就労移行支援 キズキビジネスカレッジ(KBC) 適応障害をきっかけに転職したい! 判断基準と後悔しない進め方を解説

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
- 適応障害になり今の仕事を辞めたい。でも転職できる?
- 転職後に適応障害が再発したらどうしよう…
適応障害のある人が安定して働ける職場へ転職するためには、適応障害の発症原因を明確にし、安心して働くための条件を見つけておく必要があります。
また、適応障害になっても転職しない方がいいケースもあります。勢いで退職や転職を決断するのではなく、状況を見て慎重に判断する必要があるでしょう。
このコラムでは、適応障害をきっかけに転職するべきかの考え方、メリット・注意点、転職を成功させるためのステップなどについて解説します。あわせて、利用できる支援制度・支援機関を紹介します。
転職に不安を抱いている人は、ぜひご覧ください。
目次
適応障害をきっかけに転職した方がいい?
この章では、適応障害をきっかけに転職した方がいいケース、しない方がいいケースについて解説します。
適応障害で転職した方がいいケース
適応障害の原因が改善されない場合は、転職を検討するのがよいでしょう。
例えば以下のようなケースでは、復職による再発リスクが高く、転職を選んだ方が無理なく働ける可能性が高いといえます。
- 職場そのものがストレス源となっており、改善を見込めない
- 企業風土や文化、雰囲気などが合わず、上司や同僚などの職場の人とも馴染めない
- 主治医やカウンセラーから、現在の職場で働いていくことは望ましくないといわれている
適応障害で転職しない方がいいケース
適応障害を発症しても、転職しない方がいいケースもあります。
就労環境や業務内容を調整でき、改善が見込まれる場合には、慎重な検討が必要です。例えば以下のケースでは、転職するよりも、復職や部署異動を検討する方が良いかもしれません。
- 繁忙期の業務量や特定の対応など、一時的なことが適応障害の原因となっている
- 特定の人物との関係悪化が発症の原因であり、配置転換・異動などで対応できる
- 職場が適応障害に理解があり、環境調整などに協力的
また、休職をしたかという点も大きなポイントです。
適応障害によって抑うつ気分や不安感、集中力の低下などの症状が生じているときは、冷静に判断を下すことができず、大きな決断をするのには向きません。
突発的に退職することで、「もとの職場にいた方がよかったのかもしれない」と後悔するリスクもあります。
さらに、適応障害の症状があるなかで転職活動を始めると、新たなストレスを抱えることになり、症状が悪化するリスクもあります。
そのため、転職するかどうかの判断は、医療機関と連携しながらゆっくり休養し、ある程度回復してから判断するのがよいでしょう。
適応障害をきっかけに転職するか迷うときの考え方
転職すべきか迷ったときには、主治医やカウンセラー、支援機関などに相談して、客観的な意見を聞いてみましょう。
なぜなら、一人で悩むことでさらに負担になったり、偏った考えにより転職に関する判断を誤ったりするリスクがあるためです。
例えば、転職の必要性を判断する際は、ストレス要因を特定するために以下のことを分析する必要があります。
- 就労環境の問題点:業務内容が多すぎた、職場が騒がしく集中を維持するのが困難だった など
- 自分の気持ち:どのような場面でどう感じたか など
- ストレスの感じ方:気持ちに変化があった、体調の変化が先だった など
- 改善性:職場に問題点を伝えて改善のための取り組みを実施してもらえるか
以上のことを正しく分析するためには、専門的な知識がある人に協力してもらうのが望ましいでしょう。
転職すべきか判断に迷うときは、1人で抱え込まず、主治医・カウンセラーや専門機関にアドバイスを求めましょう。
適応障害をきっかけに転職するメリット
転職をすれば、適応障害の原因となる以下のような物事から離れられ、再び生き生きと仕事ができるようになる可能性があります。
- 複雑な人間関係、コミュニケーションの問題
- 業務量の多さ、勤務時間の長さ
- 就労環境のミスマッチ
また、転職に際して、仕事内容や就労環境などについて改めて考えることになるため、自分がより活躍しやすい環境で働けるようになる可能性も高まります。
あわせて適応障害の原因やストレスに感じたことを分析すれば、自身が無理なく働ける職場の条件を見つけやすくなるでしょう。
適応障害をきっかけに転職するデメリット・注意点
適応障害をきっかけに思い切って転職・入社した企業が、自身に合う職場であるとは限りません。
特に、適応障害を発症した原因や自身の傾向などを分析しないまま行動すると、転職先でもミスマッチが生じ、症状の再発や休職を招くリスクがあります。
適応障害をきっかけに転職活動を始める場合は、感情に任せてやみくもに行うのではなく、きちんとした準備が必要です。
適応障害をきっかけとした転職を成功させるための4ステップ
この章では、適応障害をきっかけとした転職を成功させるための4ステップについて解説します。
ステップ①休養と回復に専念する
第一に、主治医と連携を取りながら、休養と回復に専念しましょう。
心身の調子が安定しないまま転職活動を始めると、症状が悪化するリスクが高まります。なぜなら、転職活動そのものが新たなストレスとなる可能性があるためです。
「早く復帰しなければ」と気持ちが焦るかもしれませんが、適応障害の症状を長引かせないためにも、しっかりと休養と回復に集中することが重要です。
まずは、以下のことに取り組んでみるとよいでしょう。
- しっかりと睡眠を取り、自分自身をいたわる
- 健康的な食事や適度な運動など規則正しい生活を送る
- 映画鑑賞やショッピング、アクティビティなど、意欲的になれるものに取り組んでみる
ステップ②適応障害の原因を探る
症状が寛解し、仕事について落ち着いて考えられるようになったら、適応障害の原因を分析しましょう。
どのような場面でストレスを感じたのか、何を嫌だと感じたのか、何が負担だったのかなど、仕事中・通勤中などの自分自身を振り返っていきます。
例えば、以下のように掘り下げてみるのもよいかもしれません。
- →対応する業務が多かった
- →1つの仕事に集中できないのが負担に感じた
- →業務量が常に多かった/通勤時間が長すぎた/勤務時間・拘束時間が長く不定期だった
- →キャパシティオーバーを相談・解消できる状況になく、問題を抱え込んでいた
- →通勤に体力を割きすぎており、疲労が蓄積された
- →オフもスケジュール確認をしたり変則的な生活に対応したりして、気が休まらなかった
- →人間関係が悪く、派閥があった
- →業務に集中できない環境がストレスだった
- →周囲の環境が悪かった
- →常に電話の音や大きな声が聞こえるのがストレスだった
- →トラブルが生じても、相談したりサポートを求めたりできなかった
- →いつもピリピリした雰囲気で圧力を感じ、サポートしあえる職場ではなかった
分析が難しいと感じた場合には、家族や友人などの周囲の人やカウンセラー、支援機関などのサポートを得るのもオススメです。
心身に負担がかからないよう注意しつつ、周囲の手も借りながら少しずつ進めてみましょう。
ステップ③自分に合う勤務条件を把握する
適応障害になった原因を踏まえて、自身が働きやすい職場やパフォーマンスを発揮しやすい仕事の条件を整理します。
譲れない条件をいくつかピックアップし、その条件を軸に転職先を探しましょう。例えば、以下のような条件が挙げられます。
- 仕事に集中できるよう、定期的な個別面談を通じて、職場環境の改善に努めている会社に転職したい
- 通勤時の体力的な負荷が大きすぎたため、30分程度で通勤できる範囲内で転職したい
- ストレスが蓄積する一方だったため、メンタルヘルスに関する取り組みを実施している企業に転職したい
- 常に音や声が聞こえるのがストレスに感じたため、静かな環境で働ける会社へ転職したい
また、適応障害のある人は、新しい環境に慣れるのが苦手な傾向にあります。そのため、頻繁な異動や業務交代、遠方勤務、出張などがない仕事を選ぶのも大切です。
ステップ④実際に転職活動を始める
主治医から「転職活動を始めても問題ない」と判断されたら、本格的に活動を開始しましょう。
ただし、転職活動に取り組む際には、ストレスや生活リズムなどを管理し、再発リスクを抑えることを意識する必要があります。
また、無理をしすぎないよう、転職活動の際は以下のことも意識しておくとよいでしょう。
- 応募する企業数を絞る
- 休日や面接頻度を決めておく
- 転職活動は、内定獲得の前でもいったん休んでもよいことを意識する
- 面接で働き方やサポート体制、メンタルヘルスの取り組みなどについて確認する
適応障害の再発を防ぐ仕事選びのポイント
この章では、適応障害の再発を防ぐ仕事選びのポイントについて解説します。
ポイント①臨機応変な対応やノルマがある職場を避ける
適応障害のある人は、臨機応変な対応が必要な仕事やノルマのある仕事に注意しましょう。
臨機応変な対応が必要な仕事は、適宜自身で判断し、その結果に責任を負う必要があります。結果としてプレッシャーを感じ、ストレスが大きくなるリスクがあるでしょう。
またノルマのある仕事も、求められている成果を出すため、日々頑張りすぎてストレスを抱え込むリスクがあります。
適応障害を発症する方は、真面目で責任感が強く、周囲に迷惑をかけまいと一人で問題を抱え込んでしまう傾向がよく見られます。
そのため、大きなストレス・プレッシャーがかかると想定される仕事を避けることで、安定して仕事を続けられる可能性が高まるでしょう。
ポイント②安定性や自由度を重視する
適応障害のある人は、安定性や自由度を重視して仕事選びをすることが大切です。具体的には、以下のとおりです。
- 業務量が安定しており、ストレスの波が生じにくい
- 対応方法や業務内容が明確になっており、イレギュラーな対応が生じにくい
- 裁量権が大きく、自分の体調やペースに合わせて進められる
- 長時間の拘束や不規則な就業など、過度な負荷がない
- 人間関係のストレスが少ない
例えば、自分のペースで仕事を進められるフリーランスなら、その日の体調にあわせて無理なく働きやすい傾向にあります。
また事務や軽作業などのイレギュラーが生じにくい仕事なら、マニュアル外の判断を下すストレスを溜め込みにくいかもしれません。
さらに、相談しやすい雰囲気があり風通しのよい職場や、精神疾患に理解のある職場なら、人間関係のストレスが生じにくいでしょう。
適応障害のある人が転職後に無理せず働くコツ
適応障害のある人が無理なく長く働いていくためには、以下のコツを意識しておくとよいでしょう。
- 自己判断で通院や服薬をやめない
- 人に相談する習慣を持つ
- 業務量の管理を徹底する
- 規則正しい生活を送る
- 環境変化のタイミングに注意する
- レジリエンス(ストレスに対するしなやかさ)を鍛える
- 極端な思考を避ける
- ときには情報を遮断する
自身のコンディションを良好に保てるよう意識しながら、問題を抱え込まないよう、こまめに周囲に相談することが大切です。
適応障害のある人が無理なく長く働くコツについては、以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
適応障害のある人が転職時に利用できる支援制度・支援機関
この章では、適応障害のある人が転職時に利用できる支援制度・支援機関を紹介します。
適応障害のある人が転職時に利用できる支援制度
適応障害のある人は、主に以下の制度を利用できる可能性があります。
- 傷病手当金
- 失業保険(失業手当、雇用保険給付)
- 自立支援医療制度
- 障害者手帳
- 労災保険(労働が原因の疾病の場合) など
転職先で障害者雇用を希望する場合には、原則として障害者手帳が必要になります。
障害者手帳の発行には一定の時間がかかるため、手続きについて事前に確認しておきましょう。
適応障害のある人が転職時に利用できる支援機関
適応障害のある人が転職時に利用できる支援機関は、以下のとおりです。
- 就労移行支援事業所
- 精神保健福祉センター
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 基幹相談支援センター
- ハローワーク(公共職業安定所)
- 転職エージェント
いずれの支援機関も、就労に関する相談を受け付けています。また基幹相談支援センター以外の支援機関では、転職に向けた訓練・支援も実施しています。
転職に関する悩みや不安があると感じる人は、一度相談してみるとよいでしょう。
支援制度や支援機関について、詳しくは以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
補足:利用できる支援制度は状況によって異なるため注意
支援制度は、休職中・療養期間中・転職活動中など、状況によって利用できるものが異なるため注意しましょう。
- 休職中(在職中):傷病手当金
- 退職後・転職活動中:失業保険
- 時期を問わない:自立支援医療制度、障害者手帳
- 認定されれば利用可能:労災保険
気になる支援制度については、申請条件を確認した上で、利用できるかどうかを確認してみてください。
就労移行支援事業所は適応障害のある人をサポートします
就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。
体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。
キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つで、個別相談を通じ一人ひとりにあった支援を実施しています。例えば、転職に対して「怖い」「不安」と感じている人には、以下のような支援を行い伴走します。
- セルフコンディショニング(心身の変化に気づき管理する力)の習得
- ストレスや感情との向き合い方、レジリエンスなどの習得
- 専門スキルの獲得
- 面接への同行、定着支援 など
気になる人は、ぜひお気軽にご相談ください。
適応障害と転職に関するよくある質問
この章では、適応障害と転職に関するよくある質問について解説します。
Q1.適応障害があると転職は不利になりますか?
適応障害があっても、必ずしも不利になるわけではありません。面接時や履歴書・職務経歴書でも、適応障害のことを開示する義務はないためです。
ただし、以下に該当する場合は、適応障害であることを開示するか検討した方が良いかもしれません。
- 業務に支障が出る可能性があるとき
- 配慮してほしいことがあるとき(合理的配慮を受けたいとき) など
適応障害について伝えておくことで、応募先企業が適応障害に理解があるかを確認し、ミスマッチを防ぐことも可能です。
応募先や仕事内容、自身の状況などに応じて、開示するかどうかを検討しましょう。
Q2.適応障害によるブランクはどう説明すればいいですか?
適応障害の治療や休養によってブランクが生じた場合には、「体調を整えるために休養を取っていた」のような形で説明するとよいでしょう。
あわせて、現在は症状が寛解しており、就業に問題がないことを説明すれば、マイナスの印象を与えることを避けられます。
ごまかしたり隠したりするのではなく、事実ベースで説明することで、矛盾や綻びが生じにくくなり、気持ちを楽にして面接に臨めるでしょう。
Q3.適応障害で転職する場合、どの雇用形態がいいですか?
適応障害を発症したらこの雇用形態を選ぶのがよい、とは一概には言えません。
雇用形態は、自身が働ける時間や、業務量に合わせて選択することが大切です。状況やコンディションを考慮し、非正規雇用や障害者雇用なども含めて検討するとよいでしょう。
判断に迷ったら、カウンセラーや支援機関に相談しながら検討することをオススメします。
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まとめ:適応障害をきっかけに転職するときは、無理のない働き方を選びましょう
適応障害のある人が転職するときには、自身がなににストレスを感じるのかを明確にしておくことが大切です。
ストレス要因を避けられる働きやすい職場を見つけられれば、長く働ける可能性が高まります。
自己理解を深めるとともに、必要に応じて周囲のサポートも得ながら、焦らずに就職活動を進めましょう。
このコラムをご覧のあなたが、後悔なく転職できるよう願っています。
よくある質問(1)
- 適応障害をきっかけに転職するメリットはどんなものがありますか?
-
転職をすれば、適応障害の原因となる物事から離れられ、再び生き生きと仕事ができるようになる可能性があります。詳細については、こちらで解説しています。
よくある質問(2)
- 適応障害の再発を防ぐ仕事選びのポイントを教えてください。
監修志村哲祥
監修キズキ代表 安田祐輔
監修角南百合子
すなみ・ゆりこ。臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。
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