適応障害のある人が転職を成功させるコツ5選 転職に関するQ&Aを紹介
こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
適応障害のあるあなたは、以下のような悩みを抱えたまま、転職をお考えではないでしょうか?
- 転職したいけど甘えだと思われないかが怖い…
- 転職しても適応障害が再発したらどうしよう…
このコラムでは、適応障害のある人が転職を成功させるコツについて解説します。あわせて、適応障害のある人の転職に関するよくある質問を紹介します。
このコラムが、適応障害で悩んでいるあなたの助けになれば幸いです。
私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、適応障害のある人のための就労移行支援事業所です。
- 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
- 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
- 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月
神田・新宿・横浜・大阪に校舎があり、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。遠方の方は、日常的にはオンラインで受講しながら(※お住まいの自治体が認めた場合)、「月に1回、対面での面談」を行います。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。
目次
適応障害は転職すれば改善される可能性がある
適応障害のある人や適応障害を経験した人の中には、転職すれば病気は改善されるのかという疑問をお持ちの人もいます。
適応障害のある人の特徴は、発症の原因となるストレスが明確であることが挙げられ、基本的には環境を変えれば治ると考えられています。
すなわち、転職することで適応障害が改善する可能性は十分にあると言えるでしょう。
現職での異動や業務調整の申請、転職の検討は、改善につながる可能性があります。とはいえ、転職をすれば絶対に治るというわけではありません。
実際、転職をしても適応障害が改善しないケースもあります。そのような場合は、住環境や通勤経路といった職場外の要因に、ストレスの原因が潜んでいないかを探ってみてください。
専門の医師や専門家、支援機関のアドバイスを受けながら、原因の特定をすることで、適応障害を改善に導きえる転職活動を行うことができるはずです。
適応障害のある人が転職を成功させるコツ5選
この章では、適応障害のある人が転職を成功させるコツについて解説します。
転職を成功させる上で大切なのは、周囲の人に相談することや、さまざまな側面から職場環境が自分に合っているかどうかを確認することです。
それらの点を念頭に置きながら、転職成功のポイントを見ていきましょう。
コツ①主治医に転職活動を行える状態か相談する
1つ目のポイントは、主治医に転職活動を行える状態か相談することです。
これは、特に過労などによって適応障害を発症した人に多いケースですが、まだ心身が十分に回復しないうちに、自己判断で転職活動を行う場合があります。
しかし、転職活動が長引いた際などに、体調を悪化させて、うつ病などに至るリスクもあります。
転職活動をはじめる際には、まず主治医に相談して、転職が可能な状態にあるかどうかを判断してもらいましょう。
コツ②就労支援機関を利用する
ポイントの2つ目は、就労支援機関を利用することです。
法律に基づいて運営している就労移行支援事業所などでは、原則的に診断書さえあれば、就労支援サービスを受けることができます。
具体的には、メンタル面のケアを含む定期面談や、体調管理に関する助言、転職に向けた準備のサポートなどを受けることが可能です。
また、インターン先の紹介や、職場探しの手伝いなども請け負っているため、転職を検討中の方にはオススメです。
基本的に最低0円からサービスを受けられます。興味を持った就労移行支援事業所に一度問い合わせをしてみるとよいでしょう。
就労移行支援については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
コツ③転職先候補のメンタルヘルスへの取り組みを確認する
ポイントの3点目は、転職先候補のメンタルヘルスへの取り組みを確認することです。
2014年に労働安全衛生法が改正されて以来、2015年12月にはストレスチェック制度が義務化されるなど、労働者のメンタルヘルスへの取り組みは年々重要視されてきています。(参考:厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」)
それに伴い、コンプライアンスの面でも、メンタルヘルス研修や産業医面談の充実といった、適応障害を含む精神疾患のある人に配慮する企業が増えてきています。
経営陣や人事を担当する部署が、メンタルヘルスに理解のある職場であれば、転職後もケアを受けやすいため、適応障害の再発を防ぐことができるはずです。
転職先を探す際には、採用ページや企業の取り組み内容にメンタルヘルス対策が記載されているかを確認してみると良いかもしれません。
コツ④通勤時間に注意する
転職先を探す際には、通勤時間に注意するようにしてみてください。
イギリスの会社員2万6000人以上を対象に行われた、西イングランド大学の調査では、通勤時間が1分増えるごとに、仕事とプライベート両方の満足度が低下してストレスが増え、メンタルヘルスに悪影響を与えるという結果が出ました。(参考:Taylor&Francis Online「Commuting and wellbeing: a critical overview of the literature with implications for policy and future research」)
また、仕事の満足度についても、1日の通勤時間が20分増えると、給料が19%減ったのと同程度の不快感が生じるため、就労における通勤時間の重要性を考慮すべきだということが、この研究では示唆されています。
転職をして職場環境を改善したのに、適応障害が好転しないというケースを避けるためにも、通期時間を意識するようにしましょう。
コツ⑤頻繁な異動や遠方勤務がないかを調べる
5つ目のポイントは、頻繁な異動や遠方勤務がないかを調べることです。
適応障害のある人は、新しい部署や環境に慣れることが苦手な傾向にあるため、異動や出張の多い職種にはあまり向いてません。
そのため、商社や銀行の総合職のような転勤を伴う異動が多い職種は避けた方がいいでしょう。
適応障害の再発を防止するためにも、転職先を探す際には、異動や遠方勤務の有無をよく調べるようにしてください。
適応障害のある人の転職に関する2つのよくある質問
この章では、適応障害のある人の転職に関するよくある質問を紹介します。
Q1.面接で適応障害のことを話すべき?
原則的に、持病などの申告は、労働者の判断にゆだねられるため、履歴書や面接などを通じて、適応障害などの病歴を必ずしも話す必要はありません。
つまり、面接などで、自分から適応障害のことを話す必要はないということです。
ただし、「病歴があるか?」などと聞かれた際に、ないと嘘をつくのはオススメしません。
職種や職場によっては、不正直な申告が発覚した際、最悪の場合、解雇につながる可能性もあります。
就職活動の際に病歴の公表をどうするかについては、エントリー先ごとに、またはあなたの方針ごとに、就労移行支援事業所に相談するなどして、具体的かつ柔軟に考えていきましょう。
Q2.転職したあとも適応障害を再発するのではないかと不安です。どうすればいいですか?
適応障害の再発を恐れて、転職活動に踏み出せないという人には、アルバイトやパートから始めてみることをオススメします。
適応障害に伴うトラウマを払拭するには、小さな成功体験を積み重ねることが有効です。
いきなりフルタイムでの勤務が不安な人は、非正規での雇用から徐々に慣らしていくとよいでしょう。
適応障害のある人が利用できる支援制度7選
適応障害のある人が利用できる支援制度は以下のとおりです。
- 傷病手当金
- 失業保険(失業手当、雇用保険給付)
- 自立支援医療制度
- 障害者手帳
- 障害年金
- 労災保険(労働が原因の疾病の場合)
- 生活保護
適応障害のある人が利用できる支援制度について、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
特に、適応障害のある人が生活保護を利用する方法について、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
適応障害のある人が利用できる支援機関7選
適応障害のある人には特に、就労移行支援事業所がオススメです。
就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。実際のサービスは、国の基準を満たしたさまざまな民間の就労移行支援事業所が行います。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。それぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。
就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
その他、適応障害のある人が利用できる支援機関は以下のとおりです。
- 就労移行支援事業所
- 精神保健福祉センター
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 基幹相談支援センター
- ハローワーク(公共職業安定所)
- 転職エージェント
適応障害のある人が利用できる支援機関について、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
適応障害とは?
適応障害とは、仕事や職場の人間関係などから生じる特定可能な明確な心理的・社会的ストレスを原因に、心身がうまく対応できず、情緒面の症状や行動面の症状、身体的症状が現れることで、社会生活が著しく困難になっている状態のことです。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、松﨑博光『新版 マジメすぎて、苦しい人たち:私も、適応障害かもしれない…』、新橋スリープ・メンタルクリニック「ストレス性障害(適応障害)」、大阪メンタルクリニック「適応障害」、こころ診療所「適応障害の治し方6つ」、e-ヘルスネット「適応障害」)
適応障害の概要や症状、原因、診断基準、治療方法、治療期間、うつ病との違いなどについて、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
まとめ:あなたにあった転職先を見つけて適応障害を改善しましょう
適応障害による転職活動の秘訣から、転職後の再発防止策までを解説してきましたが、役に立ちそうな情報はありましたか?
先述したように、基本的に適応障害は、環境を変えれば改善していく病気です。
しかし、転職先次第では、回復が遅れる可能性があります。
大切なのは、周囲のアドバイスを聞きながら、あなたにあった転職先を見つけることです。
ぜひこのコラムに書かれている転職成功のポイントを参考にしながら、あなたにふさわしい職場を見つけてください。
本コラムが、適応障害に苦しむ人の助けになれば幸いです。
「適応障害を経験した後の転職/再就職」を成功させる方法はありますか?
一般論として、以下の5点が挙げられます。「まずは主治医に、転職活動を行える状態か相談する」「就労支援機関を利用する」「転職先候補のメンタルヘルスへの取り組みを確認する」「通勤時間に注意する」「頻繁な異動や遠方勤務がないかを調べる」。詳細はこちらをご覧ください。
転職後に適応障害を再発させないための方法はありますか?
一般論として、以下の6点が挙げられます。「自己判断で通院や服薬をやめない」「ゼロイチ思考をやめる」「業務量の管理を徹底する」「規則正しい生活を送る」「人に相談する習慣を持つ」「環境変化のタイミングに注意する」。詳細はこちらをご覧ください。
監修キズキ代表 安田祐輔
発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2024年10月現在、首都圏・関西に6校舎を展開しています。トップページはこちら→