ニートの社会復帰は可能! 傾向・理由・復帰に有効なステップを解説 | キズキビジネスカレッジ  

ニートの社会復帰は可能! 傾向・理由・復帰に有効なステップを解説

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

この記事では、現在ニート状態にあるご本人やその親御さんに向けて、ニートからの社会復帰のために必要なことをご紹介します。

私自身、高校で不登校になり中退、それから約10年間のニート・ひきこもり生活を送りました。

ニート状態が長く続くと、社会復帰のきっかけをなかなか作れなくなることは、自分の経験からもよくわかります。

また、ニートからの社会復帰を目指すとき、壁にぶち当たっては「自分はどうしてこんなことができないのか」と悩み、自分に失望することも多いと思います。

私がニートだったときは昼夜逆転状態で、社会復帰に向けて規則正しい生活を身につけるのに特に苦労しました。

昼夜逆転を直そうとしても、12時間以上寝ては夜寝られなくなって朝まで起きている…そんな生活の繰り返しでした。

今でも朝は苦手ですが、社会復帰はできています。

そんな私の経験やお伝えする内容が、少しでもお役に立ったなら幸いです。

社会復帰のためには、目標から?準備から?

ニートからの社会復帰を目指すとき、いきなり大きな目標を立てて途中で挫折したり、目標を立てるだけで前に進めなかったりしていませんか。

私自身、ニート時代に大学受験を目指した時期がありました。そのときは、スケジュール的にも学力的にも合格できる見通しをつけないまま、見切り発車でチャレンジしました。

そして準備不足のために自信を持って進むことができず、勉強のやる気も起きずに、ただ日々が過ぎていきました。

目標を決めるときには、目標達成のために必要なことを逆算し、自分がその目標を達成できる見通しをつけ、自信を持って一歩ずつ進むことが大切です。

ただ、「社会復帰のための具体的な目標」は必ずしも最初から立てる必要はないと思います。

目標を立てるより先に、心身を整えた方がよい場合があるからです。

私の場合も、目標設定よりも先に、「社会復帰の準備」が必要でした。

あなたも、現在の状況やご自身の性格などによって、目標を立てることと準備から行うこと、どちらを先に行った方がよいか、考えてみてはいかがでしょうか。

ニートが社会復帰できる可能性

ニートの社会復帰は難しいのでしょうか。結論から述べると、そんなことは決してありません。

ここでは、日本全体で見るニート数と近年の傾向についてご紹介します。

ご自分のことに置き換えて読み進めてみてください。

そもそもニートとは?

そもそもニートとは、「Not in Education,Employment or Training」の頭文字を取ったイギリスの造語のことです。直訳すると、「就学、就業、職業訓練のいずれもしていない人」になります。イギリスでは「支援が必要な人たち」という意味合いでつくられた言葉です。

日本では、厚生労働省がニートを次のように定義しています。

総務省が行っている労働力調査における、15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない人

(参考:厚生労働省「よくあるご質問について」、総務省統計局「統計FAQ 16A-Q10 ニートの人数」

また、総務省統計局では、ニートに近い概念として、「若年無業者」と表記することもあります。(参考:総務省統計局「16A-Q10 ニートの人数」

全体のニート数は年々減少している

次に、日本全体のニート(若年無業者)の数の傾向を見ていきましょう。(参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果」

(参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果」

ニート(若年無業者)の人数は、総務省統計局が2022年(令和4年)に実施した調査によると、2012年から2022年の10年で、総数は約63万人から約57万人と、徐々に減少していることがわかります。

ただし、人口に占める割合については、2012年から変動はあるものの大きな変化はありません。

若年層のニートはコロナ禍で一時的に増加 しかし現在は再度減少傾向にある

同資料を細かく見ていくと、2020年に15〜24歳(若年層)のニート(若年無業者)が急激に増加しています。

これは新型コロナウイルス感染症が日本に広まり、企業の経営状態が悪化したことで職を失った方が増えたのが原因と考えられています。

とはいえ、その後の2021年を見ると再度減少しています。

同資料を参考に具体的な数字で表すと、次のようになります。

  • 2022年の15〜24歳のニート(若年無業者)数は、約27万人。前年から1万人の減少
  • 2022年の25〜34歳のニート(若年無業者)数は、約31万人。前年とほぼ同じ数字

ニート(若年無業者)が減少傾向にある(または一定の数値を保っている)理由としては、新型コロナウイルス感染症の感染対策によって在宅ワークが増加したこと、さらには女性雇用者数、つまり女性の社会進出数が増加したことなどが背景にあると考えられています。

全体的に減少・同率のニート(若年無業者)数ですが、ここでは、総務省統計局が調査した「令和4年就業構造基本調査」のデータを見ながら、無業者の実態について確認してみましょう。(参考:統計局統計局「令和4年就業構造基本調査」

「令和4年就業構造基本調査」では、年齢別の無業者に関するデータが提示されてません。

そのため、厳密に「ニート≒若年無業者」としてのデータではありませんが、無業者全体の動向は参考になるはずなので、ここでご紹介します。

まず、15歳以上の人口約1億1019万人(2022年10月現在)のうち、有業者は約6706万人、無業者は約4313万人 に分かれています。無業者は5年前の同調査から約163万人減少 しており、全体で減少していることがわかります。

また、離職非就業者は約749万人。5年前から比べると、約33万人も減少していることがわかります。

(参考:総務省「令和4年就業構造基本調査結果の要約」

前職の退職理由について見ていくと、「労働条件が悪かったため」が約233万人で最多です。

(参考:総務省「令和4年就業構造基本調査結果の要約」

さらに、現在無業者のうち、就職希望者は約783万人もいることも見てとれます。

また、同調査によると、過去1年間の離職経験者のうち、就業者(転職者)数は約303万人だそうです。前年の2021年と比較すると、約13万人の増加となり、正社員への就職は全体的に増加傾向にあることがわかるでしょう。

ニート期間と社会復帰の関係性

では、なぜ若年層だと正社員へのチャレンジが成功しやすく、年齢を重ねることで社会復帰が難しくなるのでしょうか。

労働政策研究・研修機構の「大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から-」には、ニート期間と就職率の関係性についてこのようなデータが示されています。(参考:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から-」

(参考:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容-「第5回 若者のワークスタイル調査」から-」

  • 1年以内の方の合計:68.8%
  • 1~2年の方の合計:61.2%
  • 2~3年の方の合計:56.6%
  • 3~4年の方の合計:61.1%
  • 4~5年の方の合計:37.9%
  • 5年以上の方の合計:32.3%

同庁のデータを見ると、ニート期間が短いほど正社員として社会復帰しやすく、4年以上と長引くほど難しくなる傾向にあることがわかります。

しかし、冒頭でも触れた通り、ニートからの社会復帰はできないということは決してありません。

あくまで一例・一般論ですが、数年以上もの間ブランクができた理由が自身や家族の病気・介護に関するものだったりすると、「悪い」と見なされるものではありません。

そうでない場合も、どのように社会復帰を目指すべきかの相談や、就職活動時に何をどう伝えればよいのかを相談できるところはたくさんあります。

ニートが「社会復帰できない」「働けない」と感じる7つの理由

社会復帰を目指し、いざ行動に移そうと考えても、ふいに「社会復帰できないのではないか」「本当に自分は社会に出て働くことができるのか」といった不安にさいなまれることもあるでしょう。

重ねてにはなりますが、ニートの社会復帰は、ポイントを取り入れたり工夫したりすることで、どなたも実現できるものです。

ここでは、社会復帰に対して不安を抱える方へ、ニートが社会復帰できない、働けないと感じる7つの理由と対策をご紹介します。

当てはまる項目をチェックし、そのうえで次章のステップを見ていきましょう。

理由①無理だと思い込んでいる

1つ目は「無理だと思い込んでいる」ことです。

現在ニートである自分自身が「無理だ」と思い込むと、当然、社会復帰は困難です。「自分のような社会経験がない(乏しい)人間を誰が雇うだろうか」と考える人もいるでしょう。

不安を抱えたり「できない」と考えたりするのは、あなたの中の理想が高すぎたり、完璧主義であったりするからかもしれません。

まずは自分に自信が持てるよう、達成しやすい目標を立ててみましょう。

そうすることで、努力することと達成することの繰り返しを経て、少しずつ自信を持てるようになるでしょう。

理由②自分に自信が持てない

2つ目の理由は「自分に自信が持てない」ことです。

人生にはいくつもの失敗や挫折がつきものです。そういった失敗や挫折から立ち直れずに、自分に自信を失った人もいるでしょう。

石原加受子さんの『「自己肯定感」の高め方』では、周囲の人と自分を比べる人ほど、無意識に自分を責めているとしています。そういったときは一度立ち止まり、もっと自分をいたわり、肯定することから始めるのが良いとしています。(参考:石原加受子『「自己肯定感」の高め方』

まずは自信をつける(自己肯定感を上げる)ためにも、生活のなかで少しでも自信につながるなにかを積み重ねてみるのがオススメです。

理由③自分に厳しすぎる

3つ目の理由は「自分に厳しすぎる」ことです。

石原加受子さんの『「自己肯定感」の高め方』では、次のような指摘があります。

「自分に厳しく」を求める社会』として、「社会に適応し順応するように強くしつけられる子どもがいること、家庭や学校、家庭環境に寄っては0歳のときから保育所に通い、そのようにしつけられることもある」としたうえで、「一般に言う「社会」と実際の社会ではズレがある」

(参考:石原加受子『「自己肯定感」の高め方』

親や周囲からのしつけによって厳しく育てられると、自己肯定感を養いづらくなることがある、ということです。

社会復帰を目指す前に、自分の判断基準や考え方が自分に厳しすぎないかどうかを振り返り、達成しやすい目標を立てて実行してみましょうましょう。

理由④体調不良が続いている

4つ目の理由は「体調不良が続いている」ことです。

現実問題、体調が思わしくなければ、社会復帰を目指して良いものなのか判断に迷うこともあるでしょう。

そういった場合、まずは体調を万全に整え、そのうえで社会復帰へのステップを踏むことが大切です。体調が思わしくないまま社会復帰を臨めば、再度引きこもりがちになったり、社会復帰をためらったりすることが予想されます。

体調不良によって社会復帰が難しいのでは?と考えるときは、まずは心身の不調を治して、万全になったときに活動することをオススメします。

理由⑤人間関係に苦手意識がある

5つ目の理由は「人間関係に苦手意識がある」ことです

石原加受子さんの『「自己肯定感」の高め方』では、『人間関係のトラブルは「良い悪い」では解決しない』としています。(参考:石原加受子『「自己肯定感」の高め方』

ニートとして暮らす人の中には、人間関係に悩み、他者との関わりをできるだけ避ける方もいらっしゃいます。

人間関係への苦手意識を取り除くためには、苦手意識となった原因を追及するのではなく、どのようにして苦手意識と向き合う必要があるかを考えることが必要不可欠と言えます。

理由⑥就労経験がない・少ない

6つ目の理由は「就労経験がない・少ない」ことです。

社会人としての経験があると、人間関係や業務内である程度のことが予想でき、働き方や働きやすさにつながり、その分だけ自信を持つことができます。

しかし、就労経験がない(または少ない)と、経験がそもそもない(少ない)ことから、1から覚えることが多く、業務のコツや働きやすさを見つけるのが困難です。

そのようなときは、達成しやすい目標を立てて実行してみましょう。行動科学には「3の法則」があります。

これは3日続けられれば次は3週間、その次は30日、次は3か月……といったように、数字の「3」を目安に挑戦し、習慣が定着するまでの行動設計を立てるものを指します。

しかし、最終的な目標を3か月と長期に設定すれば、大変に感じるときもあるでしょう。

そのようなときは、細かな数字で良いので、確実に前進していることがわかる目標を立てて自信につなげるのがオススメです。

  • 今日できたのだから明日もがんばってみる
  • 1週間できたのだから次は10日がんばってみる
  • 今日できたのだから明日もがんばってみる

といったように、「3」を目安にするのではなく、「1」や「2」など自分がクリアできそうな数字で行動設計すれば、目標達成の実感が湧きやすくなります。

そうすることで、次第に「自分は意外とできるのかも!」と、自然に自信が持てるようになるでしょう。

理由⑦ニート期間が長く就職に不安がある

7つ目の理由は「ニート期間が長く就職に不安がある」ことです。

ニートでいる期間が長ければ長いほど、仕事ができるのか不安になり、行動に移せない方もいらっしゃいます。

このようなときは、現在抱える不安を少しずつ解消することから始めてみましょう。肉体労働の職に就きたいのであれば、ラジオ体操などの軽い運動から始め、縄跳びやウォーキングなどを徐々に取り入れ、体力をつけてみるのもオススメです。

事務職を希望するのであれば、企業の事務作業についてリサーチし、主な作業内容について把握し、スキルを磨いてみるのも良いでしょう。

就職、または社会復帰のために活動したことでニート期間が伸びても、「ニート期間が長く就職が難しいと感じ、スキルを磨くための活動をしていた」といったことを履歴書や職務経歴書、面接などの際に伝えると、理解を得られるはずです。

ニートが社会復帰するために有効な8ステップ

ここでは、ニートの方が社会復帰するために有効なステップをご紹介します。

なお、あとで紹介するように、「あなた一人でがんばる」のではなく、「サポート団体を利用する」ことで、社会復帰はしやすくなります。

ステップ①生活習慣・環境を整える

1つ目は「生活習慣・環境を整える」ことです。

ニートとして暮らす方の中には、昼夜逆転の不規則な生活を送る方もいらっしゃるでしょう。

しかし、そのような状態が続くと、一日の生活リズムが24時間以上(あるいは以下)の周期でまわります。

すると、生活時間が毎日ずれていく負のスパイラルに陥り、生活リズムがどんどん不安定になっていきます。

規則正しい生活に戻すためには、朝は8時までに起床するよう心がけ、昼は体力作りやスキル磨きに時間を充てます。夜は趣味や自分のリラックスタイムに使う、といったように工夫してみると良いでしょう。

ただ、いきなり「完全に規則正しい状態」を目指しても無理だと思います(私もそうでした)。

なので、朝に太陽の光を浴びる、昼寝は15分以内にするようにするなど、少しずつ改善していくことをオススメします。

私の場合は、寝る前から部屋のカーテンを開けておき、朝になると太陽の光が顔に当たるような場所で寝たり、昼寝は眠り過ぎないように座りながらしたりするなどの工夫をしていました。

ステップ②自己分析を行う

2つ目は「自己分析を行う」ことです。

ニートから社会復帰を目指すときは、自己分析をして、自分がやりたいこと、できると思う業種などを明確にしましょう。そうすることで仕事選びがスムーズに進み、企業とのミスマッチを防げます。

なお、自己分析するときは、これまでに経験したことを紙に書き出すことから始めましょう。経験を書き出して可視化し、深掘りしやすくすることで、自分の得意なことや不得意なことが明確になり、就職活動で活かせる強みを見つけやすくなります。

その際、ニートになった理由、ニートとして暮らすことで得た学び・経験なども書き出しましょう。

ニート期間があることについて、書類選考や面接でマイナスイメージを抱く面接相手がいるかもしれません。ですが、ニートでいる間にどんな学びを得た(経験した)かを具体的に説明できれば、マイナスイメージを与えずに済みます。

具体的なエピソードに仕上がったら、次のステップに進みましょう。

ステップ③社会復帰するうえでの最大のハードルを考える

3つ目は「社会復帰するうえでの最大のハードルを考える」ことです。

ニートから社会復帰するうえでは、自分にとっての最大のハードルについて把握しておくことも大切です。

ニートになった理由を洗い出せば、なぜ社会復帰することに不安や抵抗があるのかを見つけやすくなります。

ニートになった理由の例
  • 人間関係から離れたくなった
  • 仕事を覚えられずクビになった経験がある
  • 自分にできる仕事があるのか不安
  • ニート期間を面接で指摘されそう
  • 見た目やスキル、経験に自信が持てない
  • 自分、または家族の入院・介護によって働くことが困難だった など

理由は人によって様々です。そのため、上述した例を参考にしながら、その理由に紐付く「自分にとってのハードル」を明確にしましょう。

ステップ④自分に合った働き方を探す

4つ目は「自分に合った働き方を探す」ことです。

ニートが社会復帰を目指すうえでは、順を追って社会に順応することが大切です。

いきなり「出勤して、朝から夕方まで、週に5日フルタイムで働こう」と考えても、体力が追いつかなければ体を壊すことにもつながります。

社会人としての生活に少しずつ慣れるためにも、「『今の自分』に合った働き方」を探しましょう(1日何時間、週に何日、働く時間帯、在宅か出勤かなど)。

ステップ⑤考えたハードルを乗り越えられる職種を見つける

5つ目は「考えたハードルを乗り越えられる職種を見つける」ことです。

3番目の項目で洗い出した「自分にとってのハードル」と今自分ができると思う働き方を明確にしたら、次はそのハードルを乗り越えられそうな職種を見つけましょう。

例えば、「人間関係から離れたくなった」という理由が自分にとってのハードルであれば、人との関わり合いが最小限の職種を選ぶ、「仕事を覚えられずクビになった経験がある」といったハードルなら、細かなマニュアルがあり、項目に沿って働ける職種などが挙げられます。

最小限に人間関係で済むような職種としては、在宅ワークによるWebライターやプログラマーなどがあります。マニュアルに沿って働ける職種であれば、工場勤務などが挙げられるでしょう。

このように、自分のハードルを乗り越えられる職種は、職種を深掘りすることでリカバリーできるケースが多くあります。ゆっくりと時間をかけても良いので、今の自分に適した職種を見つけ、次のステップへと進みましょう。

ステップ⑥簡単なアルバイトを始める

6つ目は「簡単なアルバイトを始める」ことです。

「自分にとってのハードル」を乗り越えられそうな職種を見つけたら、次は簡単なアルバイトを始めてみましょう。

アルバイトは出勤時間や勤務日数が正社員に比べて融通が利きやすく、フラットな気持ちで働くことができます。

正社員を目指すのであれば、アルバイトからの正社員登用を行う企業に絞って探すのも有効です。

ステップ⑦挑戦しやすい職種を見つけ応募してみる

7つ目は「挑戦しやすい職種を見つけ応募してみる」ことです。

アルバイトの経験をある程度積んだら、次は自分にとって挑戦しやすい職種を見つけ、実際に応募してみましょう。

このときは、アルバイトではなく、正社員でも派遣社員でも問題ありません。

できれば「未経験歓迎」「職歴不問」といった職種に応募すると、働き始めに感じやすいプレッシャーが少ないのでオススメです。

特にオススメの職種には、販売職や営業職、介護職やIT関連職などがあります。

販売職や営業職、IT関連職は、人手不足の影響から、採用後に研修や資格取得をサポートする形で未経験者の採用に力を入れる企業も多いようです。

自分の技術や経験に自信が持てなくても、入社後に手厚いサポートを受けながら働けるのであれば、チャレンジしてみても良いでしょう。

企業情報などを細かくチェックしながら社会復帰を視野に入れた就職活動を進めてみましょう。

なお参考として、「非正規雇用」は「悪いもの」ではありませんが、待遇・福利厚生の面では、正規雇用の方が安定します。

ステップ⑧正社員経験があるなら経験のある職種を受けてみるのも◎

最後は「正社員経験があるなら経験のある職種を受けてみる」ことです。

もし、これまでに正社員としての経験があるのであれば、その際に得た学びやスキルを活かして、即戦力として活躍できる可能性の高い同業界・同職種を受けてみても良いでしょう。

即戦力となる人材を求めている企業であれば、募集事項にそのような言葉が記載されているケースも少なくありません。

自己分析結果から得意とする業務などが明確になっていて、ある程度の自信がついたのなら、経験のある職種を中心に応募し、社会復帰を目指しましょう。

ニートの社会復帰に有効な支援機関7選

私たちの住む日本では、ニートの社会復帰に対する様々な支援・サービスが受けられます。

これからの自分にとってどんな活動が望ましいのかを相談できるほか、適切なアドバイスを受けながら適した職種を見つけられるので、社会復帰に対して不安や悩みを抱える方は、この章を参考にしながら利用してみましょう。

支援機関①ハローワーク

1つ目はハローワークです。(参考:ハローワーク「ハローワークインターネットサービス」

ハローワークは、正式名称を職業安定所という、日本の公共施設の一つです。具体的な支援としては、求人紹介や失業保険にまつわる各種手続きのほか、仕事にまつわる相談などに対応しています。

地方都市での就職を検討する方や中小企業に就職したい方は、積極的に利用しましょう。

次項の職業訓練についても相談できます。

補足

現実として、「具体的な求人探し」では、ハローワーク「のみ」を利用することはオススメしません。ハローワークに求人を出していないところも多いからです。この後で紹介する就職エージェントなどを併用することをオススメします。

支援機関②職業訓練校

2つ目は職業訓練校です。(参考:厚生労働省東京労働局「ハロートレーニング(職業訓練)について」

職業訓練校は、仕事を探す方にとって必要なスキルや知識が学べる教育機関です。ハローワークや市区町村の自治体が主催していることも多く、様々なコースが利用できます。

例えば、ビジネス関連であれば秘書技能や会計・簿記が、医療・福祉関連であれば看護助手や介護職、医療事務などが挙げられます。また、建築・土木関連であれば、大工、設計、土木工事技術のほか、建築模型制作について学ぶこともできます。

ただし、コースによっては卒業までに3か月ほどかかるものもありますので、早めの社会復帰を臨む方は注意しましょう。

支援機関③就職エージェント

3つ目は就職エージェントです。

就職エージェントは、民間の就職支援サービスの一つで、専任のアドバイザーが就き、仕事探しから就職までをトータルサポートします。

中には面接対策や書類添削といった細かなサービスを受けられるものもあるので、ニート期間が長くなった方でも手厚いサポートを受けながら社会復帰を目指せます。

支援機関④地域若者サポートステーション

4つ目は地域若者サポートステーションです。(参考:地域若者サポートステーション「サポステ[地域若者サポートステーション]」

地域若者サポートステーションは、働くことに不安を抱える15~40歳までの方を対象とした就職支援機関です。全国に設置されていて、就職にまつわる相談のほか、職場体験などを受けられます。

専門家が悩みや就職に対する希望を細かくヒアリングしながら就職までを支援する体制が整備されているので、社会復帰に対して不安のあるニートにとっては有効なサービスです。

支援機関⑤ジョブカフェ

5つ目はジョブカフェです。(参考:厚生労働省「ジョブカフェにおける支援」

ジョブカフェは、都道府県が主体となり、若者の就職を支援する公共機関です。就職までの不安に対するカウンセリングのほか、職場体験、セミナーなどといった就労支援を無料で受けられます。

2023年現在で46都道府県に設置されていて、ハローワークと併設しているケースも多いようです。ニートからの社会復帰を目指す方は、ジョブカフェの利用も視野に入れると良いでしょう。

支援機関⑥ニート支援を行うNPO法人

6つ目はニート支援を行うNPO法人です。

国内にはいくつも関連NPO法人があるため、ここでは、一例としてNPO法人社会復帰支援アウトリーチを紹介します。

NPO法人社会復帰支援アウトリーチは、就労が困難な方へ、在宅ワークの紹介、就労相談、引きこもりの子どもを育てる親や家族へのアドバイスやコーチングを実施する団体です。

一般的な就労支援の前に、自宅でも取り組みやすい在宅ワークをステップの一つとして設けているのが同団体の特徴で、自宅で働きながら社会復帰への自信を取り戻すのが目的です。

在宅ワークの主な内容としては、データ入力やチラシ作成などがあり、最初は覚えるまでが大変に感じることもありますが、継続によって仕組みや効率化が見つけやすいので、スムーズに自信を取り戻すことができます。

支援機関⑦就労移行支援事業所

7つ目は就労移行支援事業所です。

就労移行支援事業所は、(ニートのうち)病気や障害のある方が一般企業などへの就職を目指す際に、障害者総合支援法に基づいて受けられる福祉サービスです。

事業所では体調管理の方法や職場でのコミュニケーションにまつわる基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学べます。

ほかにも、実際の就職活動でのアドバイスや就職後の職場定着支援を含む総合的な就労支援なども受けられます。

私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、うつ病や発達障害などの人のための就労移行支援事業所です。

  • 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
  • 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
  • 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月

新宿・横浜・大阪に校舎があり、通える範囲にお住まいであれば、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

社会復帰を目指したいなら「学び直し」も有効

ニート期間が長引いたことで、「改めて学び直したいな」と考える方もいらっしゃるでしょう。

ノーベル賞物理学賞を受賞した経験を持ち、宇宙の法則に関わる相対性理論を発表したアルベルト・アインシュタインは、学びについて「学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるか思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる」といった名言を残しています。(参考:小池直己『偉人たちのポジティブ名言で学ぶ英語表現』

さらに、三國志において蜀の軍師として天下三分の計をたて、赤壁の戦いでは孫権率いる呉と共闘し、魏の曹操を破ったことでも有名な諸葛孔明も、「学ぶことで『才能』は開花する。志がなければ、学問の完成はない」といった名言を残しました。(参考:宮川尚志『諸葛孔明ーー「三国志」とその時代』

このように、私たちの知る有名人の多くは、学ぶことは人間にとって大切なことであり、学ぶことで才能が開花するとしています。

自分の学力に不足を感じ、社会復帰に不安があるときは、この機会に学び直してみてはいかがでしょうか。

弊社が運営するキズキ共育塾では、不登校や引きこもり、中退の経験がある方や再受験を検討する方へ、小学生の内容から難関大学受験の内容まで、個別学指導で教える家庭教師が在籍しています。

卒業生は2023年10月時点で4000人以上。学び直しを経て実際に社会復帰する人も少なくありません。

年齢やニートだからという理由で社会復帰を諦める必要は全くありません。まだまだ社会に出て活躍できるきっかけは、支援やサービス、そしてキズキ共育塾を含めてたくさんあります。

社会復帰への自信が持てず、何をすべきか見当もつかないといった方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ:自分を労る時間を大切にしつつも、社会復帰を意識した生活を

ニートからの社会復帰は、どのような年齢でも可能です。しかし、社会から離れている期間が長いと、大きな不安を感じることもあるでしょう。

社会復帰に対して不安や悩みを抱えるときは、ご紹介した8ステップを参考にしながら行動してみるほか、国や民間による支援やサービスを積極的に利用するのがオススメです。

ニートとして暮らし、自分をいたわる時間は大切にしつつも、社会復帰を視野に入れた暮らしもまた大切です。

もし、学力不足によって社会復帰に二の足を踏む方は、キズキ共育塾による学び直しを経るのも方法の一つです。

この記事を通じてあなたの社会復帰が成功し、今よりも素敵な人生を迎えられれば幸いです。

よくある質問

そもそもニートとは何でしょうか?

そもそもニートとは、「Not in Education,Employment or Training」の頭文字を取ったイギリスの造語のことです。日本では、厚生労働省がニートを「総務省が行っている労働力調査における、15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない人」と、定義しています。詳細はこちらをご覧ください。

ニートから社会復帰するためにどんなところに相談すればいいですか?

私たちの住む日本では、ニートの社会復帰に対する様々な支援・サービスが受けられます。例えば、ハローワークや職業訓練校、就労移行支援事業所などです。詳細はこちらをご覧ください。

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

執筆寺田淳平

てらだ・じゅんぺい。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

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