うつ病のある人が利用できる支援制度・支援機関 家族がうつ病になったときの支援の方法を解説 | キズキビジネスカレッジ  

うつ病のある人が利用できる支援制度・支援機関 家族がうつ病になったときの支援の方法を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

うつ病のあるあなたは、どのような支援が受けられるかわからずに悩んではいませんか?

  • うつ病のある人が受けられる支援制度がわからない
  • どの支援機関を利用すればいいのか迷う
  • 障害者手帳を取得した方がいい?

以上のような困りごとを抱えている人は、多くいらっしゃいます。

このコラムでは、うつ病のある人が利用できる支援制度や支援機関を紹介します。あわせて、うつ病を経験した人の体験談やご家族がうつ病になったときの支援の方法について解説します。

うつ病の支援に悩んでいるあなたの参考になれば幸いです。

私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、経済的な不安を抱えるうつ病のある人のための就労移行支援事業所です。

  • 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
  • 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
  • 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月

神田・新宿・横浜・大阪に校舎があり、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。遠方の方は、日常的にはオンラインで受講しながら(※お住まいの自治体が認めた場合)、「月に1回、対面での面談」を行います。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

うつ病のある人は、適切な支援を受けることで生きやすくなります

まず大前提として、「うつ病の人は、経済的にも仕事に関しても、支援を受けた方が生きやすくなる」ということは、覚えておいてください。

あなたは、「気分の落ち込みや憂うつは、誰でも感じうるものだ」と考えて、支援は必要ないと思っているかもしれません。

しかし、うつ病の症状の程度によっては、身体を動かすことすら困難になります。

うつ病の初期症状については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

また、それほど症状が重くなくても、適切な治療やカウンセリングを継続するためには相応の治療費がかかります。

そうした状態における経済的な支援は、直接的には諸々の支払いに役立ちますし、間接的には「お金の心配が減る」という安心につながります。

症状が落ち着いて働ける状態になった後は、「うつ病からの仕事再開」についての支援を受けることで、現職での業務再開や転職をスムーズに進めることができます。

実際に、こうしたうつ病などの疾患がある人のために、国などは様々な支援制度を設けています。それらを上手に利用しましょう。

また、「支援を受けるためには、診断書の提出が必要になる場面も多い」ということには注意しておきましょう。

診断書を発行するためにはあらかじめ複数回の医師の診察が必要な場合が多いため、うつ病と思われる症状を感じたら早めに専門医を受診してください。

また、支援制度や支援機関の利用を始めてからも、通院や服薬は必ず続けるようにしてください。

医師の診断に従い、ご自身の体調の安定に努めることが何よりも重要だということを忘れないようにしてください。

その上で支援制度と支援機関を上手に活用しましょう。

うつ病のある人が利用できる支援制度12選

この章では、うつ病のある人が利用できる支援制度を解説します。

うつ病のある人が利用できる支援制度は、お金を受給できる支援制度や各種支払いを減免できる支援制度などたくさんあります。ご安心ください。

支援制度を利用することは、全く恥ずかしいことではありません。

支援制度を利用しつつ、経済的に安心してうつ病の治療・休養に専念することで、仕事復帰・仕事探しも含めて「次の一歩」にも進みやすくなります。

その点を心に留めながら、支援制度の利用を検討してみてください。

ただし、個々人の状況によって、「支援制度の利用対象であるかどうか」「どの程度の支援を受けられるか」は異なります。つまり、ご紹介する支援は、「うつ病なら必ず利用できる」とは限りません。

どの支援制度を利用できるかわからない方は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口やこちらで解説する支援機関に相談してみてください。

支援制度①傷病手当金

傷病手当金とは、うつ病を含む何らかの病気やケガ、障害のために仕事を休む場合に「健康保険」の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた支援制度のことです。国民健康保険の加入者は対象外です。(参考:全国健康保険協会「傷病手当金」、全国健康保険協会「傷病手当金について」

傷病手当金は、退職前の在職中に受給するお金です。ただし、一定の条件を満たせば、退職後も継続して受給できます。

傷病手当金の受給対象は、病気やケガ、障害によって就労不能であり、十分な給与が支給されない人です。そのため、疾病があることを証明する医師の記載が必要です。つまり、治療のために通院を行っている必要があります。

傷病手当金の窓口は、全国健康保険協会や各健康保険組合、各共済組合です。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の例では、以下のすべての条件を満たしている必要があります。

  • 業務外の病気やケガ、障害で療養中であること
  • 療養のための労務不能であること
  • 4日以上仕事を休んでいること
  • 給与の支払いがないこと

各条件には、さらに「給与が一部だけ支給されている場合は、傷病手当金から給与支給分を減額して支給される」などの補足が付いています。

そのため、対象となる協会・組合に問い合わせたりウェブサイトを参照したりして、しっかりと条件を確認することが大切です。

また、傷病手当金の受け取りのためには、会社の記載する給与額や、医師が記載する、うつ病などの病気であることを証明する書類などの提出が必要になります。

具体的な支給額は、対象者の標準報酬月額などによって異なります。

さらに詳しい支給額を知りたいという人は、まずは職場の人事部に一定期間の給与額などを確認した上で、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

気になる方は、ご自身の加入している健康保険に問い合わせてみましょう。

うつ病と傷病手当金については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援制度②失業保険(失業手当、雇用保険給付)

失業保険(失業手当、雇用保険給付)とは、失業・退職した人が就職するまでの一定期間に給付金を支給する支援制度のことです。

原則、以下の2点が条件です。

  • 退職までの一定期間、雇用保険に加入していたこと
  • 求職活動を行っていること

ここで言う求職活動とは、企業への面接訪問などに限らず、窓口相談や職業訓練も含まれています。それらの活動ができる場合、「就職活動をして労働する」ことができない人でも条件を満たすことは充分可能です。

具体的な受給期間(90日~360日)や金額(在職中の給与の約50~80%)は、その人の状況によって異なります。また、うつ病などの病気によって求職活動条件を満たせない場合には、受給期間を延長することも可能です。

また、これまで述べてきた失業保険は「基本手当」と呼ばれるものになります。

病気やケガ、障害によって15日間以上、引き続いて求職活動ができない場合、つまり失業手当を受給できる状態ではない場合、傷病手当という別の給付金を受給することができます。

なお、雇用保険上の傷病手当は、こちらで解説した傷病手当金とは異なることに加えて、傷病手当と傷病手当金、失業手当を同時に受給できない点には注意してください。また、公務員は失業保険の対象でとはならないため、注意してください。

申請は、お住まいの自治体に設置されているハローワークで行なえます。(参考:ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」

気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

うつ病と失業保険については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援制度③自立支援医療制度

自立支援医療制度とは、心身の障害を除去・軽減するための医療に関する医療費の自己負担額を軽減する公費負担の支援制度のことです。うつ病もその支援の対象です。(参考:厚生労働省「自立支援医療について」、厚生労働省「自立支援医療制度の概要」、東京都福祉保健局「自立支援医療(更生医療)」

通常、医療保険による医療費の自己負担額は3割ですが、自立支援医療制度を利用すれば、原則1割まで軽減することができます。この制度は、指定の医療機関・薬局のみで利用可能です。

世帯の総所得額によっては利用の対象外となる、場合があります。

さらに、自己負担額には、所得に応じて上限が設定されています。1割負担であっても、月額の上限以上となる金額は、原則として負担を免除されます。ただし、世帯の総所得額によっては、自己負担額が変動したり、対象外になったりする場合があります。

また、費用が高額な治療を長期にわたり継続しなければならない場合や所得の程度に応じて、さらに軽減措置が行われます。

具体的な支援内容や条件、名称は、自治体によって異なります。気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

支援制度④障害者手帳

障害者手帳とは、障害がある人に交付される手帳のことです。

障害者手帳をお持ちの人は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」の対象となり、さまざまな支援が受けられます。(参考:厚生労働省「障害者手帳について」、e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

障害者手帳には、障害の内容によって以下の3種類があります。

  • 身体障害者手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 療育手帳

症状の程度にもよりますが、うつ病を含む一定程度の重症度の精神障害の状態にある場合、精神障害者保健福祉手帳を申請できる可能性があります。

障害者手帳のメリットは以下のとおりです。

  • 税金控除の対象になる
  • 各種公共料金などの割引がある
  • 医療費などの助成がある
  • 補装具費用が安くなる
  • 障害者雇用での就職も選択できる

気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

障害者手帳については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援制度⑤障害年金

障害年金とは、病気やケガ、障害などによって仕事や生活などに支障を生じている場合に、年金加入者が受給できる支援制度のことです。(参考:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」、日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」、日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」、日本年金機構「国民年金」、日本年金機構「障害年金ガイド令和5年度版」、日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」

事故で足を失った場合や生まれつき四肢が不自由な場合、知的障害がある場合などのケースだけでなく、発達障害・精神疾患、あるいは癌や生活習慣病などで生活に困難を生じている場合も受給の対象になります。

一般的な年金は高齢者にならなければ受け取れませんが、障害年金は現役世代でも受給できることが特徴です。

申請は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口・年金事務所・年金相談センターなどで行えます。

気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

障害年金については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援制度⑥労災保険(労働が原因の疾病の場合)

労災保険とは、仕事中や通勤中に病気やケガ、障害などの労働災害が発生した場合に、その補償を得られる支援制度のことです。(参考:厚生労働省「労働災害が発生したとき」、労働問題弁護士ナビ「うつ病の労災が認められにくい理由と申請手続きの手順・流れを詳しく解説」、厚生労働省「精神障害の労災補償状況」

職場に経緯を説明した上で、労働災害に相当する条件を満たした場合には、所定書式を記載して労働基準監督署へ提出することになります。

ただし、一般論として、うつ病などの精神障害による労災認定は非常に難しいと言われています。

なぜなら、うつ病などの精神障害は原因の特定が難しく、私生活を含む様々な要因が複合的に絡みあって発症するケースが多いからです。

また、発病前の約6か月間に仕事による極度の心理的負荷が認められるなど、原因が仕事や職場にあることを明確化するための条件設定が厳しいという問題もあります。

しかし、認定されるかどうかに関わらず、そのときの状況次第では申請することは可能です。

労災保険の対象と認定される可能性もあります。気になる方は、労働基準監督署や職場の人事部など、労災保険の管轄部署に相談してみるとよいでしょう。

支援制度⑦特別障害者手当

特別障害者手当とは、精神または身体に著しく重度な障害があり、日常生活において常に特別な介護を必要とする在宅生活をしている人に対して、必要となる精神的、物質的な負担の軽減を目的に手当を支給する支援制度のことです。(参考:厚生労働省「特別障害者手当について」

2024年4月現在では、月額2万8840円を受給できます。

ただし所得制限があり、受給資格のある人の前年の所得が一定の額を超えるとき、または、配偶者もしくは受給資格のある人の生計を維持する扶養義務のある人の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。

申請は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口で行えます。

支援制度⑧特別障害給付金制度

特別障害給付金制度とは、国民年金に任意加入していなかったことで、障害基礎年金などの受給要件を満たせず障害年金を受給できない障害のある人に対する福祉的措置として創設された支援制度のことです。(参考:日本年金機構「特別障害給付金制度」

「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」に基づく給付であり、障害基礎年金や障害厚生年金とは異なる制度です。(参考:e-Gov法令検索「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」

障害基礎年金1級相当に該当する人は月額5万3650円(2023年時点)、障害基礎年金2級相当に該当する人は4万2920円(2023年時点)が、支給されます。

気になる方は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

支援制度⑨心身障害者医療費助成制度

心身障害者医療費助成制度とは、精神または身体に重度な障害のある人の福祉の増進を図る目的で、各自治体が医療費の一部または全部を助成する支援制度のことです。(参考:東京都福祉局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」、渋谷区ポータル「医療費の助成 | 障がい者の医療」

一般的に、各種医療保険の自己負担から一部負担金を差し引いた金額または全額が助成されます。

対象者は以下のとおりです。

  • 身体障害者手帳1・2級の人(心臓、じん臓、呼吸器、ぼうこう、直腸、小腸、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫・肝臓機能障害の内部障害の場合、3級を含む)
  • 愛の手帳1・2度の人
  • 精神障害者保健福祉手帳1級の人

こちらで解説しましたが、うつ病を含む一定程度の重症度の精神障害の状態にある場合、精神障害者保健福祉手帳を申請できる可能性があります。

精神障害者保健福祉手帳1級に該当する場合、うつ病のある人も心身障害者医療費助成制度を利用することは可能です。ただし、うつ病単体で精神障害者保健福祉手帳1級に該当することは少ないため、注意が必要です。

自治体によって支援内容や受給条件などのルールが異なります。

都道府県によって呼称も変わるため、気になる方は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

支援制度⑩生活困窮者自立支援制度

生活困窮者自立支援制度とは、仕事や住まいの確保に困窮している人に対して、各々の生活状況に応じた支援を提供する支援制度のことです。(参考:厚生労働省「制度の紹介」、東京都福祉保健局「生活困窮者自立支援制度について」

生活困窮者自立支援制度は、こちらで解説する生活保護の受給に至る前に、対象の人の自立を促進することを目的に制定されました。

経済や就労、住居確保といった幅広い分野について相談することができ、要件を満たす人には家賃相当額を支給するなど経済的な支援も行っています。

また、自立相談支援機関が作成した支援プランに沿って、一定期間、支援員が生活を立て直すためのサポートをしている場合もあります。

生活困窮者自立支援制度の支援内容は多岐に渡り、その内容は自治体によっても異なります。

気になる方は、お住まいの自治体の生活保護を担当する部署・窓口に相談してみてください。

支援制度⑪生活保護

生活保護とは、生活に困窮している人や病気やケガ、障害などで就労できない人に対して、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活の保障と自立の助長を目的とした支援制度のことです。(参考:厚生労働省「生活保護制度」

生活に必要な最低限度のお金を持つことが困難な人が、お金を受給できる制度とも言えます。

申請は、お住まいの自治体を所管する福祉事務所、またはお住まいの自治体に福祉事務所がない自治体の場合、お住まいの自治体の生活保護を担当する部署・窓口で行えます。

なお、一定の資産がある場合、申請できないため注意してください。

ただし、生活保護は最後のセーフティネットとも呼ばれるように、本当にサポートが必要な人だけを対象とする支援制度です。

一般的に審査が厳しく、生活保護以外の支援制度の利用を提案されたり、申請が却下されたりする可能性があります。心に留めておいてください。

うつ病と生活保護については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援制度⑫生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度とは、所得の低い人や障害のある人などの生活を経済的に支えつつ、その在宅福祉や社会参加の促進を図ることを目的に貸付を行う支援制度のことです。銀行などと比べて、低い金利でお金を借りることができます。(参考:全国社会福祉協議会「生活福祉資金」、厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」、政府広報オンライン「生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。| 暮らしに役立つ情報」

対象となるのは、「低所得者世帯」「障害者世帯」「高齢者世帯」であり、うつ病を含む障害のある人の場合は、障害者手帳などの交付が前提となります。

生活福祉資金貸付制度は大きく分けて下記に分類されます。

生活福祉資金貸付制度の種類
  • 総合支援資金(生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費)
  • 福祉資金(福祉費、緊急小口資金)
  • 教育支援資金(教育支援費、就学支度費)
  • 不動産担保型生活資金(不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金)

この制度は、あくまで「貸付」です。返済の義務があるという点は注意しましょう。

気になる人は、お住まいの自治体の生活保護を担当する部署・窓口に相談してみてください。

うつ病のある人が利用できる支援機関10選

この章では、うつ病のある人が利用できる支援機関を解説します。なかには、無料でサポートを受けられる支援機関もあります。

気になる支援機関があれば、問い合わせてみましょう。

どの支援機関を利用できるかわからない場合には、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口に相談してみてください。

支援機関①就労移行支援事業所

就労移行支援とは、一般企業などへの就職を目指す、病気や障害のある方向けに、「障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)」に基づいて行われる福祉サービスのことです。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

実際のサービスは、国の基準を満たした様々な民間の「就労移行支援事業所」が行います。

就労移行支援事業所では、体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができます。

さらには、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。

就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。それぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。

就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援機関②精神保健福祉センター

精神保健福祉センターとは、うつ病などの精神障害のある人のサポートを目的とした支援機関のことです。(参考:東京都福祉保健局「精神保健福祉センターとは」

他の支援機関と比較して、精神疾患に特化している点が特徴と言えるでしょう。

「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」により、各都道府県に設置されています。(参考:e-Gov法令検索「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」

精神疾患に関連する悩みの相談や社会に適応するための指導と援助を行っています。

精神障害による症状で悩んでいる本人だけでなく、ご家族や周囲の人の相談も受け付けています。また、匿名での相談も受け付けています。医師から正式な診断を受けていなくても相談は可能です。

詳しくは、お住まいの自治体の精神保健福祉センターに問い合わせてみてください。

支援機関③地域障害者職業センター

地域障害者職業センターとは、病気や障害のある人に対して、職業評価や職業指導、職業準備訓練、職場適応援助などの専門的な職業リハビリテーションを提供する支援機関のことです。(参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センターによる支援」、厚生労働省「地域障害者職業センターの概要」

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しており、障害者雇用促進法に基づいて、全国47都道府県に設置されています。

ハローワークや医療・福祉機関と連携しているため、仕事に関する相談や訓練、復職するためのサポートを行っています。

病気や障害に悩む当事者だけでなく、障害のある人を雇用する事業所に対して、雇用管理に関する相談・援助も行っています。

仕事を両立したい人や就労状況について相談したい人におすすめです。

支援機関④障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターとは、雇用や保健、福祉、教育に関する関係機関と連携し、障害のある人の雇用の促進・安定を目的とした一体的な支援を行っている支援機関のことです。(参考:厚生労働省「障害者雇用促進法制の整備について」、厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」

障害のある人の就職活動の支援や求人の紹介、職場定着のためのサポートなどを行います。

就労面だけでなく、金銭管理などの経済面や生活面のことまで、日常および地域生活に関する支援も行っています。

生活習慣や金銭管理、健康管理などについても幅広く相談できるため、生活面のサポートも受けたい人におすすめです。

2023年4月1日時点で、全国に337箇所設置されています。

支援機関⑤障害者就労支援センター

障害者就労支援センターとは、 障害のある人の就労機会の拡大を図るため、自治体が設置する支援機関のことです。

障害のある人の就労全般に関する相談や、就職に向けたサポート、ハローワークへの同行などの支援を行っています。

障害者就労支援センターの設置は自治体によって異なります。お住まいの自治体のWEBサイトをご確認ください。

また、「お住まいの自治体名+障害者就労支援センター」などのインターネット検索で見つけることもできます。

支援機関⑥基幹相談支援センター

基幹相談支援センターとは、障害のある人をサポートを目的に地域の相談事業を行っている支援機関のことです。(参考:厚生労働省「基幹相談支援センターの役割のイメージ」

基幹相談支援センターでは、一般的に以下のような支援を行っています。

  • 病気・障害のある人のための総合的な相談
  • 適切なサポート団体との連携
  • 権利擁護・虐待防止

基幹相談支援センターの設置は自治体によって異なります。お住まいの自治体のWEBサイトをご確認ください。

また、「お住まいの自治体名+基幹相談支援センター」などのインターネット検索で見つけることもできます。

支援機関⑦ハローワーク(公共職業安定所)

ハローワーク(公共職業安定所)とは、仕事を探している人や求人を募集したい事業者に対して、就労に関連するさまざまなサービスを無償で提供する、厚生労働省が運営する支援機関のことです。正式名称は公共職業安定所で、職安と呼ぶ人もいます。(参考:厚生労働省「ハローワーク」 厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」 厚生労働省「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」、東京労働局「東京ハローワーク」、厚生労働省「こころの健康サポートガイド」、厚生労働省「ハローワークにおける障害者の就労支援」

主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示などを行っており、具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、一般的には以下のような幅広いサポートを行います。

全国に500ヶ所以上あり、主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示、雇用保険や雇用対策など、地域密着型の雇用に関する幅広いサポートを行います。

また、病気や障害のある人に向けたサポートも行っています。障害者手帳を所持していない人でも、医師による診断書があれば、障害の特性や希望職種に応じた職業相談や履歴書や面接での病気・障害の伝え方などのサポートを受けることができます。

支援機関⑧転職エージェント

転職エージェントとは、転職を希望する人をサポートする人材紹介サービスのことです。

現代の仕事探しにおいて、転職エージェントの利用は一般的な方法です。民間の転職エージェントも、うつ病のある人が利用できる支援機関と言えます。

近年では、病気や障害のある人に特化した転職支援を行う転職エージェントも増加しています。

ご自身に合いそうな転職エージェントを並行的に利用してみましょう。

支援機関⑨地域若者サポートステーション(サポステ)

地域若者サポートステーションとは、働くことに悩みを抱えている15〜49歳までの就学中でない人のサポートを目的とした支援機関のことです。「サポステ」とも呼ばれています。(参考:厚生労働省「地域若者サポートステーション」

厚生労働省委託の支援機関であり、うつ病の有無を問わず、就業中ではない人の就職から職場定着までを全面的にバックアップします。

地域若者サポートステーションでは、一般的に以下のような支援を行っています。

  • コミュニケーション講座
  • ジョブトレ(就業体験)
  • 就活セミナー(面接・履歴書指導など)
  • 集中訓練プログラム
  • パソコン講座・WORK FIT・アウトリーチ支援

支援機関⑩リワーク

リワークとは「return to work」の略で、うつ病や適応障害などの精神疾患が原因で休職中の人を対象とする、復職や転職、再就職に向けたリハビリテーションのことを指します。

「リワークプログラム」と同じ意味で、「復職支援プログラム」や「職場復帰支援プログラム」という名称が使われることもあります。

リワークについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援機関⑪ジョブコーチ(職場適応援助者)

ジョブコーチとは、障害のある人の職場適応を支援する職場適応援助者のことです。(参考:厚生労働省「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について」

障害のある人が職場への適応に関して課題がある場合、職場にジョブコーチが出向いて、障害の特性を踏まえた専門的な支援を行います。就職後の支援の側面が強いものになります。

当事者の職務の遂行や、職場内のコミュニケーションなどに関して、障害のある人が職場に適応するためのアドバイスをします。

また、障害のある人を雇用する事業主に対して、障害の特性を踏まえた作業の提案や、仕事の教え方などをアドバイスするなど、当事者と事業主双方をサポートしています。

具体的な目標を定めた上で策定される「支援計画」に基づいて援助を行い、最終的には上司や同僚などの職場の人の自然な配慮(ナチュラル・サポート)に移行することを目指していきます。

ジョブコーチには、以下の3種類があります。

  • 配置型ジョブコーチ:地域障害者職業センターに所属するジョブコーチ
  • 訪問型ジョブコーチ:社会福祉法人などに所属するジョブコーチ
  • 企業在籍型ジョブコーチ:障害のある人を雇用する事業所に雇用されるジョブコーチ

補足①:発達障害者支援センター

発達障害者支援センターとは、発達障害の早期発見と早期支援を目的として、発達障害の特性に悩む当事者や家族をサポートする支援機関のことです。

事業者や自治体によって異なりますが、発達障害の特性に関する相談のほか、就労支援事業として、求人に関する情報提供や就業先へのアドバイスを行っています。

発達障害は、一見すると、うつ病とは無関係に思えるかもしれません。

しかし、発達障害のある人は、コミュニケーションがうまく取れないなど、社会生活上の困難から生じるストレスなどが原因で、うつ病などの精神障害を発症する「二次障害」を患うケースが少なくありません。

そういった人であれば利用できる可能性があります。

発達障害支援センターは、幼少期に発達障害の診断を受けた人だけでなく、大人になってから発達障害の診断を受けた人も支援の対象です。また、医師から発達障害の診断を受けていない人でも支援を受けることが可能で、発達障害がある可能性がある人からの電話相談なども受け付けています。

窓口は、各自治体や指定の事業所に設置されています。

補足②:障害者雇用支援人材ネットワークシステム

障害者雇用自然人材ネットワークシステムとは、「障害者雇用管理サポーター」として登録されたさまざまな分野の専門家に相談できるシステムのことです。

障害のある人を雇用する事業所が主な対象です。

障害者雇用に関わる労務管理や従業員の健康管理、また障害のある人のために設備を改修する場合などに、専門家に相談することが可能です。

専門分野や活動地域、障害の種別などの条件で検索が可能です。

補足③:その他のうつ病に関連する支援団体や自助会、互助会、家族会、ピアサポート団体

ほかにも、うつ病のある人を支援する団体や自助会、互助会、家族会、ピアサポート団体は多数あります。

自助会、互助会、家族会、ピアサポート団体とは、うつ病のある人やうつ病だった人同士の支えあいを目的に、情報交換などを行う団体のことです。お互いの悩みを打ち明けたり、対処方法を共有したりします。

団体ごとに方向性や特色、雰囲気などに特徴があります。

「お住まいの自治体名+自助会」「うつ病+支援+ピアサポート」などのインターネット検索で見つけることもできます。また、支援機関に相談することで、さまざまな支援団体が見つかります。

自分に合う支援団体を並行して利用すると、さらに「次の一歩」に進みやすくなるはずです。余裕があるようでしたら探してみてください。

家族がうつ病になったときの支援方法

自身がうつ病になったときの行動も大事ですが、家族がうつ病になったときの支援方法も知っておきましょう。

知っているのと知らないのとでは、うつ病の家族への向き合い方が大きく変わります。

何も難しいことはありません。3つのことだけを意識してみてください。

方法①医療・専門機関の利用を案内する

まず、医療・専門機関を、積極的の利用を案内しましょう。

なぜなら、うつ病もほかの病気と同様、なるべく早く対処するのが望ましいからです。

本人が納得していればいいですが、行きたがらない場合は「いつもと様子が違うのが心配」などの言葉をかけて、一緒に付き添ってください。

また、本人が足を運べない場合でも、家族が医療・専門機関に相談しに行くことはできます。

家にいながら気軽に相談できる窓口もありますので、まずは家族の方だけでも相談してみてください。

参考

一般社団法人日本産業カウンセラー協会「相談窓口案内」

方法②様子の変化に気づく

うつ病になると、「気分が落ち込む」「食事が取れなくなる」といった変化が見られるようになります。(参考:一般社団法人日本産業カウンセラー協会「働く人の疲労蓄積度セルフチェック(家族支援用)」、こころの耳「ご家族にできること」

ただし、当の本人はその変化に気づいていない場合があります。

または、変化に気づいていても、周りに心配をかけたくないという思いから、相談できずに抱え込むこともあるのです。

そのため、些細な様子の変化にも気を配りましょう。

様子の変化に気づくことで、次のステップを踏み出すことができます。

家族の変化を体系的に把握したい場合は、質問に答えながら家族の疲労蓄積度を診断できるサイトもありますので、活用してみてください。

ただし、医師や専門家でない限り、些細な様子の変化に気づくことは難しいかもしれません。その際は、自分を責めないようにしてください。

方法③話を聞く

様子の変化に気づいたら、耳を傾けて話を聞いてみてください。

つらい気持ちや悲しい気持ちなど、思っていることを話してくれるかもしれません。

誰かに聞いてもらうことで、気持ちが楽になる場合もあるでしょう。

話してくれたときは、途中で話を遮ったり否定したりせず、最後まで話を聞いて、本人が何を言いたいのか、理解を試みてください。

ただし、本人が話したがらない場合は、無理に聞きだす必要はありません。最初は話してくれなくても、時間が経つと本人から話しかけてくれることもあります。

「いつでも話を聞くよ」と伝えておいて、本人が話したくなったら聞くようにしましょう。

補足:優しく見守るだけでも大丈夫です

ここまで家族がうつ病になったときの支援の仕方を紹介しましたが、うつ病の改善のために大切な基本は、「休息を取る」ことです。

そのため、本人が安心できる場所、帰ってこれる場所があるだけでもだいぶ気持ちは楽になります。

医学的な治療は病院に任せるとして、ご家族は優しく見守り、自宅ではいつものように接するだけでも大丈夫です。

「自分は何もできない」などとは思わないでください。

優しく見守ることは、家族にしかできません。

その上で、「接し方が合っているか気になる」などの場合は、遠慮せずに相談窓口や医療・専門機関を利用してくださいね。

うつ病を経験したキズキビジネスカレッジ(KBC)利用者の体験談

私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)では、うつ病を含む病気や障害のある方への就職支援を行っています。

利用者さんの中には、うつ病を乗り越え、いま立派に活躍されている方も大勢います。

この章では、うつ病を経験したキズキビジネスカレッジ(KBC)利用者さんの体験談を2つ紹介します。

事例①うつ病・ADHDの方がプログラマーとして活躍している事例

Yさんは新卒で飲食店へ入社後、想像よりもはるかに過酷な日々に、徐々に自信を失っていきました。

心身ともにぐったりしながら帰宅し、休んでも疲れは取れずにたまる一方で、とうとう体調を崩しました。

苦労して入社した会社ですが、2カ月で退職することを決めました。

その後も、転職エージェントを利用したり、自分で求人を探したりして、就職することはできました。

しかし、どこも長く続かず、転職を繰り返します。

合計で9社ほど経験しましたが、どれも平均1年ほどで辞めたと言います。

2017年、やはり職場の関係で自信がなくなる中で、うつ病と思わしき症状が徐々に現れるようになり、心療内科に行くことにしました。

そこで同時に、ADHD(注意欠如・多動性障害)の検査も受けました。

そして検査の結果、ADHDだと診断されました。

うつ病の診断もおりたため、Yさんは当時の仕事を辞めることにしました。

そのとき、「同じような転職をして、また体調を崩して退職…という生活は、もう繰り返したくないな」「ただ転職するのではなく、長期的に働けるようになりたいな」と考えるうちに、「就労移行支援」が浮かびんだと言います。

そして、インターネットでキズキビジネスカレッジ(KBC)を見つけ、「専門的なスキルを身につけることができる」という部分に惹かれて面談を申し込んだそうです。

そこで、自由度が高いプログラムの方が向いていると思い、入所を決断しました。

仕事では常に体力面が心配だったYさんですが、キズキビジネスカレッジ(KBC)には、最初から週に5日通うことができました。

入所前に興味があったのは会計スキルでしたが、入所後は全般的に様々な講義に出て、自分に何が向いているのかを模索するようになったようです。

KBCでスキル学習や自己理解を深めつつ、一般枠ではなく障害者雇用枠での就職活動を開始しました。

その後、大東コーポレートサービス株式会社のインターンに参加し、エントリー、プログラマーとして採用されました。

入社当初は体力面を考慮して、週5日、1日6時間から働くことにしたようです。

問題なく一定期間経ったら、主治医との相談を通じて30分ずつ勤務時間を延ばしており、次のステップでは、フルタイムになると言います。

順調に勤務時間を延ばすことができているので、心身ともに安定できていると感じるそうです。

事例②うつ病・ASD・ADHDの方がライターとして活躍している事例

Mさんは大学受験に失敗して、浪人中にアメリカ・テキサス州の大学への留学の案内を大阪・梅田の留学機関で見つけ、留学を始めました。

しかし留学中は精神的な不調に見舞われることが多くあり、心身に違和感が生じて現地の医療機関を受診したところ、「うつ病」の診断を受けます。

さらに経済不況が追い打ちをかけ、年間200万円ほどの学費を払うのが難しくなり、2年で帰国しました。

帰国後はクリーニング工場のアルバイトを始めたのですが、作業が遅く、10日で辞めることになりました。

こうした留学時の不調やアルバイトのとん挫によって、Mさんは自らの発達障害を疑い、病院で検査を受けました。そして、「アスペルガー症候群」という診断を受けたのです。

その後フリーライターになりますが、収入面で厳しく、やっていけませんでした。

しかし、なんとかライティングに関わる仕事だけは続けたいと思い、編集会社を経由しての校正の仕事も始めました。

しかし発達障害の特性に伴って、コミュニケーションのトラブルや間違いの見落としが多く、仕事が減り続ける悲しい思いをしてきました。

これらのことが積み重なったことに加えて、発達障害の概念や検診の内容が(初めて診断を受けた)10年前よりも進歩してきたため、Mさんは、34歳で2度目の診断を受けることにしました。

すると、ASD(旧・アスペルガー症候群)とともに、ADHDの診断も受けたのです。

自分の仕事のやり方が行き詰まる中、こうした診断を受けたことで、発達障害者が支援を受けられる就労移行事業所を検索して、KBCを見つけました。

記事に必要な要素を短時間でリサーチ・構成し執筆する技法は、スキルの向上につながっていると言います。

これまで取り組んできた校正の仕事では、時間に追われて脱字を見逃しクライアントさんから注意されても、「絶対に失敗してはいけない」という気持ちを持つだけで、具体的にどうすればいいのかがわからないままでした。

しかし、講座を受けてからは、「他人にだけでなく自分にも優しくする」という意識を持ち、そこから「落ち着いて確認すれば、成功する」という方法(考え方)を見つけたのです。

今後は、「Webライティング」の講座で学んだことを活かして、防災をテーマにした文章を書いてみたいというMさん。

「災害への備え」が一番伝えたいテーマだそうです。

うつ病とは?

うつ病とは、気分の落ち込みや憂うつ感、さまざまな意欲の低下などの精神的症状と、不眠、食欲の低下、疲労感などの身体的症状が一定期間持続することで、日常生活に大きな支障が生じる精神障害・気分障害のことです。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、厚生労働省「1 うつ病とは:」、厚生労働省「うつ病に関してまとめたページ」、、厚生労働省「うつ病」、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所「うつ病」、株式会社メディカルノート「うつ病について」、MSDマニュアルプロフェッショナル版「抑うつ症候群」

また、脳の機能が低下している状態、脳のエネルギーが欠乏した状態を指し、脳の中で神経細胞間のさまざまな情報の伝達を担うセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどの神経伝達物質のバランスの乱れや、感情や意欲を司る脳の働きに何らかの不調が生じているものと考えられています。

うつ病の概要や症状、治療方法などについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ:うつ病の人が受けられる支援はたくさんあります

大切なのは、うつ病に伴う悩みを一人で抱え込まずに、誰かに相談することです。

主治医やカウンセラー、家族、友人、そしてご紹介してきた支援機関などに、ぜひ相談してみてください。

ご自身ではなく家族がうつ病になったときは、まず様子を注意深く見て、話を聞いたりしつつ、医療機関を積極的に利用してください。

このコラムが、うつ病の支援に悩んでいるあなたの参考になれば幸いです。

よくある質問(1)

うつ病の人が利用できる支援制度はありますか?

以下が考えられます。

  • 傷病手当金
  • 失業保険(失業手当、雇用保険給付)
  • 自立支援医療制度
  • 障害者手帳
  • 障害年金
  • 労災保険(労働が原因の疾病の場合)
  • 特別障害者手当
  • 特別障害給付金制度
  • 心身障害者医療費助成制度
  • 生活困窮者自立支援制度
  • 生活保護
  • 生活福祉資金貸付制度

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

家族がうつ病なのですが、どうしたらいいのでしょうか?

以下が考えられます。

  • 医療・専門機関の利用を案内する
  • 様子の変化に気づく
  • 話を聞く

詳細については、こちらで解説しています。

監修志村哲祥

しむら・あきよし。
医師・医学博士・精神保健指定医・認定産業医。東京医科大学精神医学分野睡眠健康研究ユニットリーダー 兼任准教授、株式会社こどもみらいR&D統括。 臨床医として精神科疾患や睡眠障害の治療を行い、また、多くの企業の産業医を務める。大学では睡眠・精神・公衆衛生の研究を行っており、概日リズムと生産性、生活習慣と睡眠、職域や学校での睡眠指導による生産性の改善等の研究の第一人者。

【著書など(一部)】
子どもの睡眠ガイドブック(朝倉書店)』『プライマリ・ケア医のための睡眠障害-スクリーニングと治療・連携(南山堂)』
他、学術論文多数

日経新聞の執筆・インタビュー記事一覧
時事メディカルインタビュー「在宅で心身ストレス軽減~働き方を見直す契機に」

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

Amazon
翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

監修角南百合子

すなみ・ゆりこ。
臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2024年10月現在、首都圏・関西に6校舎を展開しています。トップページはこちら→

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