就労移行支援を利用して就職するためのポイント 自分に合った就労移行支援事業所を見つけるコツを解説 | キズキビジネスカレッジ  

就労移行支援を利用して就職するためのポイント 自分に合った就労移行支援事業所を見つけるコツを解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

就労移行支援を通じた就職を検討中のあなたは、以下のような疑問や不安をお持ちではありませんか?

  • 就労移行支援を利用しても就職できないんじゃないか?
  • 具体的にどのような支援を受けられるのか?
  • 就労移行支援を通じて就職に結びつくのはどういう人?
  • 就労移行支援事業所を選ぶときのコツは?

あなたに合った就職先をみつけるためのポイントは、障害や病気の特性、症状に対応できる就労移行支援事業所で支援を受けることです。

このコラムでは、就労移行支援を利用したときの就職率、就労移行支援を利用して就職するまでの流れ、自分に合った就労移行支援事業所を見つけるコツ、就労移行支援を利用して就職するためのポイントについて解説します。

あわせて、就労移行支援を利用した人の成功事例や就職に向けて就労移行支援の利用を検討している人によくある質問を紹介します。

就労移行支援に興味や不安があれば、ぜひ読んでみてください。

就労移行支援については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、発達障害や精神障害のある人のための就労移行支援事業所です。

  • 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
  • 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
  • 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月

神田・新宿・横浜・大阪に校舎があり、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。遠方の方は、日常的にはオンラインで受講しながら(※お住まいの自治体が認めた場合)、「月に1回、対面での面談」を行います。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

就労移行支援を利用したときの就職率

就労移行支援を利用したときの就職率は、2021年時点で、約48.3%です。

この就職率は、2021年の就職者数2259人、2022年4月1日時点での利用者数4681人に基づいて算出した割合です。(参考:東京都福祉局「令和4年度 就労移行等実態調査 結果概要」

また、特別支援学校を卒業した人のなかで、すぐに就職せずに就労移行支援を利用して一般就労に移行した人の割合は以下のとおりです。(参考:厚生労働省「就労支援施策の対象となる障害者数/地域の流れ」

移行者数
  • 2019年:1万3288人(約54.7%)
  • 2020年:1万1614人(約53.4%)
  • 2021年:1万3946人(約56.3%)
  • 2022年:1万5094人(約57.2%)

以上のとおり、就労移行支援を受けて一般就労に移行した人の割合が増加傾向にあることが分かります。これは、専門的な知識や豊富な経験を持つスタッフが利用者に適した方法でサポートし、悩みや困りごとに寄り添いながら対応しているためと考えられます。

キズキビジネスカレッジ(KBC)における就労支援実績は、以下からご確認ください。

参考

キズキビジネスカレッジ(KBC)「就労支援実績」

就労移行支援を利用して就職するためのポイント7選

この章では、キズキビジネスカレッジ(KBC)の知見に基づき、就労移行支援を利用して就職するためのポイントについて解説します。

ただし、これから解説するポイントを全て網羅していなければ就職できないというわけではありません。

こういうポイントに気をつけて就職していった人がたくさんいるという安心材料にしてください。

あなた自身の就職については、就労移行支援事業所にしっかり相談しながら進めることで、よりよい方向に進んで行けるでしょう。(参考:木津谷岳『これからの発達障害者「雇用」』

ポイント①あなたに適している就労移行支援事業所を選ぶ

1つ目のポイントは、あなたに適している就労移行支援事業所を選ぶことです。

あなた自身に適しているかどうかを見分けるためには、以下のような機会を活用することがオススメです。

  • 気になる事業所の支援員への相談
  • 事業所の見学
  • 体験通所

支援員に相談したり実際に見学したりして、受けられる支援の内容や事業所内の雰囲気などを把握しましょう。

また、ウェブサイトやSNSなどの情報だけで判断せずに、少しでも気になる部分があれば、事業所に直接質問することも大切です。

前もって自分の目で確認すれば、就労移行支援事業所の雰囲気や支援の内容を把握しやすくなるため、通所中のミスマッチを減らすことができます。

また、就労移行支援事業所を選ぶ際は、規模や評判の実積だけで判断するのではなく、自分に合っているかという視点で選ぶようにしましょう。

あなたに合った就労移行支援事業所の見つけ方は、こちらの章でさらに詳しく紹介します。

ポイント②就労移行支援の利用と平行して治療を受ける

2つ目のポイントは、就労移行支援の利用と平行して治療を受けることです。

就労移行支援の利用と平行して治療を受けておくことで、就職後も安定したコンディションを維持しやすくなります。(参考:障害者職業総合センター「精神障害者の 就労支援における 医療と労働の連携のために」

また、就職活動の準備が始まると、身の回りが慌ただしくなるため「もう通院をしなくてもいい」と自己判断で治療をやめる人がいます。しかし、自己判断で治療をやめると、就職活動に伴う疲労やストレスによって再び体調を崩すことがあります。

そのため、医師から治療が必要だと言われている場合は継続して治療を受けましょう。

また、面接時の担当者は、就職希望者が安定して働けるかどうかをチェックしています。つまり、面接時に体調やコンディションが安定していないと、合格が遠のく恐れがあるのです。

就職を成功しやすくすると共に、あなたの健康を維持しやすくするためにも、就労移行支援の利用と平行して治療を受け続けるようにしましょう。

ポイント③就職への不安や悩みを事業所のスタッフに相談する

3つ目のポイントは、就職への不安や悩みを事業所のスタッフに相談することです。

就職への不安や悩みを事業所のスタッフに相談すると、プレッシャーやストレスを軽減しやすくなります。

例えば、あなたがうつ病や発達障害による苦労やその特性による退職経験がある場合、再就職や働くことに不安を覚えるでしょう。しかし、不安に思うこと自体は不自然なことではありません。

ただし、その不安を自分1人で抱え込むと、不安を解決できないまま就職に向けて動き出すことになったり、精神的な負担が大きくなったりすることが考えられます。

そのため、まずは不安や悩みを1人で抱えないようにし、就労移行支援事業所のスタッフに相談するようにしてみてください。

就労移行支援事業所のスタッフは、あなたの不安や悩みを聞いてくれることはもちろん、その不安や悩みに合わせて、オススメの対処法や講座、プログラムなどを提案します。

また、通所中に病状などが悪化した場合にも、スタッフへの相談が必要不可欠です。治療を優先することになりますが、病状が落ち着いたら再び就職に向かって進んでいけます。

過剰に不安にならず、就労移行支援の助けを借りながら、就職活動を進めていきましょう。

ポイント④あなたのペースで就職を目指す

4つ目のポイントは、あなたのペースで就職を目指すことです。

逆の言い方をすると、就職を焦るあまり、自分の性格・関心と合致しないお勤め先にエントリー・就職することは避けたほうがよい、ということです。

短期間のうちに自分に合わない仕事や企業への志望動機を考えるのは難しいですし、面接などもうまく行えない結果、不合格通知を受け取ることが増えていき、プレッシャーが増えていきます。

仮に採用となっても、仕事内容や職場の雰囲気が自分に合わなければ、ミスマッチゆえに、苦しい思いや不本意な短期離職につながることもあるのです。

就職を焦る気持ちは、とてもよくわかります。ですが、せっかく就労移行支援を受けるのであれば、焦らずに自分への理解を深めた上で、より自分に合った仕事を探しましょう。

ポイント⑤あなたの特性や症状に応じた業種から仕事を探す

5つ目のポイントは、あなたの特性や症状に応じた業種から仕事を探すことです。

特に、発達障害のある人は、得意・不得意のムラがはっきり出やすい傾向にあります。一般論としては、ADHDであれば、ミスを咎められない寛容な職場や、発案力が活かせる職種が向いているでしょう。

また、ASDのある人であれば、対人折衝の求められない職場や、こだわりの強さを活かせる専門職が向いているかと思います。

ほかにも、うつ病や双極性障害などの精神疾患がある場合は、体調や調子の波にあわせて勤務形態を調整できる職場が適しているでしょう。

いずれにせよ、就労移行支援を受ける過程で、自分の特性や病状を把握したうえで仕事を探すことが大切です。

ポイント⑥多様な業種や業界を検討する

6つ目のポイントは、多様な業種や業界を検討することです。

就職活動を進める中で、自分の特性などを踏まえて希望する業種や業界が決まってくることもあるでしょう。しかし、業種や業界を限定しすぎると、以下のようなリスクが伴うことがあります。

  • 求人数が限られている
  • 人気の業種・業界の場合、競争率が高い

さらに、就職活動の時点で、自分の希望を決めすぎていると、就職後に想像と違った業務を与えられたときに、精神的な負担やストレスを感じる可能性があります。

現時点で興味のない業界・業種についても調べたり、関連する講座やプログラムを受けたりするうちに、次第に興味を持つことがあります。また、実は向いていたと気づけることもあるでしょう。

そのため、就職活動中は、希望の業種や業界を絞りすぎず、様々な業界・業種について調べたり、就労移行支援事業所のスタッフに相談したりしてみましょう。

ポイント⑦障害者雇用での就職を検討する

7つ目のポイントは、障害者雇用での就職を検討することです。

雇用枠をしっかりと検討することは、あなたの障害や病気の特性に応じた働き方を実現しやすくするためです。

障害者雇用とは、障害のある人を対象とした雇用枠のことです。障害の特徴や内容に合わせて安心して働けるようにするため、いわゆる一般雇用とは就労条件が異なります。

一般雇用とは、障害者雇用以外の雇用枠のことです。障害の有無にかかわらず誰でも応募することが可能です。

障害者雇用では、発達障害の特性や病気の症状に対して、職場から業務量や業務内容への配慮が得られます。障害者雇用で働くためには、一般的に障害者手帳の所持が必要です。

実際に、障害者雇用で就職してから「働きやすくなった」と感じる人はいます。ただし、一般雇用に比べると、給与水準やキャリアパスに難点がある可能性があります。

障害や症状の程度や、あなたが何を優先したいかによっても、どちらの雇用枠が合っているかは変わってきます。

なお、ある企業にはクローズ就労・一般枠でエントリーして、ある企業にはオープン就労・障害者枠でエントリーする、といった方法も可能です。雇用枠や就労方法については、就労移行支援事業所に相談しながら考えていきましょう。

障害者雇用やオープン就労・クローズ就労については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

就労移行支援を利用して就職するまでの流れ

この章では、就労移行支援を利用して就職するまでの流れについて解説します。

一連の流れを把握して、就職への道筋をイメージしてみましょう。

流れ①問い合わせをして無料相談や見学・体験利用をする

始めに利用を検討している就労移行支援事業所へ問い合わせます。就労移行支援に関する詳しい知識がなくても大丈夫です。安心して問い合わせてください。

そして、多くの就労移行支援事業所では、無料相談や見学・体験利用などを行っています。

そのため、問い合わせをした際に、相談や見学、体験利用などができないかを聞き、日程を相談しましょう。また、実際に就労移行支援事業所に訪れることで、WEBサイトやパンフレットだけではわからない就労移行支援事業所の雰囲気をつかみやすくなります。

流れ②障害者福祉サービス受給者証を取得し入所する

利用したい就労移行支援事業所が決まったら、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口に行って、障害者福祉サービス受給者証を取得します。(参考:大阪市「障がい福祉サービスの利用について」

記入する書類や項目は自治体によって異なるものの、基本的には診断書が必要です。なお、診断書や障害者福祉サービス受給者証の取得について不明な点があるときは、就労移行支援事業所に相談しましょう。

障害者福祉サービス受給者証を取得できたら、診断書と一緒に就労移行支援事業所へ持って行き、利用手続きを進めます。

注意したいのは、手続きを進めるにあたって障害者手帳が必要になることです。障害者手帳を取得していないときは、取得にあたって必要な手続きや申請先を把握しておきましょう。(参考:こころの情報サイト「精神障害者保健福祉手帳」、東京都福祉局「障害福祉サービス等の利用手続き」

ただし、障害者手帳が必要になるかどうかは医療機関や自治体の判断によって異なります。

障害者手帳については、以下のコラムでも解説しています。ぜひご確認ください。

流れ③個別支援計画に合わせた職業訓練を受ける

個別支援計画に合わせた職業訓練を受けると、障害や病気の特性や症状に応じたサポートを受けながら就職に必要なスキルを身につけられます。

個別支援計画とは、あなたの病気や障害の特性および症状を考慮したうえで、体調管理やメンタルのコンディションを良好な状態で維持するための計画です。また、あなたの性格やスキルなどから、希望する業界や働き方などへのアドバイスを受けられます。(参考:新潟市福祉部障がい福祉課「個別支援計画について」

職業訓練で習得できることは、具体的に以下のとおりです。なお、就労移行支援事業所によって内容は異なります。

  • 基本的なスキル学習:ビジネスマナー、PC講など
  • 専門的なスキル学習:経理、プログラミングなど
  • 生活面の基本的なスキル学習:自己管理方法、コミュニケーションスキル、面接指導など

なお、実際に職業訓練を受けるときは、就労移行支援事業所ごとの訓練メニューを確認しながら支援員と相談して決定します。

流れ④あなたの特性や症状に合う職場を探して就職活動をする

通所の後期になると、実際に就職先を探すことになります。しかし、自分だけで求人を探したり書類選考や面接を受けたりすることはありません。

就労移行支援事業所では、就職活動本番の前段階として、インターンや職場体験の斡旋を行っています。また、履歴書や志望動機の書き方、面接の受け方などの練習やサポートも受けられるのです。(参考:厚生労働省「就労移行支援ガイドブック」

また、就職活動を行うにあたっては、以下の2点について考える必要があります。

  • 一般雇用か障害者雇用のどちらにするか
  • 障害者手帳を取得するかどうか

障害者雇用にするかどうかを検討するのは、あなたの持つ障害の特性や症状に応じて働けるようにするためです。障害者雇用での就職を目指すときは、原則として障害者手帳を所有している人が対象のため、取得してください。

なお、雇用枠は障害者手帳の有無に関わらず選択できます。

就労移行支援事業所には、雇用枠や障害者手帳の取得について相談できるスタッフが在籍しています。疑問や不安を感じたら、その都度相談しましょう。

また、就労移行支援事業所では、雇用枠や障害者手帳を取得するかどうかにかかわらず、あなたの適性に合った職場探しのサポートを受けられます。

就職活動の準備や練習を行い、採用試験に合格したら、いよいよ就職です。

流れ⑤就職後の職場定着支援を受ける

最後に、就職後の職場定着支援を受けます。

職場定着支援とは、疾患や障害のある人が、就労先の労働環境や業務内容に順応し、長く働き続けられるように支援する福祉サービスのことです。

障害者雇用の採用枠は年々増えているものの、職場定着が課題として残っています。特に精神障害がある人の職場定着率はほかの障害にくらべて低いため、いかにして働き続けるかが重要です。(参考:障害者職業総合センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」

就労移行支援事業所では、就職後の定期面談を実施してあなたが職場に定着できるようにサポートしています。就職した先を見据えた支援を受けることも検討しておきましょう。

就労定着支援については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

自分に合った就労移行支援事業所を見つける5つのコツ

この章では、自分に合った就労移行支援事業所を見つけるコツについて解説します。

前提:第三者に相談したり足を運んだりすることが大切

自分にあった就労移行支援事業所を見つけるための前提として、就労移行支援事業所を探すときは、自治体や専門機関にも相談したり、実際に足を運んで見学したりすることが大切です。

なぜなら、就労移行支援では多様な支援を行っているため、WEBサイトやSNSなどの情報のみでは、自分に合っているかどうかを判断しにくいためです。

自治体や専門機関に相談すれば、あなたの病気や障害の特性、希望の職種などを踏まえた上で、あなたに合った就労移行支援事業所を紹介してもらえるでしょう。

また、実際に気になった就労移行支援事業所に足を運ぶことで、その雰囲気を直に感じられたり、詳しい説明をスタッフから聞くことができたりします。

こちらでも解説したとおり、多くの就労移行支援事業所では、無料の相談や見学を受け付けていますので、可能な範囲で複数の就労移行支援事業所に足を運んで比較しましょう。

コツ①あなたに必要な支援を受けられる事業所を探す

1つ目のコツは、あなたに必要な支援を受けられる事業所を探すことです。一口に就労移行支援事業所と言っても、行っているサポートやプログラムは、事業所によって大きく異なるためです。

そのため、利用を検討している就労移行支援事業所があなたに必要な求めているサポートを実施しているかどうかを、事前に確認する必要があるのです。

例えば、ASDのような発達障害に伴って、コミュニケーションスキルに不安を抱えている場合は、マナー講座、面接時の応答など、サポートが充実している就労移行支援事業所を選ぶのがよいでしょう。

「仕事に役立つPCスキルを学びたい」「簿記の講座を受けて経理職に就きたい」など、就職に向けて学びたいことが明確な人は、そうしたプログラムに力を入れている就労移行支援事業所が向いていると言えます。

就労移行支援事業所へ問い合わせたり、支援員に相談したりする際には、以下の2点を尋ねてみてください。

  • 必要とするサポートを実施しているか
  • どんなサポートに力を入れているのか

ただし、事業所内でのサポートやプログラムでの雰囲気は、Webサイトや電話での問い合わせだけではわかりません。

また、ご自身のことをどう説明すればよいかかわからなかったり、現時点では明確な希望がなかったりすることもあるでしょう。

そのため、可能な範囲で実際に見学し、スタッフと直接話すことをオススメします。

コツ②あなたの病気や障害に対応できる事業所を探す

2つ目のコツは、あなたの病気や障害に対応できる事業所を探すことです。

あなたの病気や障害への専門的な知識があり、症状や特性に合わせて対応できるスタッフが在籍しているかどうかを確認しましょう。

通常、就労移行支援事業所には、支援に関わる実務経験や資格を有するサービス管理責任者が在籍しています。(参考:厚生労働省「障害福祉サービスにおける サービス管理責任者について」

その上で、さらに社会福祉士や臨床心理士などの専門員を配置している就労移行支援事業所もあります。

精神障害がある場合であれば精神保健福祉士、身体障害の場合であれば介護福祉士など、専門職のスタッフが在籍しているかどうかも、確認する上で重要なポイントの一つです。

専門的な知識や豊富な経験を持つスタッフが所属する就労移行支援事業所を利用すれば、あなたの抱える病気や障害の実情に即した支援を受けやすくなるでしょう。

ただし、有資格者がいないと適切な支援を受けられないということではありません。

なぜなら、就労移行支援事業所では、基本的に各病気や障害に対応しているためです。

そのため、資格のあるスタッフが在籍しているかどうかにこだわらず、あくまでもあなたの病気や障害への対応状況や実績はどうかを確認することに重きを置きましょう。

また、これまでにどのような障害や病気のある人の支援を行ってきたのか、などの支援実績を確認することもオススメです。

コツ③自宅から通いやすい距離・場所にある事業所を探す

3つ目のコツは、自宅から通いやすい距離・場所にある事業所を探すことです。通いやすい事業所を選ぶことで、通所にかかる負担を減らし、継続して利用しやすくなります。

一方で、自宅から通いにくい就労移行支援事業所を選んだ場合、通所による心身への疲労が蓄積しやすくなり、職業訓練や就職活動を進めにくくなる可能性があります。

あなたが候補に挙げた事業所が、通いやすいかどうかを確認する方法は、実際に就労移行支援事業所まで足を運ぶことです。どのくらいの時間がかかるかに加えて、公共交通機関が利用できるか、通所する時間帯に混雑していないかなどを確認しましょう。

ただし、自宅から離れた場所の事業所に通うことで気分転換できることがあります。また、最寄りの就労移行支援事業所に通いにくい事情があるときも同様に、自宅から離れた事業所の利用を検討するとよいでしょう。

東京都にある就労移行支援事業所について調べるときは、以下のサイトを活用できます。

参考

福ナビ 東京福祉ナビゲーション「事業所情報」

また、以下のように、自治体が就労移行支援事業所の一覧を出している場合もあるので、気になる方は確認してみてください。

コツ④事業所を利用する前に見学または体験通所をする

4つ目のコツは、事業所を利用する前に見学または体験通所をすることです。事前に見学や体験通所をしておくと、事業所やスタッフとの相性を確かめられます。

また、利用する就労移行支援事業所の雰囲気や支援員との相性を把握できれば、就職を実現させやすくなります。さらに、他の利用者の過ごし方を確認することで、事業所での過ごし方を具体的にイメージしやすくなるでしょう。

見学や体験通所を通じて、あなたの性格とマッチした支援員が多くいそうな就労移行支援事業所を見つけましょう。

コツ⑤希望する業種や業界がある場合は就職・定着の実績を調べる

5つ目のコツは、希望する業種や業界がある場合は就職実績や定着実績を調べることです。

例えば、あなたがプログラマーになりたいという明確なビジョンを持っているとしましょう。プログラマーの就職実績が豊富な就労移行支援事業所に通うことで、必要なスキルをぶための講習を受けたり就職先の候補を紹介してもらいやすくなったりします。

学ぶための講習を受けたり就職先の候補を紹介してもらいやすくなったりします。

そのため、この職業に就きたいという考えがある人は、就労移行支援事業所への問い合わせの際に、希望する職種での就職実績があるかを必ず確認しましょう。

また、職場定着の実績も合わせて確認しましょう。職場定着の実績が豊富な就労移行支援事業所は、就職後を見据えたサポートを行っている可能性が高いためです。

現実の職場を想定したカリキュラムを用意しているほか、あなたの特性・症状に合った就職先を勧めてもらえるでしょう。

ただし、実績のない就労移行支援事業所であっても、あなたが希望するサポートを実施したり、フォロー体制が整っていたりする場合もあります。事業所を決めるときは総合的に判断しましょう。

就労移行支援を利用した人の成功事例2選

この章では、私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)の就労移行支援を利用して就職を実現した人の成功事例を紹介します。

成功事例①高校入学後にひきこもりを経験、適応障害から希望職種への就職を実現

Oさんは、コミュニケーションが苦手なことをコンプレックスに感じていました。高校入学後のある日、突然学校に行けなくなり、7年間のひきこもりを経験します。

医師による診断では、適応障害ということでした。

ひきこもりの状態から社会復帰をするために、アルバイトでの経験を積むことにしたOさんは、その過程で就労移行支援事業所の存在を知ったそうです。

そしてアルバイトからのステップアップを目指して自分に合った就労移行支援事業所を探す中で、スタッフの印象が良く、信頼できると感じたキズキビジネスカレッジ(KBC)への通所を決めました。

通所を開始したOさんは「Microsoft Office基礎講座」のほかに、生活習慣を変えるきっかけになった「睡眠講座」を受けました。

さらに、スタッフとの月一回の面談を通じて、スキルとメンタルの両面から自信を付けていきました。

就職活動の段階では、面接や履歴書の書き方について客観的かつ具体的な指導を受けられたことが、大きな励みになったそうです。

Oさんはサポートを得ながら、希望する事務職への就職を実現しました。

成功事例②発達障害の診断を受けて料理人を断念、スキルを身につけて事務職に就職

Sさんはキズキビジネスカレッジ(KBC)に通う以前は、料理人として働いていました。

しかし、注文の多い時間帯に、注文を聞きながら料理を作るといったマルチタスクが苦手で、混乱してしまうことが悩みでした。

疲れやストレスが溜まって病院を受診したところ、発達障害が判明します。同時に、職場への不適応から退職を決意しました。

退職後、発達障害の当事者会で就労移行支援について知ったSさんは、キズキビジネスカレッジ(KBC)に通所しながら自分の強みを見つけることにしました。

スタッフの指導を受けながら、Microsoft Officeソフトの使用を含むパソコンスキルを身につけているうちに、退職前に抱いていたあきらめの気持ちが消えて、自信を持てるようになったそうです。

また、利用者同士のチームワークも、モチベーションの向上につながりました。

そして、支援員との相談を重ねるうちに、障害者雇用枠で就労することのメリットを知ったSさんは、パソコンスキルを活かせる職種での就職活動を開始し、事務職への就労を実現しました。

就職に向けて就労移行支援の利用を検討している人によくある質問3選

この章では、就職に向けて就労移行支援の利用を検討している人によくある質問を紹介します。

このほかに気になる点があれば、どうぞ、私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)にお問い合わせください。

Q1.就労移行支援事業所では、就職後もサポートを受けられる?

就職後もサポートを受けられるかどうかは、就労移行支援事業所によって異なります。就職後のサポートを希望するときは、就労定着支援を行っている事業所を探しましょう。(参考:WAMNET「就労定着支援事業所」

就労定着支援では、以下のサポートが受けられます。

  • 一般的な定期面談
  • 就職先での業務内容や業務量の調整

これらのサポート以外にも、職場で長く働き続けるためのサポートが受けられますので、これまで仕事が続かないことで悩んできた人には、特にオススメです。

なお、障害者職業総合支援センターの統計によると、職場定着支援を受けた人とそうでない人で、1年後の職場定着率に20%前後の差が出ています。(出典元:障害者職業総合支援センター「障害者の就業状況等に関する調査研究」)

Q2.複数の就労移行支援事業所で支援を受けることはできる?

複数の就労移行支援事業所で支援を受けることはできません。なぜなら、同じ日に複数の就労移行支援に通うことができないためです。

ただし、以下のような場合は、通所する就労移行支援事業所を変更できる可能性があります。

  • 体験入所で自分に向いているところを見つけた
  • 入所したけれど合わなかった

Q3.就職先が自分に合わなかったら?

就労移行支援事業所を利用して就職したけれど、結果としてその就職先が合わなかった場合は、退職して問題ありません。

また、就労移行支援サービスの利用期間内であれば、退職後も同じ就労移行支援事業所で再度支援を受けることもできます。

ただし、退職する前に会社もしくは就労移行支援事業所に相談しましょう。

職場定着支援の一環として、本人、就労移行支援施設、就労先の三者で、就労環境や待遇の変更に向けて話し合うことが可能です。

就労移行支援とは?

就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。

就労移行支援事業所に通うことで身に着けられることや得られることは、以下のようにたくさんあります。

  • 体調管理の方法
  • 職場におけるコミュニケーションの基礎スキル
  • 就職に必要な専門スキル
  • 実際の就職活動に向けたアドバイス

さらに、就職に向けた総合的な支援のほかに、就職後の職場定着支援を行っている事業所があります。

就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。各事業所によって特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。

就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ:就労移行支援を利用して就職を成功させましょう

就労移行支援を活用して就職を成功させるうえで重要なポイントは、あなたに合った就労移行支援事業所を見つけることです。

そして、あなたに合った就労移行支援事業所を見つけるためにも、可能な範囲で実際に事業所に足を運び、直接話を聞いたり事業所内の雰囲気を感じたりしてみてください。

また、無料相談や見学の際に、就職に関するお悩みを率直に話すことで、事業所のスタッフもアドバイスがしやすくなりますので、まずは相談してみましょう。

このコラムが、あなたの就職に結びつく就労移行支援事業所探しの助けになれば幸いです。

よくある質問(1)

就労移行支援を利用して就職するまでの流れを教えてください。

以下が考えられます。

  • 問い合わせをして無料相談や見学・体験利用をする
  • 障害者福祉サービス受給者証を取得し入所する
  • 個別支援計画に合わせた職業訓練を受ける
  • あなたの特性や症状に合う職場を探して就職活動をする
  • 就職後の職場定着支援を受ける

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

就労移行支援を利用して就職するためのポイントはありますか?

以下が考えられます。

  • あなたに適している就労移行支援事業所を選ぶ
  • 就労移行支援の利用と平行して治療を受ける
  • 就職への不安や悩みを事業所のスタッフに相談する
  • あなたのペースで就職を目指す
  • あなたの特性や症状に応じた業種から仕事を探す
  • 多様な業種や業界を検討する
  • 障害者雇用での就職を検討する

詳細については、こちらで解説しています。

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2024年10月現在、首都圏・関西に6校舎を展開しています。トップページはこちら→

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