発達障害のある人は一般雇用で働ける? メリット・デメリットを解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
発達障害があるあなたは就職する際、以下のことが気になっていませんか?
- 発達障害があっても一般雇用で働ける?
- 一般雇用のメリット・デメリットは?
このコラムでは、発達障害のある人は一般雇用で働けるのかや一般雇用と障害者雇用の違い、クローズ就労・オープン就労・障害者雇用のメリットとデメリット、発達障害のある人が仕事を選ぶポイント、発達障害のある人にオススメの仕事術について解説します。
あわせて、実際に発達障害のある人が一般雇用で働いた体験談を紹介します。一般雇用と障害者雇用のどちらがいいか悩んでいるあなたの参考になれば幸いです。
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目次
発達障害のある人は一般雇用で働ける!
発達障害のある人でも、一般雇用で働けます。
障害者雇用は障害のある人しか応募できませんが、一般雇用は障害の有無に関係なく、企業の応募条件を満たしていれば応募可能です。
そのため、発達障害のある人は、障害者雇用で応募するか一般雇用で応募するかを選択できます。
なお、就職活動をする際、障害の内容を明かすかどうかによってオープン就労とクローズ就労に分けられます。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分にはどれが適しているのか、考えてみましょう。
一般雇用と障害者雇用の違い
一般雇用と障害者雇用の主な違いは、以下の4つです。
- 募集形態・応募資格
- 職務内容
- 配慮
- 賃金・給与
まず、一般雇用は企業の応募条件を満たしていれば誰でも応募できるのに対し、障害者雇用は障害のある人しか応募できません。
また、障害者雇用は障害に配慮した職務内容になりますが、一般雇用は障害のない人と同様の職務内容になります。
一般雇用でもある程度の配慮を受けられるかもしれませんが、配慮の程度は勤務先次第です。
さらに、賃金・給与は障害者雇用より一般雇用のほうが高い傾向にあります。
一般雇用と障害者雇用の違いについて、以下のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
一般雇用(クローズ就労)のメリット・デメリット
障害の内容を明かさず、就職活動・就労することをクローズ就労と呼びます。障害の内容を明かさないため、一般雇用での求人に応募することになります。
一般雇用(クローズ就労)のメリットは、以下のとおりです。
- 給与水準が比較的高い
- 求人数や職種が豊富
- キャリアアップしやすい
一般雇用のほうが給与水準が高く、求人数も多いのが現状です。そのため、一般雇用のほうが、より多くの選択肢から選べます。
また、職種も豊富なため、多様なキャリアを選択しやすいのもメリットです。
一般雇用(クローズ就労)のデメリット・注意点は、以下のとおりです。
- 障害を隠すことで不安が生じる
- 障害への配慮を受けられない
- 就職先と支援機関の連携したサポートが得られない
自分の障害が周りに知られていないかを常に気にかけることは、精神的に疲れ、不安が生じます。
障害の内容を明かさないため、配慮を受けられない点も注意が必要です。苦手な作業を担当する可能性もあることは覚悟しましょう。
さらに、オープン就労の場合に受けられる定期面談やアドバイスなどの支援機関のサポートは受けられません。
クローズ就労のメリット・デメリットについては、以下のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
一般雇用(オープン就労)のメリット・デメリット
障害の内容を明かして就職活動・就労することをオープン就労と呼びます。オープン就労は障害者雇用への応募がメインになりますが、一般雇用へも応募できます。
一般雇用(オープン就労)のメリットは、以下のとおりです。
- 業務内容や配属先への配慮を受けられる
- 障害を開示できることによる安心感がある
- 支援機関と就職先が連携したサポートを受けられる
- その日の調子に合わせて勤務形態を変更しやすい
障害の内容を明かしているので、配慮を受けられるのが大きなメリットです。業務内容や勤務形態など、障害を踏まえて配慮してくれます。
精神的にも、周りが自分の障害を理解してくれているのは安心につながるでしょう。支援機関のサポートも受けられるので、相談場所があることも強みです。
一般雇用(オープン就労)のデメリット・注意点は、以下のとおりです。
- 給与水準が比較的低い
- 求人数が比較的少ない
- 職種の選択肢が比較的少ない
現実として、障害のある人の給与水準は低い傾向にあります。これは、雇用形態が正社員以外だったり、給与が上がりにくい仕事に従事したりしていることが原因と考えられます。
また、一般雇用では障害がない人と同じ扱いを受けるため、採用試験のハードルは高くなるでしょう。職種の選択肢が狭まることも覚悟が必要です。
オープン就労のメリット・デメリットについて、以下のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
障害者雇用のメリット・デメリット
障害者雇用は、障害のある人を対象にした雇用枠で雇い入れる制度です。
障害者雇用のメリットは、以下のとおりです。
- 労働時間を調節しやすい
- 配慮を受けられる
- 支援機関と就職先が連携したサポートを受けられる
- 障害年金を受給しながら働ける
障害があることを理解してもらえるため、労働時間の調整などの配慮を受けられるのが大きなメリットといえます。
支援機関と就職先が連携して、定期面談などのサポートを受けられるのも心強いでしょう。
また、条件を満たせば、障害年金を受給しながら働くことも可能です。金銭面で大きな手助けになるでしょう。
障害者雇用のデメリット・注意点は、以下のとおりです。
- 賃金が少ない可能性がある
- 正社員募集が少ない
- 職種の選択肢が比較的少ない
雇用形態や勤務時間の差により、賃金が少ない可能性があります。正社員募集が少なく、契約社員やアルバイト・パートでの勤務も考える必要があります。
職種も一般事務が多い傾向があり、選択肢が少ない点は知っておいてください。
障害者雇用のメリット・デメリットについて、以下のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
発達障害のある人が仕事を選ぶポイント
発達障害のある人が仕事を選ぶポイントは、以下のとおりです。
- 長く働き続けられそうか
- 障害の特性に理解があるか
- 福利厚生制度が整備されているか
- 働き方が柔軟か
- 就労条件があっているか
- 職場環境があっているか
- 興味のある仕事か
障害の特性に理解があり、長く働けそうかは大事なポイントです。無理をしても長く続かないため、働き方の柔軟さや福利厚生制度など、納得して働ける環境か判断しましょう。
また、発達障害のある人限定ではありませんが、就労条件や職場環境などが自分に合っているかも確認してください。例えば、残業時間や通勤経路などです。
さらに、興味のある仕事であれば、パフォーマンスを発揮しやすくなります。職種が限定されることもありますが、少しでも興味のある仕事を探してみましょう。
発達障害のある人が仕事を選ぶポイントについて、以下のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
発達障害のある人にオススメの仕事術
発達障害のある人にオススメの仕事術は、以下のとおりです。
- 具体的な指示を依頼する、指示を確認する
- やることをリスト化する
- スケジュールを整理する
- 業務の優先順位をつける
- 自分専用のマニュアルをつくる
- わからないことを質問する
- 整理整頓の時間を設定する
- 文字や図を用いた説明を求める
- ダブルチェックを依頼する
- ひとつの業務に集中する時間を設定する
- アラームを設定する
- 電子機器を仕事に取り入れる
- 遅刻対策をする
- 報連相対策をする
- うまくいった対策を真似してみる
- ライフハックを身につける
指示を自分の中でかみ砕いて納得するため、リスト化したり優先順位を付けたりするのは効果的です。指示がわからない場合は、質問したり具体的な指示を仰いだりするとよいでしょう。
また、ミスしない環境を自分なりに整えたうえで、ミスするのは仕方がありません。その場合はほかの人も巻き込んで、ダブルチェックをお願いしましょう。
ほかの人の話を聞き、うまくいった対策を真似してみるのもオススメです。さまざまな対策を試しながら、よい仕事環境を作っていきましょう。
発達障害のある人にオススメの仕事術について、以下のコラムでも解説しています。こちらもぜひご覧ください。
発達障害のある人が一般雇用で働いた体験談
Aさんは、学生時代から発達障害(ADHD/注意欠如・多動性障害)の特性があり、提出物の締め切りを守ったり時間通りに行動したりするのが苦手でした。
それでもなんとか機械メーカーの事務職の内定通知をもらい、就職しました。しかし、入社後は常にマルチタスクに追われ、適応障害になり、入社から1年半で休職しました。
そのタイミングで、Aさんの妹に発達障害(ADHD)の診断がおりたことを知りました。Aさんも思い当たる節があったため、検査を受けたところ、発達障害(ADHD)であることがわかりました。
その後Aさんは退職し、就労移行支援事業所である・キズキビジネスカレッジ(KBC)に通うようになりました。
担当者と毎週面談を行い、ES作成や面接準備をしました。1ヶ月間フルタイムのインターンにもチャレンジし、ついに就職活動へ。
Aさんははじめ、障害者雇用や時短勤務で働くつもりでしたが、面接準備やインターンで自信がつき、一般枠まで幅を広げてみようと思うようになりました。
IT企業に特化した就活マッチングサイトを使い、無事一般雇用で就職が決まりました。Aさんは定着支援も活用し、職場にも馴染んでいきました。
Aさんの体験談について、以下のコラムでも紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
発達障害の概要
この章では、発達障害について解説します。
発達障害とは?
発達障害とは、脳の機能的な問題や働き方の違いにより、物事の捉え方や行動に違いが生じることで、日常生活および社会生活を送る上で支障が出る、生まれつきの脳機能障害のことです。(参考: American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、こころの情報サイト「発達障害(神経発達症)」、NHK福祉ポータル ハートネット「そもそも「発達障害」って?|大人の発達障害ってなんだろう? - 大人の発達障害」、宮尾益知・監修『ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害』、松本卓也、野間俊一・編著『メンタルヘルス時代の精神医学入門 ーこころの病の理解と支援ー』、福西勇夫・山末英典・監修『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 精神の病気 発達障害編』)
発達障害は主に、以下の3つの診断名に分類されます。
- ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)
- ASD(自閉スペクトラム症/広汎性発達障害)
- LD/SLD(限局性学習症/限局性学習障害)
同じ診断名でも、人によって多様な特性が現れるのが発達障害の特徴です。また、いずれかの発達障害のある人は、他の発達障害が併存している可能性もあります。
ADHDとは?
ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害、Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)とは、不注意性や多動性・衝動性の特性から日常生活などに困難が生じる発達障害の一種のことです。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、田中康雄・監修『大人のAD/HD』、岩波明『大人のADHD─もっとも身近な発達障害』、司馬理英子『ササッとわかる 「大人のADHD」 基礎知識と対処法』、星野仁彦『それって、大人のADHDかもしれません』、e-ヘルスネット「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療」)
ADHDの特性は大きく、以下の2つの特性に分けられます。
- 不注意性:忘れ物やケアレスミスが多い、注意散漫、整理整頓・管理が不得意
- 多動性・衝動性:落ち着きがない、気が散りやすい、後先考えず行動する
ADHDのある人だからといってすべての特性が生じるというわけではありません。いずれかの特性、または複数の特性から困難が生じている人もいます。
ADHDのある人は、必ず不注意性や多動性・衝動性が現れるというわけではなく、人によって特性の現れ方、得意なこと・不得意なことが違う点が大きな特徴です。
ADHDの概要や特性、診断基準などについては、以下のコラムで解説しています。
ASDとは?
ASD(自閉スペクトラム症/広汎性発達障害、Autism Spectrum Disorder)とは、人とのコミュニケーションなどに困難が生じる発達障害の一種のことです。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、e-ヘルスネット「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」、CDC「Autism Spectrum Disorder (ASD) 」、厚生労働省「No.1 職域で問題となる大人の自閉症スペクトラム障害」、福西勇夫、福西朱音『マンガでわかるアスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド』)
かつて使用されていた以下の診断名・分類は、ASDという診断名・分類に統合されています。
- アスペルガー症候群
- 自閉症
- 高機能自閉症
- 広汎性発達障害(PDD)
それぞれ別の発達障害として、診断基準も異なっていましたが、2013年に行われた『DSM-5』の改訂の際に、厳密に区分するのではなく、地続きの=スペクトラムな障害として捉える現在のASDに変更されました。
ただし、変更前の診断名・分類が、法令や病院、日常会話などで現在も使用されることがあります。また、かつてアスペルガー症候群などと診断された人が、現在のASDという名称を認知していないこともあります。
ASDの概要や特性、診断基準などについては、以下のコラムで解説しています。
LD/SLDとは?
LD/SLD(限局性学習症/限局性学習障害、Learning Disorder/Specific Learning Disorder)とは、読む・書く・計算する・推論するなど、特定の学習行為のみに困難が生じる発達障害の一種のことです。(参考:American Psychiatric Association・著、日本精神神経学会・監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、山末英典・監修『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 精神の病気 発達障害編』、厚生労働省「学習障害(限局性学習症)」、小池敏英・監修『LDの子の読み書き支援がわかる本』、バーバラ・エシャム・文、マイク&カール・ゴードン・絵、品川裕香・訳『算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし 算数障害を知ってますか?』)
LD/SLDは症状別に、以下の3つの種類に分類されます。
- 読字障害(ディスレクシア)
- 書字表出障害(ディスグラフィア)
- 算数障害(ディスカリキュリア)
LD/SLDのある人は、全ての学習行為に困難が生じるというわけではありません。
いずれかの学習行為、または複数の学習行為に困難が生じている人もいます。計算することのみが不得意、読むことと書くことが不得意などのように、人によってさまざまです。
また、いずれの学習行為においても、人によって得意なこと、不得意なことは異なってきます。
例えば、読字障害のある人のなかでも、スムーズな音読が不得意な人もいれば、音読はできてもその内容を理解することが難しいという人もいます。
このように、LD/SLDのある人は、学習する事柄が総合的に不得意というわけではなく、ごく一部の事柄に困難が生じるという点が大きな特徴です。
まとめ:発達障害のある人も一般雇用枠で働けます
発達障害のある人は障害者雇用に加えて、一般雇用でも働けます。また、障害の内容を明かすかどうかで、オープン就労とクローズ就労に分けられます。
ただ、それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分にはどれが合うか考え、どの選択をするか判断しましょう。
また、障害に理解があるかに加えて、残業時間や通勤経路など、一般的な条件も考慮して仕事を選んでみてください。
一般雇用(クローズ就労)とは何ですか?
障害の内容を明かさず、就職活動・就労することをクローズ就労と呼びます。
詳細については、こちらで解説しています。
一般雇用(オープン就労)とは何ですか?
障害の内容を明かして就職活動・就労することをオープン就労と呼びます。
詳細については、こちらで解説しています。
障害者雇用とは何ですか?
障害者雇用は、障害のある人を対象にした雇用枠で雇い入れる制度です。
詳細については、こちらで解説しています。
監修キズキ代表 安田祐輔
発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2025年6月現在17校+オンライン校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2025年9月現在9校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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