就労移行支援 キズキビジネスカレッジ(KBC) 発達障害のある人の休職中の過ごし方 復職が怖いときの対処法も解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
現在、休職中の発達障害のあるあなたは、以下のような不安や焦りを抱えているのではないでしょうか。
- 会社でミスが続きうつ病に。休職中に発達障害と診断され、将来が不安…
- 周りの人は働いているのに、自分だけ休んでいると思うと焦る
- でも、元の職場に戻ってもうつ病が再発しそうで怖い
これらの不安は、適切なステップを踏むことで少しずつ解消することができます。
このコラムでは、発達障害と休職の関係や無理のない休職中の過ごし方、復職に不安を感じるときの対処法について解説します。
あわせて、休職中の発達障害のある人が利用できる支援制度や再就職や転職のためのサポートを受けられる就労移行支援を紹介します。
休職期間中の不安を少しでも和らげ、前向きに動き出すためのきっかけがほしいと思っている人は、ぜひご覧ください。
目次
発達障害と休職の関係とは?
過度な業務ストレスからメンタルのバランスを崩し、その治療の過程で初めて自分が発達障害であることに気づくケースは少なくありません。
発達障害のある人は、特性によりマルチタスクの業務や職場でのコミュニケーションが苦手な場合があり、無理に苦手な業務や環境に身を置くことで大きな負荷がかかり、その結果、二次障害として適応障害やうつ病などを発症することがあるためです。
例えば、マルチタスクの業務を担当する中でミスが重なり精神的な負担が増え、心療内科を訪れたことで、ADHD(注意欠如・多動性障害)の診断を受けることもあります。
これまでもなんとなくの苦手意識や周りと比べてうまくできない感覚はあったかもしれませんが、診断を受けて戸惑う人も少なくありません。
しかし、自分の持つ特性を知ることは、これまで感じていた生きづらさや働きづらさの根本的な原因をひもとくためのきっかけとなります。
まずは、自分の能力の不足ではなく、現在の職務内容やオフィスの環境が特性と合致していなかったのだと、受け止めてみてください。
発達障害の概要や二次障害については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
発達障害のある人が休職中に利用できる支援制度
この章では、発達障害のある人が休職中に利用できる支援制度について解説します。
支援制度①生活費をカバーするための傷病手当金
今後のキャリアを模索する上で、大きな精神的重荷となりやすいのが経済的な不安ではないでしょうか。
会社を休んでいる期間中の生活基盤を維持するために、健康保険から支給される傷病手当金の活用が考えられます。
傷病手当金とは、病気やケガ、障害のために仕事を休み、事業主から十分な報酬を受けられない場合に、健康保険(社会保険)の加入者・被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた支援制度のことです。 (参考:全国健康保険協会 「傷病手当金」 、全国健康保険協会 「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 、全国健康保険協会 「傷病手当金について」 )
療養のために仕事を休み給与が出ない状態であっても、通算して最長1年6か月にわたり、直近の標準報酬月額をベースとした額の約3分の2が支給されます。
在籍している会社の人事を担当する部署の担当者や加入中の健康保険組合に問い合わせることで申請手続きを進められます。
経済的な支えを確保できれば、目先の生活費への焦りを抑えて心身を回復させることに集中できます。
傷病手当金については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援制度②医療費の自己負担を軽減する自立支援医療制度
毎月の通院にかかる診察費や治療薬代の負担を少しでも軽減したいときには、自立支援医療制度の活用が考えられます。
自立支援医療制度とは、心身の障害を緩和・除去するために継続的な治療が必要な人に対して、医療費の自己負担額を軽減する公的な支援制度のことです。 (参考:厚生労働省 「自立支援医療制度の概要」 )
通常、公的な医療保険による医療費の自己負担額は3割ですが、自立支援医療制度を利用すれば、収入によって異なりますが、基本的に自己負担額を1割に軽減できます。
じっくりと腰を据えて通院やカウンセリングを継続するためにも、医療費の負担を最小限に抑えながら治療に専念できる制度を活用しましょう
なお、自立支援医療制度を利用するためには、診断書が必要となるため、まずは主治医に制度を利用したい旨を伝えてみてください。
自立支援医療制度については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援制度③長期的な経済不安に備える障害年金
体調の回復に時間を要し、休職期間がさらに長引きそうな場合には、障害年金の受給を検討するのもよいでしょう。
障害年金とは、病気やケガ、障害などによって仕事や生活などに支障を生じている場合に、年金加入者が受給できる支援制度のことです。(参考:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」、日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」、日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」、日本年金機構「国民年金」、日本年金機構「障害年金ガイド令和5年度版」、日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」)
事故で足を失った場合や生まれつき四肢が不自由な場合、知的障害がある場合などのケースだけでなく、発達障害・精神疾患、あるいは癌や生活習慣病などで生活に困難を生じている場合も受給の対象になります。
一般的な年金は高齢者にならなければ受け取れませんが、障害年金は現役世代でも受給できることが特徴です。
焦って自分に合わない職場へ復職することを防ぎ、長期的な生活の安定を保つための手段として、こうした選択肢の存在を知っておくと安心材料になります。
障害年金については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
休職期間を無理なく過ごすための3つのステップ
この章では、休職期間を無理なく過ごすためのステップについて解説します。
方法①まずは心身をしっかりと休める休養期
休職したばかりの時期は、何よりも心身のエネルギーを回復させるため、しっかりと休養をとる必要があります。
限界を迎えた心や体をいたわるためにも、まずは仕事に関わるすべての通知や連絡から物理的な距離を置きましょう。
会社からの連絡が届く可能性があるメールやチャットの通知を切り、アラームをかけずに眠るなど、まずは徹底的に休息を最優先してください。
これまで通り働いている同僚を思い浮かべて、キャリアの遅れに対する焦燥感が頭をよぎることもあるかもしれませんが、今のあなたの最優先事項は休むことです。
また、働けないことに対して罪悪感を覚える必要はないので、今は心身を回復させるための時間を十分に確保してください。
今後の仕事やキャリアプランについて考え始めるのは、心と身体が回復してからでも遅くありません。
方法②少しずつ活動を広げていく回復期
睡眠や休息によってある程度のエネルギーが蓄積されてきたら、少しずつ活動を広げる回復期へと進みます。
急激に社会復帰を目指すのではなく、緩やかに活動量を増やしながら、無理のない範囲でできることから取り組んでみましょう。
例えば、朝の決まった時間にバルコニーに出て日光を浴びる、近所のカフェまで散歩する、興味のある本を読んでみるといった行動です。
また、その日の体調によって動けない日があっても落ち込む必要はありません。波があることを前提に「そんな日もあるか」といった柔軟な気持ちを持って過ごすように意識しましょう。
ほかの人の仕事や活動などと比べることなく、自分をいたわりながら無理なく取り組む姿勢が大切です。
方法③これからの働き方を考える準備期
起きている時間の体調が安定し、精神的な落ち込みなどが出づらくなってきた段階で、ようやくこれからの働き方を考える準備期へと入ります。
休職に至った根本的な要因を見つめ直し、同じ状況を繰り返さないための現実的なキャリア戦略を考えていきましょう。
自分の特性を活かせる業務内容の整理や、職場が業務内容や環境の調整に対応してくれるかどうかの見極め、あるいは転職活動などを具体的に検討し始めます。
一人で考えていると視野が狭くなりやすいため、専門の就労支援機関などで提供されている情報や相談窓口などを活用するのも賢明なアプローチです。
専門的なサポートも上手に活用しながら、納得のいくキャリアの方向性をじっくりと見定めていく期間にしましょう。
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復職に不安を感じるときの対処法
この章では、復職に不安を感じるときの対処法について解説します。
方法①現在の職場へ必要な配慮を伝える
現在の職場への復職に不安を感じている場合、業務内容や環境、人間関係などの部分で職場とのミスマッチを感じているのかもしれません。
そのような場合は、復職面談で自分の発達障害の特性や必要な配慮を企業側に伝えることが大切です。
休職前と同じ環境や業務配分のまま職場に戻ると、再休職につながる可能性があるためです。
具体的には、産業医や人事を担当する部署の担当者、上司に対して以下のように相談してみるとよいでしょう。
- ADHDの特性によりマルチタスクが苦手であるため、シングルタスクの業務に変更できないか
- 急な口頭の指示ではなく、テキストベースでタスクを箇条書きで共有してもらえないか
復職面談で具体的な相談をするためには、自分の特性や必要な配慮、どの範囲までなら安定して力を発揮できるのかなどについて具体的に言語化しておく必要があります。
また、主治医による具体的な配慮事項を記載した意見書などを用意しておくと、話し合いがスムーズに進みやすくなります。
方法②リワークプログラムを利用して通勤や業務のリハビリを行う
いきなりフルタイムでの勤務や実務に戻ることに不安がある場合は、リワークプログラムを利用すると効果的です。
リワークとは、「return to work」の略で、病気や障害が原因で休職中の人を対象に行う、復職や転職、再就職に向けたリハビリテーションのことです。リワークプログラムと同じ意味で、復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムという名称が使われることもあります。
リワークは、一般的には、休職中の人が利用対象となることが多いようですが、一部、退職・離職した人が対象になることもあります。
実際のオフィスに似た空間で模擬的なグループワークや軽作業を行うことで、復職に必要な集中力や体力を段階的に取り戻せるはずです。
主に医療機関や障害者職業センターなどで実施されており、再発を防ぐためのストレスマネジメントの手法や、自身の認知の偏りを修正する訓練なども学べます。
また、毎朝同じ時間に特定の場所に通うということ自体が、復職のためのリハビリとなります。
リワークについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
方法③自分に合った適職への転職を選択肢に加える
今の職場の構造上、業務変更や環境調整が難しい場合は、特性を強みを活かせる適職への転職を視野に入れる方法もあります。
合わない環境に無理やり自分を当てはめようとして心身の負担が大きくなる前に、無理なく働ける職場を見つける方が長期的なキャリアにとってプラスになる場合があるためです。
例えば、マルチタスクが苦手でも、データ分析や専門的なマーケティング戦略の立案など、1つの業務に集中できる環境であれば力を発揮できる可能性があります。
実際に、就労移行支援などの支援機関を活用し、発達障害の特性を強みとして活かせる仕事に出会い、やりがいと年収を維持したまま活躍している人もいます。
自分に合った適職や働き方を見つけるための就労移行支援とは?
就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。
体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。
この章では、就労移行支援事業所を利用するメリットについて解説します。
メリット①徹底した自己理解で自分の得意・苦手が明確になる
就労移行支援事業所を利用する大きなメリットは、専門スタッフの客観的な視点を取り入れることで、自己理解が深まる点にあります。
過去の業務におけるつまずきやパニックの原因を1人で分析しようとしても、過去の嫌な記憶が思い出され、なかなか分析が進まず、自己嫌悪のループに陥る人もいるでしょう。
しかし、就労移行支援事業所の中には、自己理解に精通したスタッフが在籍していることもあり、客観的な視点から分析・アドバイスをしてもらうことができます。
例えば、キズキビジネスカレッジ(KBC)では、「なぜあの場面でスケジュール管理がうまくいかなかったのか」を、ビジネスの現場を知るスタッフと一緒に客観的に振り返ります。
そのプロセスを通じて、単なる弱点の克服ではなく、あなたの持つ特性をどの職種や業務であれば強みとして活かせるかを見出していきます。
強みと弱みを正確に把握し言語化できるようになれば、次の職場でのミスマッチを未然に防ぎ、長期にわたって安定したパフォーマンスを維持するための土台が築けます。
メリット②高度なスキルを身につけて幅広いキャリアを選択できる
就労支援と聞くと、単純な軽作業やデータ入力などの業務内容をイメージし、「これまでのキャリアが途絶えるのでは」と利用する気が起こらない人もいるかもしれません。
しかし、就労移行支援事業所のなかには、ビジネスパーソンとして活躍し続けるための学びやスキルの習得ができる事業所があります。
例えば、キズキビジネスカレッジ(KBC)では、実務に直結するAIのビジネス活用や、実践的なマーケティング分析、財務会計など、高度なビジネススキルを習得できる講座を豊富に用意しています。
また、幅広い職種から転職・再就職先を選ぶことができる一般雇用での就職率が約58%となっており、多くの利用者様がキズキビジネスカレッジ(KBC)で習得したスキルを活かして新たなキャリアを切り拓いています。
メリット③体調に合わせてオンラインと通所を柔軟に選べる
就労移行支援事業所の中には、休職期間中の不安定な心身の状態を考慮し、利用スタイルを柔軟に選べる事業所も存在します。
キズキビジネスカレッジ(KBC)では、自宅からのオンライン受講と、事業所への通所を自由に組み合わせることが可能です。
体調が不安定な最初のうちは自宅の慣れた環境でオンライン講義を受け、生活リズムが整うにつれて少しずつ通所日数を増やしていくといった形でも利用できます。
体調やメンタルの回復を最優先に自らの意思で社会復帰のステップをコントロールできる環境は、大きな安心感につながるはずです。
メリット④同じ目線で伴走するパートナーと出会える
発達障害の診断や休職という経験を経て、失った自信を取り戻すためのプロセスにおいて、支援を提供する側と受ける側がどのような関係性であるかは非常に重要です。
もちろん個人差はありますが、一方的に指示されたことだけに取り組む、支援を提供する側とされる側に上下関係が存在するといった環境では、再就職への意欲やプライドが削がれることがあるためです。
キズキビジネスカレッジ(KBC)では、利用者様1人ひとりを尊重することはもちろん、同じ目線に立つパートナーとして伴走しています。
また、支援や再就職の方向性についても、希望しない選択肢を押し付けることは一切なく、あなたがこれまでに培ってきた経験やスキル、希望を踏まえて、フラットにディスカッションを重ねていきます。
休職中の人のための無料個別相談会
今の会社に戻るべきか、転職すべきか、1人で決断する必要はありません。
キズキビジネスカレッジ(KBC)では、休職中の人のためのオンライン・無料での利用が可能な個別相談会を随時実施しています。
あなたのこれまでのキャリアを大切にしながら、次のステップを一緒に考えましょう。まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ:休職期間を通じて発達障害の特性と向き合ってみましょう
適応障害やうつ病、そして背景にある発達障害の特性による休職は、決してあなたのキャリアの終わりを意味するものではありません。
これまでの自分に合わない働き方を見直し、自分の強みを活かせる適職に出合うための、ブランク期間だと捉えることもできます。
まずは傷病手当金などの支援を活用して生活の安定を確保し、休養期から回復期へと段階を踏んでエネルギーを蓄えていきましょう。
その上で、自分の特性と向き合いながら無理なく働くための選択肢として、業務変更や環境調整、リワークの利用、転職など、さまざまな選択肢を検討してみてください。
キャリアを諦めたくないあなたへ
キズキビジネスカレッジ(KBC)では、休職中の人の今後の働き方について話せる、オンライン個別相談を受け付けています。
「また同じ失敗を繰り返したくない」「専門スキルを磨いて新しい環境に挑戦したい」という気持ちに合わせて、あなたの特性を活かせる働き方を一緒に考えます。
一歩前へ進むための相談窓口として、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(1)
- 発達障害のある人が休職中に利用できる支援制度はありますか?
よくある質問(2)
- 復職に不安があります。よい対処法はありますか?
監修志村哲祥
監修キズキ代表 安田祐輔
監修角南百合子
すなみ・ゆりこ。臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。
サイト
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