地域若者サポートステーション(サポステ)を利用するメリット 利用対象者や支援内容を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
あなたは地域若者サポートステーション(サポステ)を知っていますか?
- 地域若者サポートステーションを利用したいけれど、どんなことができるの?
- ハローワークとは何が違うの?
地域若者サポートステーションのことがわからずに利用をためらっていたり、就職活動に踏み出せずに困っている人もいるかもしれません。
このコラムでは、地域若者サポートステーションを利用したい、知りたいという人に向けて、地域若者サポートステーションの概要や支援内容、利用するメリットや手続きの流れなどについて解説します。
ぜひ最後まで読み、地域若者サポートステーションの利用を検討してみましょう。
地域若者サポートステーションの利用を検討しているあなたへ
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目次
地域若者サポートステーション(サポステ)とは?

地域若者サポートステーション(サポステ)とは、働くことに悩みを抱える15歳から49歳までの若者を対象とした厚生労働省委託の就労支援機関です。若者支援の実績やノウハウがある民間団体が運営しています。(参考:厚生労働省「地域若者サポートステーション」、「サポステ」)
2025年2月1日現在、全国177か所に設置されています。
地域若者サポートステーションの目的
地域若者サポートステーションは、「働きたいけど自信がない」「社会に踏み出す勇気が出ない」「人間関係がうまく築けない」などの悩みを抱える若者の相談を行い、社会的自立と職業的自立を目的に支援しています。
職業の斡旋・紹介は行っておらず、就職の前段階である就労相談や面接指導などを通じて、就業中ではない人の就職から職場定着まで、自立に向けた総合的な支援を提供しています。
地域若者サポートステーションの利用対象者・利用条件

地域若者サポートステーションは、原則として15歳から49歳までの若者で、職業に就いていない人、学校に在籍していない人、アルバイトを含む就職を目指している人が対象です。
また、雇用保険未加入の週20時間未満の就業中の人で、より安定した働き方を希望する場合も利用の対象となります。(参考:厚生労働省「地域若者サポートステーション」、まつど地域若者サポートステーション「まつど地域若者サポートステーション利用規約」)
地域若者サポートステーションの利用料金
地域若者サポートステーションの利用料金は基本的に無料です。
ただし、一部のプログラムや講座では、教材費などの実費を自己負担する場合があります。
また、施設までの交通費や駐車場料金等は利用者の負担となります。
詳しくは利用を検討している地域若者サポートステーションに確認をしましょう。
地域若者サポートステーションの支援内容
この章では、地域若者サポートステーションで受けられる支援内容について解説します。(参考:サポステ「主な支援内容」)
支援内容①コミュニケーション講座

コミュニケーション能力は、就職だけでなく、社会生活を送る上で非常に重要なスキルです。
地域若者サポートステーションのコミュニケーション講座は、「相手に分かりやすく伝える」「相手の話を丁寧に聞く」「自分の気持ちを適切に表現する」など、基本的なコミュニケーションスキルの向上を支援しています。
自信を持って社会に出るためのコミュニケーション能力を身に付けたい人にオススメの講座です。
支援内容②ジョブトレ
ジョブトレ(ジョブトレーニング)とは、職場体験を通して働くための準備や、就労に必要なスキルや知識を身につけるためのプログラムのことです。
実際に企業・団体へ出向き、普段の仕事を体験します。
体験内容や体験場所は、スタッフと相談しながら、企業と利用者のニーズに応じた内容になります。
支援内容③ビジネスマナー講座

地域若者サポートステーションのビジネスマナー講座では、以下の内容を学びます。
- 身だしなみ:社会人としての適切な外見や服装について
- あいさつと言葉遣い:適切な挨拶の仕方や、ビジネスシーンでの言葉遣いについて
- 電話応対:電話のかけ方、受け方、取り次ぎの仕方など、ビジネスにおける電話マナーについて
- 名刺交換:名刺の渡し方や受け取り方など、ビジネスにおける名刺交換のマナーについて
- メールの基本マナー:ビジネスメールの書き方や注意点について
- 情報セキュリティ:会社の機密情報や個人情報の取り扱いなど、情報管理の重要性について
- お辞儀の仕方:適切なお辞儀の仕方について
- ビジネスコミュニケーション:職場での適切なコミュニケーションの取り方について
これらの内容を通じて、社会人として必要なマナーやビジネスでのコミュニケーションスキルを身につけることができます。
ビジネスマナー講座は、就職を目指す人だけでなく、現状からステップアップを目指したい人や社会生活・職業生活に自信をつけたい人にも適した講座です。
支援内容④就活セミナー(就職支援)
地域若者サポートステーションの就活セミナーでは、就職活動に必要不可欠なさまざまなスキルや知識を学ぶことができます。
- 履歴書・職務経歴書の書き方指導
- 面接での印象アップ術
- 職業適性検査(GATB)の実施
- 面接練習
- ブランク・転職・退職理由の考え方
- 効果的な志望動機・自己PRの作成方法
- 業種、職種に関する知識
- 労働法の基礎知識
- 求人票のチェックポイント
- 雇用契約書を結ぶ際の注意点
- 職業人による講話
就活セミナーを通じて、参加者は就職活動に対する自信を高め、より効果的に就職活動に取り組むことができるようになります。
一人では不安な就職活動をきめ細かくサポートし、参加者が安心して就職に臨めるよう支援しています。
支援内容⑤集中訓練プログラム

地域若者サポートステーションの集中訓練プログラムとは、就労に向けて数週間から数ヵ月で集中的に就労支援を受けるプログラムのことです。
共同生活を通して生活リズムを整え、コミュニケーション能力を向上させたりする合宿形式や、短期間で就労に必要なスキルを集中的に習得するプログラムがあります。
集中訓練プログラムの具体的な内容や期間、料金は、各施設によって異なります。各施設のスタッフと相談し、自分に合ったプログラムを選択しましょう。
支援内容⑥定着・ステップアップ支援
地域若者サポートステーションの定着・ステップアップ支援とは、就職後の若者に対して継続的なサポートを提供するプログラムのことです。(参考:サポステふくい「サポステ卒業者ステップアップ事業」、おおいたサポステ「定着・ステップアップ事業」)
定着支援では以下の支援内容があります。
- 職場での悩みや不安に関するキャリアカウンセリング
- ストレスマネジメント支援
- 職場でのコミュニケーションスキル向上のためのビジネスマナー講座
- 就職者同士の経験共有のための懇談会
また、以下のステップアップ支援があります。
- キャリアアップのためのコンサルティングとプランニング
- より高度な就職活動のためのキャリアアップセミナー
- 資格取得支援
- 転職相談
- キャリアアップした若者の経験談を聞く懇談会
- 希望職種の経営者等へのインタビュー
- キャリアアップのための就職体験プログラム
この定着・ステップアップ支援は、アルバイトやパートタイムから正社員への転換、労働時間の増加、期間限定雇用から無期雇用への転換、派遣から直接雇用への転換など、さまざまなキャリアアップを目指す若者をサポートする支援です。
このように、地域若者サポートステーションは就職後も継続的に支援を提供し、長期的な職場定着とキャリア発展をフォローしてくれます。
地域若者サポートステーションを利用する3つのメリット
この章では、地域若者サポートステーションを利用するメリットについて解説します。
メリット①無料で支援を受けられる

地域若者サポートステーションの大きな魅力は、無料で支援を受けられることです。
通常、キャリアカウンセリングや就職支援セミナーは費用がかかることが多いですが、地域若者サポートステーションではこれらを無料で受けることができます。
- 将来について相談したいけど、お金がない…
- 就職活動がうまくいかない…
そんな悩みを持つ人でも、安心して相談できます。
専門の相談員が、あなたの状況や希望を丁寧にヒアリングし、一緒に考えてくれます。
また、履歴書の書き方や面接対策、自己分析など、就職活動に必要なサポートもほとんど無料で受けることができます。
メリット②ニーズに合った支援を受けられる
地域若者サポートステーションは、十人十色の悩みや課題を抱える若者たちに寄り添い、オーダーメイドのような支援を提供しています。
「将来の目標がまだ見つからない…」という悩みを持つあなたには、自己分析やキャリアデザインのサポートが用意されています。自分の興味や強みを発見し、将来の可能性を広げる支援を受けられます。
「就職活動で何から始めればいいか分からない…」という不安を抱えるあなたには、履歴書の書き方や面接対策など、就職活動に必要なノウハウを教えてくれます。模擬面接で実践的な練習もできるでしょう。
「コミュニケーション能力に自信がない…」という課題を持つあなたには、コミュニケーション講座やグループワークを通して、自信を身につける機会を提供しています。
あなたの状況やニーズに合わせて、柔軟に、そして親身にサポートしてくれます。「こんなこと相談してもいいのかな…」と思わずに、まずは気軽に相談してみてください。きっと、あなたに合った支援が見つかるはずです。
メリット③自立に向けて細かな支援を受けられる

地域若者サポートステーションは、あなたが自立に向けて一歩ずつ進むための、きめ細やかなサポートを提供します。
- 学校を卒業したけれど、これからどうしよう…
- 一人暮らしを始めたい。でも何から手をつければいいか分からない…
- 誰かに頼りたいけど、周りに頼れる人がいない…
そんな悩みや困りごとにも地域若者サポートステーションは相談・支援をします。
あなたの状況や希望を把握してアドバイスをしてくれたり、住居探しや生活費の管理など、一人暮らしに必要な知識や情報を教えてくれたりします。
地域若者サポートステーションは、単に就職を支援するだけでなく、あなたが社会人として、そして一人前の大人として自立するために、あらゆる側面からサポートをしてくれます。
地域若者サポートステーションと就労移行支援、ハローワークとの違い
地域若者サポートステーションとよく比較されるのが、就労移行支援やハローワークです。
それぞれの違いを理解し、目的や状況に応じて利用しましょう。
就労移行支援との違い
就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。
就労移行支援事業所の利用条件は、以下のとおりです。
- 原則18歳から65歳未満である
- 一般企業などへの就職または仕事での独立を希望している
- 精神障害や発達障害、身体障害、知的障害、難病などがある
就労意欲のある人を対象としている点では同じですが、対象年齢や障害の有無などの点で異なります。
就労移行支援事業所の利用料金は、世帯収入によって異なります。最低額の場合、0円で利用できます。
仮に負担が生じたとしても、月額で最大3万7200円と、利用料に上限が設定されています。(参考:厚生労働省「障害者の利用者負担」)
基本的に無料で利用できる地域若者サポートステーションとその点で異なるでしょう。
就労移行支援事業所の支援内容などについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
ハローワークとの違い
ハローワーク(公共職業安定所)とは、仕事を探している人や求人を募集したい事業者に対して、就労に関連するさまざまなサービスを無償で提供する、厚生労働省が運営する支援機関のことです。正式名称は公共職業安定所で、職安と呼ぶ人もいます。(参考:厚生労働省「ハローワーク」厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」厚生労働省「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」、東京労働局「東京ハローワーク」、厚生労働省「こころの健康サポートガイド」、厚生労働省「ハローワークにおける障害者の就労支援」)
ハローワークは、仕事を探している人であれば、誰でも利用可能です。就労意欲のある全年齢の人が対象であるため、その点で異なります。
またハローワークでは、求人情報を提供しています。地域若者サポートステーションでは求人紹介を行っていないため、求人情報はハローワークなどの機関を利用する必要があります。
ハローワークの支援内容などについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
地域若者サポートステーションの利用する流れ
この章では、地域若者サポートステーションの利用手続きの流れについて解説します。(参考:サポステ「主な支援内容」)
流れ①予約を取る

まずは、お住まいの地域にある地域若者サポートステーションに電話、メール、またはWEBサイトから問い合わせて、相談の予約をします。
場所や連絡先は、厚生労働省のWEBサイトで確認できます。
相談内容や利用に関する疑問点などを伝えられるようにしておきましょう。
また、家族や保護者からの相談も受け付けています。
流れ②専門スタッフと初回面談をする
予約した日時に地域若者サポートステーションに行き、専門スタッフと面談を行います。
あなたの状況や就労の希望などを答えられるようにしておきましょう。
流れ③登録手続きをする

初回の面談でサービス内容や利用方法の説明を受けた後、利用登録の手続きを行います。
利用登録の際には、身分証明書が必要な場合があります。事前に確認しておきましょう。
流れ④各種支援を受ける
2回目以降の面談で、担当と一緒に就職活動におけるゴールや目標を設定し、就活支援が始まります。
定期的にキャリアカウンセリングを受けながら、あなたの悩みや希望に合わせたプログラムに参加します。
流れ⑤就職活動をする

就職活動に必要なノウハウを地域若者サポートステーションで学びながら、実際に就職活動を行います。
流れ⑥就職後の支援を受ける
就職先や進路が決まった後も、職場定着に関する相談や次のステップへの相談が可能です。
支援内容は利用者の状況や希望に合わせて柔軟に対応してくれます。
地域若者サポートステーションについてよくある質問6選
この章では、地域若者サポートステーションについてよくある質問を紹介します。(参考:サポステ「Q&A」)
Q1.保護者の同伴もよいでしょうか?

一緒でも大丈夫です。未成年の人は保護者等の同意を得る必要があったり、本人の希望を共有する必要があったりします。
不安な場合は保護者同伴でも問題ありません。
Q2.近所に地域若者サポートステーションがない場合はどうしたらよいでしょうか?
地域若者サポートステーションによってはサテライト、公的施設や学校などを利用した出張相談、メールや電話による相談などを行なっているようです。
最寄りの地域若者サポートステーションに問い合わせてみましょう。
Q3.週に何回通うことができますか?

地域若者サポートステーションに通う回数は決められておらず、自由です。
専門のスタッフと相談し、あなたの希望や状況に合わせて通い方を決めていきます。
Q4.小さい子どもがいます。既婚者は通ってはダメでしょうか?
既婚者の人も、子どもがいる人も利用可能です。
Q5.以前地域若者サポートステーションを利用しました。もう一度利用することは可能ですか?

可能です。
あなたに合う働き方を地域若者サポートステーションは支援してくれます。
Q6.人とのコミュニケーションが苦手です。大丈夫でしょうか?
大丈夫です。
専門のスタッフが親身になって相談に乗ってくれます。
コミュニケーションに不安を抱える人も多く通っています。
まとめ:利用したい人は近くの地域若者サポートステーションに問い合わせよう

地域若者サポートステーションでは、個別相談や各種セミナー、職場体験など、就職に向けた様々なサポートを一人一人のニーズに応じて対応してくれます。
ハローワークとは異なり、求人情報の提供は行っていませんが、就職活動に必要なスキルや知識を身につけることができます。
働きたいけど自信がないという人や、社会に踏み出す勇気が出ないという人は、ぜひ一度地域若者サポートステーションに相談してみてください。
きっと、あなたの力になってくれるはずです。
地域若者サポートステーション(サポステ)とはどんな機関ですか?
地域若者サポートステーション(サポステ)とは、働くことに悩みを抱える15歳から49歳までの若者を対象とした厚生労働省委託の就労支援機関です。若者支援の実績やノウハウがある民間団体が運営しています。
詳細については、こちらで解説しています。
地域若者サポートステーションの支援内容を教えてください。
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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