就労移行支援 キズキビジネスカレッジ(KBC) ASDの転職を成功させる5つのステップ 転職をサポートする支援機関を紹介

こんにちは。就労移行支援事業所・ キズキビジネスカレッジ(KBC) です。
あなたは、ASD(自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害)の特性がある中で、転職について以下のように悩みではありませんか?
- 転職したいけど、どうやって進めればいい?
- ASDの特性にどう対処すればいいのだろう…
- 転職をサポートしてくれる場所はないかな…
- 自分にどんな仕事・職場が向いてるんだろう?
同じような転職の悩みを抱えるASDのある人は少なくありません。しかし、ASDのある人が自分に合う仕事・職場に転職することは、もちろん可能です。
このコラムでは、ASDのある人が転職活動を成功させるステップや向いてる仕事について解説します。あわせて、ASDのある人の転職をサポートする支援機関を紹介します。
このコラムが、ASDの特性で転職について悩むあなたのヒントになりましたら幸いです。
目次
ASDのある人が転職を成功させるための5ステップ
この章では、ASDのある人が転職を成功させるためのステップについて解説します。
各ステップを意識することで、自分に向いてる仕事・職場への転職が実現しやすくなるはずです。
ステップ①医療機関や支援機関と相談する
転職に向けた事前準備を行う前に、まず以下2点を行っておきましょう。
- うつ病、社交不安障害などの二次障害がある場合は、医療機関で治療を行う
- 発達障害の支援機関を利用する
ASDの特性に由来する困難から、うつ病などの二次障害を併発することがあり、もし二次障害を併発していれば治療を優先することが大切です。
そうすることで、健康的に働き続けられる職場への転職に着実に近づけます。
確定診断や二次障害があってもなくても、発達障害のある人をサポートする支援機関を利用しましょう。サポートを利用した方が転職が進みやすくなるはずです。
例えば、以下のようなメリットが考えられます。
- 自己の特性への理解が深まり、向いてる仕事や働き方がわかった
- 自己のコミュニケーション上の課題がわかり、エントリーシートへの記載内容や面接での話し方を改善できた
- 同じような特性のある人が転職を成功させた方法を知って、自分に流用できた
また、ASDを疑っているが、診断は受けていない人も、転職・仕事・生活などを相談できるところはたくさんあります。
これから解説する各ステップも、支援機関と適宜相談することで、あなたに合った具体的な方法や内容がわかっていくはずです。
ステップ②特性理解、知識やスキルの獲得する
転職の事前準備には、以下のようなものがあります。いずれも自分に合う転職を成功させるために必要です。
- 雇用枠や就労方法など転職後の働き方の種類の理解する
- 特性に関連した自己分析し、自分の特性・性質やそれへの対応法、得意・不得意などを言語化する
- 特性以外の部分の自己分析し、希望条件、ワークライフバランスのあり方、将来の希望などを言語化する
- 必要に応じて、または可能性を広げるために、ビジネススキル・ビジネスマナー・特性対策などの獲得する
自己分析やビジネススキル・ビジネスマナー・特性対策などは、自分一人では難しい部分もあります。転職活動をサポートする支援機関の利用もご検討しましょう。
ステップ③自分に合う転職先を探す
事前準備を行ってから、または事前準備と並行しつつ、自分に合う業界や職種、雇用枠、働き方、求人などを探しましょう。
転職先探しでは、一般論や待遇だけではなく、実際のあなたの自己分析と転職先候補との相性を意識することが大切です。
ASDのある人に向いてる仕事については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
ステップ④エントリーシートや面接の対策・実施する
転職先候補が見つかったら、希望する働き方・自己分析・求人内容などをすり合わせて、エントリーシートを作成し、面接に臨みます。
ASDのある人は、社会性、コミュニケーション、想像力に困難があることが多いので、支援機関を利用して、しっかり対策を行いましょう。
対策をきちんと行えば、なぜこの仕事を希望したのか、どういった業務を希望するのかなどをうまく伝えられるようになるはずです。
特に、障害者雇用やオープン就労の場合、ASDのことを転職先に伝える場合は、特性や自分なりの対策とともに、職場に求めたい配慮なども言語化しておきましょう。
ステップ⑤転職後もサポートを利用する
転職後にも、支援機関を引き続き利用することは可能です。
特にオープン就労や障害者雇用の場合は、あなたと支援機関、職場の三者で情報を共有したり、話し合いなどを設けたりすることもできます。
「転職した後にしんどくならずに働き続けられるのかが一番心配」と不安を感じている人もいますが、これまでのステップがうまくいっていて、転職後のサポートも引き続き利用していれば、自分に合った職場で、長く働き続ける可能性が高まります。
転職・就職後に受けるサポートのことを、一般的に職場定着支援と言います。
職場定着支援については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
ASDのある人の職場での対処法については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
ASDのある人に向いてる仕事・向いてない仕事
ASDのある人には、以下のような仕事が向いてると考えられます。
- 経理事務
- 会計士
- 法務
- 専門事務
- 設備点検
- トラック運転手
- プログラマー
- ソフトウェアなどのテスター
- デバッガー
- ゲームクリエーター
- 校正・校閲
- テクニカルライター・専門的な技術に関する文章を書くライター
- 研究者
- 数学者
- 設計技術者
- 工学系デザイナー
- CADオペレーター
- フリーランスのデザイナー・ライター
- アニメーター
- カメラマン
- 駅員
- 動物の調教師
- ライン作業
- 軽作業
- 清掃員
- ルーティンワーク・定型的な業務が可能な仕事
ASDのある人には、以下のような仕事が向いてないと考えられます。
- ウェイターなどの接客業
- 自動車ディーラーなどの販売代理店
- 営業職
- コールセンター、案内係などの窓口対応業務
- 総務職
- 秘書
ASDのある人に向いてる仕事や向いてない仕事については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
ASDのある人の転職をサポートする支援機関5選
この章では、ASDのある人の転職をサポートする支援機関を紹介します。
団体①就労移行支援事業所
就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。
体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。実際のサービスは、国の基準を満たしたさまざまな民間の就労移行支援事業所が行います。 (参考:e-Gov法令検索 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」 )
就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、 キズキビジネスカレッジ(KBC) もその一つです。それぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。
就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援機関②ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)とは、仕事を探している人や求人を募集したい事業者に対して、就労に関連するさまざまなサービスを無償で提供する、厚生労働省が運営する支援機関のことです。正式名称は公共職業安定所で、職安と呼ぶ人もいます。
主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示などを行っており、具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、一般的には以下のような幅広いサポートを行います。
全国に500ヶ所以上あり、主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示、雇用保険や雇用対策など、地域密着型の雇用に関する幅広いサポートを行います。
また、病気や障害のある人に向けたサポートも行っています。障害者手帳を所持していない人でも、医師による診断書があれば、障害の特性や希望職種に応じた職業相談や履歴書や面接での病気・障害の伝え方などのサポートを受けることができます。
ハローワークについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援機関③発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害の早期発見と早期支援を目的として、発達障害のある人とその家族などをサポートするための支援機関のことです。 (参考:国立障害者リハビリセンター 発達障害情報・支援センター 「発達障害支援センターとは」 )
保健、医療、福祉、教育、労働など、さまざまな分野の関係機関と連携しながら、地域の支援ネットワークを構築し、多様な相談に応じて、指導や助言を行っています。また、求人に関する情報提供や就業先へのアドバイスなども行っています。
発達障害支援センターは、幼少期に発達障害の診断を受けた人だけでなく、大人になってから発達障害の診断を受けた人も支援の対象です。また、医師から発達障害の診断を受けていない人でも支援を受けることが可能で、発達障害がある可能性がある人からの電話相談なども受け付けています。
運営は都道府県や政令市が主体です。うち約75%は社会福祉法人・特定非営利活動法人などの民間法人が委託を受けて運営しています。 (参考:発達障害者支援センター全国連絡協議会 「発達障害者支援センターについて」 )
各施設には、発達障害者支援センター運営事業実施要綱に基づき、最低3人の専任職員が配置されることになっています。要綱には社会福祉士の配置が規定されていますが、センターによっては臨床心理士、言語聴覚士、精神保健福祉士、医師などの専門家も配置されているところもあります。
2024年8月時点で、全国に約100か所の施設があります。窓口は、各自治体や指定の事業所に設置されています。
支援機関④障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターとは、雇用や保健、福祉、教育に関する関係機関と連携し、障害のある人の雇用の促進・安定を目的とした一体的な支援を行っている支援機関のことです。 (参考:厚生労働省 「障害者就業・生活支援センター」 、厚生労働省 「障害者就業・生活支援センターについて」 、厚生労働省 「障害者の雇用の促進等に関する法律」 、厚生労働省 「障害者就業・生活支援センターの指定と運営等について」 )
障害のある人の就職活動の支援や求人の紹介、職場定着のためのサポートなどを行います。
就業面だけでなく、金銭管理などの経済面や生活面のことまで、日常および地域生活に関する支援も行っています。
生活習慣や金銭管理、健康管理などについても幅広く相談できるため、生活面のサポートも受けたい人にオススメです。
2024年4月1日時点で、障害者就業・生活支援センターは全国に337箇所設置されています。
支援機関⑤精神保健福祉センター
精神保健福祉センターとは、精神障害のある人のサポートを目的とした、地域の精神保健福祉の中核を担う支援機関のことです。 (参考:東京都福祉保健局 「精神保健福祉センターとは」 、e-Gov法令検索 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」 )
精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)に基づき、各都道府県に設置されています。地域によって、こころの健康センターや心と体の相談センターなど、一部名称が異なります。
精神保健福祉センターでは、精神疾患に関連する悩みの相談や社会に適応するための指導と援助を行っています。
精神障害による症状で悩んでいる本人だけでなく、家族や周囲の人の相談も受け付けています。また、匿名での相談も受け付けています。医師から正式な診断を受けていなくても相談は可能です。
詳しくは、お住まいの自治体の精神保健福祉センターにお問い合わせください。
ASDとは?
ASD(自閉スペクトラム症/広汎性発達障害、Autism Spectrum Disorder)とは、人とのコミュニケーションなどに困難が生じる発達障害の一種のことです。 (参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修 『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』 、e-ヘルスネット 「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」 、CDC 「Autism Spectrum Disorder (ASD) 」 、厚生労働省 「No.1 職域で問題となる大人の自閉症スペクトラム障害」 、福西勇夫、福西朱音 『マンガでわかるアスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド』 )
かつて使用されていた以下の診断名・分類は、ASDという診断名・分類に統合されています。
- アスペルガー症候群
- 自閉症
- 高機能自閉症
- 広汎性発達障害(PDD)
それぞれ別の発達障害として、診断基準も異なっていましたが、2013年に行われた『DSM-5』の改訂の際に、厳密に区分するのではなく、地続きの=スペクトラムな障害として捉える現在のASDに変更されました。
ただし、変更前の診断名・分類が、法令や病院、日常会話などで現在も使用されることがあります。また、かつてアスペルガー症候群などと診断された人が、現在のASDという名称を認知していないこともあります。
ASDの概要や特性、診断基準などについては、以下のコラムで解説しています。
まとめ:ASDの特性があっても転職できます
ASDの特性があっても、あなたに合う仕事・職場への転職はもちろん可能です。
ただし、転職について一人で悩んでいると、考えが悲観的な方向に進みやすくなります。
ご紹介したように、ASDのある人が利用することのできる支援機関はたくさんあります。そうしたところとしっかり話しながら一緒に対策を考え、転職先を探していくことで、あなたの転職活動はうまく進んでいくことでしょう。
このコラムが、あなたの転職に役立てば幸いです。
よくある質問(1)
- ASDの自分が転職を成功させるためのステップを知りたいです。
-
一般論として、以下の5点が考えられます。(1)医療機関や支援機関と繋がる、(2)特性を理解し、知識やスキルを獲得する、(3)自分に合う転職先を探す、(4)エントリーシートや面接の対策をする、(5)転職後もサポートは引き続き利用する。 詳細はこちら をご覧ください。
よくある質問(2)
- ASDの転職の支援機関を知りたいです。
-
よくある例として、以下の6つが挙げられます。(1)ハローワーク、(2)転職エージェント、(3)就労移行支援事業所、(4)発達障害者支援センター、(5)障害者就業・生活支援センター、(6)精神保健福祉センター。 詳細はこちら をご覧ください。
監修志村哲祥
監修キズキ代表 安田祐輔
監修角南百合子
すなみ・ゆりこ。臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。
サイト
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