就労継続支援A型・B型のメリット 注意点を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
就労継続支援A型・B型という言葉を聞いたことがあるあなたは、以下のような疑問や悩みをもっていませんか?
- 就労継続支援のA型とB型の違いがよくわからない
- どちらが自分に合っているのかわからない
- A型・B型のそれぞれのメリットや注意点がわからない
このコラムでは、就労継続支援A型・B型のメリットと注意点、利用手続きについて詳しく解説します。
あなたに最適な働き方を見つけ、安心して就労を始める第一歩を踏み出しましょう。
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目次
就労継続支援とは?

就労継続支援とは、病気やケガ、障害などが原因で就労が困難な人に向けて、知識や能力を向上させるために必要な就労の機会や生産活動の機会を提供する福祉サービスのことです。(参考:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」、厚生労働省「令和3年社会福祉施設等調査の概況」、厚生労働省「障害者の就労支援について」)
個々の状況やニーズに合わせて、仕事の技能向上や職場への適応支援などの幅広いサポートを提供します。
就労継続支援は、以下の2種類に分かれます。
就労継続支援事業所は、障害のある人の日常生活や社会生活の支援を目的とする障害者総合支援法(旧・障害者自立支援法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)の施行に伴い、共同作業所や授産施設に変わるものとして設立されています。(参考:厚生労働省「障害者自立支援法」、e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
就労継続支援A型とは?

就労継続支援A型事業所(A型作業所)とは、病気やケガ、障害などが理由で就労が困難であり、雇用契約に基づく就労が可能な人に向けて、雇用契約を締結して、知識や能力を向上させるために必要な就労の機会や生産活動の機会を提供する福祉サービスのことです。(参考:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」、独立行政法人 福祉医療機構「就労継続支援A型(雇用型)」)
就労継続支援A型事業所(A型作業所)の施設数は2022年時点で、4429か所あります。利用者数は2022年時点で、10万1448人います。(参考:厚生労働省「令和4年社会福祉施設等調査の概況」)
スタッフの支援体制として、サービス管理責任者は1人以上、利用者10人につき職業指導員および生活支援員は1人以上の配置が義務付けられています。
職業指導員は、事実上、一般企業での仕事の上司とほとんど同じ関係になります。
事業所の規模は、最低利用者10人からと設定されているため、一般企業よりも小規模な事業所が多く見られます。
就労継続支援A型を利用するメリット
この章では、就労継続支援A型を利用するメリットについて解説します。
メリット①最低賃金が保証されている

就労継続支援A型の大きなメリットの一つは、最低賃金が保証されていることです。就労継続支援A型事業所(A型作業所)では、一般のアルバイトやパートと同様に事業所と雇用契約を結ぶため、都道府県での最低賃金以上の給料が保障されています。
安定した収入があると、将来の目標ややりたいことにチャレンジしやすくなり、社会とのつながりも感じられます。
また、経済的な安心感があることで仕事への意欲も高まり、自立への第一歩を踏み出しやすくなるはずです。
メリット②雇用契約に基づく就労となるため、労働者としての権利が保障される
就労継続支援A型では、事業所と雇用契約を結ぶため、労働基準法に基づく労働者としての権利が守られます。
例えば、労働時間や休憩、休日のルールがきちんと決まっており、万が一トラブルが起きた際も適切に対応してもらえます。
社会保険への加入や有給休暇の取得など、一般の職場と同じ権利があるため、安心して働き続けられます。
メリット③一般就労に向けたスキルが身につく

軽作業やパソコン業務、接客など、さまざまな作業を就労継続支援A型では経験できます。
さらに、スタッフや他の利用者同士と関わることで、働きながらコミュニケーション力やビジネスマナーを学べるため、将来的に一般就労を目指すときにも役立ちます。報告・連絡・相談や時間管理などの社会人としての基礎力も身につくでしょう。
あなたの得意なことを見つけたり、挑戦したりすることで、新しい可能性を広げられるのが就労継続支援A型のメリットです。
メリット④生活リズムが整う
就労継続支援A型の事業所では勤務時間が定められているので、生活リズムが安定しやすいです。
決まった時間に起き、日中は作業をして夜はしっかり休むといった生活リズムが作れます。
また、働くことが充実感や達成感、自信や意欲の向上にもつながり、心身の健康に良い影響をもたらします。
体調やペースに配慮してくれる事業所も多く、あなたのペースで社会参加の一歩を踏み出せます。
就労継続支援A型を利用する際のデメリット・注意点
この章では、就労継続支援A型を利用するデメリット・注意点について解説します。
注意点①一般雇用で働くよりも給料が低い

就労継続支援A型では最低賃金が保証されています。
しかし、働く時間が短かったり昇給の機会が少なかったりし、一般雇用より収入が低くなる場合があります。
ただ、無理なく働ける環境でスキルを磨き、長期的なキャリアにつなげることは可能です。
家庭の支出の見直しや、将来の一般就労を見据えた計画を立てることで、収入面の不安を解消することが大切でしょう。
注意点②仕事内容が合わないと苦痛になる可能性がある
事業所によっては軽作業や単調な作業が中心になることがあり、仕事があなたに合わない場合、ストレスを感じやすく、働く意欲が低下する可能性があります。
事前に作業内容を確認したり、見学や体験利用を活用したりして、あなたの体調やペースに無理がない作業や職場かを判断しましょう。また、仕事内容の調整などが可能かも確認しておきましょう。
注意点③仕事の種類が限られる

就労継続支援A型の仕事は清掃、軽作業、農作業、製造などが多く、事業所によっては職種が限られることがあります。
希望する仕事が見つからない場合は、複数の事業所を比較したり、将来の一般就労を視野に入れたりして、あなたの希望に合う仕事を探しましょう。
最近では、パソコン業務やクリエイティブな仕事を提供する事業所も増えています。根気強くあなたに合う職場を探してみましょう。
注意点④一般就労への意欲が低下する可能性がある
就労継続支援A型では、安定した環境で無理なく働けるため、安心感から一般就労への意欲が薄れる可能性があります。
就労継続支援A型では、安定した環境で無理なく働けるため、「このままでいい」と感じて、一般就労を目指すモチベーションが下がることがあります。
例えば、「新しい職場に行くのが不安」「今の環境を変えたくない」と思うようになることも。そのため、定期的に目標を見直したり、支援員と相談しながら少しずつ挑戦を続けることが大切です。
一般就労を目指す場合は、小さなステップアップを重ねて、あなたのペースで前に進んでいくことを大切にしましょう。
就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型事業所(B型作業所)とは、病気やケガ、障害などが理由で就労が困難であり、雇用契約に基づく就労が困難な人に向けて、雇用契約を締結せず、知識や能力を向上させるために必要な就労の機会や生産活動の機会を提供する福祉サービスのことです。(参考:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」、独立行政法人 福祉医療機構「就労継続支援B型(非雇用型)」)
就労継続支援B型事業所(B型作業所)の施設数は2022年時点で、1万5588か所あります。利用者数は2022年時点で、40万6577人います。(参考:厚生労働省「令和4年社会福祉施設等調査の概況」)
スタッフの支援体制として、サービス管理責任者は1人以上、利用者10人につき職業指導員および生活支援員は1人以上の配置が義務付けられています。
職業指導員は、事実上、一般企業での仕事の上司とほとんど同じ関係になります。
事業所の規模は、最低利用者10人からと設定されているため、一般企業よりも小規模な事業所が多く見られます。
就労継続支援B型については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
就労継続支援B型を利用するメリット
この章では、就労継続支援B型を利用するメリットについて解説します。
メリット①比較的柔軟に働ける

就労継続支援B型の大きなメリットは、比較的柔軟に働けることです。
あなたの体調やペースに合わせて勤務時間や日数を調整でき、週に1日1時間だけの利用も可能です。そのため、無理なく働き続けることができます。
例えば、調子が悪い日は休んだり、作業量を減らしたりし、午前中のみや週に数回働くなど、あなたに合ったスケジュールを組むことが就労継続支援B型では可能です。
働くリズムを少しずつ整え、自信をつけながら活動の幅を広げたい人にオススメです。
メリット②人間関係の経験を積むことができる
就労継続支援B型では、スタッフや利用者同士の関わりを通じて、人間関係の経験を積むことができます。
就労継続支援A型と同じように、職場内での挨拶や報告・連絡・相談など、基本的なコミュニケーションスキルを実践的に学べ、社会性が身につきます。
また、集団で作業を進めることもあり、協力や相手を思いやる気持ち、トラブルが起きた際の対処法なども学びながら働けます。
メリット③一般就労や就労継続支援A型利用に向けた訓練の場となる

就労継続支援B型は、一般就労や就労継続支援A型への移行を目指すための訓練の場として有効です。
作業を通じて、働くのに必要なスキルを無理のないペースで身につけられます。
また、軽作業や簡単な製品の加工、梱包など、実際の仕事に近い作業を経験できるため、職場環境に慣れるメリットもあります。
日々の作業をする中で成功体験を積み重ね、次のステップへの自信を深めることができるでしょう。
就労継続支援B型を利用する際のデメリット・注意点
この章では、就労継続支援B型を利用するデメリット・注意点について解説します。
注意点①工賃が低い

就労継続支援B型の注意点として、工賃が低いことが挙げられます。就労継続支援B型は、雇用契約を結ばない福祉サービスであるため、最低賃金の適用もありません。
就労継続支援B型は生産性よりも利用者一人ひとりのペースに配慮した支援を重視しているため、一般企業のような時給制や月給制ではなく、作業量に応じた工賃が支払われます。
全国平均で月1〜2万円程度とされ、生活費をまかなうのは難しいのが現状です。(参考:厚生労働省「令和4年度工賃(賃金)の実績について」)
そのため、生活費は障害年金や他の支援制度を活用することが必要になる場合があります。
注意点②高度なスキルや専門知識を身につける機会が少ない
就労継続支援B型では、簡単な作業が多く、高度なスキルや専門知識を身につける機会は限られています。
製品の組み立てや梱包といった軽作業などで、希望する職種に直結する専門スキルは習得しづらいことがあります。
将来的に専門職や高いスキルが求められる職場への一般就労を目指す場合は、就労継続支援B型の利用だけではスキル不足を感じることがあるかもしれません。
スキルアップを目指したい人は、就労継続支援B型で働きながら職業訓練や資格取得を並行して進めるのも一つの方法でしょう。
まとめ:状況に合わせて就労継続支援を活用しよう

就労継続支援A型・B型ともに、あなたに合った働き方を見つける環境が整っています。
このコラムを参考に、あなたが無理なく働ける場所を探していきましょう。
もし、まだ不安がある人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口や事業所のスタッフに相談し、最適な支援を受けられる場所を見つけてください。
どんな道を選んでも、安心して働ける環境があります。
まずは一歩を踏み出してみましょう。
あなたが未来に向けて、着実に進んでいけることを心から願っています。
就労継続支援とは何ですか?
就労継続支援とは、病気やケガ、障害などが原因で就労が困難な人に向けて、知識や能力を向上させるために必要な就労の機会や生産活動の機会を提供する福祉サービスのことです。
詳細については、こちらで解説しています。
就労継続支援A型を利用するメリットを教えてください。
以下が考えられます。
- 最低賃金が保証されている
- 雇用契約に基づく就労となるため、労働者としての権利が保障される
- 一般就労に向けたスキルが身につく
- 生活リズムが整う
詳細については、こちらで解説しています。
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
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翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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