障害者手帳1級・2級のメリットとは? 受けられる支援や違いを徹底解説 | キズキビジネスカレッジ  

障害者手帳1級・2級のメリットとは? 受けられる支援や違いを徹底解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

障害者手帳は、障害のある人の生活を支えるための大切な制度ですが、以下のようなよくある疑問を持つ人も多いでしょう。

  • 障害者手帳の1級と2級は何が違うの?
  • 障害者手帳を取得するメリットは?

このコラムでは、障害者手帳の概要や種類、1級・2級の違い、障害者手帳を取得するメリットなどについて詳しく解説します。

障害者手帳について正しく理解し、生活や就労に活かすための一歩として活用してください。

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障害者手帳とは?

障害者手帳とは、一定以上の障害のある人に交付される手帳のことです。

障害者手帳を所持することで、障害があることの証明が可能です。障害者手帳を所持する人は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の対象として、さまざまな支援を受けられます。(参考:厚生労働省「障害者手帳について」、e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

種類は、以下のとおりです。

気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

障害者手帳の種類

この章では、障害者手帳の種類について解説します。

種類①身体障害者手帳

身体障害者手帳とは、一定以上の身体の機能の障害があると認定された人に交付される障害者手帳のことです。(参考:厚生労働省「身体障害者手帳」

身体障害者福祉法に基づき、制度が施行されています。(参考:e-Gov 法令検索「身体障害者福祉法」

取得できる障害の種類は、以下のとおりです。いずれも、一定以上で永続することが要件です。

  • 視覚障害
  • 聴覚、または平衡機能の障害
  • 音声機能、言語機能、またはそしゃく機能の障害
  • 肢体不自由
  • 心臓、じん臓、または呼吸器の機能の障害
  • ぼうこう、または直腸の機能の障害
  • 小腸の機能の障害
  • ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
  • 肝臓の機能の障害

種類②精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳とは、一定以上の精神障害があると認定された人に交付される障害者手帳のことです。(参考:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準」

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づき、制度が施行されています。(参考:e-Gov 法令検索「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」

取得できる障害の種類は、以下のとおりです。

  • 発達障害
  • 統合失調症
  • 気分障害
  • うつ病
  • てんかん
  • 薬物やアルコールによる急性中毒、またはその依存症
  • 器質性精神障害
  • 認知症
  • 高次脳機能障害
  • その他の精神疾患

種類③療育手帳

療育手帳とは、知的障害のある人へ交付される手帳のことです。(参考:厚生労働省「障害者手帳」、厚生労働省「療育手帳制度の概要」、厚生労働省「療育手帳制度の実施について」、厚生労働省「療育手帳制度について」、東京都福祉局 東京都心身障害者福祉センター「愛の手帳について(愛の手帳Q&A)」、青森県障がい者相談センター「愛護手帳について」、入間市「療育手帳(みどりの手帳)」、宮城県「療育手帳について」

身体障害者手帳や精神障害保健福祉手帳と並び、障害者手帳の1つに数えられています。療育手帳を所持する人は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の対象となり、さまざまな支援を受けられます。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

ほかの障害者手帳と異なり、療育手帳は、厚生労働省からの通知に基づき、各自治体において定められた要綱のもと運営されています。

そのため、自治体によって詳細が異なるほか、名称も愛の手帳、愛護手帳、みどりの手帳などさまざまです。

しかし、いずれも療育手帳に分類されるため、サービスを受けるために役立つ点に違いはありません。

療育手帳は子どものうちに取得するケースが多いものの、成人後に知的障害の診断を受けたことをきっかけに取得する人もいます。また、発達障害や身体障害と診断されている人でも、知的障害があると認められれば取得が可能です。

療育手帳の概要や等級、取得するメリットなどについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

障害者手帳の等級

障害者手帳には、障害の程度によって等級が設けられています。

等級は、以下のとおりです。(参考:厚生労働省 「身体障害者手帳」、厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」、厚生労働省「療育手帳制度の実施について」

  • 身体障害者手帳:1級~6級
  • 精神障害者保健福祉手帳:1級~3級
  • 療育手帳:A判定(重度)、B判定(重度以外)

等級によって受けられる支援内容が異なります。

身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の等級は、数字が小さいほど程度が重い判定です。療育手帳は、自治体によってさらに細かい区分がある可能性があります。

なお、障害年金にも等級が定められていますが、障害者手帳の判定基準とは異なる基準で運用されています。

障害者手帳1級・2級の違いとは?

この章では、障害者手帳1級・2級の違いについて解説します。

①身体障害者手帳の1級・2級の違い

身体障害者手帳の1級・2級の違いは、日常生活にどれだけ支援が必要かという点に大きく関わります。1級は常時の介護が必要なケースが多く、2級は部分的に自立可能な場合が多いです。

1級・2級に該当する主な状態は、以下のとおりです。(参考:厚生労働省「身体障害者障害程度等級表(身体障害者福祉法施行規則別表第5号」

1級
  • 視力の良い方の眼の視力が0.01以下
  • 両上肢や両下肢の機能の全廃廃
  • 体幹の機能障害により坐っていることができない
  • 心臓やじん臓、呼吸器などの機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される
2級
  • 視力の良い方の眼の視力が0.02以上0.03以下
  • 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上(両耳全ろう)
  • 両上肢や両下肢の機能の著しい障害
  • 体幹の機能障害により坐位又は起立位を保つことが困難
  • ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害や肝臓の機能の障害により日常生活が極度に制限されるもの

②精神障害者保健福祉手帳の1級・2級の違い

精神障害者保健福祉手帳の1級・2級の違いは、日常生活における支援の必要性の度合いに関係しています。1級は生活全般にわたり、常時の介護や見守りが必要な状態が多く、2級は一定の自立は可能であるものの、日常生活において継続的な支援が必要なケースが該当します。

1級・2級に該当する主な状態は、以下のとおりです。(参考:厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳制度について」

1級
  • 統合失調症:高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験がある
  • 気分(感情)障害:高度の気分、意欲・行動及び思考の障害の病相期があり、症状が持続したり、ひんぱんに繰り返したりする
  • てんかん:ひんぱんに繰り返す発作または知能障害その他の精神神経症状が高度
  • 発達障害:その主症状とその他の精神神経症状が高度
2級
  • 統合失調症:人格変化、思考障害、その他の妄想幻覚等の異常体験がある

補足:療育手帳のA判定・B判定の違い

療育手帳のA判定・B判定の違いは、知的障害の程度や日常生活における支援の必要性に基づいて区分されます。

具体的な判定基準は自治体により異なるものの、以下のように分類されます。(参考:厚生労働省「療育手帳制度の概要」

A判定
  • 知能指数がおおむね35以下で、日常生活の介助を必要、異食、興奮などの問題行動を有する
  • 知能指数がおおむね50以下で、盲、ろうあ、肢体不自由などを有する
B判定
  • 児童相談所か知的障害者更生相談所で知的障害であると判定された人の中でA判定以外の場合

障害者手帳1級・2級で受けられるメリット

この章では、障害者手帳1級・2級で受けられるメリットについて解説します。

メリット①医療費の助成・割引

1つ目のメリットは、医療費の助成・割引です。

代表的な医療費助成制度には、以下があります。

  • 自立支援医療費制度
  • 重度障害者・高齢重度障害者医療費の助成

自立支援医療費制度は、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する制度です。

例えば、精神障害者手帳をお持ちの人が治療のために精神科を受診する、関節が動きにくくて身体障害者手帳をお持ちの人が人工関節置換術を受ける、などの場合が該当します。

自立支援医療制度を利用すると、窓口での支払いは1割、もしくは収入に応じて決められた負担上限額です。

ほかの医療費助成制度として、自治体から補助が出るものがあります。

東京都では心身障害者医療費助成制度(マル障)があり、身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級を所持している人が対象となる制度です。

お住まいの自治体によって、助成制度の内容や条件、名称が異なります。くわしくは自治体の窓口や病院でご確認ください。(参考:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」、東京都福祉局「心身障害者医療費助成制度(マル障)」、厚生労働省「自立支援医療の患者負担の基本的な枠組み」、福岡市「重度障がい者医療費助成制度」

メリット②税金の控除・減免

2つ目のメリットは、税金の控除・減免です。

障害者控除とは、納税するご本人や、生計を共にする配偶者、扶養家族に障害がある場合に、所得を差し引いて計算されて、税金が安くなる支援制度のことです。(参考:国税庁「【確定申告書等作成コーナー】-障害者控除とは」

いずれの障害者手帳でも、取得すると所得税や住民税の控除が受けられます。2023年10月時点の所得税と住民税における障害者控除の年間額は、以下のとおりです。(参考:国税庁「No.1160 障害者控除」、財務省「所得控除に関する資料」

所得税の障害者控除年間額
  • 障害者:27万円
  • 特別障害者:40万円
  • 同居特別障害者:75万円
住民税における障害者控除年間額
  • 障害者:26万円
  • 特別障害者:30万円
  • 同居特別障害者:53万円

なお、ここでの障害者、特別障害者、同居特別障害者の定義は、以下のとおりです。

障害者
  • 精神障害者保健福祉手帳2級、3級
  • 身体障害者手帳3級~6級
  • 児童相談所や知的障害者更生相談所などで、知的障碍者と診断される
特別障害者
  • 身体障害者手帳の等級が1級または2級
  • 重度の知的障害者
  • 療育手帳の程度がA~Aの2
  • 精神障害者保健福祉手帳の等級が1級
同居特別配偶者
  • 同一生計である配偶者、または扶養親族が特別障害者であり、かつ納税者本人や配偶者、生計を共にする親族のうち誰かと常に同居している

障害者手帳では、ほかにも相続税や贈与税の優遇、自動車税の減免を受けられる場合があります。

詳細は国税庁のWEBサイトなどで確認できます。おな、法改正も行われるため、最新の正確な情報を得るためには、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口に相談することをオススメします。(参考:国税庁「確定申告書等作成コーナー|障害者控除とは」、国税庁「障害者と税」、国税庁「特別障害者」

メリット③公共料金の割引

3つ目のメリットは、公共料金の割引です。

障害者手帳の種類や等級、自治体によって、受けられる割引が異なります。

  • 公共交通機関の運賃
  • 上下水道料金
  • NHK放送受信料
  • 携帯電話料金
  • 公共施設の入館料

例えば、千葉県の場合、障害者手帳1級の人が世帯主でかつ受信契約者の場合、NHKの放送受信料が半額免除となります。

具体的な割引内容は、各サービスのWEBサイトなどで確認できます。(参考:千葉県「精神障害者保健福祉手帳」

メリット④施設・商業施設・レジャー施設の割引

4つ目のメリットは、施設・商業施設・レジャー施設の割引です。

例えば、以下のようなサービスでは、障害者手帳を持つ人向けの割引があります。(参考:大阪駅前障害年金相談室「大阪ではタクシー料金の障害者割引はありますか?」、TOHO CINEMAS「障がい者割引が適用される対象について教えてください。」、BIG ECHO「障害者手帳ご優待割引」、ユニバーサルスタジオジャパン「よくあるご質問」

  • タクシー料金
  • 映画の鑑賞料金
  • カラオケ料金
  • テーマパーク料金

このように、公共料金以外にも、障害者手帳を提示することで割引を受けられるサービスはたくさんあります。

ただし、企業やサービスによっては、割引がない場合もあります。具体的な割引内容は、各サービスのWEBサイトなどで確認しましょう。

メリット⑤住まい・住宅支援

5つ目のメリットは、住まい・住宅支援です。

障害者手帳の1級・2級を所持していると、公営住宅への優先入居や住宅改修費の助成など、住まいに関する多様な支援が受けられます。

地域によって異なりますが、大阪府では府営住宅に申し込むための福祉世帯向け要件として、以下のように障害者手帳の取得が挙げられています。(参考:大阪府「府民の方からよくいただくお問合せ集よくある質問」

申込者または同居しようとする親族が、いずれかに当てはまる2人以上の世帯
  • 身体障がい者手帳または戦傷病者手帳の交付を受けている
  • 精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている、または同程度の障がいを有すると認められる

また、障害者手帳の有無は具体的に記載はありませんが、障害のある人が在宅での生活をしやすくするために、自宅のバリアフリー改修による固定資産税の減額措置が行われている地域もあります。(参考:高槻市「住宅のバリアフリー改修による固定資産税の減額措置」

さらに、障害者手帳を取得していることで、グループホームの利用がしやすくなる場合もあります。グループホームは、支援スタッフのもとで複数人が共同生活を送る場で、食事や掃除、金銭管理などのサポートを受けながら、地域での自立を目指す支援サービスです。

グループホームを利用したいと考えている場合は、障害者手帳の取得が大きなメリットとなるでしょう。

グループホームについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

メリット⑥障害者雇用の活用

6つ目のメリットは、障害者雇用を活用できることです。

障害者雇用とは、障害のある人を対象とした雇用枠のことです。障害の特徴や内容に合わせて安心して働けるようにするため、いわゆる一般雇用とは就労条件が異なります。

障害者雇用枠で就職すると、ご本人の障害に合わせて、仕事内容や配属先を配慮してもらいやすくなります。職場の人に障害を理解・配慮してもらうことで、働きやすい環境で働ける可能性が高まるでしょう。

もちろん、障害者手帳を取得したとしても、必ず障害者雇用で就職しなくてはならないということはありません。

障害者手帳を取得した後でも、一般雇用での就職は可能です。一般雇用とは、障害者雇用以外の雇用枠のことです。障害の有無にかかわらず誰でも応募することが可能です。

障害者手帳を取得すべきかどうか、障害者雇用と一般雇用のどちらがよいかといった選択で迷う場合は、就労サポートをしている支援機関に相談することをオススメします。

なお、障害者雇用促進法では、障害者手帳を取得していない障害のある人も、障害者雇用の対象です。(参考:厚生労働省「障害者雇用促進法における障害者の範囲、雇用義務の対象」

しかし、障害者手帳を取得していない障害のある人を障害者雇用で雇用したとしても、障害者雇用促進法上、法定雇用率に算定できません。

法定雇用率とは、障害者雇用促進法に基づき、事業主に義務づけられている労働者の全体人数に対する障害のある人の雇用率のことです。

そのため、民間企業は、障害者手帳を取得していない障害のある人を、障害者雇用で積極的に採用しない傾向にあります。

障害者雇用や就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

メリット⑦各種手当の利用

7つ目のメリットは、各種手当を利用できることです。

障害者手帳1級・2級を取得した人が利用できる手当の1つが、特別障害者手当です。

特別障害者手当とは、精神または身体に著しく重度な障害があり、日常生活において常に特別な介護を必要とする在宅生活をしている人に対して、必要となる精神的、物質的な負担の軽減を目的に、手当を支給する支援制度のことです。(参考:厚生労働省「特別障害者手当について」

受給条件として、障害者手帳の有無はありませんが、精神または身体に重度の障害があり、日常生活で常時特別な介護を必要とする20歳以上の人が利用できます。

障害年金も、障害者手帳1級・2級を取得した人が利用できます。

障害年金とは、病気やケガ、障害などによって仕事や生活などに支障を生じている場合に、年金加入者が受給できる支援制度のことです。(参考:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」、日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」、日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」、日本年金機構「国民年金」、日本年金機構「障害年金ガイド令和5年度版」、日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」

こちらも受給条件に、障害者手帳の有無は関係ありませんが、障害者手帳を取得している場合、障害年金の等級に該当する可能性が高いため、利用しやすい制度といえるでしょう。

障害年金や特別障害者手当については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

障害者手帳1級・2級の申請の流れ

この章では、障害者手帳1級・2級の申請の流れについて解説します。

流れ①申請方法

身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の申請方法は、以下のとおりです。(参考:東京都福祉局「身体障害者手帳について」、こころの情報サイト「障害者手帳・障害年金」

  1. 自お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口で、障害者手帳の申請書類を受け取る
  2. 障害者手帳を作成する資格のある医師に、診断書を記載してもらう
  3. 診断書と、顔写真等の申請書類一式を、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口に提出する

身体障害者手帳の診断書は、都道府県の基準を満たした指定医のみが記載できます。福祉事務所などに問い合わせれば、お住まいの自治体の指定医を教えてもらえます。事前に確認してから受診しましょう。

精神障害者保健福祉手帳の申請には、精神障害の初診日から6か月以上たった後に記載してもらった診断書が必要です。

初診日からの期間を把握してから診断書を依頼しましょう。(参考:千葉県「身体障害者福祉法第15条指定医の指定」、こころの情報サイト「障害者手帳・障害年金」

流れ②必要書類

障害者手帳1級・2級の申請時には、障害の種別や申請内容に応じて、いくつかの必要書類を準備する必要があります。

大阪市の例をもとに、主な必要書類は以下の通りです。(参考:大阪市「身体障がい者手帳」、大阪市「精神障がい者保健福祉手帳」

身体障害者手帳
  • 身体障害者手帳交付申請書
  • 身体障害者診断書・意見書(身体障害者福祉法第15条にもとづく指定医師が記載したもの)
  • 写真(上半身、縦4cm×横3cm)
  • マイナンバーに係る確認書類
精神障害者保健福祉手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳申請書
  • 診断書(所定様式で、初診日から6か月以上経過した時点のもの)

必要書類は手帳の種類や自治体によって異なるため、申請前にお住まいの自治体の公式サイトや窓口で最新情報を確認しましょう。

流れ③申請から交付までの期間

申請手続きが完了した後、障害者手帳の交付までは通常1か月から2か月程度かかります。(参考:大阪市「精神障がい者保健福祉手帳」

交付までに長期間かかる理由としては、提出された診断書などの書類をもとに、市区町村が障害の程度を審査し、等級の決定や手帳の作成を行うためです。

審査の進捗や申請内容に不備があった場合には、さらに時間がかかることもあるため、早めの申請がオススメです。

手帳の交付準備が整うと通知があり、申請した保健福祉センターで受け取ることができます。

障害者手帳を取得することへのよくある誤解

この章では、障害者手帳を取得することへのよくある誤解について解説します。

誤解①生命保険に入れない?

障害者手帳を取得していたら生命保険に加入できないということはありません。

ただし、身体の器官に何らかの障害がある場合は、保険加入時に告知しなければならない義務があります。また、保険会社によっては、障害者手帳を取得している場合や申請中の場合も、告知しなければならない可能性もあります。(参考:ライフネット生命「よくあるご質問」

しかし、障害者手帳を取得していることや申請中であることなどを告知したからといって、必ずしも生命保険に加入できないというわけではありません。

中には、障害者手帳の取得が生命保険の加入に影響する可能性がある生命保険もあるかもしれませんが、保険会社や商品によって加入できる可能性も考えられます。

誤解②就職への影響は?

障害者手帳を活用することで、企業の障害者雇用枠に応募できるというメリットがあります。

企業には法定雇用率が課されており、特に障害者手帳1級・2級の手帳を持つ人は、障害者枠での就労がしやすくなっています。

加えて、障害者手帳を取得している人は、就労支援機関や障害者就業・生活支援センターを通じて、職場定着や働き方の工夫に関する支援も受けられます。

また、適切なサポートを活用することで、一般枠での就職が可能になる場合もあります。

障害者雇用や精神障害のある人の就職活動については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

誤解③障害年金と同じ制度?

障害者手帳と障害年金は混同されやすい制度ですが、まったく別の仕組みです。

障害者手帳は福祉サービスの利用や税制優遇などを目的としたものであり、医師の診断に基づいて市区町村が発行します。

一方、障害年金は公的年金制度の一部であり、国民年金や厚生年金の加入歴、初診日、障害の程度などに基づいて受給が決まります。

1級・2級の障害者手帳を持っていても、必ずしも障害年金を受給できるわけではなく、逆に年金の等級と手帳の等級が一致しないケースもあります。

障害年金については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

まとめ:障害者手帳1級・2級を正しく理解して活用しよう

障害者手帳は、医療費助成や税制優遇、就労支援など、日常生活のさまざまな場面で役立つ制度です。

特に、1級・2級の障害者手帳を取得することで、より手厚い支援が受けられる可能性があります。一方で、誤解されがちな点も多く、正しい知識を持つことが重要です。

支援の内容や申請方法は自治体によって異なる場合もあるため、障害者手帳の取得を検討している場合は、まず地域の窓口に相談してみましょう。

よくある質問(1)

身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の違いを教えてください。

どちらの手帳も1級と2級の違いとして、日常生活にどれだけ支援が必要かという点が大きく関わります。

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

障害者手帳1級・2級で受けられるメリットはありますか?

以下が考えられます。

  • 医療費の助成・割引
  • 税金の控除・減免
  • 公共料金の割引
  • 施設・商業施設・レジャー施設の割引
  • 住まい・住宅支援
  • 障害者雇用の活用
  • 各種手当の利用

詳細については、こちらで解説しています。

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2025年6月現在17校+オンライン校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2025年6月現在8校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2025年6月現在、首都圏・関西に8校舎を展開しています。トップページはこちら→

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