ひきこもりの就活準備のため自己理解をしよう(得意なこと編)〜ひきこもりから社会復帰への道(8)〜 | キズキビジネスカレッジ  

ひきこもりの就活準備のため自己理解をしよう(得意なこと編)〜ひきこもりから社会復帰への道(8)〜

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)利用者でひきこもりを経験した橋本大樹(仮名)です。

私は6年のひきこもり期間を経て、社会復帰のために少しずつ行動してきた者です。

私の経験や、長年ひきこもり支援を行ってきた「株式会社キズキ」の知見にもとづくと、ひきこもりの方には以下のお悩みがあるかと思います。

  • このままでいいとは思っていないけど、何から始めたらいいのかわからない...
  • 誰も味方がいない気がして、不安で動けない...
  • 働いたり、施設に通ってみても、続かないのではないか...
  • 無職の期間があるか、働いたことがなく、就職に希望を持てない...

これらの問題を解消してひきこもりが社会復帰する方法を、段階ごとにご紹介していきます。

今回はひきこもりから就活の準備をする方法について解説します。

ひきこもりの方の社会復帰を目指すきっかけに、少しでもなれば幸いです。

※この記事は、シリーズ「ひきこもりから社会復帰への道」の第8弾です。
前回のコラムは下記よりご覧ください。

ひきこもりからの就活準備のため自己理解をしよう(大事なこと編)〜ひきこもりから社会復帰への道(7)〜

シリーズ全体のまとめは下記よりご覧ください。

ひきこもりから社会復帰への道 4つのステップから細かく解説

私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、就活中のひきこもり状態にある人のための就労移行支援事業所です。

  • 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
  • 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
  • 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月

神田・新宿・横浜・大阪に校舎があり、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。遠方の方は、日常的にはオンラインで受講しながら(※お住まいの自治体が認めた場合)、「月に1回、対面での面談」を行います。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

得意なこと(長所や強み)を理解するべき2つの理由

得意なこと(長所や強み)の理解

就職活動に際して、自分の「得意なこと(長所や強み)」について考える必要があるのは、次の2つの理由によります。

理解すべき理由①自己効力感が得られる

自己効力感とは、「自分は周囲の環境や人などに対して、いい影響を与える力を持っている」という感覚のことです。

端的に言うならば、「結果や誰かのために頑張ろう」と、無意識に思える感覚のことです。

自己効力感は、過去の成功体験から形成されます。

自己効力感が高い人は、充実感から達成意欲が湧いて、成果を出しやすくなります。

理解すべき理由②仕事では他者視点で価値を提供していく必要がある

具体的には、「就職先(企業)や顧客のために何ができるか」を、考えることが大切になってきます。

何ができるかを見つけるためには、ご自身の得意なこと(長所や強み)を理解している必要があります。

キズキのオススメ!ひきこもりからの自立!ゆるやかな就労を目指せる 侍学園

得意なことを理解することの、就活・仕事での4つのメリット

得意なことを理解することの、就活・仕事での4つのメリット

得意なことを理解すると、就活や仕事の場面で、次のようなメリットも出てきます。

メリット①向いてる職種を見つけやすくなる

向いてる職種を見つけるためには、「自分ができそうな実務」について考える必要があります。

そして、「できそうな実務」は、得意なこと(長所や強み)を理解しておくと、見つけやすくなるのです。

理由は2つあります。

1つ目は、職種の選定がしやすくなるからです。

「強みに適合した職種」という判断基準を設けることで、職種を限定しやすくなります。

その上、職歴や保有資格に限定して仕事を探すよりも、適度に視野が広がります。

特に職歴や資格がない方は、向いてそうな職種を想像するための助けとなるでしょう。

なお、次のような方は、ゆっくりと時間をかけてでも考え抜いたほうが、後々就職活動のときに対策をしやすくなるでしょう。

  • 前職にいい記憶がないから、面接でどう前向きに答えたらいいか分からない
  • 前職で身に着けたことが、他の業界では通用しにくい
  • 前職とは違う仕事がしたいけど、前職の経験もできるだけ活かしたい

2つ目の理由は、希望職種に必要な実務スキルを学ぶ際に、無理なく習得しやすくなるからです。

得意なこと(長所や強み)に適合した実務スキルを学べば、学習内容が頭に入りやすくなります。

なぜなら得意なこと(長所や強み)は、実体験から形成されているからです。

実体験に近いこと(=強みと合致した実務スキル)を学ぼうとすると、脳が自動的に学習内容に共通点を見いだします。

そして、脳が「今学んでいることは、既にやったことがある」と錯覚します。

このように、脳が「慣れ」の錯覚を起こすことで、強みと適合しないものを習得するよりも、学習の負荷が少なくなります。

したがって、実務スキルを、挫折なく習得しやすくなります。

また、経験したことそのままを再度学ぶよりも、適度に新しいことを学ぶので、飽きずに意欲も保ちやすくなります。

実務に活かせそうな強みを見つけてきましょう。

メリット②自己PRを作成しやすくなる

選考では、企業側に自己PRを求められたり、得意なこと(長所や強み)を聞かれます。

得意なこと(長所や強み)を理解できていれば、得意なこと(長所や強み)を企業側に伝えらやすくなるでしょう(「伝え方」には、相手先に合わせて工夫が必要です)。

自己PRを適切に伝えるためには、成果を出せることを、証拠を交えて説明する必要があります。

その証拠が「成果を出せた経験」となります。

メリット③ガクチカをすぐに書きやすくなる

ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略です。新卒採用の選考で聞かれることが一般的です。

また、就職希望者に職歴がない場合にも、採用側がガクチカを聞いてくることがあります。

ガクチカを通じて、企業側は「求職者が課題や問題に対してどのように対処する人なのか」を知ろうとしています。

それを知るために、企業は学生時代や前職の経験などの過去を聞いてきます。

得意なこと(長所や強み)を理解するには、過去の経験を掘り下げていく必要があるので、その経験をガクチカとして話すといいでしょう。

メリット④志望動機に説得力が増す

エントリーする会社の志望動機を考えるために、仕事の目的=大事なこと(価値観)と得意なこと(長所や強み)がいい方向に出た環境(得意なこと)を掛け合わせて、「自分がやりがいを感じる条件」を考えておきましょう。

そして、「自分がやりがいを感じる条件」と社風や企業理念の共通点を、志望動機にしてみましょう。

そうすると、説得力のある志望動機が作成できます。

得意なこと(長所や強み)を深く知るための4つの手順

得意なこと(長所や強み)を深く知るための4つの手順

得意なことを知るための手順の例を紹介します。下記4点をやってみて、得意なこと(長所や強み)を深堀りしてみましょう(例であり、他にも方法はあります)。

ご自身の得意なこと(長所や強み)が活きる環境や条件が、見えてきやすくなります。

手順①これまでの人生を振り返って、10個以上の得意なこと(長所や強み)候補を見つける

これまでの人生を振り返って、10個以上の得意なこと(長所や強み)候補を見つけてみましょう。

思い浮かべるエピソード
  • これまでの人生で成果が出たことを、思いつくままに書いてみる
  • 成果が出たことが思いつかなかったら、充実感があったことを思い出し、その先に成果がなかったかを考えてみる
  • 日常的にやっていることを「明日やめざるをえなくなった」と仮定して、「もっとやりたかった」と感じるものを書いてみる
  • 職歴がある場合は、仕事の中で成果が出たことや、充実していたことも思い出してみる
  • 思い出せない場合は、業務内容を具体的に書き出してから考えてみる
  • 前職にいい記憶がない場合は、「よくない中でもマシだった業務」で考えてみる
  • どうしてもいい記憶がない場合は、「これから同じような状況になったら、今度は〜しよう」「こうならないために、次は〜しよう」と考えてみる
  • 他人に対して、「何でこんなこともできないんだろう?」と思ったことを思い浮かべてみる
  • 親しい人に、自分の得意なこと(長所や強み)を聞いてみる

手順②得意なこと(長所や強み)候補の背景を掘り下げ、強みとなる環境や条件を考えてみる

得意なこと(長所や強み)候補を挙げられたら、そのエピソードの背景を掘り下げて、得意なこと(長所や強み)を発揮できる環境を条件を考えてみましょう。

<掘り下げるための質問とその例>

「高校時代に、合唱部で歌唱力が上達したこと」を、顧問が呼んだ外部講師に褒められた。

  1. 成果が出る前は、何をしていたか
    →ひたすら練習を毎日続けていた。部活が終わった後も、ひとりで練習していた。
  2. 当時の環境や特徴
    →自分が1年のときに、コンクールで審査員のひとりから酷評を受けたのを機に、顧問の指導が厳しくなった。
    →顧問の自分に対する当たりが特にきつく、マンツーマンで指導を受け、たくさん叱られた。
  3. どんな意識で、当時行動していたか
    →上手く歌えないところは、ピアノで1音1音確認しながら音程を合わせた。
    →先輩にも練習に付き合ってもらい、音程の確認をしてもらった。
  4. 当時は何をモチベーションにしていたか
    →顧問が自分に対して異常に厳しいことを、先輩が同情してくれた。
    →先輩は毎日一生懸命練習している自分を、評価してくれていた。
    →「勉強も運動も大してできない自分が、唯一取り組んでいることだから」と思いながら、あきらめずに続けた。

手順③大事なこと(価値観)を含んだ得意なこと(長所や強み)も探してみる

大事なこと(価値観)を含んだ得意なこと(長所や強み)を探してみると、より強い得意なこと(長所や強み)が見つかる可能性があります。

大事なこと(価値観)を理解する方法は、下記の記事を参考にしてみてください。

大事なこと(価値観)を変えるのは、非常に難しいことです。

しかし、不変に近い思考だからこそ、環境さえ合えば得意なこと(長所や強み)になりえます。

環境とは、仕事で言えば企業理念や社風のこと。

「価値観を含んだ長所が活きる社風の企業」を探すことで、働きやすくなる可能性が高くなります。

また、大事なこと(価値観)を伴った得意なこと(長所や強み)は強い意志を含んでいます。

そのため、面接で感情を込めてアピールできるので、採用側に印象を残しやすくなるでしょう。

手順④得意なこと(長所や強み)候補が、本当に得意なこと(長所や強み)になりうるか評価してみる

全ての得意なこと(長所や強み)候補に◎、〇、△で評価をつけていきましょう。

評価基準
  • ◎:充実感があり、成果につながる。
  • ○:充実感がある。
  • △:まだ確信が持てていない。
評価基準の参考
  • どの環境でも活きそうな長所→◎
  • 親しい人と知り合い程度の人両方に、共通して言われた長所→◎
  • 環境要因が大きそうな長所→○
  • 人によって評価が異なる長所→△(ただし、その人との関係性や、その人と共にしている環境について深く考えてみると、評価が変わる可能性もある)
  • 長所:継続することができる
  • 評価:◎
  • 考察
    → 部活動を引退するまで続けることができた。
    →あれだけつらい思いをしたのに、我ながらよく続けられたと思う。
    →どんな環境でも継続できる力が、きっとあるのだろう。
    →雇用形態は、長く働くことを前提としている「正社員」がいいかもしれない。
    →しかし、長く続けられるがゆえに、ずっと無理をしてきた。
    →どこでも発揮できそうな強みだからこそ、仕事の環境には気を付けないと。
    →できるなら、職場の雰囲気を、インターンで実際に体験して仕事を決めたい。

あなたが前を向いて行動を起こすきっかけに

ひとりで生活管理をすることが難しい場合

ここまで、自己理解の方法、特に得意なこと(長所や強み)を理解する方法について解説してきました。お読みいただき、ありがとうございました。

この記事が、あなたが前を向いて行動を起こすきっかけになることを願っています。

「病気や障害が関連してひきこもりになった方」や「ひきこもり生活中に病気になった方」「ひきこもりからの就職を希望する方」は、キズキビジネスカレッジにご相談ください。

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