ニートにできる仕事はないって本当? 就労しやすい仕事を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
今このコラムをご覧になっているあなたは、以下のような悩みを抱いているのではないでしょうか?
- ニート状態になってしばらく経つし、自分にできる仕事なんてない…
- 発達障害やうつ病になってニート状態となり、社会に出るのが怖い…
「自分にはできる仕事がない」と感じていても、社会にはさまざまな仕事があります。
周囲のサポートを受けながら視野を広げていくと、「これならできそうかも」と思える仕事が見つかるかもしれません。
このコラムでは、ニート状態にある人でも就職できるのかどうかや、ニート状態にある人が抱えやすい苦手意識、向いてる仕事について解説します。
あわせて、就職を目指す際に頼れる支援機関も紹介します。
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目次
ニートは就職できない?
現在ニート状態にある人でも、就職や再就職は可能です。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が2019年に発表した資料によると、ニート状態から就職できた人の割合は約37.1%に上ります。(参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構「JILPT 資料シリーズ No.217 若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③ ―平成29年版「就業構造基本調査」より―」)
- <ニート状態から就職した人の雇用形態>
- 正規の職員・従業員:約18.0%
- パート・アルバイト:約10.5%
- 労働者派遣事業所の派遣社員:約3.4%
- 契約・嘱託・その他の雇用:約5.2%
この結果から、およそ3人に1人が何らかの形で就職・再就職を叶えていることがわかります。
また、そもそもニート状態にある人とは、「15〜34歳で非労働力(仕事をしておらず、失業者としての求職活動もしていない人)のうち、主に通学でも家事でもない独身者」と定義されています。(参考:財団法人社会経済生産性本部「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」)
つまり、自営業や在宅での仕事、あるいは家事を行うだけでも、広義にはニート状態からの脱却と考えることができます。
ただし、就職を目指す場合には、就職活動を円満に進めるために、自身の苦手意識や課題を把握し、適切な対策を講じておく必要があります。
準備にはある程度の時間が必要なため、気持ちとスケジュールに余裕を持って取り組むことが大切です。
「できる仕事がない」と悩むニートが抱えやすい苦手意識
この章では「できる仕事がない」と悩むニート状態にある人が抱えやすい苦手意識について解説します。
コミュニケーションへの苦手意識
ニート状態にある28人を対象とした実態調査によると、ほとんどの人が対人関係の問題を経験していたことがわかっています。(参考:財団法人社会経済生産性本部「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」)
例えば、在学中に不登校を経験した人や、いじめが原因で中途退学をした人が含まれていました。このような経験により、もともとあった大人への苦手意識がさらに強まったと推測されています。
また、明確なトラブルがなかったとしても、「他者とうまく関われない」「どこにいても生きづらい」と感じている人も多いことが報告されています。
こうした苦手意識を持つと、職場でうまく人間関係を築けず、せっかく就職しても早期に退職するケースがあります。
退職と転職を繰り返すうちに、対人スキルが育たず、「また同じことになるのでは」と不安を感じて、就労に踏み出せなくなる可能性もあるでしょう。
そのため、対人関係に強い苦手意識がある場合は、家族や友人などの周囲の人とやり取りを重ね、少しずつコミュニケーションスキルを高めていくことが大切です。
必要に応じて、アドバイスをもらいながら練習していきましょう。
仕事への苦手意識
過去の成功体験が少なかったり、仕事で失敗が続いたりしたことで、「仕事は自分に向いていない」「うまくできない」といった苦手意識が強まる場合もあります。(参考:財団法人社会経済生産性本部「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」)
仕事に対して自信を持てないと、「自分にできる仕事はない」と思い込むこともあるでしょう。
実際に、ニート状態にある人は以下のようなことに対して、苦手意識を持つ傾向があります。
- 仕事を覚えること
- 仕事で失敗を繰り返さないこと
- 教えてもらわなくても、周囲のやり方を見て学ぶこと
このような不安が強い場合は、フォロー体制の整った職場や、マニュアルがしっかり用意されている職場を選ぶとよいでしょう。
また、自分がどのようなことに苦手意識を持っているのかを具体的に整理しておくことで、「どんな職場なら無理なく過ごせそうか」というイメージがつきやすくなり、できる仕事の選択肢も見えてきます。
ニートでも就労しやすい仕事
この章では、ニート状態にある人でも就労しやすい仕事について解説します。
仕事①経験や専門性を求められない仕事
ニート期間があり、就業経験が少なくても取り組みやすい仕事には、「未経験者歓迎」「経歴不問」と記載された求人があります。
例えば、事務職や設備・メンテナンス業務などが該当します。これらの仕事は専門的な知識やスキルが求められにくく、スムーズに始められる可能性が高いでしょう。
また、業務のマニュアルが整備されている仕事も、キャリアにブランクがある人に向いているといえます。
仕事の手順やルールが文章で明確になっていると、不明点が生じにくくなり、困ったときにはマニュアルを見て確認できるため、ミスも防ぎやすくなります。
さらに、詳細なマニュアルがあることで、職場の人に質問する回数が減り、対人ストレスの軽減にもつながるでしょう。
仕事②コミュニケーションが少ない仕事
ニート状態にある人は、対人コミュニケーションに対する苦手意識を抱えていることが多くあります。
必要最低限のやり取りでも負担に感じる場合は、コミュニケーションが比較的少ない仕事を選ぶとよいでしょう。
コミュニケーションが少ない仕事の例は、以下のとおりです。
- フリーランスでできる仕事:ライター、イラストレーター、デザイナー、フォトグラファー、動画編集者、翻訳家など
- 1人で働くことも多い仕事:警備員、清掃員、工場勤務、倉庫作業員、配達員、プログラマー・エンジニアなど
黙々と作業することが得意な人や集中力がある人にとって、こうした仕事は向いてる可能性が高いと考えられます。
仕事③体力的に問題ない仕事
ニート状態にある人の中には、生活リズムが乱れていたり、運動習慣がなかったりして、体力に不安がある人もいます。
そうした場合でも取り組みやすいのが、身体的負担の少ない仕事です。
以下のような条件に当てはまる仕事を検討してみましょう。
- 福利厚生が整っており、休みが取りやすい仕事
- 身体的な負担が少ない仕事
- リモートワークが可能な仕事
就職活動の際には、残業時間や休暇制度について面接で確認することも大切です。
また、就労の形態として必ずしも正社員を目指す必要はありません。短時間勤務のアルバイトやパート、柔軟に時間が決められる仕事など、体力に応じた働き方から始めるのもよいでしょう。
こうした仕事で体力をつけながら、将来的にフルタイム勤務や正社員登用を目指すことも可能です。
仕事④人手不足の仕事
人手不足の業界や職種は、ブランクのある人でも就職しやすい傾向があります。
人材確保が急務であるため、経歴よりも「今働けること」を重視して採用されやすいからです。例えば、以下のような職種が挙げられます。
- 介護職
- 運送業、ドライバー職(トラック運転手、タクシードライバーなど)
応募前には、体力面・資格の有無、業界の求人倍率などを確認しながら、自分に合った仕事を検討してみましょう。
仕事⑤「好き」ができる仕事
自分の好きなことや興味があるものを仕事にするのも1つの選択肢です。興味があることや没頭できることはストレスを感じにくく、継続しやすい傾向にあります。
まずは、自分の過去の経験を振り返り、どんなときに気持ちが前向きになったのかを考えてみましょう。
「好き」を仕事にしたい場合は、関連する職種や業界を広く調べることから始めるのがオススメです。思っている以上に選択肢が多く見つかるかもしれません。
仕事⑥夜勤のある仕事
昼夜逆転の生活が続いていて、すぐに朝型に戻すのが難しい人は、夜勤のある仕事から就労を始めるのもよいでしょう。
例えば、以下のような仕事があります。
- 警備員
- 工場勤務
- 清掃員
- ホテルスタッフなど
以前の仕事で「日中に働くのがつらかった」と感じた人にも、夜勤のある仕事は検討する価値があります。
また、ひきこもり状態やニート状態にある人に向いてるほかの仕事は、以下のコラムでも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
「できる仕事がない」の状態から脱却するための6ステップ
この章では、「できる仕事がない」と思っている状況から脱却するためのステップについて解説します。(参考:財団法人社会経済生産性本部「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書」)
ステップ①状況把握
ニート状態から脱却するための最初のステップは、自身の状況を正しく把握することです。
自己分析を通じて、課題・不安・できること・得意なこと・好きなことなどを洗い出してみましょう。
ただし、自己分析だけでは不十分な場合もあります。非言語的な表情や所作、自身の特性など多角的な視点から判断することが大切です。
支援機関や専門家など、第三者の協力も得ながら、客観的に現状を把握することをオススメします。
ステップ②自己評価の改善
ニート状態が長引くと、「自分にできる仕事はない」と感じやすくなります。人間関係や仕事への苦手意識から、自己評価が著しく低下している人もいるでしょう。
そのような場合は、状況に合わせて小さなチャレンジを重ねて成功体験を得ることが、自己評価の改善につながります。
以下のような取り組みが効果的です。
- 自己分析に取り組んでみる
- 不安や悩みを専門家に相談し、理解や助言を得る
- スポットアルバイトなどで、少しずつ会話の機会を増やす
- 買い物やごみ出しなどをきっかけに外出し、短い会話や挨拶に挑戦する
無理のない範囲で細かなチャレンジを繰り返すことで、職務能力や職場適応能力の向上も期待できます。焦らず、コツコツと進めていきましょう。
ステップ③規則正しい生活の確立
ニート状態にある人は、生活リズムが乱れ、昼夜逆転している場合も多くみられます。
就労を目指すうえでは、まずは規則正しい生活の確立と、基礎体力の構築が欠かせません。日々の仕事をこなすには、以下の力が必要です。
- 勤務時間に耐えられる体力
- 数日間連続で働ける持久力
生活リズムを整えて基礎体力を養うことで、仕事を長く続けるための土台づくりができます。
ステップ④苦手意識への対応
ニート状態にある人は、対人関係への苦手意識を持っていることが多い傾向にあります。
そのため、支援機関のサポートを活用しながらコミュニケーションスキルを向上させることが大切です。
たとえば、支援機関では以下のようなサポートを提供している場合があります。
- 発声練習
- 話し方や表情のトレーニング
- ロールプレイや対話の練習
これらは1人で練習・評価が難しいスキルであるため、支援機関を頼るのが有効です。
ステップ⑤就労体験
働くことへの不安を軽減するには、実際に働いてみる経験がとても重要です。
以下のような方法が有効です。
- 支援機関を通じた就労体験・職業訓練
- 数時間のスポットアルバイトや短期バイト
- インターン・ボランティア活動
絶対にやりたくない仕事以外は広く選択肢を検討し、知見を広げてみましょう。実際に経験をしてみることで、自分に向いている仕事が見つかる可能性もあります。
やってみて初めて、興味を持てる仕事が見つかることもあるため、柔軟な視点でチャレンジしてみてください。
ステップ⑥アフターケア
就職してニート状態から脱却できたとしても、継続して働くためにはアフターケアが重要です。
たとえば、以下のような支援を活用しましょう。
- 支援機関による職場定着支援
- 定期的なヒアリングや相談面談
- 不安や疑問に対するフォローアップ
こうしたアフターケアを受けることで、長期的な就労継続がしやすくなります。
また、ニート状態から脱出する別の方法については、以下のコラムでも解説しています。あわせてご覧ください。
就職するために頼れる支援機関
この章では、ニート状態である人が就職を希望する時に頼れる支援機関について紹介します。
就職に向けてサポートを得たいとき、以下の支援機関が利用できます。
- ハローワーク
- 就職・転職エージェント
- 地域若者サポートステーション など
さらに、障害のある人の場合は、以下の支援機関も選択肢となるでしょう。
- 障害者向け就職・転職エージェント
- 就労移行支援事業所
- 地域障害者職業センター
- 発達障害者支援センター
- 障害者就業・生活支援センター
こうした支援機関では、履歴書作成や面接対策に加えて、苦手意識や不安へのサポートも受けられます。
なかでも就労移行支援事業所は、仕事で活きるスキルの習得ができるため、通所しながら無理なく就職の準備を進められる環境が整っています。
以下の関連コラムもあわせてご覧ください。
できる仕事を増やすなら就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)
障害のある人で、ニート状態から脱却したいとお悩みの場合は、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)にご相談ください。
就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)は、うつ病や発達障害による離職やブランクのある人が、ビジネススキルを習得しながら就職を目指せる支援機関です。
専門スタッフとのキャリア相談やメンタルケアを受けながら、以下のような専門的スキルを基礎から学べます。
- 会計・ファイナンス
- 英語
- Webマーケティング
- Webライティング
- Excel/PowerPoint基礎
- 動画制作
- Webデザイン、プログラミング
生活保護世帯や低所得世帯の人は、自己負担額0円での通所が可能なケースもあります。
就職に向けての一歩を踏み出したい人は、ぜひご相談ください。
まとめ:向いてる仕事を見つけられる可能性は十分にあります
ニート状態になり「自分にはできる仕事がない」と悩んでいても、社会にはさまざまな仕事があります。向いてる仕事を見つけられる可能性は十分にあるのです。
実際、就職を希望するニート状態の人のうち、3人に1人は就職を実現しています。
ニート状態から脱却するには、自身の状況に応じた適切なサポートを得ながら、無理のないペースで準備を進めることが大切です。
自己分析だけでなく、支援機関や家族の力も借りながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
このコラムが、「自分にはできる仕事がない」と悩むあなたの力になれば幸いです。
ニート状態にある人でも、就職できますか?
現在ニート状態にある人でも、就職や再就職は可能です。独立行政法人労働政策研究・研修機構が2019年に発表した資料によると、ニート状態から就職できた人の割合は約37.1%に上ります。
詳細については、こちらで解説しています。
ニートでも就労しやすい仕事を教えてください。
以下が考えられます。
- 経験や専門性を求められない仕事
- コミュニケーションが少ない仕事
- 体力的に問題ない仕事
- 人手不足の仕事
- 「好き」ができる仕事
- 夜勤のある仕事
詳細については、こちらで解説しています。
監修キズキ代表 安田祐輔
発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2025年6月現在17校+オンライン校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2025年9月現在9校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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