感音性難聴のある人が実践できる仕事術 抱えやすい困難を解説
こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
あなたは、以下のような悩みを抱えていませんか?もしかしたら、感音性難聴かもしれません。
- 聞こえているのに、なにを言っているのかわからない
- 雑音の中から、相手の声を聞き取るのが難しい
以上の悩みがある場合は一度、医師に相談してみてください。そこで感音性難聴と診断されても、支援制度や支援機関を利用し、適切なサポートを受けられれば、働き続けることは可能です。
このコラムでは、感音性難聴の概要や仕事で抱えやすい困難、実践できる仕事術、向いてる仕事・職場について解説します。
感音性難聴とうまく付き合う方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、感音性難聴のある人のための就労移行支援事業所です。
- 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
- 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
- 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月
新宿・横浜・大阪に校舎があり、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。遠方の方は、日常的にはオンラインで受講しながら(※お住まいの自治体が認めた場合)、「月に1回、対面での面談」を行います。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。
目次
感音性難聴のある人が仕事で抱えやすい困難
この章では、感音性難聴のある人が仕事で抱えやすい困難について解説します。
困難①複数人での会話やマスク越しでの会話が聞き取れない
感音性難聴のある人にとって、職場での複数人での会話や、マスク着用が一般的になった現在のような状況下でのコミュニケーションは、大きな困難が伴います。
なぜなら、複数の人が同時に話す場面では、声が重なり合い、個々の発言を聞き分けることが難しくなるからです。
また、マスク越しの会話では、口の動きが見えないため、唇の動きから言葉を補完することができず、さらに声が聞き取りにくくなります。
こうした状況では、重要な情報を見逃したり、会話についていけないことで疎外感を味わったりすることもあるでしょう。特に会議やチームでの打ち合わせなど、重要なビジネス場面で支障をきたす可能性が高くなります。
困難②接客や電話対応が難しい
接客や電話対応では、相手の声を正確に聞き取ることは、重要なスキルのひとつです。感応性難聴がある場合、こうした業務は大きなストレスや不安を感じる原因となりがちです。
感音性難聴のある人にとって、複数の客が同時に話す環境では、特定の声を聞き分けることが困難です。また、電話対応では相手の表情や口の動きが見えず、雑音が入ることもあるため、普段よりさらに聞き取りづらいと感じることもあるでしょう。
接客シーンではこちらの事情を相手に理解してもらう機会が少なく、結果的に、思わぬトラブルに発展してしまうかもしれません。
困難③職場の人の理解を得づらい
感音性難聴は、外見からはわかりにくい障害です。あまり接する機会がない相手だと、職場での理解を得るのが難しいこともあるでしょう。
聞き返しが多いことで「注意力が足りない」と誤解されたり、雑談についていけずに孤立したりすることもあるかもしれません。
感音性難聴のある人が実践できる3つの仕事術
この章では、感音性難聴のある人が実践できる仕事術について解説します。
仕事術①環境を調整する
1つ目の対策は、環境を調整することです。
感応性難聴のある人は、可能な限り静かな環境で会話することが重要です。背景音を減らすことで、会話の内容をより明確に聞き取ることができます。また、複数人で話す際は、一人ずつ順番に発言するよう事前に働きかけておくことも効果的です。
また、マスクの代わりに透明なフェイスガードを使用してもらうことも、口元の動きを読むのに役立ちます。
仕事術②補聴器などの補助ツールを使う
2つ目は、補聴器などの補助ツールを使うことです。
聴力の程度によっては、補聴器の使用も有効です。最新の補聴器には、特定の方向からの音を強調する指向性マイクロホンや、背景ノイズを軽減する機能が搭載されているものもあります。
ほかにも筆談ツールなどを使えば、双方に無理なくコミュニケーションが図れるでしょう。症状の程度や状況にあわせて、複合的な対策を試してみましょう。
仕事術③職場の人に相談する
3つ目は、自身の状況を、必要に応じて上司や同僚などの職場の人に相談することが重要です。具体的な困難と必要な配慮を伝えることで、周囲の理解を促すことができます。
また、職場の人に相談して、業務を変えてもらうのもひとつの方法です。特に電話対応などは、聴覚に障害があることを説明し、担当を変わってもらうのがよいでしょう。窓口をネット上のチャットなどに変更するのもよいかもしれません。
対外業務を、誰でも、どんな状況でも対応できるようにしておくことは、職場全体の業務向上にもつながるはずです。
こちらで解説したとおり、コミュニケーションの補助ツールを利用するのも効果的です。重要な内容はメモを取ったり、会議の内容を文書で共有してもらうよう依頼したりすることで、情報の見落としを防げます。
外部のサポートを利用するのもオススメです。自分では説明が難しいことも、専門家のアドバイスを得ることで、より効果的に職場の理解を得る方法が見つかるかもしれません。
多くの職場では、従業員の多様性を尊重し、個々のニーズに応じた合理的配慮を行う姿勢が広まっています。まずは、信頼できる人に相談してみましょう。
感音性難聴のある人に向いてる仕事・職場
感音性難聴があるからといって、どんな仕事が向いてる・向いてないと判断するのは難しいです。
感音性難聴の症状や程度は、人によって違います。個人の能力や興味を活かし、適切な支援とツールを活用することで、一般の人と同じように働けるケースも少なくありません。
とはいえ、感音性難聴は見た目からは判断のつきにくい障害です。誤解によるトラブルを避けるためには、風通しがよく、理解ある職場を選ぶことが重要になります。
例えば、定期的なセミナーや面談を実施している企業では、コミュニケーションの機会が多く、必要なサポートを受けやすい傾向にあります。
また、障害者雇用促進法に基づき、企業には合理的配慮を行う義務があります。
合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と同じように生活し、活動できる均等な機会を確保するために必要な配慮のことです。障害のある人が業務上で支障があったときに改善するための措置を取ることも合理的配慮に含まれます。
具体的には、補聴器の使用許可、筆談ツールの導入、静かな作業環境の確保などが挙げられます。従業員は、こうした配慮を求めることに引け目を感じる必要はありません。適切な職場環境の整備は、従業員の能力を最大限に発揮させ、企業にとってもメリットとなるからです。
これから就職・転職を考えている人は、ぜひ面接で、合理的配慮への考え方について確認してみてくださいね。
合理的配慮については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
感音性難聴のある人が利用できる5つの支援制度
この章では、感音性難聴のある人が利用できる支援制度を紹介します。
支援制度①補装具費支給制度
補装具費支給制度とは、日常生活や社会参加に必要な補聴器などの補装具の購入費用を援助する支援制度のことです。
この制度では、医師の判断に基づいて、その人に適した補聴器の処方を受けることができます。購入費用の一部または全額が公費で賄われるため、経済的な負担を軽減しながら、高品質な補聴器を入手することが可能です。
申請はお住まいの自治体の担当する部署・窓口で行い、所得に応じて自己負担額が決まります。低所得者の場合は自己負担がない場合もあります。(参考:厚生労働省「補装具費支給制度の概要」)
ただし、この制度を利用するには、身体障害者手帳の取得が必要となる場合が多いです。事前に確認してください。
支援制度②高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療費の自己負担額が一定の限度を超えた場合に、その超過分が払い戻される支援制度のことです。感音性難聴のある人にとっても、この制度は医療費の負担を軽減する重要な支援となります。
この制度では、1ヶ月の医療費の自己負担額が所得に応じて設定された上限額を超えた場合、超過分が後日払い戻されます。例えば、難聴の診断や治療、補聴器の調整など、医療機関での診療や処置にかかる費用が対象となります。
申請は加入している健康保険の窓口で行います。事前に限度額適用認定証を取得しておくと、医療機関での支払い時点での自己負担額を軽減できる場合もあります。
高額療養費制度は、難聴の治療や管理にかかる費用を抑える助けとなり、必要な医療を受けやすくします。ただし、対象となるのは保険適用される診療のみです。補聴器の購入費用そのものは、対象外となります。(参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」)
支援制度③障害者手帳
障害者手帳とは、障害がある人に交付される手帳のことです。障害者手帳をお持ちの人は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の対象となり、さまざまな支援が受けられます。(参考:厚生労働省「障害者手帳について」、e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
障害者手帳の種類は、以下のとおりです。
- 身体障害者手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
- 療育手帳
気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。
障害者手帳については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援制度④障害年金
障害年金とは、病気やケガ、障害によって仕事や生活に支障を生じている場合に、年金加入者が受給できる支援制度のことです。(参考:日本年金機構「障害年金」)
申請は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口・年金事務所・年金相談センターなどで行えます。
障害年金については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援制度⑤意思疎通支援
意思疎通支援とは、聴覚障害のある人のコミュニケーションをサポートする支援制度のことです。
この制度では、主に手話通訳者や要約筆記者の派遣サービスが提供されます。公的機関での手続き、医療機関での受診、職場での会議や研修、冠婚葬祭など、さまざまな場面で利用することが可能です。
利用を希望する場合は、お住まいの自治体の担当する部署・窓口への申請が必要です。利用料は実施主体である地方自治体がそれぞれ規定していますが、多くの自治体では、無料または低額での提供です。
利用可能な場面や時間に制限がある場合もあるので、事前に確認してください。(参考:厚生労働省「意思疎通支援」)
感音性難聴のある人が利用できる4つの支援機関
この章では、感音性難聴のある人が利用できる支援機関を紹介します。
支援機関①就労移行支援事業所
就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。
体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。実際のサービスは、国の基準を満たしたさまざまな民間の就労移行支援事業所が行います。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」)
就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。それぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。
就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援機関②障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターとは、雇用や保健、福祉、教育に関する関係機関と連携し、障害のある人の雇用の促進・安定を目的とした一体的な支援を行っている支援機関のことです。(参考:厚生労働省「障害者就業・生活支援センター」、厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」、厚生労働省「障害者の雇用の促進等に関する法律」、厚生労働省「障害者就業・生活支援センターの指定と運営等について」)
障害のある人の就職活動の支援や求人の紹介、職場定着のためのサポートなどを行います。
就業面だけでなく、金銭管理などの経済面や生活面のことまで、日常および地域生活に関する支援も行っています。
生活習慣や金銭管理、健康管理などについても幅広く相談できるため、生活面のサポートも受けたい人にオススメです。
2024年4月1日時点で、障害者就業・生活支援センターは全国に337箇所設置されています。
障害者就業・生活支援センターについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
支援機関③ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)とは、仕事を探している人や求人を募集したい事業者に対して、就労に関連するさまざまなサービスを無償で提供する、厚生労働省が運営する支援機関のことです。正式名称は公共職業安定所で、職安と呼ぶ人もいます。(参考:厚生労働省「ハローワーク」、厚生労働省「ハローワークインターネットサービス」、厚生労働省「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」、東京労働局「東京ハローワーク」、厚生労働省「こころの健康サポートガイド」、厚生労働省「ハローワークにおける障害者の就労支援」)
主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示などを行っており、具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、一般的には以下のような幅広いサポートを行います。
全国に500ヶ所以上あり、主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示、雇用保険や雇用対策など、地域密着型の雇用に関する幅広いサポートを行います。
また、病気や障害のある人に向けたサポートも行っています。障害者手帳を所持していない人でも、医師による診断書があれば、障害の特性や希望職種に応じた職業相談や履歴書や面接での病気・障害の伝え方などのサポートを受けることができます。
支援機関④聴覚障害者情報センター
聴覚障害者情報センターとは、感音性難聴を含む聴覚障害のある人を総合的にサポートする支援機関です。聴覚障害のある人の生活の質向上と社会参加の促進を目的として、さまざまなサービスを提供しています。
主なサービスは、聴覚障害に関する情報提供や相談支援です。
補聴器の選び方や使い方、利用可能な福祉サービスの案内、就労に関するアドバイスなど、幅広い分野での支援を受けることができます。また、手話通訳者や要約筆記者の派遣調整、聴覚障害のある人向けの講座や交流イベントの開催なども行っています。
多くの場合、都道府県や政令指定都市に設置されています。利用は無料または低額です。(参考:聴力障害者情報文化センター 、聴覚障害者情報提供施設一覧(令和6年4月1日時点))
感音性難聴とは?
この章では、感音性難聴の概要や症状、治療法などを解説します。
感音性難聴の概要
感音性難聴とは、内耳、蝸牛神経、脳の障害によって起こる症状のことです。
耳が受け取った音を脳に伝達する際になんらかの障害が起きているため、うまく音を感知できず、よく聞こえないだけでなく、音の内容を把握できず、言葉が聞き取れないようになることもあります。(参考:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「聞こえの仕組み」、武蔵境耳鼻咽喉科「難聴・耳の疾患」、よし耳鼻咽喉科「聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説」)
メニエール病など、ほかの病気の症状のひとつとして現れることもあります。
感音性難聴の症状
感音性難聴には、主に以下のような症状があります。(参考:よし耳鼻咽喉科「聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説」)
- 音が小さく感じる
- 高音域の音が聞き取りにくい
- 複数の音から、特定の音を聞きわけることが難しい
- 音がどこから聞こえるのか分からない
ただし、症状の程度は人によって異なります。感音性難聴のあるすべての人に、以上の症状が当てはまるわけではありません。
また、加齢性難聴などによる感音性難聴では、中・高音域の周波数の聴力低下に伴って、わずかな音の強弱の変化を不快に感じる現象であるリクルートメント現象が生じることもます。(参考:一般医療法人社団 三昧耶会 ゆげ耳鼻咽喉科「感音性難聴の詳細」)
感音性難聴の聞こえ方・等級
感音性難聴の聞こえ方の程度は、聴力レベルを表す単位であるdB(デシベル)を元に、等級で区分します。
聴覚に異常がない場合は0〜24dBで、これより数値が大きくなると、感音性難聴の可能性が高くなります。
感音性難聴の聞こえ方・等級は、以下のとおりです。(参考:厚生労働省「身体障害認定基準等について」、よし耳鼻咽喉科「聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説」)
- 軽度難聴(25〜39dB):日常生活での影響はそれほど大きくない。小声で話したときには聞き取りづらく、補聴器を必要とすることがある
- 中等度難聴(40〜69dB):普段の会話の大きさでも、聞き取りが困難。相手に大きな声で話してもらう必要があるなど、補聴器の使用が推奨される
- 高度難聴(70〜89dB):大きな声で話していても、ほとんど聞き取れない。補聴器が必須。身体障害認定6級に認定される
- 重度難聴(90dB以上):補聴器があっても、聞き取りが困難。人工内耳の手術を勧められる場合もある。身体障害認定3級に認定される
なお、両耳の聴力レベルが100dBを超えると身体障害認定2級以上となり、両耳全聾(ぜんろう)と認定されます。
原因①先天性難聴
先天性感音性難聴とは、生まれつき、なんらかの原因で感音性難聴の症状が出ている状態のことです。(参考:よし耳鼻咽喉科「聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説」)
先天性難聴のうち、約7割は遺伝子の異常が原因といわれています。
原因②後天性難聴
後天性難聴とは、ウイルス感染のほか、寝不足や疲労、ストレスなど、さまざまな要素が原因で感音性難聴の症状が出ている状態のことです。(参考:よし耳鼻咽喉科「聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説」、あべクリニック「感音性難聴のお話」)
また、ヘッドフォンなどの騒音が原因となることもあります。こうした場合は適切な予防策を講じることで、難聴になることを防ぐことが可能です。
加齢によって、感音性難聴の症状が出ることもあります。一般的に聴力は、年齢を重ねるにつれ、高音が聞こえにくくなります。これは脳自体の認知能力の低下など、内耳以外の要因も複合的に関係した症状です。
原因③突発性難聴
突発性難聴とは、何の前触れもなく急に聴力が低下する状態のことです。一般的に、片方の耳だけが聞こえにくくなります。悪化・改善を繰り返すこともありませんが、症状の程度は人によって異なります。(参考:よし耳鼻咽喉科「聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説」、e-ヘルスネット「突発性難聴について」)
40〜60歳代に多くみられ、ストレスや過労、睡眠不足、糖尿病などがあると起こりやすい症状です。
早めに治療を開始することで、聴力が回復します。
原因④その他
その他、感音性難聴の原因になる病気などには、主に以下のものがあります。(参考:よし耳鼻咽喉科「聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説」、武蔵境耳鼻咽喉科「難聴・耳の疾患」、あべクリニック「感音性難聴のお話」)
- メニエール病(内リンパ水腫)
- 聴神経腫瘍
- 外リンパ瘻
- 髄膜炎
- 聴神経にできた腫瘍
- 感音性難聴の治療法
突発性難聴の場合、治療によって回復する可能性が高いとされています。(参考:一般医療法人社団 三昧耶会 ゆげ耳鼻咽喉科「感音性難聴の詳細」)
一方で慢性的な感音性難聴の場合、治療は困難です。音を感じるために重要な内耳の有毛細胞は再生能力を持たず、それを促す治療法もまだ確立していません。ただし、研究段階では、細胞の再生などの開発が進んでいます。
また、早期に発見された場合には、リハビリなどによって、症状が改善することもあるようです。
さらに補聴器や人工中耳を使用することで、弱まった聴力を補えるケースもあります。異変に気付いたら、なるべく早く、専門の医師を受診しましょう。
補足:感音性難聴と難聴との違い
難聴とは、音が耳に入ってから脳に伝わるまでのどこかの段階で障害が起こり、聞こえにくくなったり、聞こえなくなったりする症状のことです。(参考:e-ヘルスネット「難聴」、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「聞こえの仕組み」)
耳は、入り口から鼓膜までの部分である外耳(がいじ)、鼓膜、耳小骨(じしょうこつ)、鼓室(こしつ)と乳突蜂巣(にゅうとつほうそう)からなる中耳(ちゅうじ)、さらに奥の蝸牛(かぎゅう)と三半規管などがある部分内耳(ないじ)に分かれています。
外耳と中耳は音を伝え、内耳は音を脳に伝える役割を果たします。難聴は、これらのどこか、または大脳の聴覚中枢に障害が起きている状態です。
このうち、外耳と中耳の障害によって音がうまく伝わらない状態を伝音難聴と呼びます。感音性難聴は、内耳や脳に問題がある場合です。さらにこれらが合併した状態が、混合性難聴といいます。
まとめ~感音性難聴とうまく付き合って、仕事も生活も充実させよう~
感音性難聴は、人によって、程度や症状が違います。原因もさまざまです。うまく付き合っていくため、自分の状況をしっかり理解し、適切なサポートやツールを使用する必要があります。
そのためには、医師や専門家はもちろん、周囲の人のサポートが大切です。必要に応じて相談できる環境の整った職場なら、感音性難聴と診断されても、安心して働き続けられるはずです。
支援制度や支援機関も上手に活用して、感音性難聴と向き合っていきましょう。
感音性難聴の症状について教えてください。
感音性難聴のある人は仕事でどんな困難を抱えやすいですか?
監修キズキ代表 安田祐輔
発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
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