仕事から逃げたいあなたへ 逃げるべきケースや主な原因について解説

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
以下のように、仕事でつらい状況にあり、「仕事から逃げたい」と思っているものの、我慢をして頑張っている人は少なくありません。
- 真面目にやっているのにミスが出る
- 業務量やストレスが大きすぎる
しかし、「仕事から逃げたい」と思うようになったときには注意が必要です。無理をすると心身に大きな影響が出て、回復するまでに長い時間が必要になるかもしれません。
このコラムでは、仕事から逃げたいと思う原因の具体例や仕事から逃げたいときの対処法、仕事から逃げた方が良いケースなどについて解説します。
あわせて、仕事から離れるときに利用できる制度や、仕事から逃げたいときの相談先についても紹介します。
仕事から逃げたいと思う気持ちがありながらも一生懸命に頑張り続けているあなたは、ぜひご覧ください。
仕事から逃げたいあなたへ
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目次
「仕事から逃げたい」は甘えや怠惰ではない
「仕事から逃げたい」と思う気持ちは、甘えや怠惰から生じるものではありません。
「仕事から逃げたい」と感じる場合、仕事に関する強いストレスによって心が「仕事からとにかく離れたい」「逃避したい」というSOSを出していると考えられるでしょう。
つまり、「仕事から逃げたい」と思う気持ちは、ストレスを抱えながらも努力してきた結果であり、甘えや怠惰から生じたものではありません。
「仕事から逃げたい」と思う自分自身を責めなくてよいのです。
働く人が抱えることの多いストレス源:年代別に解説
この章では、働く人が抱えることの多いストレス源について解説します。(参考:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概要」)
20代が抱えることの多いストレス源
20代の人が仕事で抱えやすいストレスは、以下の3つです。
- 仕事の量:約40.7%
- 仕事の失敗、責任の発生等:約38.7%
- 対人関係(セクハラ・パワハラを含む):約30.8%
業務量や責任の重さなど仕事内容に関わることだけでなく、職場での人間関係も大きなストレスとなっていることがわかります。
30代が抱えることの多いストレス源
30代の働く人が抱える主なストレスは、以下の3つです。
- 仕事の失敗、責任の発生等:約42.7%
- 仕事の量:約42.2%
- 会社の将来性:約32.2%
仕事に強いストレスを感じている人のうち、4割の人が責任や業務量に、3割程度の人が会社の将来性にストレスを感じていることがわかります。
40代が抱えることの多いストレス源
40代の人が仕事で抱えるストレスは、業務に関する内容が主なものとなっています。
- 仕事の量:約50.6%
- 仕事の失敗、責任の発生等:約35.0%
- 仕事の質:約28.0%
キャリアを重ねるにつれ、仕事の質に関する悩み・ストレスが増える傾向にあります。
50代が抱えることの多いストレス源
50代は40代と同様に、業務内容や仕事の質に関するストレスが主となっています。
- 仕事の量:約36.9%
- 仕事の失敗、責任の発生等:約32.7%
- 仕事の質:約31.6%
挙がっている項目は40代と同様ですが、割合で言うと仕事の質に関するストレスが高まっていることがわかります。
仕事から逃げたいと思う原因の具体例
この章では、仕事から逃げたいと思う原因の具体例について解説します。
具体例①労働環境・業務内容が厳しい
以下のような厳しい環境では、日々ストレスが蓄積され、ミスの増加やモチベーションの低下を招くリスクがあります。
- 業務量が多すぎて、昼休憩や休日、食事・睡眠の時間を削って働いている
- ノルマ・目標の達成が難しく、残業が多い
- 役割分担、作業量の分担が偏っていて負担が大きい
ストレスがかかり続ければ、体調不良が慢性化したり心身ともに追い詰められたりすることもあるでしょう。
くわえて、こうした状況に置かれることで、以下のようなリスクも生じます。
- 思うように仕事ができないことに対して、自己嫌悪や自己否定に陥る
- 上司にミスを指摘されるたびに恐怖感・不安感を抱くようになる
自己嫌悪や恐怖心を抱く前に、仕事から逃げることを検討しましょう。
具体例②人間関係・職場環境の相性が悪い
以下のような環境下では、人間関係でストレスが蓄積され、息苦しさや孤立感が生じやすくなるでしょう。
- 職場内に派閥があり、風通しが悪い
- 多忙でいつもピリピリとした雰囲気があり、安心できない
- 競争意識が強い、常に周囲に比較される
- 上司からの叱責が多い
- 職場に言い方がキツい人がいる
- 同僚のフォローばかりさせられている
職場で安心できない状態が続けば、「逃げたい」と思うようになる場合もあります。
具体例③プレッシャー・責任が大きすぎる
以下のように十分な自信・経験を得られていないにも関わらず、責任だけが増していくと、プレッシャーを重く感じて「逃げたい」と思う場合があります。
- スキルや経験が十分に身についていないのに昇進させられる
- 希望していないのにプロジェクトリーダーなどの責任ある役職を任される
- 入社してそれほど経っていないのに、大きな金額を扱う役職を任される
仕事で気が抜けない日々が続けば、心身に不調が生じるリスクも高まるでしょう。
具体例④自分自身と環境が合っていない
以下のように、自分自身の得意・不得意や性格、特性などと就労環境が合っていない場合、仕事がつらくなり逃げたくなることもあるでしょう。
- 体力があまりないが、重労働ばかりしている
- 体を動かすほうが性に合っているが、事務作業ばかり任される
- 音が多いとストレスを感じ集中できないが、職場でそうした環境を避けられない
不得意なことばかり任されることで、ストレスが溜まり、「逃げたい」と思うようになる場合があります。
発達障害などで特性があるなか、適さない環境で勤務する場合も、同様に「逃げたい」と感じるようになる可能性が高まるでしょう。
発達障害による仕事のストレスについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
特に仕事から逃げたほうがいいケース
仕事がつらく「逃げたい」と思っていても、「自分が甘えているだけかも」という思いから、本当に逃げてもいいのか判断ができない人も少なくないと思います。
しかし、無理をして頑張り続けると心や体が壊れることもあるため、逃げた方がいい基準を知っておくことが大切です。逃げたほうがいい例として、主に4つのケースがあります。
- 体調に異常が生じているケース:慢性的な疲労感・倦怠感、不眠、胃痛、頭痛、動悸、食欲不振など
- 精神的な異常が生じているケース:涙が出る、イライラが止まらない、集中できない、ひどく落ち込む、好きだったはずのことに興味を抱けないなど
- ハラスメントを受けているケース:理不尽な説教、不適切な言動、個人的な攻撃など
- 不当な扱いを受けているケース:残業代未払い、有給休暇を取得できない、長時間労働や残業が続いているなど
こうした場合には、仕事を離れて自分自身を守ることが第一です。該当する項目があった人は、仕事から逃げることを検討しましょう。
限界を感じても逃げずに働き続けるリスク
経済的な理由はもちろんですが、「周りに迷惑がかかる」「退職後のことを考えると怖い」などの理由から、無理をして働き続けている人もいるかもしれません。
しかし、限界を感じても逃げずに働き続けることはよい選択とはいえません。我慢し続けることでうつ病や適応障害、不安障害を発症するリスクも否定できないためです。
また、つらい環境で我慢を続けて身体やメンタルの調子を崩せば、回復にさらに多くの時間が必要になるだけでなく、転職活動や今後のキャリアパスにも悪影響が生じる可能性があります。
まずは、心身を守ることを優先させ、状況に応じた対処法を探す必要があるでしょう。
仕事でのストレスによる心身の不調については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
仕事から逃げたいと思うときの対処法
この章では、仕事から逃げたいと思うときの対処法について解説します。
対処法①数日程度の休みを取る
希望休や有給休暇などを利用して数日程度の休みを取り、一時的に仕事との距離を置いてみましょう。
また、その間に自分自身と向き合い、「仕事から逃げたい」と思う気持ちは一時的なものか、離職を検討したほうがいいものかを考えておくと、今後の方針を決めやすくなります。
仕事で疲れ切っている場合、冷静な判断を下しにくくなっており、「自分は無能だ」「自分がすべて悪い」などの極端な思考回路に陥りやすくなります。そのため、一度休んで、「逃げたい」と思う原因がなにかを考える時間を設けましょう。
また、一人で思考するだけでなく、周囲の人に客観的な意見やアドバイスをもらうことも重要です。自分では気づけなかった視点や、問題点・課題を発見するよい機会となります。
対処法②仕事量を調整できないか相談する
仕事量が多すぎて「逃げたい」と感じている場合には、上司に仕事量について相談することも大切です。
また、責任の重い仕事や負荷のかかりすぎる仕事は、同僚やチームメンバーとの間で再分配・分担することで負担を減らせる可能性があります。
加えて、仕事のやり方を見直すことで業務プロセスが改善され、さらにスムーズに業務をこなせるようになる可能性もあるでしょう。
ただし、このような相談をするためには、上司や同僚などに「仕事を調整してほしい」と伝えるための理由を用意する必要があります。
「仕事から逃げたい」と思う原因を特定し、「業務量が多く体調に影響が出ているため、少し調整ができないか」など、明確に伝えられるように準備しておきましょう。
対処法③異動を相談する
仕事内容そのものや、周囲にいる多くの人に対してストレスがある場合には、異動を検討するのもよいでしょう。
会社を変えずとも、部署や業務内容が変われば自身に合った環境で働ける可能性があります。
仕事量の調整時と同様に、ストレス源を特定し、上司や人事を担当する部署へ説明できるように準備しておくことが大切です。
対処法④心療内科・精神科を受診する
心身に異常が生じているときには、心療内科・精神科の専門医やカウンセラー、産業医などの意見を仰ぎ、症状に合った治療をはじめる必要があります。
状況に応じて診断書を書いてもらい、まとまった期間休職すれば、今後のことを検討する時間やリフレッシュする時間も得られます。
悪化して回復にさらに長い期間が必要になる前に、早い段階で受診しましょう。
対処法⑤現状を整理する
「仕事から逃げ出したい」と思っていても、何の計画もなく退職するのは危険です。
そのため、一度休職した上で、時間をとって自分自身と向き合ってみましょう。
休職期間中は、あくまでも心身の回復に努めることが第一優先ですが、余裕があれば以下のように現状を整理しておくとよいでしょう。
- 自分の得意・不得意、強みなどを見つめ直し、現在の仕事で活かせているかを考える
- 周囲の人に相談し、客観的な意見を得る
- 集めた情報をもとに、自身の気持ちや職場・業務の状況を整理する
- 仕事を辞めることで生じるメリット・リスク・変化などを整理して検討する
- 辞めたくない理由があれば書き出してみる
環境を調整して今の職場で頑張るのがよいのか、強みを活かせる仕事をほかに探すのか、方向性を見つけましょう。
仕事から離れるときに利用できる制度
休職や転職などでいったん仕事から離れるときには、傷病手当金や失業手当などを利用できる場合があります。
こうした制度を利用することで、休職・離職中の金銭的な不安を軽くし、回復に専念しやすくなるでしょう。
傷病手当金や失業保険については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
仕事から逃げたいときの相談先
この章では、仕事から逃げたいときの相談先を紹介します。
相談先①社内の相談窓口
社内に相談窓口があれば、利用を検討しましょう。
例えば、以下のような窓口や部署が設けられている場合があります。
- ハラスメント相談窓口:セクハラ・パワハラ・モラハラなどの相談が可能
- 人事を担当する部署:異動や働き方の相談、休職の手続きなどが可能
- 産業医や産業保健スタッフ:心身の健康問題に関する相談が可能
社内でできることから検討したい場合は、こうした部署の有無や相談できる時間帯、連絡方法などを探しておきましょう。
相談先②精神保健福祉センター
精神保健福祉センターとは、精神障害のある人のサポートを目的とした、地域の精神保健福祉の中核を担う支援機関のことです。(参考:東京都福祉保健局「精神保健福祉センターとは」、e-Gov法令検索「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」)
精神保健福祉法(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)に基づき、各都道府県に設置されています。地域によって、こころの健康センターや心と体の相談センターなど、一部名称が異なります。
精神保健福祉センターでは、精神疾患に関連する悩みの相談や社会に適応するための指導と援助を行っています。
精神障害による症状で悩んでいる本人だけでなく、ご家族や周囲の人の相談も受け付けています。また、匿名での相談も受け付けています。医師から正式な診断を受けていなくても相談は可能です。
電話で相談できる「こころの電話相談」では、電話相談員による簡単なアドバイスや、医療機関情報の提供も可能です。精神保健福祉センターへ直接足を運ぶ、電話で簡単な相談をするなど、相談しやすい利用方法を検討してみましょう。
精神保健福祉センターについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
相談先③労働基準監督署などの労働基準行政機関
労働基準監督署内の総合労働相談コーナーでは、以下をはじめとした、労働に関するあらゆる相談を受け付けています。(参考:厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」)
- 解雇・雇い止め
- 配置転換
- 賃金・給料問題
- ハラスメント
総合労働相談コーナーは、予約不要・無料で相談が可能です。
ほかにも、厚生労働省には以下のような相談窓口もあります。(参考:厚生労働省『労働条件相談「ほっとライン」に相談してみよう!』、厚生労働省「労働基準監督署チャットボットのご案内」、厚生労働省「労働基準関係情報メール窓口」)
- 労働条件相談ほっとライン:電話相談が可能。法令・裁判例を踏まえての相談対応や各種機関の紹介などにも対応
- 労働基準監督署チャットボット:労働条件・安全衛生・労災保険関係などを、AI搭載のチャットで相談可能
- 労働基準関係情報メール窓口:労働基準法違反の可能性がある件について、メールでの相談が可能 など
専門的な知見をもとにした意見を参考にしたい場合などには、利用を検討しておきましょう。
まとめ:仕事から逃げたいときは逃げていい
「仕事から逃げたい」と思う気持ちは、十分に頑張ってきた証拠であり、甘えや怠惰によるものではありません。
特に、心身に異常が生じている人やハラスメントを受けている人などは、一度仕事から逃げることが重要です。
我慢を続けるとうつ病や適応障害などを発症し、回復するまでに長い期間が必要になる可能性があります。
社内の相談窓口や精神保健福祉センターなどを頼り、相談したうえで今後の対応を決めましょう。
「仕事から逃げたい」と思うの甘えでしょうか?
「仕事から逃げたい」と感じる場合、仕事に関する強いストレスによって心が「仕事からとにかく離れたい」「逃避したい」というSOSを出していると考えられるでしょう。
詳細については、こちらで解説しています。
仕事から逃げたいと思うときの対処法を教えてください。
監修キズキ代表 安田祐輔
発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2025年6月現在17校+オンライン校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2025年9月現在9校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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