アスペルガー症候群のある人に向いてる仕事 仕事術・仕事を続けるコを解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
あなたは仕事において、アスペルガー症候群(現:ASD)の特性にお悩みではないでしょうか?
アスペルガー症候群(現:ASD)のある人に向いてないといわれる仕事があることは事実です。ですが、特性を把握することで、あなたに向いてる仕事を見つけていくことは、もちろん可能です。
このコラムでは、アスペルガー症候群(現:ASD)のある人に向いてる仕事・向いてない仕事、仕事術・仕事を続けるコツについて解説します。
アスペルガー症候群(現:ASD)のあるあなたによって、一歩踏み出すための参考になれば幸いです。
なお、アスペルガー症候群(現:ASD)のある人が、仕事や生活の悩みを相談できる支援機関はたくさんあります。
アスペルガー症候群(現:ASD)の特性のために、コミュニケーションや相談が苦手な人もいらっしゃるでしょう。ですが、そうした支援機関は、アスペルガー症候群(現:ASD)について理解が深いです。
特性を理解された上で相談ができますので、ぜひ、積極的に利用してみてください。そうすることで、仕事も生活も、より充実していくはずです。
仕事にお悩みのアスペルガー症候群(現:ASD)のあるあなたへ
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目次
前提:アスペルガー症候群という診断名・分類について
かつて使用されていたアスペルガー症候群を含む以下の診断名・分類は、ASD(自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害)という診断名・分類に統合されています。
- アスペルガー症候群
- 自閉症
- 高機能自閉症
- 広汎性発達障害(PDD)
それぞれ別の発達障害として、診断基準も異なっていましたが、2013年に行われたアメリカ精神医学会が定めた精神障害の診察基準『DSM』の改訂の際に、厳密に区分するのではなく、地続きの=スペクトラムな障害として捉える現在のASDに変更されました。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』)
ただし、アスペルガー症候群という変更前の診断名・分類が、法令や病院、日常会話などで現在も使用されることがあります。また、かつてアスペルガー症候群などと診断された人が、現在のASDという名称を認知していないこともあります。
それらを受けて、このコラムでは、内容的には現行のASDについて解説しつつ、表記としては、アスペルガー症候群(現:ASD)といたします。
アスペルガー症候群(現:ASD)のある人に向いている仕事・向いてない仕事

アスペルガー症候群(現:ASD)のある人には、以下のような仕事が向いていると考えられます。
- 経理事務
- 会計士
- 法務
- 専門事務
- 設備点検
- トラック運転手
- プログラマー
- ソフトウェアなどのテスター
- デバッガー
- ゲームクリエーター
- 校正・校閲
- テクニカルライター・専門的な技術に関する文章を書くライター
- 研究者
- 数学者
- 設計技術者
- 工学系デザイナー
- CADオペレーター
- フリーランスのデザイナー・ライター
- アニメーター
- カメラマン
- 駅員
- 動物の調教師
- ライン作業
- 軽作業
- 清掃員
- ルーティンワーク・定型的な業務が可能な仕事
アスペルガー症候群(現:ASD)のある人には、以下のような仕事が向いていないと考えられます。
- ウェイターなどの接客業
- 自動車ディーラーなどの販売代理店
- 営業職
- コールセンター、案内係などの窓口対応業務
- 総務職
- 秘書
アスペルガー症候群(現:ASD)のある人に向いてる仕事や向いてない仕事については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
アスペルガー症候群(現:ASD)のある人ができる仕事術・仕事を続けるコツ

アスペルガー症候群(現:ASD)のある人ができる仕事術として、以下が考えられます。
- 具体的な指示を求める
- 情報伝達の方法を変えるよう依頼する
- アラーム機能を活用する
- ノイズキャンセル機能のあるイヤホンを使う
- あなた専用のマニュアルをつくる

また、アスペルガー症候群(現:ASD)のある人が仕事を続けるコツとして、以下が考えられます。
- 雇用枠を再検討する
- バイトから始めることも検討する
- 医療機関に相談する
- 就労支援機関を利用する
アスペルガー症候群(現:ASD)のある人ができる仕事術、仕事を続けるコツについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
アスペルガー症候群(現:ASD)の人が仕事探しに利用できるサポート7選

アスペルガー症候群(現:ASD)の人に役立つ支援機関・サポート機関を紹介します。無料相談を受け付けているところが多いので、興味のある場所があれば一度相談してみてください。
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援事業所
- ハローワーク
- 転職エージェント(障害のある人に特化したところもある)
- 発達障害者支援センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 精神保健福祉センター
それぞれ、アスペルガー症候群(現:ASD)の特性に理解があった上で、サポートを受けることができます(転職エージェントの一部は、発達障害に詳しくないこともあります)。
就労移行支援事業所・就労継続支援事業所は、次項以下で解説します。それ以外の詳細は、下記コラムをご覧ください。
就労移行支援事業所とは?
「就労移行支援事業所」は、アスペルガー症候群(現:ASD)をはじめ、病気や障害がある人に、就労に向けた支援を行っています(私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです)。
就労移行支援事業所では、次のような幅広い支援を受けられます(具体的な支援内容は事業所によって異なります)。
- 仕事で活かせる知識・技能の習得
- 仕事や私生活で活かせるメンタル面のサポート
- 「どのような仕事や働き方が向いているのか」のアドバイス
- 転職先候補の業務や雰囲気を体験できる「職場体験実習(インターン)」の紹介
- 履歴書・経歴書・エントリーシートの作成支援
- 面接対策
- 転職後の職場定着支援
利用の可否は、お住まいの自治体が、下記などに基づいて判断します。
- 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などがある
- 18歳以上で満65歳未満である
- 離職中である(例外あり)
※上記を満たすなら、障害者手帳を所持していなくても利用可能です。
就労移行支援事業所の詳細は、下記コラムをご覧ください。
就労継続支援事業所とは?
就労継続支援とは、「一般企業への就職が難しい、病気や障害のある人」に、事務業務や軽作業等の実業務の機会の提供や必要な能力の向上を行う職業訓練サービスです。
就労移行支援との主な違いは以下になります。
- 就労継続支援には、利用期間に定めがない
- 就労継続支援では、工賃(賃金)が発生する
就労継続支援にはA型とB型の二種類がありますが、主な違いは年齢制限と雇用契約の有無になります。
就労継続支援についても、下記コラムにわかりやすくまとめてあります。ご参照ください。
アスペルガー症候群(現:ASD)の人が使える支援制度・サポート制度2選

アスペルガー症候群(現:ASD)の人が利用できる可能性がある支援制度に、次の2つがあります。
- 自立支援医療(精神通院医療)
- 精神保健福祉手帳
詳細は、下記コラムをご覧ください。
「向いてる仕事探し」に直接的には関係しないかもしれませんが、こうした支援を利用できると、仕事探しにも精神的な余裕を持ってのぞめるかもしれません。
※個人の特性によって、必ず利用できるわけではありません。
※他にも支援制度はありますので、(サポート団体を通じて)役所の窓口になどに確認してみましょう。
ASDとは?

ASD(自閉スペクトラム症/広汎性発達障害、Autism Spectrum Disorder)とは、人とのコミュニケーションなどに困難が生じる発達障害の一種のことです。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、e-ヘルスネット「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」、CDC「Autism Spectrum Disorder (ASD) 」、厚生労働省「No.1 職域で問題となる大人の自閉症スペクトラム障害」、福西勇夫、福西朱音『マンガでわかるアスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド』)
かつて使用されていた以下の診断名・分類は、ASDという診断名・分類に統合されています。
- アスペルガー症候群
- 自閉症
- 高機能自閉症
- 広汎性発達障害(PDD)
それぞれ別の発達障害として、診断基準も異なっていましたが、2013年に行われた『DSM-5』の改訂の際に、厳密に区分するのではなく、地続きの=スペクトラムな障害として捉える現在のASDに変更されました。
ただし、変更前の診断名・分類が、法令や病院、日常会話などで現在も使用されることがあります。また、かつてアスペルガー症候群などと診断された人が、現在のASDという名称を認知していないこともあります。
ASDの概要や特性、診断基準などについては、以下のコラムで解説しています。
まとめ:あなた一人で悩みを抱える必要はありません

特性についても、仕事についても、あなた一人で悩みを抱える必要はありません。
ぜひ、支援機関などを積極的に活用しながら、専門家と一緒にこれからのことを考えてみてください。そうすることで、あなたにとって、より働きやすい仕事につながることができるはずです。
このコラムがお役に立ったなら幸いです。
アスペルガー症候群(現:ASD)の自分に向いてる仕事を知りたいです。
一般論として、次のような仕事が考えられます。会計士,専門事務,トラック運転手,ソフトウェアなどのテスター,ゲームクリエーター,テクニカルライター,数学者,工学系デザイナー,作家・画家・工芸家,アニメーター,駅員。理由とともに、他にも紹介しますので、詳細はこちらをご覧ください。
「アスペルガー症候群(現:ASD)と仕事」のよくある悩みと対策を知りたいです。
例として、次の3つが挙げられます。(1)面接で何をどう話せばいいのかわからない、(2)こだわりの強さが周りに悪影響を与える、(3)職場の人を怒らせる。詳細はこちらをご覧ください。
監修志村哲祥

しむら・あきよし。
医師・医学博士・精神保健指定医・認定産業医。東京医科大学精神医学分野睡眠健康研究ユニットリーダー 兼任准教授、株式会社こどもみらいR&D統括。
臨床医として精神科疾患や睡眠障害の治療を行い、また、多くの企業の産業医を務める。大学では睡眠・精神・公衆衛生の研究を行っており、概日リズムと生産性、生活習慣と睡眠、職域や学校での睡眠指導による生産性の改善等の研究の第一人者。
【著書など(一部)】
『子どもの睡眠ガイドブック(朝倉書店)』『プライマリ・ケア医のための睡眠障害-スクリーニングと治療・連携(南山堂)』
他、学術論文多数
日経新聞の執筆・インタビュー記事一覧
時事メディカルインタビュー「在宅で心身ストレス軽減~働き方を見直す契機に」
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
監修角南百合子
すなみ・ゆりこ。
臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2024年10月現在、首都圏・関西に6校舎を展開しています。トップページはこちら→