が就職を成功させるコツは、以下のとおりです。

  • 発達障害の悩みをひとりで抱え込まない
  • 主治医に相談する
  • カウンセラーに相談する
  • 二次障害がある場合は治療を優先する
  • 支援機関を利用する
  • 支援制度を利用する
  • 自分の特性を理解する
  • 特性をカバーする方法を身につける
  • 特性を活かす方法を考える
  • 経歴以外にアピールできる点を整理する
  • 生活習慣を整える
  • リワークを利用する
  • スキルを習得する
  • 雇用枠を検討する
  • 働き方を検討する
  • 雇用形態を検討する
  • 発達障害があることを開示するか検討する
  • フリーランスとして働くことを検討する
  • アルバイト・パートなどの非正規雇用で働き始めてみる
  • 就労継続支援A型/B型での就労する
  • 当事者会や相談会に参加する
  • 履歴書・職務経歴書・面接の対策をする

発達障害のある人が就職を成功させるコツについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

発達障害とは?

発達障害とは、脳の機能的な問題や働き方の違いにより、物事の捉え方や行動に違いが生じることで、日常生活および社会生活を送る上で支障が出る、生まれつきの脳機能障害のことです。(参考: American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、こころの情報サイト「発達障害(神経発達症)」、NHK福祉ポータル ハートネット「そもそも「発達障害」って?|大人の発達障害ってなんだろう? - 大人の発達障害」、宮尾益知・監修『ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害』、松本卓也、野間俊一・編著『メンタルヘルス時代の精神医学入門 ーこころの病の理解と支援ー』、福西勇夫・山末英典・監修『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 精神の病気 発達障害編』

発達障害は主に、以下の3つの診断名に分類されます。

  • ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)
  • ASD(自閉スペクトラム症/広汎性発達障害)
  • LD/SLD(限局性学習症/限局性学習障害)

同じ診断名でも、人によって多様な特性が現れるのが発達障害の特徴です。また、いずれかの発達障害のある人は、他の発達障害が併存している可能性もあります。

発達障害の概要や種類、原因、治療方法などについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ:職歴のない発達障害のある人でも就職することは可能です

繰り返しにはなりますが、大切なのは、医師や専門家、支援機関に相談することです。

特に、単に発達障害に詳しい人だけでなく、就労面でのサポートもできる専門家・支援機関に相談しましょう。

あなたの悩みに対して、メンタル面のサポートだけでなく、具体的なアドバイスも与えてくれるはずです。

このコラムが、発達障害があり職歴のないことで悩んでいるあなたの助けになれば幸いです。

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よくある質問(1)

職歴がないのですが、発達障害のある私でも就職できますか?

発達障害で職歴なしの状態からでも、就職することは充分可能です。

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

職歴のない発達障害のある人が就職活動で直面しがちな困難を知りたいです。

以下が考えられます。

  • 自分の能力に自信が持てない
  • 履歴書の空白が気になる
  • 面接で何を話せばよいかわからない

詳細については、こちらで解説しています。

監修志村哲祥

しむら・あきよし。
医師・医学博士・精神保健指定医・認定産業医。東京医科大学精神医学分野睡眠健康研究ユニットリーダー 兼任准教授、株式会社こどもみらいR&D統括。 臨床医として精神科疾患や睡眠障害の治療を行い、また、多くの企業の産業医を務める。大学では睡眠・精神・公衆衛生の研究を行っており、概日リズムと生産性、生活習慣と睡眠、職域や学校での睡眠指導による生産性の改善等の研究の第一人者。

【著書など(一部)】
子どもの睡眠ガイドブック(朝倉書店)』『プライマリ・ケア医のための睡眠障害-スクリーニングと治療・連携(南山堂)』
他、学術論文多数

日経新聞の執筆・インタビュー記事一覧
時事メディカルインタビュー「在宅で心身ストレス軽減~働き方を見直す契機に」

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2025年6月現在17校+オンライン校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2025年6月現在8校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

監修角南百合子

すなみ・ゆりこ。
臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2025年6月現在、首都圏・関西に8校舎を展開しています。トップページはこちら→

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