就労移行支援 キズキビジネスカレッジ(KBC) 転職したいADHDのあるあなたへ 成功する人の特徴と向いてる仕事を解説

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

  • 今の仕事が合わないから転職したい
  • でも、合わない仕事・職場だったらどうしよう…

ADHD(注意欠如・多動性障害)のある人の中には、こうした不安を感じながらも、なかなか転職活動を始められずにいる人は少なくありません。

結論からお伝えすると、ADHDのある人でも、転職は可能です。ただし、自分の特性に合わない仕事や職場環境を選ぶと、転職後も同じ困りごとが繰り返されるリスクがあります。

大切なのは、やみくもに転職活動を進めるのではなく、ADHDの特性を理解した上で合う仕事・合う環境を選び、正しいステップで進めることです。

このコラムでは、ADHDのある人に向いてる仕事・避けた方が良い仕事、失敗しない転職活動の進め方などについて解説します。あわせて、ADHDのある人が利用できる就労支援サービスを紹介します。

「次こそ、自分に合った職場で長く働きたい」と考えているあなたの参考になれば幸いです。

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定着率

95%

大手平均:90.1%

一般雇用率

58%

大手A社:14%

就職までの
最短期間

4ヶ月

就労移行支援利用による就職までの平均期間:15.9か月

  • ※各種グラフは、厚生労働省及び大手就労移行支援事業所HPの公開情報をもとに、株式会社キズキで作成
  • ※KBCは2020年9月1日〜2025年11月1日の集計データ

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ADHDの特性に合う環境であれば転職できる

ADHDのある人は、特性に合う仕事・環境を選ぶことができれば、転職しやすくなります。

ADHDの特性は、主に不注意・衝動性・多動性の3つがあり、職場環境や仕事の内容によって強みになります。

例えば、期限や細かいルールの多い経理事務でミスや抜け漏れが続いていた人が、フットワークの軽さを活かせる営業職に転職したことで、持ち前の行動力や瞬発力が評価されるようになったケースがあります。

一方で、筑波大学とKaienの共同調査(2022年度)によると、現在就業中で発達障害のある人の平均転職回数は3.39回にのぼります。(参考:筑波大学・Kaien「発達障害のある方の就業実態調査2022年度版」

「また転職を繰り返すかもしれない」という不安を持つADHDのある人は少なくありません。

しかし、転職を繰り返してきた原因の多くは、特性と環境のミスマッチです。自分のADHDの特性をきちんと把握した上で転職先を選べれば、その不安は大きく減らすことができます。

転職で失敗しやすいADHDのある人の特徴

この章では、転職で失敗しやすいADHDのある人の特徴について解説します。

  1. 特徴①準備不足のまま動く
  2. 特徴②自己理解が浅い
  3. 特徴③似た環境を選んでいる

特徴①準備不足のまま動く

1つ目の特徴は、準備不足のまま転職活動を始めることです。

ADHDのある人の中には、衝動的に行動しやすい特性がある人がいます。

「今すぐ転職したい」という気持ちが先行するあまり、自己分析や職場環境の確認が不十分なまま応募を繰り返すケースも少なくありません。よくある失敗の例は、以下のとおりです。

  • とりあえず気になった求人に応募する
  • 自己分析をせずに転職活動を始める
  • 面接対策が不十分なまま本番を迎える

こうした進め方では、自分の特性や苦手な環境を整理しないまま転職先を選ぶことになるため、入社後に同じ理由で再離職するリスクが高まります。

転職への意欲や行動力はADHDのある人の強みですが、動き出す前にまず準備を整えることが、転職を成功に近づける上で重要です。

特徴②自己理解が浅い

2つ目の特徴は、自分のADHDの特性を十分に把握できていないことです。

「なんとなく今の仕事が合わない」と感じながらも、何が苦手でどんな環境であれば力を発揮できるのかを言語化できていない人は少なくありません。

特性への自己理解が浅いまま転職先を探すと、給与などの条件面だけで判断してしまい、入社後にミスマッチが起きやすくなります。

以下の項目に当てはまる場合、自己理解が不十分である可能性があります。

  • 自分の苦手なことや消耗しやすい状況を把握していない
  • 自分の強みや力を発揮できる環境を言語化できていない
  • 面接で「苦手なことは何ですか?」と聞かれても答えに詰まる

こうした状態で転職活動を進めると、特性に合わない職場を選ぶことになり、「転職したのに状況が変わらない」という悪循環につながりやすくなります。

転職先を探し始める前に、まず自分の特性・得意なこと・苦手なことを整理することから始めましょう。

特徴③似た環境を選んでいる

3つ目の特徴は、特性との相性を確認しないまま、無意識のうちに似た環境を選んでいることです。

給与が高さや家から近いなどの条件面だけを基準に転職先を選ぶと、職場の雰囲気や指示の出し方、業務の進め方まで確認しないまま入社することになります。

条件は申し分なくても、働き方や環境が以前と変わらなければ、同じ困りごとが繰り返されます。

以下のような視点が抜けていないか、一度確認してみましょう。

  • 業務にマルチタスクや突発的な対応が多くないか
  • 指示が口頭のみで曖昧になりやすい職場ではないか
  • 自分の特性に合った配慮を受けやすい環境かどうか

転職で失敗を繰り返す原因の多くは、環境と特性のミスマッチです。条件面だけでなく、自分の特性と職場環境の相性を軸に転職先を選ぶ視点を持つことが、転職を成功させる上で欠かせません。

転職で成功するADHDのある人の共通点

この章では、転職で成功するADHDのある人の共通点について解説します。

  1. 特徴①自己理解を深めている
  2. 特徴②環境・働き方を重視している
  3. 特徴③就労支援サービスを活用している

特徴①自己理解を深めている

1つ目の共通点は、自分のADHDの特性を具体的に把握していることです。

自分がどんな状況で困りやすいかを言語化できていると、感覚ではなく根拠をもとに転職先を絞り込めるため、入社後のミスマッチが起きにくくなります。

自己理解では、以下のような自分の特性を把握できていると、転職活動に役立てることができます。

  • 衝動的に行動しやすい場面がわかっている
  • 締め切りや期限がないと動き出せないことを自覚している
  • マルチタスクになると混乱しやすいことを言語化できている

自己理解を深めるには、これまでの職場でしんどいと感じた場面を書き出し、どんな状況で・何が原因で・どのくらい消耗したのかを整理することから始めてみましょう。

自分の特性を把握できていると、転職先選びの精度が上がるだけでなく、面接での配慮事項の伝え方にも自信が持てるようになります。

特徴②環境・働き方を重視している

2つ目の共通点は、給与や職種だけでなく、自分の特性に合った職場環境や働き方の条件を確認した上で転職先を選んでいることです。

ADHDのある人にとって、指示の出し方・業務の進め方・ルールの明確さは、長く働き続けられるかどうかに直結します。

転職を成功させているADHDのある人は、以下のような視点を持って求人を確認しています。

  • タスク管理ツールの導入や業務マニュアルが整備されているか
  • 在宅勤務やフレックス制度など、自分のリズムで働きやすい環境か
  • 特性への配慮を求めやすい職場かどうか

給与や立地などの条件面だけでなく、自分の特性と環境の相性を軸に転職先を選ぶことが、長く安定して働き続けるための重要な視点です。

特徴③就労支援サービスを活用している

3つ目の共通点は、転職活動を1人で抱え込まず、就労支援サービスや専門家のサポートを早めに活用していることです。

ADHDのある人は、複数の手続きを同時並行で進めること、情報を整理して優先順位をつけることなどに困難を感じやすい特性があります。

転職活動はやることが多く、1人で進めようとするとミスや抜け漏れが起きやすくなります。転職を成功させた人が活用していたサービスの例は、以下のとおりです。

  • 就労移行支援事業所
  • ハローワーク
  • 転職エージェント

支援を早めに活用することで、転職活動の成功率と安定感が高まり、1人では気づきにくかった自分の強みや適した職場像を整理しやすくなります。

転職したいADHDのある人に向いてる仕事

この章では、転職したいADHDのある人に向いてる仕事について解説します。

  1. 仕事①行動力が必要な仕事
  2. 仕事②クリエイティブな仕事
  3. 仕事③高い集中力が必要な仕事

仕事①行動力が必要な仕事

1つ目は、行動力が必要な仕事です。

じっとしていることが苦手で、思い立ったらすぐ行動したくなる特性は、多動・衝動性の強いADHDのある人によく見られます。

デスクワーク中心の職場では、落ち着きがないと評価されがちなこの特性も、フットワークの軽さや行動力が求められる仕事では、明確な強みになります。

行動力が必要な仕事の例は、以下のとおりです。

  • 営業職(ルート営業・外回り営業・新規開拓営業)
  • 記者・ジャーナリスト
  • イベントスタッフ・企画職
  • カメラマン
  • フィールドワーク系の仕事

これらの仕事に共通しているのは、一か所にとどまらず、外に出たり、人と話したり、状況に応じて動き続けたりすることが求められる点です。

多動・衝動性の強いADHDのある人は、そうした環境で持ち前の行動力や瞬発力、発想のスピードが評価されやすくなります。

仕事②クリエイティブな仕事

2つ目は、クリエイティブな仕事です。

次々と新しいアイデアが浮かぶ、想像力が豊か、1つのことに集中するよりも多くのことに興味を持ちやすいなどの特性は、不注意性が強いADHDのある人によく見られます。

注意が散りやすい側面は、見方を変えれば幅広い物事に好奇心を持てることでもあります。

クリエイティブな仕事の例は、以下のとおりです。

  • グラフィックデザイナー・Webデザイナー
  • イラストレーター
  • コピーライター・編集者
  • 映像クリエイター・動画編集者
  • ゲームクリエイター・マンガ家

これらの仕事では、既存の枠にとらわれない発想力や、独自の視点が強みになります。

特に正解が1つではないクリエイティブな領域では、ADHDのある人ならではの独創性が評価につながりやすいです。

仕事③高い集中力が必要な仕事

3つ目は、高い集中力が必要な仕事です。

ADHDのある人の中には、自分の興味や関心が強い分野では、周囲が驚くほどの集中力を発揮できる人がいます。

これは過集中と呼ばれる状態で、興味のあることには何時間でも没頭できる一方、興味のないことにはまったく集中できないという特性の裏返しでもあります。

一方で、過集中の後はどっと疲れが出やすいため、アラームをかけて意識して休憩をとるなど、心身を消耗しすぎないための自己管理も大切になります。

高い集中力が必要な仕事の例は、以下のとおりです。

  • プログラマー・システムエンジニア
  • Webエンジニア・インフラエンジニア
  • 研究者・データアナリスト
  • 作曲家・音楽家
  • 芸術家・職人

福島学院大学大学院教授の星野仁彦氏は、専門的な資格を取得することでなれる専門技術職こそが、ADHDのある人の1番の適職だと述べています。(参考:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち〈職場編〉』

特に、自分の関心分野と職種の専門性が合致したときには、高い成果を発揮できる可能性があります。

自分は何に夢中になれるかを起点に職種を考えるのが、過集中になりやすいADHDのある人にとって重要な視点です。

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転職したいADHDのある人に向いてない仕事

この章では、転職したいADHDのある人に向いてない仕事について解説します。

  1. 特徴①マルチタスクが多い仕事
  2. 特徴②細かな気配りが求められる仕事
  3. 特徴③長時間同じ場所にいなければならない仕事

特徴①マルチタスクが多い仕事

1つ目は、スケジュール管理やマルチタスクが多い仕事です。

複数の業務を同時並行で進めたり、細かなスケジュール調整が求められたりする仕事は、不注意傾向の強いADHDのある人にとって負担になる可能性があります。

また、優先順位をつけるのが苦手な特性がある場合、作業効率が大幅に落ちたり、抜け漏れが頻発したりすることもあるでしょう。

スケジュール管理・マルチタスクが多い仕事の例は、以下のとおりです。

  • 秘書
  • 総務
  • 経理

秘書は、細かなスケジュール調整や来客対応など、臨機応変な対応が常に求められます。総務は業務内容が多岐にわたるため、マルチタスクになりやすく、優先順位をつけることが苦手なADHDのある人には負担が大きい仕事です。

特徴②細かな気配りが求められる仕事

2つ目は、細かい確認作業や正確性が求められる仕事です。

同じ作業を繰り返し正確に行うことが求められる仕事は、不注意性が強いADHDのある人には負担になることがあります。

特に、ミスが許されない環境ではプレッシャーが大きくなり、心身の負担につながる場合があります。

細かい確認作業・正確性が求められる仕事の例は、以下のとおりです。

  • 経理・財務
  • 校正・データ入力
  • 品質管理・検品作業

特に、経理は細かな数字の確認や財務管理を担うため、ミスに対して厳しい環境になりやすい傾向があるため、不注意傾向の強いADHDのある人にとっては、ストレスを感じやすい仕事といえます。

特徴③長時間同じ場所にいなければならない仕事

3つ目は、じっとしていることが求められる仕事です。

長時間デスクに座り続けることが求められる仕事は、多動・衝動性の強いADHDのある人にとって特に負担になりやすいです。

体を動かす機会がなく単調な作業が続く環境では、集中力が続かずパフォーマンスが落ちやすくなります。

じっとしていることが求められる仕事の例は、以下のとおりです。

  • データ入力・事務作業
  • 窓口対応(待機時間が長いもの)
  • 監視・警備業務(動きが少ないもの)

行動力を活かせない環境は、多動・衝動性の強いADHDのある人にとって、特性を抑え込むことへの消耗につながりやすいです。

仕事内容だけでなく、どのくらい体を動かせるかという視点も、転職先選びの軸の1つとして意識してみてください。

ADHDのある人が失敗しない転職活動の進め方

この章では、ADHDのある人が失敗しない転職活動の進め方について解説します。

  1. ステップ①自己分析
  2. ステップ①自己分析
  3. ステップ③応募・面接対策
  4. ステップ④入社準備

ステップ①自己分析

1つ目は、自己分析です。

自己理解が不十分なまま転職先を探すと、ミスマッチによる離職を繰り返す可能性が高まります。

まずは、以下の3つの軸で自分を整理してみましょう。

  • できること:これまでの経験やスキルの中で、比較的スムーズにこなせたこと・評価されたこと
  • 苦手なこと:繰り返しミスが出た場面・強いストレスを感じた状況・うまく対応できなかった経験
  • 配慮事項:職場に事前に伝えておきたいこと(マルチタスクへの困難さ・忘れ物・時間管理の苦手さなど)

また、以下のような問いに答えながら自己分析を進めてみましょう。

  • 今までの職場で、どんな場面でミスが多かったか
  • 反対に、どんな仕事なら集中して取り組めたか
  • 「もっとこういう環境なら働きやすかった」と思ったのはどんなときか
  • 上司や同僚から褒められた経験はどんなことか

ADHDのある人は、自分の特性を客観的に把握することが難しい場合もあります。

就労移行支援事業所やハローワークの専門支援員に相談しながら進めると、第三者の視点からフィードバックをもらえるため、より精度の高い自己分析ができます。

ステップ②仕事・働き方選び

2つ目は、仕事・働き方選びです。

自己分析で整理した内容をもとに、自分の特性に合う仕事・職場環境・雇用形態を選びましょう。

ADHDのある人にとって、向いてる仕事を選ぶことも重要ですが、同じくらい職場環境も重視する必要があります。

そのため、求人票を確認する際は、以下のポイントに注目してみてください。

  • 業務内容の明確さ
  • 職場環境の記載
  • 配慮への姿勢
  • 残業・休日の実態

また、働き方については正社員や一般雇用だけにこだわる必要はありません。自分の特性や体調、生活リズムに合った雇用形態を選ぶことが、長く安定して働き続けることにつながります。

ADHDのある人が検討できる雇用形態の例は、以下のとおりです。

  • 障害者雇用(オープン就労):職場側に配慮を求めやすく、支援を受けながら働ける
  • 派遣社員:さまざまな職場環境を試しながら、自分に合う環境を見つけやすい
  • アルバイト・パートタイム:体調や生活リズムに合わせて働く時間を調整しやすい
  • フリーランス:自分のペースで働ける一方、スケジュール管理や経理などは自分で行う

なお、フリーランスはADHDのある人に向いてるといった意見もありますが、締め切りの自己管理や事務作業の負担が増えるという側面もあります。

一般論にとらわれすぎず、自分の特性と照らし合わせて検討することが大切です。

雇用形態の種類や特徴については、以下のコラムも参考にしてください。

ステップ③応募・面接対策

3つ目は、応募・面接対策です。

職務経歴書では、これまでの業務経験やスキルをわかりやすく伝えることが基本です。

ADHDのある人の場合、行動力がある・アイデアを出すことが得意・深い集中力を発揮できるなどの強みを、具体的なエピソードとともに記載すると、採用担当者に伝わりやすくなります。

配慮事項を記載する場合は、「〇〇が苦手です」という表現だけでなく、「〇〇の場合は△△の方法で対応しています」と、対処法もセットで記載すると、前向きな印象を与えやすくなります。

しかし、完璧な書類を目指す必要はありません。自分の経験や特性を、自分の言葉で正直に伝えることが、採用担当者にきちんと自分を知ってもらうことにつながります。

面接対策の詳細はこちらで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

ステップ④入社準備

4つ目は、入社準備です。

転職後に安定して働き続けるために、以下のような準備をしておきましょう。

  • 入社後に配慮してほしいことを書き出しておく
  • 困りごとが生じたときの相談先を把握しておく
  • ストレス発散の方法を決めておく
  • マイルールを作っておく
  • 就労定着支援の利用を検討する

就労定着支援とは、病気や障害のある人が、就職後、退職せずに長く働けるように支援するサービスです。

就労定着支援を受けた発達障害のある人の1年後の職場定着率は約80.0%で、受けなかった人の約61.6%と比べて約20%も高いという調査結果もあります。(参考:障害者職業総合支援センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」

就労定着支援を含め、入社後も長く働けるよう自分自身に必要な準備を入念に行っておくことが大切です。

就労定着支援については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

転職したいADHDのある人のための面接対策

この章では、転職したいADHDのある人のための面接対策について解説します。

  1. 対策①面接のよくある質問を把握する
  2. 対策②それぞれの質問に対する回答を準備する
  3. 対策③ADHDの特性や空白期間の説明を用意する

対策①面接のよくある質問を把握する

1つ目は、面接のよくある質問を把握することです。

面接でよく聞かれる質問例は、以下のとおりです。

  • 自己紹介・自己PRをお願いします
  • 志望動機を教えてください
  • 前職を退職した理由を教えてください(転職の場合)
  • 得意・不得意なことを教えてください
  • 将来の目標やビジョンを教えてください
  • 何か質問はありますか(逆質問)

これらの質問は、一般雇用・障害者雇用を問わず聞かれることが多いものです。また、障害者雇用やオープン就労の場合は、特性や配慮に関する質問が加わります。

  • ご自身の特性の内容について詳しくお伺いできますか
  • どのような配慮があれば働きやすいですか

どのようなことを聞かれるかを把握しておくだけでも、面接への緊張感が和らぐはずです。

対策②それぞれの質問に対する回答を準備する

2つ目は、それぞれの質問に対する回答を準備することです。

回答を用意する際は、「〇〇が得意です」「〇〇を経験しました」で終わらせるのではなく、具体的なエピソードや数値を交えて話せるように準備しておくと、説得力が増します。

また、苦手なことを伝える際は対処法をセットで伝えることで、自己理解ができている人材という印象につながります。

いくつかの質問について、回答例とポイントを紹介します。

回答を準備できたら、実際に回答を文章として書き出し、声に出して練習しましょう。

頭の中だけで考えていると、本番で言葉が出てこなくなりやすいため、必ず声に出す練習をしておくことが大切です。

対策③ADHDの特性や空白期間の説明を用意する

3つ目は、ADHDの特性や空白期間の説明を用意することです。

特性や空白期間の説明は、準備なしに本番を迎えると言葉に詰まりやすくなるため、事前に説明を整理しておきましょう。

特性を伝える際の回答例は、以下のとおりです。

困りごと・対処法・必要なサポートの3点を簡潔にまとめておくと、面接担当者に具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。

空白期間がある場合も、事前に説明を用意しておきましょう。回答例は、以下のとおりです。

空白期間を立ち止まっていた時間ではなく、準備に充てた時間として伝えると、前向きな印象を与えやすくなります。資格取得・支援機関の利用・体調管理など、空白期間中に取り組んだことを具体的に伝えられると、より説得力が増します。

転職したいADHDのある人が利用できる就労支援サービス

ADHDのある人が転職活動で利用できる就労支援サービスは複数あります。

利用できるサービスを知っておくだけで、1人で抱え込まずに転職活動を進めやすくなります。

  1. 転職したいADHDのある人の就労支援サービスの選び方

詳しくは、発達障害のある大人が利用できる支援制度・支援機関をご覧ください。

転職したいADHDのある人の就労支援サービスの選び方

就労支援サービスはいくつもあるため、自分の状況に合ったものを選ぶことが大切です。

転職の準備段階から丁寧にサポートを受けたい場合は、就労移行支援事業所が適しています。具体的には、以下のような人に向いています。

  • 何から始めればいいかわからない
  • 自己分析・スキルアップ・書類対策・面接練習まで一貫してサポートを受けたい
  • 転職活動に不安を感じており、時間をかけて準備を進めたい

とにかく早く求人を探して応募を始めたい場合は、ハローワークや転職エージェントが適しています。具体的には、以下のような人に向いています。

  • 求人を探したい
  • 障害者雇用枠の求人を探したい
  • 求人の絞り込みや応募のスケジュール管理もサポートしてほしい(転職エージェント)

自分の特性について相談したい場合は、発達障害者支援センターや精神保健福祉センターが適しています。具体的には、以下のような人に向いてます。

  • 自分はADHDかもしれないという段階で、診断をまだ受けていない
  • まず誰かに話を聞いてほしい
  • 医療機関への相談窓口を探している

就職後の職場定着にも不安がある場合は、障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターが適しています。具体的には、以下のような人に向いてます。

  • 転職後のフォローアップまで含めてサポートを受けたい
  • 「転職できても、また同じことになるかもしれない」という不安がある

いずれのサービスも、自分の状況に合った相談先を早めに見つけておくことが、転職活動をスムーズに進める上で大切です。

無理なく働くために高度なスキルを習得しませんか?

不安を抱えながら転職活動を進めているADHDのある人は少なくありません。

キズキビジネスカレッジ(KBC)は、そうした不安を抱えるADHDのある人の転職を、就労移行支援という形でサポートしている就労移行支援事業所です。

就労移行支援とは、一般企業への就職を目指す病気や障害のある人に向けた、障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。

体調管理の方法・職場でのコミュニケーションの基礎スキル・就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、就職活動でのアドバイスや就職後の職場定着支援まで含む総合的なサポートを受けられます。世帯収入によっては、利用料が0円になる場合もあります。

キズキビジネスカレッジ(KBC)には、ADHDのある人が転職活動で感じやすい不安や悩みに応えられる、以下のような強みがあります。

  • 長く働ける職場に出会いたい人に向けた適職診断・個別の就労プラン設計
  • プログラミング・Webデザイン・経理・英語など、ADHDのある人が強みを活かしやすい専門スキル講座
  • 「衝動的に動いてしまって後悔した」「計画どおりに進められない」などの悩みに対応したセルフマネジメント支援
  • 就職して終わりではなく、転職後の職場定着まで見据えたサポート体制

転職に不安を感じているADHDのある人は、まず気軽に相談してみてください。

就労移行支援について詳しくは、以下のコラムを参考にしてください。

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ADHDと転職に関するよくある質問

この章では、ADHDと転職に関するよくある質問に回答します。

  1. Q1.ADHDの特性もあり転職を繰り返しているけど何回までなら大丈夫?
  2. Q2.ADHDの特性を活かして転職したいけど未経験でも可能?
  3. Q3.ADHDのある人にとって障害者雇用と一般雇用どちらがいい?

Q1.ADHDの特性もあり転職を繰り返しているけど何回までなら大丈夫?

「〇回までなら大丈夫」という明確な目安はありませんが、転職回数が増えるほど採用担当者に「すぐに辞めるのではないか」という懸念を持たれやすくなるのは事実です。

一方で、これまでの退職理由をきちんと説明できれば、企業側の不安を払拭できる場合もあります。

例えば、「職場環境のミスマッチが原因だったが、今回は自己分析を深めた上で応募している」「就労移行支援を利用して転職準備を整えた」など、具体的な改善の経緯を伝えられると、転職回数そのものよりも前向きな姿勢を評価してもらいやすくなります。

転職回数への不安を感じている場合は、転職エージェントや支援機関に相談しながら、応募先の選び方と伝え方を一緒に考えるのがオススメです。

Q2.ADHDの特性を活かして転職したいけど未経験でも可能?

年齢やスキルの状況によって、現実的かどうかが変わります。

25歳前後までの第二新卒枠であれば、ポテンシャルを重視する企業が多いため、未経験職種への転職は比較的進めやすいです

基本的なPCスキルやビジネスマナーがあれば、データ入力・IT補助・販売職などへの転職を実現できるケースがあります。

30代以降になると、企業側が即戦力を求めることが多くなるため、スキルなしでの転職は難しくなる傾向があります。

プログラミング・デザイン・Webマーケティングなど、ADHDのある人が強みを活かしやすい分野のスキルを習得した上で転職活動を進めると、選択肢が広がるでしょう。

「やりたい仕事はあるけど何から始めればいいかわからない」という場合は、まず支援機関に相談してみてください。

Q3.ADHDのある人にとって障害者雇用と一般雇用どちらがいい?

どちらが絶対によいとは言えず、自分の状況や優先したいことによって変わります。

障害者雇用は、特性を開示した上で配慮を受けながら働けるため、職場定着を重視する場合に合っています。

マルチタスクの軽減や業務量の調整など、具体的な配慮を求めやすい点がメリットです。ただし、一般雇用と比べて給与水準が低くなる場合があります。

一般雇用は給与水準やキャリアの選択肢が広がりやすい反面、クローズ就労では配慮を受けにくく、ミスマッチが生じるリスクがあります。なお、一般雇用でも特性を開示するオープン就労を選べば、配慮を求めながら働ける可能性もあります。

1つの目安として、配慮がなくても業務に支障が出にくい場合は一般雇用、過去に職場環境のミスマッチで離職を繰り返してきた経験がある場合は障害者雇用、を検討すると安心して長く働き続けやすくなるでしょう。

まとめ:ADHDの特性を踏まえて転職先を選びましょう

自己分析を深め、自分の特性に合う仕事・環境・雇用形態を正しい手順で選んでいくことが、転職を成功させる上で最も重要です。

「自分の特性がよくわからない」「どこから手をつければいいかわからない」と感じているなら、就労移行支援などの支援機関に相談することから始めてみてください。

1人で抱え込まず、専門家と一緒に進めることで、転職活動はよりスムーズになります。

このコラムが、ADHDのある人の転職のヒントになりましたら幸いです。

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よくある質問(1)

転職で失敗しやすいADHDのある人の特徴はどんなものがありますか?

以下が考えられます。

  • 準備不足のまま動く
  • 自己理解が浅い
  • 似た環境を選んでいる

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

転職したいADHDのある人のための面接対策を教えてください。

以下が考えられます。

  • 面接のよくある質問を把握する
  • それぞれの質問に対する回答を準備する
  • ADHDの特性や空白期間の説明を用意する

詳細については、こちらで解説しています。

監修志村哲祥

監修キズキ代表 安田祐輔

監修角南百合子

すなみ・ゆりこ。臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。

サイト
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