パニック障害のある人に向いてるアルバイト 相談できる支援機関を紹介 | キズキビジネスカレッジ  

パニック障害のある人に向いてるアルバイト 相談できる支援機関を紹介

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)利用者の伊東里奈(仮名)です。

パニック障害のあるあなたは、「働きに出るのが怖い、でも働きたい」「アルバイトをしたい」と悩んでいませんか?

自分の体調や症状と相談しながら、少しずつアルバイトという形で働くことはできます。もちろん、合っている仕事とそうでない仕事もあります。

このコラムでは、キズキビジネスカレッジ(KBC)の知見に基づき、パニック障害のある人に向いているアルバイトや特徴、向いてないアルバイトの特徴について解説します。

無理なく、少しずつ、自分ができることを探していきましょう。

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パニック障害のある人に向いてるアルバイト6選

さっそく、パニック障害の人にオススメの具体的なバイトについてご紹介します。バイト以外の働き方も少しご紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

ただし、ご紹介するバイトは、あくまでも例です。「実際のあなた」に向いてるバイトは、他にも多様に考えられます。この章の内容は、「パニック障害があっても、向いてるバイトはある」という安心材料にしてください。その上で、後で紹介するサポート団体を利用することで、「実際のあなた」に向いてるバイトは具体的に見つかっていくと思います。

アルバイト①在宅ワーク(クラウドソーシング)

①在宅ワーク(クラウドソーシング)

在宅ワークは、クラウドソーシングで仕事を探せる昨今ならではのオススメです。まず、「応募書類を作成して、実際にバイト先に行って面接を受けて…」といった負荷が比較的少ないのがありがたいです。

クラウドソーシングには、自分の得意な仕事内容に挑戦できる、という大きな長所があります。様々な種類の仕事の募集がありますので、得意分野のバイトを探してみましょう(例:入力作業、動画編集、文章作成、アンケートの回答、デザイン、プログラミングなど)。

また、成果物が「よかった」場合などには、同じ依頼主から継続で仕事を受注できたりするのも長所ですね。

ただし、「安定的な収入」には、つながりにくいかもしれません。

ちなみに筆者は、クラウドソーシング経由で、「動画サイトに載せる短編オーディオドラマのシナリオ作成」の仕事をときどき行っています。

アルバイト②軽作業

軽作業とは、明確な定義はないのですが、次のような業務のことです。

  • ピッキング
  • 仕分け
  • 梱包
  • シール貼り
  • 検品

軽作業の業務内容は、コツコツと作業をこなすという特徴があります。また、他の人とのコミュニケーションが必要最小限ですむ場合も多いので、対人関係のストレスにはあまり晒されません(スーパーやドラッグストアでの軽作業でも、お客さまとのコミュニケーションは発生しないことが多いです)。

ルーティンワークですので、不測の事態の対応も少ないですし、かなりオススメだと思います。

ただし、「軽」作業とは言いつつも、体力が必要な仕事もありますので、その点には注意が必要です。

③ポスティング

③ポスティング

いわゆる「チラシ配り」です。各家庭のポストにチラシを入れる作業です。時給制ではなく、チラシ1枚当たりの単価で給料を計算する歩合制のところも多いようです。

配布数にノルマがある場合も、エリア内にマンションがあれば案外すぐすんだり、またスケジュール感はざっくりしていたり(だいたい1週間でこの枚数を配布)などのケースもあります。そうしたことも含めて、条件がマッチすれば、体調と相談しながらマイペースにできるかと思います。

アルバイト④清掃

清掃も、他の人とコミュニケーションが少ないバイトの一つです。掃除する場所と手順が決まっているのも理想的です。

アルバイト⑤事務職・経理職

⑤事務職・経理職

事務職や経理職のバイトは、パソコン作業が得意ならオススメです。

バイトが担当する業務では、担当業務(入力内容など)がルーティン化していることが多いです。また、イレギュラーなことが起きても、その対応もパターン化していたり、そうでない場合は社員が対応したりすることが多いので、落ち着いて取り組みやすいでしょう。

特にWord・Excel・PowerPointといったオーソドックスなソフトが扱えたり、簿記の資格を持っていたりすると、採用時に評価が高くなるでしょう。

Word・Excelに関しては、マイクロオフィス社の「MOS(Microsoft Office Specialistの略)」という資格があり、こちらもオススメです。

現時点で資格を持っていなくても、履歴書等に「簿記3級やMOSなどの取得に向けて勉強中」と書くだけでも印象が変わります(もちろん、実際には勉強していないのに勉強中と書くのはやめておきましょう)。

最近では在宅ワークで事務作業を代行するケースも見受けられますので、「①在宅ワーク(クラウドワークス)」のような方法で探すこともできるでしょう。

アルバイト⑥コールセンター

意外に思うかもしれませんが、パニック障害の人にも、職場によってはコールセンターでのバイトがオススメの選択肢に入ります。

これは、次のような理由があります。

  • 「質問に答える」という業務内容であれば、(自ら電話をかけて営業するテレアポなどと違い、)ノルマがないことが多い
  • マニュアルがしっかりしていれば、そのとおりのルーティンワークに専念できる(お客さまからの質問も、回答内容が定型的なものが多い。例:「こんなオススメの商品はないか」という質問には、「○○という商品を、○○という理由とともに伝える」など)
  • シフトの融通が利くので、あまり混雑しない時間帯に通勤できる

とはいえ、お客さま対応中にパニック発作が起こる可能性もあります。「電話の向こうにいる人」はあなたの状態が見えませんので、発作が起きたことが伝わらない可能性もあります。コールセンターのバイトは、医師とよく相談をして、「問題ない」という許可が出た場合に候補に入れてみてください。

補足:バイト以外の働き方

⑥番外編〜バイト以外の働き方〜

ここからは、「バイト」ではありませんが、自分の特技を活かしたり、自分の持ち物を活用できたりするもので、パニック障害の人にオススメの働き方(お金の稼ぎ方)をご紹介します。

バイトとは違い、「必ずお金がもらえる」というものではないのですが、参考としてご覧ください。

(1)ハンドメイド作品を販売

手芸・レジンアート・レザークラフト・日曜大工・イラストetc…といった物を手作りして販売する、という方法です。

フリーマーケットでの直接の販売はもちろん、ハンドメイド作品を販売するサイトに登録して販売する、という方法もあります。(参考サイト:CreemaMinneIichi

最近では動画サイトで作り方を紹介していたり、百円ショップで材料を一通りそろえられたりと、初期投資が安くすむ場合も。

自分のペースで作品を制作して販売ができるので、ストレスは軽減されるでしょう。また、制作そのものがストレス発散やリハビリになる人にもオススメです。ちなみに、この後紹介する「フリマサイト」でも同じく販売できます。

(2)フリマサイトでお小遣い稼ぎ

フリマサイトへの出品では、本、衣類、小物、バッグ類などで「まだ使えるけど、自分は使うことがないだろうな」という物を誰かに売ってお小遣いにできます。

「不要なもの」以外に、何かのコレクションを誰かに譲りたいときなどにもオススメです。また、先に書いたハンドメイド作品もやり取りされていますし、余った材料を捨てるのがもったいないときも売れたりします。

ですが、注意するべき点も多数あります。品物によってはフリマサイトで売買できないものがあるのです。

有名フリマサイト「メルカリ」では、刃物や携帯充電器のやり取りは禁止されています。(参考:mercari「メルカリガイド 禁止されている出品物」

また、他の人の制作物を勝手に出品するのも禁止です。他人のハンドメイド作品を既製品や自分の作品と偽ったり、他人の同人作品を販売(いわゆる転売行為)したりするのも禁止されています。これは「知的財産権を侵害するもの」として、メルカリのサイトでも明確に禁止事項に上がっています。(参考:mercari「メルカリガイド 知的財産権を侵害するもの(禁止されている出品物)」

他にも出品が禁止されているものやマナー違反は多くあります。出品する前に、自分が販売を検討している品物が禁止されていないか、この販売方法ややりとりで問題ないのか、よく確認しましょう。

パニック障害のある人に向いているアルバイトの特徴8選

この章では、パニック障害の人に向いているバイトの特徴を紹介していきます。どのような特徴があるか分かっているだけで、仕事選びもしやすくなります。全てを満たすバイトは見つからない場合でも、「自分にとって何が重要か」を考えてみましょう。

特徴①周囲の理解を得やすい

特徴①周囲の理解を得やすい

まず何と言っても、仕事仲間や上司の理解です。「パニック障害で体調を崩すこともあるが、対策さえすれば仕事をこなせる」と伝えやすい(伝えた上で理解を得やすい)こと。これが一番大事なポイントです。発作が起きたときにも助けを得やすいでしょう。特に中長期的に働きたい場合には、理解というものは大きな味方になります。

特徴②発作が起きたとき、業務中でも一時的に避難できる

発作が起きたときのよくある対応方法の一つとして「発作の起きた現場から離れて、症状が落ち着くのを待つ」というものがあります。

業務中にトイレなどに行っても差し障りがない現場でしたら、すぐに対応できます。

特徴③座席の配置の配慮を得られる

特徴③座席の配置の配慮を得られる

決まった座席に座って作業するバイト(事務職など)の人には特に注目してほしい特徴です。

前項とも関連して、出入り口から近い座席や、トイレなど休憩できる場所にすぐ行ける座席を利用できると、助かることが多いです。

実際に発作が起きていないときでも、「発作が起きた際に、すぐに現場から離れられる」というだけで、気持ちがだいぶ変わるはずです。

また、発作が起きやすい状況(密室に長時間いる、周囲に知らない人が大勢いるなど)にならない座席についても検討・相談できるとよいでしょう。

特徴④最初は短時間でできる

働き始めてすぐに長時間拘束されると、発作が起きやすくなる可能性があります。新しい職場に慣れるまでは、短い時間で作業ができて、徐々に時間を延ばせるとよいでしょう。

特徴⑤業務内容が複雑ではない

特徴⑤業務内容が複雑ではない

業務内容が複雑だと、それだけでストレスがかかり、体によくありません。あれこれ考えない、マルチタスクが要求されないバイトがオススメです。

特徴⑥自宅から近い

通勤のしやすさも、大きなポイントです。電車の中でパニック発作が起こる事が多いので、徒歩や自転車で通えるか、電車やバスに乗っても1〜2区間程度の距離が好ましいかもしれません(乗り続けていられる駅数は個人差があります)。

特徴⑦突発的なことが起きづらい

特徴⑦突発的なことが起きづらい

いわゆるルーティンワークがオススメということです。一日の作業の流れが決まっていたり、それ以外の突発的な業務も「よくある内容(電話の取次、馴染みの取引先からの定型的な質問、郵便物の受取など)」であったりすれば、ストレスも少なく対応できます。

特徴⑧シフトや欠勤の融通が利く

体調やメンタルが不調で、このまま業務に入ったら発作が起きて仕事に支障が出る可能性があった場合などには、遅刻や欠勤が柔軟に認められると、非常にありがたいですよね。なかなか難しいかもしれませんが、可能な範囲で融通の利きやすいバイトを探してみてください。

業務開始の「定時」の概念がゆるいバイト(フレックス制度)、業務時間帯が自由なバイト(在宅勤務、かつ1週間単位で成果物を提出できれば労働時間はいつでもOKなど)などもあります。

パニック障害のある人に向いてないアルバイトの特徴7選

ここからは逆で、パニック障害の人にオススメできないバイトの特徴です。前職の裏返しとも言えますが、参考にご覧ください。「ハラスメント」など、パニック障害に関係なくオススメできない特徴もありますが、パニック障害のある場合は、なおさらオススメできません。

特徴①病気の理解を得られない

特徴①病気の理解を得られない

パニック障害(に限らず、病気や障害)について、理解が追い付いていない現場も多いのが現状です。理解のない職場では、当然に働きづらいでしょう。

特徴②仕事量が多い

一日にこなさないといけない仕事の量が多いと体に負荷がかかり、結果的に発作に繋がりやすくなる場合もあります。

業務中に倒れると、そのことを「周りに迷惑をかけた」と気に病むようになり、それが原因で出勤しづらくなる…という負のループに入ることもあるようです。

特徴③ハラスメントがある

特徴③ハラスメントがある

パワハラ・モラハラ・セクハラ等のハラスメントです。病気や障害のない人であっても、ハラスメントのストレスに晒され続ければ、不調が起きます。パニック障害があればなおさらでしょう。

特徴④通いづらい

通うのに一苦労なバイトもオススメしません。次のようなバイトは、できれば避けた方がよいでしょう。

  • 長時間(長距離)や、混雑している時間帯の電車・バス通勤の必要がある
  • 公共交通機関がない(少ない)ので、長距離歩いたり、自分で運転したりする必要がある

特徴⑤発作が起きたときに避難ができない

特徴⑤発作が起きたときに避難ができない

発作が起きた際、いったんトイレや休憩室に避難できないと、発作が悪化することもあります。「現場から離れられないバイト」「避難場所が遠いオフィス」などは、避けた方がよいでしょう。求人票等を見たり、社員に話を聞いたりして確認しましょう。

特徴⑥お客さまと長時間接する

接客業では、お客さまから何か依頼をされたり、何か困りごとがあったときにサポートしたり、クレーム対応(不当な内容の場合も…)をしたりというのは、「通常の業務」の範囲で行われます。パニック障害がある場合、こうした業務はかなりのストレスになることも。

特に自分の対応よりお客さまの過ごしやすさや安全が第一、という仕事内容ですと「発作が起きたらまずい!」というプレッシャーで余計に自分を追い詰める可能性もあります。

特徴⑦運転が必須

特徴⑦運転が必須

運転が必須のバイト(業務内容としても、通勤手段としても)は、避けた方がよいでしょう。

「運転中に発作が起きて事故」という状況にならないためです。

パニック障害のある人が利用できる支援機関7選

では、パニック障害の人は、どのようにバイトを探すとよいでしょうか。オーソドックスな方法をこちらで紹介していきます。

支援機関①就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。実際のサービスは、国の基準を満たしたさまざまな民間の就労移行支援事業所が行います。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。それぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。

就労移行支援事業所については、下記コラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援機関②ハローワーク

ハローワーク(公共職業安定所)とは、仕事を探している人や求人を募集したい事業者に対して、就労に関連するさまざまなサービスを無償で提供する、厚生労働省が運営する支援機関のことです。正式名称は公共職業安定所で、職安と呼ぶ人もいます。(参考:厚生労働省「ハローワーク」厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」厚生労働省「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」、東京労働局「東京ハローワーク」、厚生労働省「こころの健康サポートガイド」、厚生労働省「ハローワークにおける障害者の就労支援」

主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示などを行っており、具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、一般的には以下のような幅広いサポートを行います。

全国に500ヶ所以上あり、主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示、雇用保険や雇用対策など、地域密着型の雇用に関する幅広いサポートを行います。

また、病気や障害のある人に向けたサポートも行っています。障害者手帳を所持していない人でも、医師による診断書があれば、障害の特性や希望職種に応じた職業相談や履歴書や面接での病気・障害の伝え方などのサポートを受けることができます。

支援機関③地域障害者職業センター

地域障害者職業センターとは、病気や障害のある人に対して、職業評価や職業指導、職業準備訓練、職場適応援助などの専門的な職業リハビリテーションを提供する支援機関のことです。(参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センターによる支援」、厚生労働省「地域障害者職業センターの概要」

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しており、障害者雇用促進法に基づいて、全国47都道府県に設置されています。(参考:厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律」

ハローワークや医療・福祉機関と連携しているため、仕事に関する相談や訓練、復職するためのサポートを行っています。

病気や障害に悩む当事者だけでなく、障害のある人を雇用する事業所に対して、雇用管理に関する相談・援助も行っています。

支援機関④精神保健福祉センター

精神保健福祉センターとは、精神障害のある人のサポートを目的とした、地域の精神保健福祉の中核を担う支援機関のことです。(参考:東京都福祉保健局「精神保健福祉センターとは」、e-Gov法令検索「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」

精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)に基づき、各都道府県に設置されています。地域によって、こころの健康センターや心と体の相談センターなど、一部名称が異なります。

精神保健福祉センターでは、精神疾患に関連する悩みの相談や社会に適応するための指導と援助を行っています。

精神障害による症状で悩んでいる本人だけでなく、ご家族や周囲の人の相談も受け付けています。また、匿名での相談も受け付けています。医師から正式な診断を受けていなくても相談は可能です。

詳しくは、お住まいの自治体の精神保健福祉センターにお問い合わせください。

支援機関⑤障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターとは、雇用や保健、福祉、教育に関する関係機関と連携し、障害のある人の雇用の促進・安定を目的とした一体的な支援を行っている支援機関のことです。(参考:厚生労働省「障害者就業・生活支援センター」、厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」、厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律」、厚生労働省「障害者就業・生活支援センターの指定と運営等について」

障害のある人の就職活動の支援や求人の紹介、職場定着のためのサポートなどを行います。

就業面だけでなく、金銭管理などの経済面や生活面のことまで、日常および地域生活に関する支援も行っています。

生活習慣や金銭管理、健康管理などについても幅広く相談できるため、生活面のサポートも受けたい人にオススメです。

2024年4月1日時点で、障害者就業・生活支援センターは全国に337箇所設置されています。

支援機関⑥一般の求人サイト

①一般のアルバイト求人サイトや検索エンジン

パニック障害があっても、アルバイト求人サイトの利用はもちろん可能です。これまでにご紹介した職種や、向いてる・向いてない仕事の特徴などから、バイトを探してみましょう。

また、アルバイト求人サイトに、例えば「パニック障害」とワードを入力してみると、「パニック障害の人歓迎」などと書かれた求人が見つかることがあります。

他にも、検索エンジン(グーグル等)で「パニック障害 バイト」と検索することで、そのような求人を紹介しているサイトに繋がるパターンもあります(「障害者雇用枠」での求人も出てきます)。

支援機関⑦病気・障害のある人に特化した求人サイト

前項を「一般の」としたのは、病気や障害のある人に特化して、求人を紹介するサイトがあるからです。例えば、次のようなところがあります。

他にもサイトはあります(「障害者 バイト サイト」などでウェブ検索してみると見つかると思います)。こうした求人サイトであれば、パニック障害についても話しやすく、理解のある職場を見つけやすくなると思います。

パニック障害とは?

ここで、パニック障害についておさらいしましょう。どうして発作が起こるのか、どういう場面だと起こるのか、どのような対処が必要か振り返ることで、より、オススメのバイトへの理解度が高まるはずです。(参考:厚生労働省「パニック障害・不安障害」『あなたの大切な人がパニック障害になったら読んでほしい本』

①パニック障害の概要

①パニック障害の概要

突然理由もなく、動悸、めまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ることを、パニック障害と言います。

本来この「パニック発作」は、火事や地震など、突発的な生命の危機に直面したときに生き延びるためのプログラムだと言われています。ですが、全く危険も何もない状況で命が脅かされているような不安や恐怖を感じ、身体にもパニック発作と同様の症状が起きます。

ちなみに、一生の間にパニック障害になる人は、1,000人に6~9人といわれます。100人に1人より多い……実は、珍しい病気じゃないんです。

また、パニック発作が起きる原因は、まだ判明していません。

②初めて発作が起きた場面と同じ場面(似た場面)で、再び発作が起こる

パニック障害の発作は、最初に自分が発作を起こした場面と同じ・似た場面で起きることが多いのです。どんな場面で発作が起きやすいのか、主な具体例をあげていきます。

知らない人が密集している場所

電車の中や人が多い通りなど、不特定多数の人が周りに大勢いる状況だとなりやすい場合があります。

苦手な人と関わるとき

職場の同僚や上司、クラスメイト、家族等、自分が苦手と感じる人とどうしてもコミュニケーションを取らないといけない場面ですね。

苦手な職場

自分が働いている職場の環境(業務内容・業務量・人間関係etc)が合わないと発作が起きたりします。

苦手な雰囲気(騒がしい・張りつめた空気他)

周りがガヤガヤと騒々しかったり、会議でかなり緊張したりした状態など、自分が苦手な場面や雰囲気だと、緊張度が上がって発作が起きることも。

③パニック障害になる人は、男性より女性の方が多い

③パニック障害になる人は、男性より女性の方が多い

パニック障害が発症しやすい人にも傾向がある、と言われています。性別や年代についても軽く説明していきます。まずは性別です。

パニック障害は、男女比で言うと女性の方がなりやすい傾向があると言われています。厚生労働省研究班(東京大学医学部藤井班)監修の「女性の健康推進室ウェルネスラボ」によると、20~30代に起こり始めることが多く、女性の方が男性より2~3倍起こりやすい、とのことです。

女性の場合、1か月周期で体内のホルモンバランスが著しく変化しますので、心身への影響が大きく結果パニック発作が起きやすくなる、と考えられています。

④男性は中高年(45~65歳)が多い

続いて、「男性と年代」です。もちろん、男性であってもパニック障害を発症する人はたくさんいます。

特に男性は、45~65歳の中高年がなりやすいと言われています。この年代ですと、中間管理職としてストレスにさらされた結果発症する、と考えられています。

⑤発作の原因が検査をしてもわからないなら、パニック障害の可能性あり

⑤発作の原因が検査をしてもわからないなら、パニック障害の可能性あり

動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えetc……こうした症状が出た際、多くの人は心臓や呼吸器の病気を疑って病院にかかることが多いです。

実際、その手の病気である可能性はあります。そして、循環器科や呼吸器科、消化器科を受診しても、何も異常がないと診断される事もあり、そうなるとパニック障害の可能性が出てきます。

⑥パニック障害と障害年金について

パニック障害やPTSD等の神経症は、障害年金の対象にはなりません。ですが、うつ病など日常生活に支障をきたす精神病も併発している場合、そちらは対象となりますので障害年金を受けられる可能性が出てきます。

もし、障害年金の受給を検討されているなら、専門機関に問い合わせて見ましょう。全国に年金事務所や街角の年金相談センターが設置されていますので、そこで聞いてみてください。(参考:日本年金機構「Q.障害年金の対象となる病気やケガにはどのようなものがありますか。」日本年金機構「障害のある方」

キズキビジネスカレッジでは、障害年金に関する記事も掲載しています。ぜひ、こちらの記事も参考にしてみてください。『発達障害の人が障害年金を受給するメリット/条件/金額などをまとめて紹介!』

まとめ:新しい道を見つけられるかもしれません

まとめ

パニック障害の治療中だと、仕事に関連して自信をなくしそうになるかもしれません。できるバイトから少しずつやっていくことで、自信の回復になりますし、リハビリにもなります。

自分のパニック障害の特性をよく理解して、どんな仕事ならできるのか自己分析していきましょう。もしかすると、バイトを通じて、これまでとは違う新しい道を見つけられるかもしれません。

また、「パニック障害と仕事(バイト)」については、あなた一人で考える必要はありません。ご紹介したサポート団体などを利用することで、向いてるバイトが見つかりやすくなるだけでなく、全体的な「生きやすさ」に繋がっていくはずです。使えるものはどんどん使っていきましょう。

よくある質問

パニック障害の人にオススメのバイトはなんですか?

一般論として、次の6点が考えられます。「在宅ワーク(クラウドソーシング)」「軽作業」「ポスティング」「清掃」「事務職・経理職」「コールセンター」。理由も含めて、詳細はこちらをご覧ください。

パニック障害の人がバイト探しで利用できるサポート団体を知りたいです。

一般論として、次の5点が考えられます。「一般のアルバイト求人サイトや検索エンジン」「病気・障害のある人に特化した、アルバイト求人サイト」「ハローワーク」「地域障害者職業センター」「クラウドソーシング」。詳細はこちらをご覧ください。

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2024年10月現在、首都圏・関西に6校舎を展開しています。トップページはこちら→

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