就労移行支援 キズキビジネスカレッジ(KBC) ADHDのある大人の仕事対策 仕事を続けるコツを解説

こんにちは。就労移行支援事業所・ キズキビジネスカレッジ(KBC) です。

仕事の悩みを感じやすい大人のADHD(注意欠如・多動性障害)。男性に多いと言われることもありますが、もちろん女性もいます。

このコラムでは、ADHDのある人が仕事を続けるコツ、配慮を得る方法、仕事探しのポイント、適職、受けられる支援など、仕事の悩みを解決する方法 を徹底解説します。

ADHD傾向の同僚や部下を持つ人にとっても有益な内容を含んでいるため、そういった人もぜひ参考にしてください。

仕事にお悩みのADHDのあるあなたへ
キズキビジネスカレッジに相談してみませんか?

定着率

95%

大手平均:90.1%

一般雇用率

58%

大手A社:14%

就職までの
最短期間

4ヶ月

就労移行支援利用による就職までの平均期間:15.9か月

  • ※各種グラフは、厚生労働省及び大手就労移行支援事業所HPの公開情報をもとに、株式会社キズキで作成
  • ※KBCは2020年9月1日〜2025年11月1日の集計データ

相談・見学・資料請求は無料です!
入力約1分。お気軽にお問い合わせください。

相談予約

大人のADHDとは?

 ADHDとは?

この章では、ADHDの主な特性・長所、大人のADHDについて簡潔に解説します。 (参考:岩波明『 大人のADHD:もっとも身近な発達障害 』、榊原洋一『 図解 よくわかる大人のADHD 』)

  1. 大人のADHDの概要
  2. ADHDのある大人が仕事で活かせる長所
  3. 補足:女性のADHDについて

大人のADHDの概要

ADHDは、以前は子ども特有の発達障害と考えられていました。しかし、2013年にアメリカ精神医学会の定める『 DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル 』で成人のADHDが規定されたことで、近年では職業や仕事の進め方に悩んでいる大人のADHDが注目されています。

大人のADHDとは、生まれたときからADHDだったが、大人になってからADHDだと気づいた状態のことを指します。大人になってからADHDになったわけではない点に注意が必要です。

就職後に正確な処理・確認作業・管理業務を求められるようになったことで、ADHDの特性があることに気付いた人は少なくありません。

現段階で診断を受けておらず、「自分もADHDではないか」と疑っている人は、発達障害者支援センター( 全国の一覧はこちら )のような支援機関に相談することをオススメします。必要であれば、病院・クリニックでの検査も受けましょう。

大人のADHDについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

ADHDのある大人が仕事で活かせる長所

ADHDの特性の中には、業務内容とマッチすることで活かせる長所が複数あります。

  • 発想力に富んでいてアイディアが豊富
  • 好奇心旺盛で新しいことにチャレンジできる
  • 興味のある分野には没頭できる
  • 決断力があるのでスピーディーに物事を判断できる
  • 感覚に優れていて周囲の環境に敏感

※一般論であり、ある個人に全てが該当するわけではありません

特性に合う仕事や適職はあります。また、後で紹介するようなコツなどを実践しながら社会で活躍することも可能です。ご安心してください。

補足:女性のADHDについて

女性のADHDについて

ADHDの割合は、2000年前後には「男性:女性=2.5〜5.1:1」と、男性のケースが多く報告されてきました。

しかし、2010年以降は女性のADHDにも注目が集まるようになり、2013年の『DSM-V』では、成人期は「男性:女性=1.6:1」となっています。

依然として男性が多いことは事実です。しかし、昔ほどにはADHDには男女差があると言えないのです。 (参考:吉益光一「 注意欠如多動性障害(ADHD)の疫学と病態:遺伝要因と環境要因の関係性の視点から 」)

それでも、ADHDのある女性はかなり少ないという偏見は根強いようです。こうした偏見によって、ADHDのある女性(に特有)の悩みや、ADHDのある女性へのフォローが見過ごされている可能性については考えなくてはならないでしょう。

このコラムを読んでいるあなたが女性なら、そういう偏見による苦労もあったかもしれません。

このコラムでご紹介する、仕事の現場で実践できる対策や仕事術などは、基本的には、男女問わずに実践できるものが多いです。その上で、特によくお聞きする、女性ならではのお悩みや対策も紹介しますので、ぜひ、参考にしてください。

ADHDのある大人に向いてる仕事10選と向いてる働き方

 ADHDのある大人の適職と向いてる働き方

ADHDのある大人に向いてる仕事はたくさんあります。この章では、ADHDのある大人に向いてる仕事と、向いてる働き方を紹介します。

ご紹介する適職や不向きな仕事は、あくまでも参考例です。繰り返しになりますが、ADHDの特性には個人差があります。各職業の環境、職場や業務内容によって、実際のあなたに合うかどうかは異なります

就労移行支援施設や就職エージェントなどに相談しながら検討することで、自分に向いてる仕事が見つかるはずです。

ADHDのある大人に向いてる仕事は、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

  1. ADHDのある大人に向いてる仕事10選
  2. ADHDのある大人に向いてる働き方

ADHDのある大人に向いてる仕事10選

ADHDのある大人に向いてる仕事を判断するときは、以下のように、不注意傾向と多動・衝動性の傾向のどちらが強いかで分けて考えるとよいでしょう

1.不注意傾向が強い場合|クリエイティブ系の職業
  • デザイナー
  • アニメーター
  • イラストレーター
2.多動・衝動性が強い場合|行動力や集中力を活かせる職業
  • 営業職
  • ジャーナリスト
  • カメラマン
  • 起業家
  • プログラマー
  • エンジニア
  • 研究者

一般論としては、作業の正確さよりも、アイディアや独創性が求められる仕事の方がマッチしやすいです。

また、ADHDのある大人は、自分の興味・関心と職種の専門性が合致したときに活躍しやすいと言われています。

ADHDのある大人に向いてる働き方

ADHDのある大人には自由度の高い働き方がマッチしやすいです。特に、多動・衝動性が強い人ほど、柔軟性の高い就労形態の方が合うでしょう。

具体的には、以下の3つの働き方がマッチしやすいと考えられます。

  • フレックス制
  • 裁量労働制
  • フリーランス

以上の中でも、フリーランスが最も自由度が高いです。最近ではクラウドサービスの浸透によって、時間や場所を気にせずに働ける環境が整っています。

ただし、社会保険の加入手続きや法人税の申告などは自分でしなくてはならない、収入が安定しない可能性があるなどの注意点もあります。

以上、ADHDのある大人の適職の概要をご紹介しました。詳細は、以下のコラムをご覧ください。

ADHDのある大人に向いてない仕事3選

この章では、ADHDのある大人に向いてない仕事を紹介します。

ADHDのある大人には、スケジュール管理や事務能力が求められる仕事は向かない可能性が高い考えられます。

ADHDのある大人に向いてないと言われる仕事
  • 秘書
  • 経理
  • 総務

ADHDのある大人が仕事を続ける6つのコツ

 ADHDのある大人が仕事を続けるコツ

ADHDのある大人が仕事を長続きさせることはもちろん可能です。そのためのコツもあります。このコラムでは、要点のみを6点だけ紹介します (参考:司馬理英子『 大人の発達障害 アスペルガー症候群・ADHD シーン別解決ブック 』、對馬陽一郎『 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の方が上手に働くための本 』)。

ADHDがあっても、仕事を続けることはできるという安心材料にしていただいた上で、実際のあなたに有効なコツや考え方などは、後述する支援団体などと話をすることで、具体的に見つかるはずです。

  1. コツ①自分の特性を理解する
  2. コツ②病院やカウンセリングを利用する
  3. コツ③支援機関に相談する
  4. コツ④上司・同僚に相談する
  5. コツ⑤自力でできる仕事術を取り入れる
  6. コツ⑥特に女性の場合:転職・就職の際は、自分の特性を活かすことを意識する

コツ①自分の特性を理解する

ADHDのある大人は、まずは自分の特性を理解することから始めましょう。一口にADHDと言っても、特性には個人差があります。

特性が現れるシチュエーションや、それが仕事にどこまで影響するかは人それぞれです。あなた自身の特性を知ることが大切です。

特性の理解は、仕事以外の場面で配慮を得たいときにも役立ちます。助けが必要なときに困りごとや苦手なことを具体的に伝えられると、適切なサポートを受けやすくなります。

コツ②病院やカウンセリングを利用する

②病院やカウンセリングを利用する

ADHDのある大人は、定期的に病院やカウンセリングを利用しましょう。特性や困りごとについての専門的なアドバイスを受けられます。

相談やアドバイスを通じて、前項の自分の特性についての理解も深まります。また、悩みを話すだけでも精神的に楽になれるはずです。

状況によっては、治療薬の服用を提案されることもあるでしょう。その場合は、持病や既往歴などをしっかり伝えた上で、医師とよく相談するのがベターです。服用する場合は、用法・用量に注意して、忘れずに服用するようにしましょう。

コツ③支援機関に相談する

病院やカウンセリング以外にも、ADHDのある大人が利用できる支援機関はたくさんあります。仕事に限らず、日常生活に関することでも、悩みがあるなら支援機関に相談しましょう。

相談のみであれば、基本的に障害者手帳は必要なく、無料で支援を受けられるところが多いです

後述する就労移行支援事業所のように、就職の支援やインターンの紹介などをしているところもあります(私たち キズキビジネスカレッジ も就労移行支援事業所のひとつです)。

コツ④上司・同僚に相談する

④上司・同僚に相談する

仕事を長く続けるためには、職場での人間関係が重要です。特にADHDなどの発達障害がある人は、特性について、上司や同僚などの職場の人の理解を得ておくと仕事がしやすくなるでしょう。

とはいえ、必ずしもADHDのことを伝えなくてはならないわけではありません。伝えない方が(周囲に知られていない方が)、仕事がしやすい人もいます。

その場合は、ご自身の性格や得意・不得意と絡めながら、あなたの無理のない範囲で相談しましょう

具体的にどのように相談するかそのものも、③④のサポート団体などと相談できます。

コツ⑤自力でできる仕事術を取り入れる

自力でできる仕事術を身につけることも効果的です。具体的には、以下の仕事術がADHDのある大人に役立つと言われています。

  • ADHDのある大人が自力でできる仕事術
  • 整理整頓だけする時間を設定する
  • 持ち物などは前日に準備する
  • 徹底的にリスト化する
  • ゲーム要素を取り入れる
  • タスク管理のアプリやツールを利用する

さまざまな方法を試しつつ、あなたの特性に合わせて仕事術をカスタマイズしましょう。ADHDの仕事術を詳しく知りたい人は、以下のコラムをご覧ください。

コツ⑥特に女性の場合:転職・就職の際は、自分の特性を活かすことを意識する

⑥特に女性の場合:転職・就職の際は、自分の特性を活かすことを意識する

現実として、女性ならではとみなされがちな気配り(いわゆる女性らしさ)を求められる職場はまだあります。

いわゆる女性らしさはADHDの特性と反していることも多いです。そういう職場だと、抜け漏れが多いことで「気が利かない」と言われる(=低い評価を受ける)かもしれません。

職種や職場環境を考えるときには、自分の性別を職場にマッチさせるのではなく、自分の特性を職場にマッチさせる(自分の特性を活かせる職場を探す)方がよいでしょう。

また、そうした女性だから職場や社会で求められることへの対応については、ADHDとは別の観点として、女性支援団体の相談やカウンセリングを活用する方法もあります(大阪府の例として、「 ドーンセンター 」など)。

※以上をお読みになって、「女性に『いわゆる女性らしさ』を求める社会・職場を変えなくていいの?」などと感じるかもしれません。その観点については、このコラムの直接的な趣旨に鑑みて省略している旨、ご理解いただければ幸いです。

ADHDのある大人に多い仕事の悩み

ADHDのある大人が感じやすいのは、仕事の悩みです。とりわけ、以下のような悩みを抱えやすいと言われています。

ADHDのある大人が感じやすい仕事の悩み
  1. 整理整頓がうまくできない
  2. 記入漏れなどのミスや忘れ物が多い
  3. 人の話をしっかり聞くことが苦手(※)
  4. スケジュールの先延ばしや遅刻をしやすい
  5. タスク管理がうまくいかない
  6. 気が散りやすくて集中できない
  7. 興味のあることしかする気になれない
  8. 自分に合う働き方や向いてる職業がわからない
  9. 誰に(どこに)相談すればよいかわからない

以上からもわかるように、不注意の特性から生じる悩みが大半です。作業の正確性はどの仕事でも求められがちなため、不注意の特性と噛み合わず、転職を繰りかえしている人も多いでしょう。

結果として「適職が見つからない」「誰に頼っていいかわからない」など、困りごとを抱えるADHDのある大人は少なくありません(支援機関については詳述します)。

なお、以上の悩みや対策については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

補足:ADHDのある大人の女性に多い悩み

特にADHDのある大人の女性に多い悩み

ADHDに関係する悩みには、現実として男女差があることは、KBCの実感としてあります。以下、特に女性の(女性ならではの)よくあるお悩みを紹介します。

前章も同じなのですが、よくある悩みということは、対策などもたくさんの人が考えたり試したりしているということです。以下のようなお悩みに共感する方は、ぜひサポート団体などと話をしましょう。

  • いわゆる女性らしさ、女性ならではの(=細やか・丁寧な)気配りを求められる職場で、低い評価を受けることがある
  • ADHDの特性に本人が悩んでいても、周囲から天然、おっちょこちょいなどと(特に学生のうちは)可愛らしい特徴として評価されていると、真剣に受け止めてもらいにくい
  • 家事ができないことで悩んでいても、悩んでいる場が家庭内であると、仕事の場と比べて支援を受けにくい
  • 育児の悩みを発達障害に詳しくない人に相談しても、「お母さんなんだからちゃんとしないと」と母親としての意識不足を指摘されるだけで根本的な解決にならず、子どもに影響することがある(食べさせてはいけないものを食べさせた、子どもの怪我や病気に気づきにくい、学校の提出物がいつも遅れるなど)

※以上のようなことにお悩みの男性もいるかもしれません。その上で、以上の内容は現在の現実として、女性に多いお悩みとしてご紹介している旨、ご理解いただければ幸いです。

ADHDのある大人が職場で配慮を得るための3ステップ

 ADHDのある大人が職場で配慮を得るための3ステップ

ここではADHDのある大人が職場で配慮を得るための、具体的な手順を紹介します。就業先の慣習やルールにもよりますが、以下の3ステップが一般的です。

  1. 専門医から診断を受ける(診断書は必要ない場合もあります)
  2. (支援団体とも話しながら)困りごとや職場で得たい配慮を明確化する
  3. 上司や人事を担当する部署に配慮を得たい旨を伝えて相談する

配慮を得るときに意識しておきたいポイントは、上司や人事を担当する部署が知りたいのは、ADHDの一般的な特性ではなく、あなた個人の困りごとや苦手なことです。

医師やサポート団体などとも話しながら、あなたのことをどう伝えるかを考えていきましょう。

また、お勤め先に産業医がいれば、産業医を交えて話すのも一つの手段です。

ADHDのある大人の仕事探しのポイント4点

ADHDの傾向がある人が仕事探しをする場合、大切にしたいポイントが4点あります。

順に説明していきます。

  1. ポイント①二次障害がある場合、まずは治療に専念する
  2. ポイント②就職に強い支援機関を利用する
  3. ポイント③転職エージェントを利用する
  4. ポイント④一般論ではなく、自分に合った職場・仕事かどうかを判断基準にする

ポイント①二次障害がある場合、まずは治療に専念する

二次障害のある人は、仕事探しの前に、治療に専念することをオススメします。

就職活動にはある程度の体力が必要です。健康な状態にあることで、調子を崩さず、就職活動も、就職してからの労働も、スムーズに進みます。

逆に、面接で元気がなかったり、顔色が悪かったりすると、採用側に「雇用しても大丈夫だろうか」という懸念も生じるでしょう。

就職が決まった場合も、いわゆる燃え尽き症候群のように疲れがどっと出ることがあります。体調は万全に整えておきましょう。

ポイント②就労移行支援所を利用する

発達障害者が利用できる支援機関はたくさんあります。

その中の一つ、就労移行支援事業所では、就職に向けたスキルの講習や面接指導などを行っています。サービス内容は、以下のように多岐に渡ります。

  • 転職のための知識・技能の習得
  • 履歴書・経歴書の作成支援
  • 職場体験実習(インターン)の紹介
  • 転職先候補の紹介
  • 転職後の職場定着支援など

利用の可否は、お住まいの自治体が、以下のような条件に基づいて判断します。

利用条件
  1. 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などがある
  2. 18歳以上で満65歳未満の人
  3. 離職中の人(例外あり)
問い合わせ先
  • お住まいの自治体の役所
  • 各就労移行支援事業所

就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

ポイント③転職エージェントを利用する

民間の転職エージェントを利用するのも、よくある方法です。就職先にADHDのことを明かさないクローズ転職での利用はもちろん、近年では、(発達)障害者に特化した就職支援を行っているエージェントもあります。

転職エージェントは在職中・休職中・退職後のいつでも利用できます。いくつか話をし、ご自分に合いそうなところを(並行的に)利用しましょう。

ポイント④一般論ではなく、自分に合っているかどうかを判断基準にする

④一般論ではなく、自分に合っているかどうかを判断基準にする

仕事探しをするときには、一般論ではなく、自分に合っているかどうかを判断基準にして検討しましょう。

求人情報を見ていると、条件のよさに目を奪われることもあるでしょう。ですが、ご自身に合う職場でこそ、長く働き続けられます。

合うかどうかは、ADHDの特性に限らず、興味・関心、得意・不得意、スキル、職場環境、通勤手段、人間関係など、さまざまな観点が考えられます。

条件だけに気を取られずに、自分のことを意識しましょう(前述の就労移行支援事業所や転職エージェントでは、そういうことも相談できます)。

ADHDのある大人の働き方の選択肢:障害者雇用・一般枠

この章では、ADHDのある大人の働き方の選択肢について解説します。

  1. ADHDのある大人の働き方には、障害者雇用という選択肢もある
  2. エントリーごとに障害者雇用・一般枠を選べる
  3. 支援団体を利用することで、あなた向きの働き方がわかる

①ADHDのある大人の働き方には、障害者雇用という選択肢もある

ADHDのある大人の働き方には、障害者雇用という選択肢もあります。

障害者雇用とは、障害者を対象とする求人・雇用枠のことです(障害者雇用ではない求人・雇用は一般枠と呼ばれています)。一般的には、障害者雇用で働くためには、障害者手帳の所持が必須です。

障害者雇用では、発達障害の特性や程度に応じて、業務内容や業務量への配慮を得ながら働けます。一方で、障害者雇用は、一般枠に比べると、給与水準や昇進などのキャリア面において、待遇が低い傾向にあります。

②エントリーごとに障害者雇用・一般枠を選べる

障害者雇用を選択肢に入れた就職活動では、以下のように柔軟な求人探し・エントリーが可能です。

  • 障害者雇用の求人に限ってエントリーする
  • 基本的には障害者雇用の求人にエントリーしながら、向いてそうな一般枠の求人があればそれにもエントリーする
  • 基本的には一般枠の求人にエントリーしながら、向いてそうな障害者雇用の求人があればそれにもエントリーする

③支援団体を利用することで、あなた向きの働き方がわかる

③支援団体を利用することで、あなた向きの働き方がわかる

一般枠と障害者雇用のどちらがよいかは、一概には言えません。実際のあなたと各職場の相性などによるからです。

また、障害者雇用と一般枠では、エントリーシートや面接などでアピールする内容も変わります。

以上を踏まえて、就職・転職活動をどのように進めていくかについても、後述する支援団体と話をすることで、スムーズに進むはずです。

障害者雇用については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

ADHDのある大人が退職を選択する前に選べる選択肢:異動・休職

ADHDのある大人は、衝動性の特性も相まって、今の仕事をつい辞めたくなることもあるでしょう。

しかし、すぐに退職することは、あまりオススメできません。退職前にできる方策が、たくさんあるからです。

  1. 異動
  2. 休職(二次障害がある場合)

①異動

人事を担当する部署や支援機関に、異動(配置転換、転勤、時短勤務など)について相談しましょう。

退職・転職しなくても、部署・担当業務・勤務場所などが変わるだけでも、精神的な負担が減るはずです。特に、退職の経歴が増えることに抵抗がある場合は、この方法がベターでしょう。

職場として今すぐの、本格的な対応ができない場合でも、一時的な対応はできる場合もあります。

  • 今すぐの転勤はできないが、一時的にリモートワークを行う
  • 今すぐの異動はできないが、担当業務を同僚と交換する

②休職(二次障害がある場合)

②休職(二次障害がある場合)

ADHDのある人は、二次障害で健康を損ねている人もいます。その場合は、退職の前に休職することをオススメします。

勤め先によっては、休職中も、一定期間は給与が保障される場合があります(それ以外にも公的な経済支援を利用できる可能性もあります)。

休職中には、転職に向けた準備をすることも可能です。すでに転職を検討している人も、まずは休職を取って、調子を整えながら判断するとよいでしょう。

休職については、次章で詳細に解説します。

ADHDのある大人が休職する際の確認事項・手順・仕事復帰

ADHDのある大人が二次障害に伴って休職するときの確認事項・手順・仕事復帰について、簡単に解説します。

  1. 休職前の確認事項
  2. 休職までの手順
  3. 休職後の仕事復帰について
  4. 現職復帰などをサポートするリワーク

①休職前の確認事項

①休職前の確認事項

休職の手続きを取る前に、以下の2つの事項を確認しておきましょう。

  • 貯蓄などの経済面
  • 就業規程の休職中の給与支給と休職可能な期間

心身の調子を崩しているときには休養を取ることが最優先ですが、経済的な不安があると落ちついて休めないかもしれません。休職に入る前に、貯蓄や休職中の給与支給の有無を確認しましょう。

休職中に給与が支給されなくても、傷病手当金のような支援を利用できる場合があります。

経済的支援については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。(※うつ病ある人に向けて書いたコラムですが、各支援の内容はADHD(の二次障害)がある人にも参考になります)。

②休職までの手順

休職の手続きは、基本的に以下の4ステップに分かれます(お勤め先の就業規則などにもよります)。

  1. 専門医による診断書の発行
  2. 上司との面談
  3. 人事担当者との面談
  4. 休職申請書類と診断書の提出(※)

勤め先がいわゆるブラック企業で、休職を渋られたり退職を迫られたりした場合には、以下のような相談先があります。

  • 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省の委託事業)
  • 法テラス(国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」)
  • 各自治体の役所が行う、法律やお悩みの相談会

③休職後の仕事復帰について

③休職後の仕事復帰について

充分な休養を取って調子を取り戻してから現職に復帰する場合、一般的には、以下の3つの過程を辿ることになります。

  1. 医師から復職可能の診断を受ける
  2. 上司や人事担当者と業務について相談する
  3. 必要な人事書類を提出して復職する

休職に入るときと同様に、復職可能の旨が記載された診断書を人事を担当する部署に提出する必要があります。

復職前に勤め先の産業医面談を受けるように言われることもあります。上司や人事担当者の指示に従いましょう。

現職への仕事復帰ではなく、転職を考える人もいるでしょう。基本的に、休職中の転職活動を禁止する規定はありません。

医師や支援団体などに相談し、ご自身の体調を見ながら、少しずつ転職に向けて準備を進めていきましょう。

④現職復帰などをサポートするリワーク

休職からの現職復帰をサポートする、リワーク(プログラム)があります。

リワークについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

ADHDのある大人が受けられる公的支援

 ADHDのある大人が受けられる公的な支援

この章では、ADHDのある大人が受けられる公的な支援を紹介します。まだ診断を受けていない人は、診断を受けた方がよいかどうかも、①で相談できます。

  1. 各種支援団体
  2. 障害者手帳

①各種支援団体

ADHDのある大人が相談できる支援団体として、有名なところでは以下があります。詳細は、各団体のリンクをご覧ください。

いずれも、基本的な相談だけなら発達障害の診断書は不要です(参考として、診断書発行のためには、通常は複数回の通院・診察が必要です)。

②障害者手帳

発達障害のある人も、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得することが可能です。

精神障害者保健福祉手帳があると、1級~3級の障害等級に応じて、以下のような支援を受けられます。

  • 自立支援医療制度による医療費の自己負担額軽減(通常の3分の1に軽減)
  • 税金の控除(所得税、住民税のほか、場合に応じて贈与税なども)
  • 公共サービス割引(公共交通機関の運賃や上下水道料金の割引)

基本的な窓口はお住まいの自治体の障害福祉課です。取得すべきかどうか迷っている人は、前述の支援機関に相談できます。 (参考:東京都福祉保健局「 自立支援医療(更生医療) 」、国税庁「 No.1160 障害者控除 」、国税庁「 障害者と税 」)

障害者手帳を取得するメリットについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

ADHDのある同僚や部下を持つ人へ

 ADHDのある同僚や部下を持つ人へ

この章では、ADHDのある同僚や部下を持つ人に向けて、意識しておくとよいことについて解説します。

発達障害の本人のみならず、周囲の人も、「社内で解決しなくてはならない」「上司の自分がどうにかしなくてはならない」と抱え込まずに、専門家と話すことが大切です。

ADHDのある大人を理解するには、発達障害のある人の『困難』は、本人の努力だけではカバーしきれない面があることを知っておく必要があります。

「努力で解決できるはずだ」と決めつけずに、環境を整えたり、周囲の人と協調したりしてフォローすることが大切です。

とはいえ、「何をどのように配慮するべきかわからない」というお悩みもよくお聞きします。そのような場合は、ぜひ、前述の支援機関に相談してください。

職場としてのフォロー方法・対応法などを、具体的に話し合えるはずです。

ADHDとは?

ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害、Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)とは、不注意性や多動性・衝動性の特性から日常生活などに困難が生じる発達障害の一種のことです。 (参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修 『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』 、田中康雄・監修 『大人のAD/HD』 、岩波明 『大人のADHD─もっとも身近な発達障害』 、司馬理英子 『ササッとわかる 「大人のADHD」 基礎知識と対処法』 、星野仁彦 『それって、大人のADHDかもしれません』 、e-ヘルスネット 「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」

ADHDの特性は大きく、以下の2つの特性に分けられます。

  • 不注意性:忘れ物やケアレスミスが多い、注意散漫、整理整頓・管理が不得意
  • 多動性・衝動性:落ち着きがない、気が散りやすい、後先考えず行動する

ADHDのある人だからといってすべての特性が生じるわけではありません。いずれかの特性、または複数の特性から困難が生じている人もいます。

ADHDのある人は、必ず不注意性や多動性・衝動性が現れるわけではなく、人によって特性の現れ方、得意なこと・不得意なことが違う点が大きな特徴です。

ADHDの概要や特性、診断基準などについては、以下のコラムで解説しています。

まとめ:ADHDでも自分に合った仕事術や適職は見つかりますので、安心してください

 ADHDでも自分に合った仕事術や適職は見つかりますので、安心してください

ADHDのある大人は、作業の正確性やタスクの管理が苦手なため、仕事の悩みを抱えることが多いかもしれません。

しかし、適職を見つけられれば、ADHDの特性を長所として活躍できる可能性は充分あります。

ぜひ、ADHDの悩みを一人で抱え込まずに、専門家に相談しましょう。利用できる支援団体はたくさんあります。

このコラムが大人のADHDで悩む人の助けになれば幸いです。

よくある質問(1)

大人のADHDの自分が仕事を続けるコツが知りたいです。
一般論として、次の6点が考えられます。(1)自分の特性を理解する、(2)病院やカウンセリングを利用する、(3)支援機関に相談する、(4)上司・同僚に相談する、(5)自力でできる仕事術を取り入れる、(6)特に女性の場合:転職・就職の際は、自分の特性を活かすことを意識する。 詳細はこちら をご覧ください。

よくある質問(2)

大人のADHDである自分が仕事探しの際に気を付けるべき点を知りたいです。
一般論として、次の4点が挙げられます。(1)二次障害がある場合、まずは治療に専念する、(2)就労移行支援所を利用する、(3)転職エージェントを利用する、(4)一般論ではなく、自分に合っているかどうかを判断基準にする。 詳細はこちら をご覧ください。

監修志村哲祥

監修キズキ代表 安田祐輔

監修角南百合子

すなみ・ゆりこ。臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。

サイト
運営
キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2025年9月現在、首都圏・関西に9校舎を展開しています。トップページはこちら→

  • 働いても長く
    続かない……
  • もっと自分らしい
    働き方はないのか
  • 体調が安定
    しない……

まずは、お気軽に
ご相談ください