仕事に行きたくないあなたへ　理由や対処法を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ（KBC）です。

現代社会において、仕事に行きたくないと感じる人は決して少なくありません。

多様な働き方や価値観が求められる中、仕事とプライベートのバランスや、仕事内容への満足度など、人それぞれが抱える悩みはさまざまです。

仕事に行きたくないと感じたとき、孤独感や不安を抱え、どうすればいいのかわからずに悩んでいる人もいるのではないでしょうか？

このコラムでは、仕事に行きたくないと感じる理由や対処法、避けたい行動などについて解説します。

仕事に行きたくない気持ちでお悩みの人は、最後まで読んで参考にしてみてください。

仕事に行きたくないと感じるのは珍しいことではない

仕事に行きたくないという気持ちは、多くの人が抱く自然な気持ちです。

仕事に行きたくないと感じることは、甘えや精神的な弱さが原因だと、自分を責めた経験がある人もいるかもしれません。

しかしながら、仕事が嫌だと感じることは、甘えではありません。行きたくないと思う理由や程度は人によってさまざまですが、多くの人が仕事への葛藤を抱えています。

厚生労働省が2023年に行った調査では、仕事に対して強い不安や悩み、ストレスを感じる労働者は約82.7％と、全体の8割を超える結果でした。（参考：厚生労働省「令和５年　労働安全衛生調査（実態調査）」）

仕事に行きたくないと感じるときは、その気持ちを放置せずに、解決策を見つけることが大切です。「仕事に行かなければ」と焦る気持ちもあるかもしれませんが、理由や対処法を探していきましょう。

仕事に行きたくない理由10選

仕事に行きたくないという気持ちの裏には、さまざまな理由が潜んでいます。

この章では、仕事に行きたくない理由について解説します。

理由①体調不良や精神的な疲れ

体調不良や精神的な疲労があると、仕事に行きたくない気持ちが生じやすくなります。心と体はつながっているため、どちらかが不調になると、心身のバランスを崩すのです。

特に睡眠不足や栄養バランスの乱れなどがあると、心身の不調につながりやすくなります。生活習慣が乱れるような習慣をしていないか、一度振り返ってみましょう。

理由②職場の人間関係に関する悩み

上司や同僚との人間関係で悩んでいる人も少なくありません。パワハラやセクハラ、大人のいじめといった深刻な問題を抱えている場合もあれば、単純にコミュニケーションがうまくいかないといったケースもあります。

令和5年の雇用動向調査によると、職場の人間関係が好ましくなかったことを原因に転職した割合は、男性が約9.1％、女性が約13.0％でした。（参考：厚生労働省「令和５年　雇用動向調査結果の概要」）

職場の人間関係の悩みは、仕事への意欲低下につながる理由の1つです。小さな悩みであっても、積み重なると大きな心の負担へとつながることもあります。

理由③労働時間や業務量が多い

長時間労働や業務量の多さは、心身に大きな負担をかけます。特に、残業が常態化している職場では、プライベートの時間も削られ、ストレスが溜まりやすくなるでしょう。

長時間の労働やストレスによって、身体的な疲労や精神的な疲労が蓄積すると、慢性的な行きたくない気持ちにつながりやすくなります。

標準的な労働時間は1日8時間です。人によって感じる負担は異なりますが、残業時間が月40時間を超えるような場合は、特に仕事への意欲が低下しやすいと言えます。（参考：厚生労働省「労働時間・休日」）

理由④休み明けで気分が切り替わらない

休日明けに仕事モードへと切り替えられないケースも多いです。楽しい休日を過ごした後は現実に引き戻される気持ちになり、出勤するのに抵抗を感じたことがある人もいるでしょう。

特に、連休が続いたあとに出勤すると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、だるさや心身の不調を覚えることがあります。このような場合は出勤後、1〜2日ほど経過するといつものリズムを取り戻せるかもしれません。（参考：中国新聞「連休明け　本調子に戻すこつや注意点は」）

理由⑤仕事にやりがいを感じられない

自分の仕事が会社の目標や社会に貢献していると感じられず、義務的に仕事をこなしている意識があると、仕事に行きたい気持ちが失われます。

仕事内容が単調であったり、スキルアップの機会が少なかったりする場合は、やりがいを感じられなくなることが多いでしょう。

無理にやりがいを見つける必要はありませんが、仕事に喜びを感じられないことで、意欲の低下につながることがあります。人によっては仕事を給料のためと割り切って働ける場合もあり、そのような捉え方ができれば、少しは気持ちが軽くなるかもしれません。

理由⑥仕事のミスやプレッシャー

仕事でミスをすることで上司や同僚から叱責されたり、評価が下がったりすることが怖いと感じた経験はありませんか？

このような場合、仕事に行きたくないと感じても無理はありません。過去にミスをして怒られた経験があると、また同じことを繰り返すかもしれないと、不安を感じやすくなるためです。

また、責任感の重い仕事を任されることで強いプレッシャーを感じ、仕事に行きたくなくなることもあります。上手くこなさなければと強く思うほど、プレッシャーを強める要因になるでしょう。

理由⑦給与や待遇が不満

自分の仕事に見合った報酬が得られていないと感じたり、労働条件が劣悪であると感じたりすると、仕事に対するモチベーションの低下につながります。具体的には、以下のようなケースです。

このような不満があれば、たとえやりがいを感じていたとしても、仕事自体に意義を感じられなくなるきっかけになるかもしれません。

理由⑧通勤がつらい

通勤時間は業務時間外ですが、距離が長いと通勤時間が伸び、疲労が蓄積しやすくなります。また、混雑するバスなどや満員電車に乗らなければならないことで、通勤自体がストレスになっている場合も多いです。

通勤時間はプライベートの時間も圧迫するため、不満が生まれやすくなる要因になります。

理由⑨朝起きるのがつらい

出社時間が定められている場合、毎日時間どおりに出社しなければなりません。しかし、朝起きるのが苦手で、憂うつな気持ちで目覚める人もいるでしょう。

特に、通勤時間が長かったり残業が多かったりすると睡眠時間が削られるため、朝にすっきり目覚めることができません。仕事による拘束時間が長い人は、朝起きることのつらさから、行きたくない気持ちが生じている場合もあります。

理由⑩プライベートに問題がある

家庭問題や恋愛問題など、プライベートな問題を抱えているために、仕事に行きたくなくなることもあります。プライベートの問題があると仕事中に集中できず、ミスをしやすくなるなどの悪影響につながりかねないでしょう。

この場合は仕事や自分の体調に問題があるわけではないため、プライベートの問題が落ち着けば解決する可能性があります。

補足：病気や障害の症状・特性が関連している可能性も

ほかにも、うつ病などの精神疾患症状や、ADHDなどの発達障害の特性などが原因で、仕事に行きたくなくなることがあります。これらの症状や特性に関連した困難を抱えている場合は、専門医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

仕事に行きたくないと感じたときの影響とリスク

仕事に行きたくない程度によっては、メンタルヘルスへの影響が考えられます。我慢を重ねるうちに人間関係に支障をきたしたり、仕事のパフォーマンスが低下したりと、仕事が続けられなくなる恐れもあるでしょう。

無理が続くと、仕事に行こうと思ってもその場から動き出せなくなるかもしれません。仕事に行けない気持ちに気づいたら早めに対処し、抱え込まないことが大切です。

仕事に行けないことでお悩みの人は、以下のコラムも参考にしてください。

一時的な仕事に行きたくない気持ちへの対処法5選

仕事に行きたくない気持ちは、多くの人が経験することです。いくつかの対処法を知っておくことで、行きたくない気持ちを和らげられます。

この章では、一時的な仕事に行きたくない気持ちへの対処法について解説します。

対処法①リフレッシュ方法を見つける

仕事に行きたくないときは、自分にとってご褒美になるようなリフレッシュ方法を見つけておくのがオススメです。例えば、通勤時にお気に入りの音楽を聴いたり、好きなドリンクを飲んだりして気分を高めるのも良いでしょう。

仕事終わりや休日は趣味を楽しんだり、友人と会ったり、旅行に行ったりなど、自分にとってのリフレッシュになるようなことをしてみてください。ストレス発散になるような活動を取り入れることで、仕事へのモチベーションの回復につながりやすくなるはずです。

対処法②生活習慣を見直す

規則正しい生活を送ることで、心身の状態が安定し、仕事への意欲にも良い影響を与えるでしょう。睡眠時間をしっかりと確保し、バランスの取れた食事を心がけるようにしてください。

また、無理のない範囲で適度な運動を取り入れるのも有効です。生活習慣が整うと、気持ちも前向きになりやすくなるはずです。

対処法③目標の再確認や報酬を設定する

仕事に行きたくないときに目標を再確認することは、気持ちを切り替える手段のひとつです。仕事の意義を思い出すことで、業務への向き合い方が変わるかもしれません。

あまり仕事に乗り気にならない場合は、達成したい目標を設定して、それを達成した際に自分にご褒美を与えるなど、モチベーションを維持するための工夫をしてみましょう。

その際は、小さな目標を立て、いくつかの段階にわけて達成感を得るのがオススメです。達成感を味わうことで、仕事への印象がポジティブに変わるかもしれません。

対処法④仕事への捉え方を変えてみる

仕事に対してネガティブな感情を抱いている場合は、捉え方を変えてみるのもオススメです。

例えば、仕事を通じて得られる経験やスキルをプラスに捉えるようにするなど、新たな視点から仕事を見つめ直してみるとよいでしょう。

具体的には、以下のように意識してみてください。

捉え方が変わることで、仕事への悪い印象が改善される可能性があります。

対処法⑤有給休暇などの休暇制度を利用する

仕事に行きたくないと感じたら、有給休暇などを利用して、一旦仕事を離れて休養を取ることも有効です。

休暇中にリフレッシュすることで、仕事に対するモチベーションを回復させられるかもしれません。

慢性的な仕事に行きたくない気持ちへの対処法6選

仕事に行きたくない気持ちが続いている場合は、一時的な対処法では根本的な解決につながらない可能性があります。

この章では、慢性的な仕事に行きたくない気持ちへの対処法について解説します。

対処法①行きたくない気持ちの原因を知る

なぜ仕事に行きたくないという気持ちになるのか、自分でもはっきりした理由が分からないという人もいるかもしれません。解決を図るためにも、まずは根底にある具体的な理由を突き止めることが大切です。

原因を探るには、自己分析がオススメです。手軽な方法としては、日々の記録をつけて自分の感情を可視化し、どんな状態でストレスや不安を感じやすいかを探る方法があります。出勤前に、理由の分からないもやもやを感じる場合などに試してみてください。

また、仕事の必要性についても確認してみましょう。行きたくない気持ちが生じた際に、続けることの意義を再度検討してみてください。さまざまな視点から考えてみることで、原因の特定につながりやすくなるでしょう。

対処法②原因への対処法を見つける

会社に行きたくない気持ちが続く原因が判明したら、原因を解決する方法を見つけましょう。慢性的に行きたくない気持ちが続いているときは、自分の感情に蓋をせずに対処することが大切です。

会社の環境を変えることには限界がありますが、自分の意識や心構え、環境を見直すだけでも、解決の糸口となる場合があります。

例えば、通勤がつらい場合は、会社の近くに引っ越しすることで、解決につながるかもしれません。有効な対処法を考え、実践してみてください。

対処法③上司や人事に相談する

問題に解決の糸口が見えない場合は、上司や人事に相談しましょう。相談する際は、具体的な事実や改善してもらいたい点を明確にしてから伝えるとスムーズです。

現状で困っている点について伝え、どのような目的でどんな改善が必要なのか、解決策を一緒に考えてもらえないか相談してみるとよいでしょう。

例えば、部署移動やリモートワークへの切り替えによって、快適に働ける環境が整う可能性があります。

対処法④心身に不調が見られる場合、医師の診断をうける

仕事に行きたくないという気持ちが、心身に不調としてあらわれている場合は、早めに医師の診察を受けることが大切です。

無理をして働き続けると症状が悪化し、うつ病や不安障害などの精神疾患につながる可能性もあります。

頭痛や不眠、倦怠感、集中力の低下など、普段と異なる症状が続く場合は我慢せずに医療機関を受診するようにしてください。

対処法⑤休職する

仕事に行きたくない気持ちが強く、心身に不調を感じている場合は、休職を検討することも1つの選択肢です。休職は一度仕事から離れて心身のリフレッシュを図り、回復することを目的としています。

周囲の人からの理解を得るためにも、事前に休職を検討していることを伝えておくのがオススメです。

心身の不調によって休職したい場合は、医師から診断書を発行してもらいましょう。診断書を提出することで、休職の必要性について理解してもらえます。

対処法⑥退職や転職を検討する

これまでに紹介した手段を試しても、仕事に行きたくないという気持ちが改善されない場合は、退職や転職を検討するのもひとつの選択肢です。

もし、転職を検討する場合は、事前に転職活動の準備を進めておきましょう。

求人情報を集めたり、履歴書や職務経歴書を作成したりなど、具体的な行動を起こすことで、気持ちが前向きになることもあります。

補足：友人や家族にも相談してみましょう

1人で悩まずに、信頼できる友人や家族に相談することも大切です。客観的な意見を聞くことで、自分の状況をより深く理解できるようになります。

自分だけでは得られなかった気づきや、よりよい解決方法が見つかるかもしれません。

仕事に行きたくないときに避けたい4つの行動

仕事に行きたくないと感じるときは、視野が狭くなったり、感情的になったりしやすくなります。

この章では、仕事に行きたくないときに避けたい行動について解説します。

NG①辛い気持ちを1人で抱え込む

仕事で辛いことがあっても、誰にも相談できずに1人で抱え込む人もいるかもしれません。しかし、辛い気持ちを一人だけで抱え込むと精神的な負担が大きくなり、極端な思考に陥る可能性もあります。

そのため、信頼できる友人や家族、上司、または社内の相談窓口などに相談し、客観的な意見をもらうことも検討しましょう。

自分の気持ちを打ち明けることは勇気がいることかもしれませんが、誰かに相談することは問題解決の第一歩です。1人だけで解決しようとがんばりすぎず、周囲の人を頼りましょう。

NG②過剰な飲酒・夜ふかし

仕事のストレスや疲れを飲酒や夜ふかしで発散することもあるかもしれません。

しかし、過剰な飲酒は、高血圧や肝障害、糖尿病、痛風などの生活習慣病のリスクを引き起こす可能性があります。（参考：東京都「飲酒｜とうきょう健康ステーション」）

加えて、身体が休まっているものの脳が活動しているレム睡眠の増加、夜中に目が覚めてそこからなかなか寝付けなくなる中途覚醒の増加など、睡眠の質の低下につながります。（参考：NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター「お酒を飲むとぐっすり眠れる？」）

また、夜更かしは、翌日が仕事であれば睡眠時間の現象につながることはもちろん、翌日が休日で長時間寝られたとしても起床時間が遅くなり、生活リズムが乱れます。

睡眠時間が短くなれば、睡眠中に身体が回復できず疲労感が蓄積され、精神的なストレスにもつながります。

睡眠の質が低下すると、睡眠中に疲れが取れず、疲労が慢性化する恐れもあるため注意してください。

NG③無断欠勤

仕事に行きたくないと自暴自棄になり、衝動的に判断して無断欠勤する人もいます。しかし無断欠勤は、職場に多大な心配や迷惑をかけ、信頼を損なう手段です。

仕事に行きたくないという気持ちがあっても、まずは会社に連絡し、事情を説明するようにしましょう。

NG④衝動的に退職する

衝動的な判断で退職すると、あとで後悔する可能性があります。退職する前に一度冷静になって、本当に退職することが最善の選択なのかを慎重に検討しましょう。

キャリアカウンセラーなどに相談し、客観的なアドバイスを受けることも有効です。もし退職することが自分にとって最善であったとしても、円満退職できるように手続きを進めるようにしてください。

遺恨を残さずに退職することは、会社の人はもちろん、未来の自分にとっても大切なことです。清々しい気持ちで次のステップへと進めるようにしましょう。

仕事に行きたくない気持ちが強いときに考えたい3つのポイント

この章では、仕事に行きたくない気持ちが強いときに考えたいポイントについて解説します。

ポイント①自分を守る手段を考える

もっとも望ましいのは対処法を実践しながら、今よりも出社への気持ちが楽になることでしょう。しかしながら、状況によっては無理をして仕事に行くことで、心身への悪影響を及ぼす可能性もあります。

まずは、自分を守ることを第一に考えましょう。出社が辛いときは、行きたくない気持ちを否定したり、無理に自分を変えようとすることは避けてください。

大切なのは、自分の行きたくない気持ちを認めたうえで、今できる最善の選択肢を選ぶことです。

出社を続けることが自分の心身に大きな悪影響を与える場合は、仕事に行かなくて済むよう、上司や人事に相談することから始めてみましょう。

ポイント②専門家への相談を検討する

仕事に行きたくないという気持ちがなかなか解消されない場合は、専門家への相談を検討しましょう。

産業医やカウンセラーは、あなたの悩みを聞き、客観的な視点から具体的なアドバイスをしてくれます。

具体的な解決策が見つかるだけでなく、自分の気持ちを整理するきっかけになるかもしれません。自分だけで解決しようとせず、専門家への相談を検討してみてください。

ポイント③転職を視野に入れる

現在の職場が合わないと感じている場合は、転職を視野に入れることも1つの選択肢です。転職活動をする際は、キャリアコンサルタントに相談し、自分に合った仕事を見つけるサポートを受けることをオススメします。

しかし、転職に向けて活動する際は、行きたくない気持ちを抱えながら、今の仕事と並行して転職先を探すことになるでしょう。心身の負担にならないよう、ストレス解消やリラックスにつながる方法を実践しながら転職活動を行ってください。

まとめ：仕事に行きたくない原因を知って正しく対処しましょう

仕事に行きたくない気持ちは、誰しもが経験する可能性のある自然な感情です。

しかし、この気持ちを放置しておくと、心身の状態を悪化させ、さまざまな問題を引き起こす可能性もあります。

大切なのは、なぜ仕事に行きたくないのか、その原因をしっかりと把握し、自分に合った対処法を見つけることです。1人で悩まずに、周囲の人や専門家に相談しながら、少しずつでも状況を改善していくようにしましょう。