ものを片付けられない人ができる対処法 片付けられない理由を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
このコラムに辿り着いたあなたは、以下のようなことで悩んでいませんか?
- 片付けることが苦手
- 自室も職場のデスクもひどく汚れているが片付ける気になれない
- 片付けられない理由を知りたい
このコラムでは、大人が片付けられない理由と私生活や職場で片付けられない人への対処法、病気・障害との関係性について解説します。
病気や障害と聞くと深刻な問題なのではと不安に思う人もいるでしょう。しかし、現状、片付けられないことでお悩みであれば、自分に合った対処法を見つけることはできるはずです。
このコラムを通じて、なぜ片付けられないのか理由を知り、自分に合った方法を見つけられるきっかけにつながれば幸いです。
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目次
片付けられないのは病気や障害が関係していることがあります

片付けられない理由の一つとして、病気や障害が関係している場合があります。
例えば、精神障害の一つであるうつ病の場合、意欲や集中力の低下、身体の痛み・不調がみられることから、片付けようという気持ちになっても、思うように身体が動かず、片付けられないときがあるようです。(参考:社会福祉法人 至誠学舎立川 至誠ホーム「3.うつ病」)
ほかにも、ADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)を含む発達障害のある人も、障害の特性から片付けられないこともあるようです。(参考:厚生労働省「発達障害の理解」)
病気や障害の可能性があると言われても、ピンとこない人もいるでしょう。
しかし、発達障害や精神障害は、何らかの不調によって専門機関を受診したときに初めて気付く人も少なくありません。気になる場合は、医療機関の受診をオススメします。
うつ病やADHD、発達障害については、以下のコラムで解説しています。
自分に該当する項目の有無をチェックし、思い当たると感じる項目が複数あるときは、こちらを参考にしてください。
大人が片付けられない8つの理由
この章では、大人が片付けられない理由について解説します。
これまでの生活を振り返りながら、自分に該当する項目はないかを探してみましょう。
理由①性格

自分の性格によって、片付けられないかもしれません。例えば、物を片付けようとしたときに、このように思うことがあるのではないでしょうか?
- 物を捨てることにもったいなさを感じる
- 片付けると、次に使うときに困るのではないかと思う
- 片付けようとしても、途中で面倒くさくなる
- 片付けるときに、別のことに意識が向く
以上のような感情によって、心の中では片付けようと思っていても、行動が制限されているのかもしれません。
このような場合は、こちらを参考にしてみてください。
理由②自分の持ち物を把握していない
自分の持ち物を把握していないことも、片付けられない理由の一つのようです。
ものが増えると、それにつれて管理が大変になります。自分の持ち物を把握できていないと、持ち物の整理ができず片付けるまでのハードルが高くなるのです。
自分の持ち物を把握できていないと、似たような物があることを忘れ、改めて買い足すこともあるでしょう。
自分の持ち物を把握することは、必要な物をどこにしまったのかを記憶し、必要な時に思い出し、きちんと使うことへと繋がります。
このような場合は、こちらを参考にしてみてください。
理由③片付け方がわからない

そもそも片付け方がわからないことも、片付けられない理由の一つのようです。
- 片付けの手順や方法を具体的に知らない
- 手を付けて良い場所が分からない
- 整理整頓の基準が分からない
片付けようと思っても、片付けの手順や方法、整理整頓の基準が分からないと、どこからどの程度まで片付ければ良いか判断できず、片付けられないですよね?
自分なりの物に対する基準を明確にすると、自分が予想していた以上に片付けが進むかもしれません。
片付けの手順や収納方法を知りたい人は、こちらを参考にしてみてください。
理由④収納場所を決めていない
収納場所を決めていないのも、片付けられない理由の一つです。
押し入れやタンス、職場であればデスクの引き出しなど、物をしまうスペースはあっても、何をどこにしまうのかが決まっていないと、そもそもうまく片付けることができないでしょう。
この場合は、使う場所に対して、片付けるための収納場所を決める必要があるでしょう。詳細については、こちらをご覧ください。
理由⑤時間がない

片付けるための時間がないことも挙げられます。仕事が忙しかったり、プライベートが充実していたりするほど、ものの整理まで手が回らなくなることもあるでしょう。
時間がないことが理由で片付けられないのであれば、こちらを参考にしてみると、解決につなげられるかもしれません。
理由⑥片付けの習慣がない
片付けることが習慣化されていないときも、片付けられない理由と考えられます。
こちらと共通しますが、これまでの生活の中で、自分で片付ける機会が少なかった場合、習慣化しないために、片付けられなくなっているのかもしれません。
理由⑦先延ばし癖がある

先延ばし癖のある人は、片付けをすることも先延ばしにすることがあるでしょう。
特に、デスクや自室がひどく汚れているときほど、どこから手を付けて良いのかわからず、本当に困ったときなどに先延ばしにすることがあります。
延ばしする習慣が身についていると、掃除に手を付けることは難しいでしょう。このようなときは、こちらを参考にしてみてください。
理由⑧収納場所が少ない
物を片付けるためには、ものを収納する場所が欠かせません。収納場所が少ないと、物を片付けようにも置く場所がないため、片付けにくくなります。
このようなときは、こちらを参考にしてみてください。
私生活や職場で片付けられない人ができる8つの対処法
この章では、私生活や職場で片付けられない人ができる対処法について解説します。
自分に合った対処法を見つけ、実践してみましょう。
対処法①ものを整理する

まずはものの整理からはじめましょう。
例えば、持っているものをいる物といらない物に分けてみてください。それぞれに分けることで、物に対する自分の中の基準が明確になることがあります。
- 日常的に使っている
- まだ使えそう
- ないと困る
- 数日前に使った
- あまり使っていない
- 前に使ったことを覚えていないくらい使っていない
- ブームが過ぎたのでなくても構わない
- 完全に使わない
それぞれを分けるうちに、あなたの中で、物に対する考え方が明確になるはずです。この基準を覚えておくことで、基準を活かしながら片付けることができるでしょう。
対処法②収納場所を決める・増やす
片付けられない理由の一つに、収納場所がない、あるいは少ないことが考えられます。この場合は、収納場所を決める、増やすといったことを試してみてください。
- デスクの上部にペンケースや省スペースの引き出しを置く
- デスクの引き出しには、小分けでしまえる仕切りを使う
- 収納場所を決める
- 100円均一で購入できる収納バッグなどを複数使う
収納スペースを設けるときは、何を片付けるのかを決めることをオススメします。
- デスクの収納場所には筆記用具をしまう
- デスクの引き出しには、ノリやハサミ、ホチキスなど大きめの筆記用具をしまう
- 押し入れには衣替えをした洋服など大きい物をしまう
- 100円均一で購入した収納バッグには、洗濯用の衣類、夜の肌寒いときに使うブランケットなどをしまう
ただし、収納スペースを設けても、やみくもに物をしまえば、収納スペースが物だらけになります。
自分の中で、頻繁に使う物、比較的使う物、時期などによって使わない物に分けてみてください。
対処法③定期的に片付けをする時間を設ける

片付ける時間がないことや、先延ばしにすることが多い人は、1週間のどこかに、片付けをする時間を設けることをオススメします。
例えば、仕事から帰宅し、平日の夜は何もしたくないという人は、週末のどちらか曜日に片付ける時間を作るなどです。
土曜日、日曜日のどちらでも問題はなく、これまでの生活を振り返り、特に予定が入ることのない曜日に固定して、片付ける時間を作り、習慣化しましょう。
もし、職場のデスクが物で散乱しているときは、出勤後、朝礼が始まる前などに取り掛かっても良いでしょう。
片付ける時間は、最初は5分から15分ほどの短時間で始めるのがポイントです。最初から長時間に設定すると、掃除に対して面倒さを感じ、習慣づけることができません。
仮に、週末に予定が入ることが多い人は、仕事から帰宅した後、いずれかの平日に、15分ほど片付ける時間を設けるのも効果的です。食事を済ませた後であれば、食器を片付けるタイミングに併せて、5分から10分ほど、片付ける時間を設けるのも効果的です。
どの曜日、どのタイミングで片付けることが自分にとって負荷にならないかを見つけることで、生活に支障がない範囲で、物を片付けることができるでしょう。
対処法④片付ける場所を決める
物が多く、どこから手を付けて良いのかわからない、あるいは、片付ける習慣がなく、掃除する方法がわからないといった人は、片付ける場所を決めることから取り組んでみましょう。
自室、あるいは職場のデスクを一通り見渡し、これまでの生活の中で、物が散乱して使いにくかった場所など、片付けが必要と感じたところから整理を始めてください。
このとき、片付ける時間を設定してもしなくても問題ありません。手を付けたら最後までやりきりたいという性格の人は、片付け終わるまでやってみましょう。
スペースごとに片付ける習慣を付けることで、少しずつデスクや部屋がきれいになります。きれいなスペースができれば、自分の頑張りを実感できるきっかけにもつながるので、ぜひ試してみてください。
対処法⑤ゴミを捨てる場所を複数設置する

物以外にも、ゴミが散乱していることもあるでしょう。そのようなときは、ゴミを捨てる場所が、自分の過ごす空間から遠い、あるいは捨てる場所が少ないのかもしれません。
ゴミを捨てる場所を複数設置することで、片付けやすくなる可能性があります。
ゴミを捨てる場所が少ない場合でも、ゴミをまとめるための袋を自分のスペースに置いておくことで、いつでも気軽に物を片付けることができます。
こちらで解説したように、いる物といらない物を分けるときも、袋などを使って分けるとスムーズです。
なお、片付けるときは、どのような物が捨てられずに放置されているのかをチェックしましょう。
- コンビニ弁当の空き箱
- 割り箸
- ペットボトル
- プラスチック製の包装紙
- アルコール飲料の缶・ビン
このような物が散乱しているときは、コンビニ袋を数枚用意し、自治体のルールに従って分別しながら袋にゴミを入れていきましょう。
- プラスチック製のもの:プラスチックごみ 木製、紙製のもの:燃やせるゴミ アルミ缶、スチール缶:缶ゴミ お酒や缶詰のビン:ビン
自治体ごとにゴミ捨てのルールは異なります。物を片付けるときや捨てるときは、必ず自治体の分別方法に目を通してから行いましょう。
対処法⑥便利ツールを活用する
どうしても片付ける気になれない人や、片付けようと思っても別のことに気持ちが向く人は、便利ツールを活用する方法がオススメです。
例えば、片付け方がわからず、なかなか手を付けられないといった人は、収納グッズや片付け方が紹介されたアプリを使ってみるなどです。
さまざまな人が、便利グッズと共に片付け方を画像などを使って紹介しているので、気軽に試しやすいといった魅力があります。
片付けるうちに、別のことに気が向き、最後まで手を付けられないといった人には、掃除スケジュールを立てて、クリアしていくアプリがオススメです。
片付けることを苦痛に感じなくなったときは、掃除が必要な場所を総合的に洗い出し、必要なときに掃除に取り組めるアプリも効果的です。
対処法⑦買い物をする前に本当に必要か考える

衝動買いをすることが多い人は、物を買う前に、本当に必要かを考えることを習慣化してみましょう。物の必要性について考えることで、すでにある物を買ったという事態を減らすことができます。
また、本当に必要な物だけを買うようになれば、お金の出費を減らすことにもつなげられるでしょう。
対処法⑧ハウスキーパーを活用する
自分の力ではどうにもできないといったときは、ハウスキーパーを活用するのもオススメです。ハウスキーパーとは、家の片付けをはじめ、食事の準備などを幅広く手掛けるサービスのことで、家事代行サービスと呼ばれることもあります。
ハウスキーパーには、キッチンや浴室、トイレや洗面所などの水周りから、リビングなどの各部屋の片付けなどを依頼できます。依頼する内容によっては、各曜日で捨てられるゴミをまとめてくれたり、タイミングが合えば捨ててくれたりすることもあるようです。
さらに、洗濯物が山積みになっていて、部屋が片付けられないといったときも、ゴミの片付けと併せて依頼することで、洗濯やアイロン掛けなども任せられるそうです。
ハウスキーパーに依頼することで、たとえ仕事が忙しくても、部屋をきれいにすることができます。
ただし、利用には費用が掛かるほか、依頼する業者によっては対応・未対応のサービスが異なります。注意しましょう。
補足:病気の可能性がある場合は専門機関へ相談する

もし、病気や障害の可能性があるときは、専門機関へ相談してみると良いでしょう。
例えば、自治体の窓口であれば、ゴミの処理方法や利用できる制度について相談することができます。
病気や障害によっては、気持ちが沈み、身体も思うように動かないこともあります。そのような日が続くときは、自分の状態について、専門機関に受診し、相談してみましょう。
また、各自治体には、以下のような相談施設も設置されています。
- 地域包括支援センター
- 自立・生活訓練
生活の中に悩みやこまりごとがある人は、こちらのコラムもぜひご覧ください。
まとめ:自分に合った方法を見つけましょう

片付けられない理由には、性格や幼少期の環境、病気や障害など、さまざまな可能性が考えられます。
片付けようという気持ちはあっても、なかなか手をつけられないことが続き、やがて部屋が物で溢れている、といったときは、このコラムで紹介した理由に目を通しながら、自分に当てはまる項目を探してみてください。
もし、病気や障害が関係している場合、適切な専門機関を受診し、主治医に相談することで解決できるかもしれません。
主治医のアドバイスによっては、今までよりも暮らしやすくなることもあるでしょう。
このコラムを通じて、あなたに合った対処法が見つかり、状況の改善につながればとてもうれしいです。
片付けられないのには、病気や障害が関係していることがありますか?
例えば、精神障害の一つであるうつ病の場合、意欲や集中力の低下、身体の痛み・不調がみられることから、片付けようという気持ちになっても、思うように身体が動かず、片付けられないときがあるようです。
詳細については、こちらで解説しています。
大人が片付けられない理由を教えてください。
以下が考えられます。
- 性格
- 自分の持ち物を把握していない
- 片付け方がわからない
- 収納場所を決めていない
- 時間がない
- 片付けの習慣がない
- 先延ばし癖がある
- 収納場所が少ない
詳細については、こちらで解説しています。
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
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翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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