聴覚障害のある人に向いている仕事 職場で受けられる対応を解説 | キズキビジネスカレッジ  

聴覚障害のある人に向いている仕事 職場で受けられる対応を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)利用者の新田です。

あなたは、以下のような症状に悩まされていませんか?

  • 周囲の人からの指示が小さくて聞こえづらい
  • 高い音が聞こえづらい
  • 相手の声が歪んで聞こえ、内容がわからない

これらの症状がある人には、聴覚障害の疑いがあります。聞こえづらさが表れ始めた人の中には、今の仕事を続けることに不安を感じている人もいるでしょう。

このコラムでは、聴覚障害のある人に向いている仕事や職場で受けられる対応などについて解説します。

なお、聴覚障害が疑われる場合は、できるだけ早く病院を受診することをオススメします。早期の治療を行うことで、悪化を防止できる可能性があるため、医師に相談してみてください。(参考:e-ヘルスネット「突発性難聴について」

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聴覚障害のある人に向いている仕事6選

この章では、聴覚障害のある人に向いている仕事について解説します。

症状によって可能な業務は異なりますが、大まかな特徴として参考にしてみてください。

仕事①通話業務のない事務

まず、通話業務のない仕事が挙げられます。

パソコンなどでの業務が中心の事務職は、集中力と正確さが求められます。テキストコミュニケーションが中心の職場であれば、仕事仲間との意思疎通もスムーズに済むでしょう。

事務の業務は電話対応の多いイメージがありますが、「電話対応なし」などのキーワードで求人検索をしてみると、書類作成やデータ入力業務を中心とした事務職の求人を探すことができます。

仕事②ライター

検索上位に表示される記事を書くSEOライターや、ブログの広告による収入を中心とするブログライターなどがオススメです。

これらの仕事であれば、オンラインで編集者とやりとりしつつ、ほぼ自力で記事を完成させることができます。

反対にインタビューライターや著者の代筆を行うブックライターは、音声でのやり取りが主体になりやすく、案件の精査が必要です。

仕事③翻訳者

書籍やマニュアル、論文に関する翻訳業務であれば、編集者とのやり取りもパソコンで行うことができるため、言語力に自信がある人にオススメです。

文芸作品やノンフィクション作品では、原作の背景やその国の文化を理解して翻訳する必要があります。また、学術書の翻訳では正確な知識が必要となります。

産業翻訳といって、海外ビジネスでの契約書やマニュアルの翻訳を行う仕事もあり、翻訳業界全体ではこちらの需要が多いです。自分の強みに合わせて翻訳対象を選ぶと良いでしょう。(参考:厚生労働省jobtag「翻訳者」

仕事を探すときは、クラウドソーシングのサイトに登録して案件を受けることも方法の一つです。規模の多いサイトであれば選択肢も広くなります。

仕事④デザイナー

WEB上のコンテンツに関するデザイナーの場合、業務はパソコン上で完結するため、現場に赴く必要がありません。依頼者とのやり取りもパソコンで行うことができます。

ただし、デザインのスキルが必要となるため、専門学校や大学、通信教育で身につけることをオススメします。

専用のソフトを使いこなせるように、操作に慣れておきましょう。書籍やグラフィック系ソフト会社が配信する動画を活用し、独学で学ぶこともできます。色彩検定など、デザインに関連する検定や資格の合格を目指す過程で知識をつけていくことも可能です。

仕事⑤WEBエンジニア・プログラマー

書面やパソコン上で情報伝達を行うことの多い、エンジニアやプログラマーもオススメです。

これらの仕事では、一つのミスが全体の動作不良につながるため、集中力を保ち正確に業務を進めることが重要です。

WEBエンジニア、プログラマーに必須のプログラミング言語は、初学者向けのコンテンツがインターネット上に多く存在します。

書籍や動画、環境構築不要で学習が進められるサイトなどを活用して、スキルを習得することをオススメします。

仕事⑥ピアサポーター

障害のある人のサポート業務に携わる人が、支援対象と同じような障害のある当事者の場合、ピアサポーターと呼ばれます。

ピアサポーターとして働く場合、医療系の専門職とは別に、ご自身の経験を活かして聴覚障害のある人の支援を行います。

主な支援内容は、障害に関する相談受付、補聴器や手話、人工内耳に関する情報提供、居場所づくりです。

特に資格は必要ありませんが、地域によっては養成講座を行っている場所もあります。的確な支援を行うため、受講してみるのも良いでしょう。(参考:東京都福祉保健財団「東京都障害者ピアサポート研修事業」

ピアサポーターの就労先としては、自治体の障害者支援員や就労支援事業所をはじめとする支援機関のスタッフ、大学の事務スタッフなどが挙げられます。(参考:聴覚障害者自立生活センターLIC「相談(ピアサポート)」

補足:スキルを習得するために就労移行支援事業所もオススメ

専門的なスキルを要する仕事もありますが、大学や専門学校以外にも、デザインやプログラミング、ライティングの技術を教えている就労移行支援事業所があります。(参考:厚生労働省「ハロートレーニング(障害者訓練)」

就労移行支援事業所とは、一般企業などへの就職を目指す病気や障害のある人に向けて、就職のサポートをする支援機関のことです。体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができ、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。実際のサービスは、国の基準を満たしたさまざまな民間の就労移行支援事業所が行います。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。それぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。

ご自身の状況に合わせて検討してみてください。

聴覚障害がある人の場合、職場から合理的配慮を受けられるでしょう。

聴覚障害のある人が職場で受けられる対応3選

この章では、聴覚障害のある人が職場で受けられる対応について解説します。(参考:障害者雇用事例リファレンスサービス「聴覚障害者の事務職における合理的配慮事例」聴覚障害者の事務職における合理的配慮事例、株式会社FEAT「こえとら アプリサポートページ」こえとら アプリサポートページ、エクシオグループ株式会社「聴覚障がい者向け緊急情報システム」聴覚障がい者向け緊急情報システム

前提:合理的配慮とは?

合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と同じように生活し、活動できる均等な機会を確保するために必要な配慮のことです。

障害のある人が業務上で支障があったときに改善するための措置を取ることも合理的配慮に含まれます。

合理的配慮の概要や具体的な内容などについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

対応①筆談、チャット、メールを活用したコミュニケーション

業務の説明や連絡事項をしてもらう際の合理的配慮の例として、筆談、チャット、メールなどがあります。紙や電子データであれば、時間が経っても記録として残るため、口頭で何度も説明を受ける必要がなく、業務がスムーズに進みます。

定型化している業務であれば、マニュアルを貰って質問などのコミュニケーションに活用できるでしょう。また、簡単な会話を円滑にするために、筆談ボードを貸し出している企業もあります。

会議など、多くの人が参加する場では、文字起こしツールの使用をお願いしてみるのもよいでしょう。専用の機器を必要とせず、スマートフォンで使える無料のアプリも配信されています。

対応②フレックス、時差出勤などの社内制度

急に体調不良が起こったときのために、フレックス制度や時差出勤制度を利用できるか確認しておくと良いでしょう。また、病気や障害に関連して通院が必要な人のために、通院休暇制度を設けている会社もあります。

聴覚障害のある人の中でも、内耳に障害のある人はめまいや吐き気などに悩まされることが多いです。気圧が急激に変化したときには、さらに体調が悪化することもあります。

こうした症状は外見からはわかりづらく、誤解を受けることがあるかもしれません。自分の特性を把握して、事前に上司や周囲のメンバーへ相談しておき、理解を得ておくことが重要です。

対応③視覚的に危機を知らせるシステムの設置

重量物や危険物、機械などを扱う職場であれば、周囲の音が聞き取れないと、気づかずに危険区域に入る可能性があります。

そのため、どのエリアから危険区域となるか視覚的に示してもらうことが重要です。目印がない場合は、テープなどを利用してラインを提示してもらえないか提案してみましょう。

緊急事態が起こったとき、聴覚障害のある人も事態を把握できるよう、モニターや光で危機を知らせるシステムが存在します。平時から職場の設備を確認して、危険察知用のモニターや照度の強いライトを設置してもらえるよう管理部署に提案してみましょう。

また、普段から周囲の人に自身の障害の症状について伝えておくことで、危機を未然に防ぐことができるかもしれません。例えば、避難が必要なときは一緒に連れて行って欲しいと頼んでおくこともできるでしょう。

聴覚障害とは?

この章では、聴覚障害の概要や種類などについて解説します。(参考:日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会「聞こえの仕組み」、いぶき耳鼻咽喉科「みみの病気 難聴」

聴覚障害の詳しい治療方法については、医師の診断とその指示に従ってください。

早い段階から聴覚障害の治療を行うことで、症状の緩和や完治につながる可能性が生まれます。聞こえづらさを感じている人は、一刻も早い受診をおすすめします。

種類①伝音性難聴

伝音性難聴とは、外耳や中耳の異常によって起こる聴覚障害のことです。

主に耳の外側で起こる炎症が原因で、薬物投与や手術で早期に改善することが多いです。

伝音性難聴のある人は、音の振動を増幅させれば聞こえることが多く、補聴器で適切な訓練を受けることで、人と会話できるレベルまで聴力を矯正できる可能性があります。

種類②感音性難聴

感音性難聴とは、内耳、蝸牛神経、脳の異常によって起こる聴覚障害のことです。

高音域が聞き取りづらい、複数の音の中から特定の音を聞き取れないといった症状が見られます。

感音性難聴の概要などについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

種類③混合性難聴

混合性難聴とは、伝音性難聴と感音性難聴の2つが合併して起こる聴覚障害のことです。

どちらの症状が強いか、どのような治療が適するかは、個人差が大きいため、ご自身の聞こえ方について十分に把握することをオススメします。

聴覚障害のある人が受けられる支援制度

聴覚障害のある人が受けられる支援制度の一つに、高額療養費制度があります。

高額療養費制度とは、ひと月あたりの医療費負担額が一定以上になった場合、超過分があとで払い戻される制度のことです。

また、障害により生活に支障が出ている場合、年金加入者を対象にした障害年金を受け取ることもできます。

多くの都道府県では、聴覚障害を理由に福祉サービスを受ける場合、障害者手帳が必要になります。手帳を取得するときに認定された等級によって、受けられるサービスが決まります。一番低い等級の6級は、40センチメートル以上の距離で発された言葉を聞き取れない程度の聴力の人が対象になります。(参考:東京都目黒区「身体障害者障害程度等級(視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声・言語・そしゃく機能障害)」身体障害者障害程度等級(視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声・言語・そしゃく機能障害)

市町村ごとに聴覚障害のある人への福祉サービスは異なります。補聴器などの補装具支給制度、意思疎通支援制度を提供している市町村もあります。お住まいの自治体でサービスを担当している部署・窓口へお問い合わせください。

聴覚障害のある人が受けられる支援制度について詳しく知りたい人は、以下のコラムをご覧ください。

まとめ:特性に合った仕事を見つけることが重要です

聴覚障害のある人が新たな仕事を探す際には、ご自身の聞こえ方や体調を十分に把握した上で、特性に合った仕事を見つけることが重要です。

聴覚障害は、外見から障害の有無がわかりづらいものです。そのため、事前に周囲からの理解を得てサポートを受けられると仕事を進めやすいはずです。自分はどのようなサポートがあれば業務を遂行できるのか把握し、言語化できるようにしておきましょう。

また、面接の場などを利用して、希望する合理的配慮を受けることが可能か確認してから職場を選ぶと良いでしょう。

症状の改善、緩和には正しい医療知識に基づいた治療が重要です。まだ病院にかかっていない場合は、できるだけ早めの受診をオススメします。

よくある質問(2)

聴覚障害のある人に向いている仕事を教えてください。

以下が考えられます。

  • 通話業務のない事務
  • ライター
  • 翻訳者
  • デザイナー
  • WEBエンジニア・プログラマー
  • ピアサポーター

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

聴覚障害のある人が職場で受けられる対応はありますか?

以下が考えられます。

  • 筆談、チャット、メールを活用したコミュニケーション
  • フレックス、時差出勤などの社内制度
  • 視覚的に危機を知らせるシステムの設置

詳細については、こちらで解説しています。

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2024年10月現在、首都圏・関西に6校舎を展開しています。トップページはこちら→

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