関節リウマチのある人に向いてる仕事 仕事を続けるコツを解説 | キズキビジネスカレッジ  

関節リウマチのある人に向いてる仕事 仕事を続けるコツを解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

関節リウマチのある人は、関節リウマチの症状として、時間帯やそのときの体調によって突然痛んだり腫れたりするため、仕事を続けることに不安や悩みを感じるでしょう。

このコラムでは、関節リウマチのある人が抱きやすい不安と対処法、向いている仕事・職場、向いてない仕事・職場、仕事を続けるコツについて解説します。あわせて、関節リウマチのある人が利用できる支援制度や支援機関を紹介します。

関節リウマチのある人が自分のペースで仕事を続ける際の参考になれば幸いです。

私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、関節リウマチのある人のための就労移行支援事業所です。

  • 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
  • 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
  • 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月

神田・新宿・横浜・大阪に校舎があり、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。遠方の方は、日常的にはオンラインで受講しながら(※お住まいの自治体が認めた場合)、「月に1回、対面での面談」を行います。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

関節リウマチのある人に向いてる仕事・職場3選

この章では、関節リウマチのある人に向いてる仕事・職場について解説します。

仕事・職場①自分のペースで進められる仕事

自分のペースで仕事ができれば、関節リウマチの症状が現れたときに適切に対処できます。

リウマチの治療において重要なのは、心身に負担をかけすぎないことです。(参考:リウマチe-ネット「リウマチと仕事 続ける? 辞める?」

そのため、肉体が疲れすぎないように活動量をセーブしましょう。

また、関節リウマチは時間帯によって症状の現れ方に差異がみられます。あなたの症状やコンディションを把握して、業務量を調節しやすい仕事・職場が向いてるでしょう。

仕事・職場②勤務形態に柔軟に対応できる仕事

関節リウマチの症状である痛みや腫れによって、普段は担当できる業務をこなしにくくなり早退する可能性があります。(参考:厚生労働省「治療と就労の両立支援マニュアル」

勤務形態に柔軟に対応できる仕事・職場であれば、体調の変化に合わせて出勤時間を調節しやすくなるため、向いてるでしょう。

出勤時間を調節できると、体調の変化に応じた働き方がしやすくなります。

仕事・職場③バリアフリー設備が整っている職場

バリアフリー設備が整っている職場は、関節リウマチのある人にとって働きやすい職場と言えます。

関節リウマチのある人が働きやすい設備は、主に以下の3点です。(参考:厚生労働省「福祉的就労場面における難病のある人への合理的配慮マニュアル」、厚生労働省「障害別にみた特徴と雇用上の配慮」

  • 机やドアノブなどがユニバーサルデザインであること
  • 仕事がしやすい器具の配置および専用器具を用意できること
  • トイレや階段にスロープや手すりが設置されていること

なお、バリアフリー設備の必要性は症状や痛みの程度によって異なります。それぞれ確認しましょう。

関節リウマチのある人に向いてる仕事・職場

関節リウマチのある人に向いてる仕事として、以下の仕事が挙げられます。

  • デスクワーク中心の事務職
  • ITエンジニア、プログラマー
  • デザイナー、イラストレーター
  • ライター、webライター
  • 軽作業(商品管理など)
  • マンションの管理人
  • 教師・講師
  • 研究職
  • 心理カウンセラー
  • キャリアコーディネーター
  • 受付業務

もちろん、以上の職種は一例です。

この仕事に就くべきという意味ではなく、関節リウマチがあっても、向いてる仕事はあるという安心材料にしてください。

ただし、以上の職種であっても、業務内容や職場環境によっては向いてないことが考えられます。

実際のあなたに向いてる仕事や働き方を把握できるよう、関節リウマチの症状を考慮しながら、かかりつけの医師や専門家、支援機関と相談しましょう。

関節リウマチの症状をコントロールし、悪化させないように注意しながら、あなたに向いてる仕事を探してください。

関節リウマチのある人に向いてない仕事・職場4選

この章では、関節リウマチのある人に向いてない仕事・職場について解説します。

ただし、関節リウマチのある人がすべてに当てはまる訳ではありません。自分自身の症状や状態に応じて、避けた方がよい仕事・職場を考える参考にしてください。

仕事・職場①長時間同じ姿勢になりやすい仕事

長時間同じ姿勢になりやすい仕事は、関節リウマチを悪化させる恐れがあります。

なぜなら、長時間同じ姿勢を続けていると部分的に血行が悪くなり、首や肩、腰などに痛みを感じやすくなるためです。

デスクワークや立ち仕事などを行うときは、適度に休憩を取り、軽いストレッチや運動で体を動かしましょう。

仕事・職場②長時間歩くことが多い仕事

長時間歩く仕事は、同じ姿勢が続くのと同様に、関節への負担が大きくなります。関節への負担が大きくなると、歩きにくくなったり転倒してけがをしたりする可能性があります。

そのため、長時間歩くことが多い仕事は避けましょう。

ただし、あなたの足に適した靴を選べば歩きやすくなり、転倒してけがをするリスクを軽減できます。あなたの足に適した靴を選ぶときのポイントは以下の7つです。(参考:湯川リウマチ内科クリニック「足に合った靴選びのポイント」

  • 自分の足のサイズに合っているもの
  • ヒールは2~3㎝以下のもの
  • かかとや土踏まずの部分をサポートするもの
  • 靴底が厚く固いもの
  • 靴を履いたときに内部で指を曲げたり動かしたりできるもの
  • 中敷きが入っているもの、中敷きを入れられるもの
  • 着脱しやすいもの

靴を選ぶとき、自分に適したものが分からなかったり不安だったりするときは、シューフィッターに相談することも検討しましょう。シューフィッターとは、足の疾病予防の観点から一人一人に適した靴を選ぶ技能を習得した専門家です。

2024年2月1日現在、シューフィッターは3483名認定されています。シューフィッターの情報は以下のページから検索できます。

参考

一般社団法人 足と靴と健康協議会「シューフィッター検索」

仕事・職場③重いものを運んだり持ったりする仕事

関節リウマチのある人が重いものを運んだり持ったりすると、腕や肩の関節に負担がかかるため痛みや腫れを感じることがあります。そのため、運送や流通などの仕事は避けた方が無難でしょう。

ただし、キャリーや台車などを使えば、肉体への負担を軽くできます。キャリーや台車などを使用できるかどうかは仕事・職場によって異なるため、前もって確認または相談しましょう。(参考:旭化成ファーマ「買い物に行くのがつらい」

仕事・職場④職場の気温や室温が低い職場

職場の気温や室温が低いと、体が冷えます。体が冷えると血行が悪くなるため、関節リウマチの悪化を招く恐れがあります。

そのため、室温が低い環境や冷暗所での作業が求められる職場は適していません。

ただし、夏場はどの職場でも冷房がかかっているため、完全に避けるのは難しいでしょう。

そのため、冷房で体を冷やさないよう、上着を1枚羽織ってください。また、ブランケットで足の冷えを防ぎましょう。(参考:リウマチe-ネット「関節を守る工夫」

職場には、冷えがリウマチを悪化させる恐れがあることを伝え、上着やブランケットを使用できるよう配慮してもらいましょう。

関節リウマチのある人が抱きやすい不安と対処法

この章では、関節リウマチのある人が抱きやすい不安と対処法について解説します。

関節リウマチのある人が抱きやすい不安

関節リウマチのある人は、以下のような不安を抱えやすくなります。。(参考:さとう埼玉リウマチクリニック「リウマチの将来、仕事、妊娠」

  • これから自分はどうなるんだろう?
  • 今まで通りに生活できるのだろうか?
  • 治療薬が胎児に影響を与えるのでは?

前提:しっかり治療をすれば手足の変形は防げる

関節リウマチは現在、医療技術の進歩に伴い、しっかり治療をすれば、手足の変形を防げる病気になっています。

関節リウマチのある人は、インターネット検索でリウマチについて調べたときに手足が曲がった写真をみてショックを受けることがあります。

かつて、関節リウマチの薬は数が少ないうえに効果がみられにくいため、関節リウマチが進行して手足が変形するケースがありました。

現在はメトトレキサート、生物学的製剤、JAK阻害剤などの治療薬によって、痛みを軽減でき、進行を完全に止めることも期待できるようになりました。(参考:あゆみ製薬「関節リウマチの薬物療法」

そのため、リウマチの診断を受けたら必ず治療を受けてください。

周囲の人に負担をかけるのではと不安を覚えるか思うかもしれませんが、関節リウマチの症状に必要なサポートを周囲に話して、理解を得ましょう。1人で抱え込まず、積極的に周囲に働きかけてください。

対処法①関節リウマチがよくなった後も服薬を続ける

関節リウマチの症状は、治療薬によって抑えられるようになっています。

しかし、痛みや腫れが減った後も服薬を続けるのは重要です。治療薬の服薬を自己判断で中断すると、痛みや腫れがぶり返す可能性があります。(参考:宇多野病院「関節リウマチの治療―薬を減量・中止することができるか―」

関節リウマチの治療の場合、免疫細胞の働きを抑制し、関節リウマチの進行を抑える寛解(かんかい)を目指すのが一般的です。

仮に、関節リウマチの痛みや腫れがないと感じるようになったら、服薬を止めたとしましょう。そうすると、治療薬で抑制していた免疫細胞が再び肉体を攻撃し始め、手足の変形が進行する可能性があります。

そのため、必ず服薬を続けてリウマチの再発や進行を止めましょう。

対処法②定期的に通院して関節リウマチの状況を確認する

定期的に通院して関節リウマチの状況を確認したほうがいい理由は以下の2つです。

  • リウマチの状況に応じて柔軟に治療するため
  • 副作用や臓器への影響があるかどうかをみてもらうため

通院を通して診察や血液検査などを受け、あなたの状態に適した治療を受けましょう。

また、副作用や臓器への影響があるかどうかをみてもらうのは、関節リウマチの治療薬が特殊な免疫機能を抑制するためです。

副作用として挙げられるのは、吐き気や口内炎などです。臓器への影響としては、肝臓や腎臓の数値が悪化したり貧血になったりする可能性があります。(参考:リウマチe-ネット「お医者さんに本音で伝えよう、 あなたの関節リウマチのこと」

また、関節リウマチのある人の中には、妊娠・出産に不安を覚える人もいますが、関節リウマチの治療薬には、妊娠中や授乳中でも使用できるものがあります。(参考:さとう埼玉リウマチクリニック「リウマチの将来、仕事、妊娠」、国立成育医療研究センター「妊娠と関節リウマチ」

そのため、結婚や妊娠などの予定があるときは、医師に相談して治療薬を変更してもらいましょう。

副作用の状況や治療薬の変更希望などについては、必ず定期的に通院して医師と相談しましょう。

関節リウマチのある人が仕事を続ける7つのコツ

この章では、関節リウマチのある人が仕事を続けるコツについて解説します。

関節リウマチのある人が仕事を続けるときのポイントは、無理なく働ける業務や環境をみつけることです。加えて、バリアフリー設備が整っていて、体調に応じて勤務時間や業務量を調節できるところが適しています。

コツ①医師や専門家、支援機関に相談する

関節リウマチのある人が仕事を続けるとき、もっとも重要なことは医師や専門家、支援機関に相談することです。

早期に発見、治療できれば寛解を目指すとともに仕事を続けやすくなります。

一般的に、関節リウマチ専門の医師は関節リウマチや膠原病(こうげんびょう)という名のついた診療科に所属しています。

ただし、地域によっては関節リウマチ専門の医師が少ない、またはいないケースも考えられます。

その場合、かかりつけの医師に紹介状を書いてもらいましょう。こちらで紹介する支援機関で近くにいる関節リウマチ専門の医師を調べて、受診してみてください。

コツ②長時間同じ姿勢になる状態を避ける

長時間同じ姿勢になる状態を避けて、関節への負担を減らします。デスクワークや立ち仕事などに就いているときは、必ず休憩を取って体を動かしましょう。

ストレッチや軽い運動は、関節リウマチに対して3つの効果が期待できます。

  • 痛みを軽減できる
  • 関節の変形を予防できる
  • リハビリテーションになる

なお、ストレッチや運動の内容は、その日の体調や関節の状態に合わせて変更してください。体を動かすときは、以下の4点に注意しましょう。(参考:リウマチe-ネット「関節リウマチと体操・運動」

  • 体調の優れないときや痛みがあるときは休む
  • 体を動かすときは無理のない範囲で行う
  • 水分を補給する
  • 体に異変を感じたときは速やかに医師に相談する

コツ③関節が冷えないように対策する

関節を冷えから守るために対策します。1年を通してできる対策は、以下のとおりです。(参考:リウマチ21.info「第6回 外出編」

夏場の冷え対策
  • 通気性のよい衣服を着用する
  • カーディガンやストールなどを使う
  • ブランケットで足元を冷えから守る
冬場の冷え対策
  • 保温性が高く軽い衣服を着用する
  • 防寒具を身につける
  • 携帯用カイロを用意する

また、雨に濡れたり寒いところで長時間過ごしたりしないようにしてください。折りたたみ傘を携帯し、体が冷えたと感じたときは帰宅後に入浴して体を温めましょう。

コツ④自分のコンディションを把握して周囲に情報を共有する

自分のコンディションを把握して周囲に情報を共有すると、万が一のときにサポートしてもらいやすくなります。

関節リウマチのある人は、通院やリハビリなどで仕事を休んだり早退したりすることがあります。業務などで配慮をもらうためにも、できるだけ早めに伝えましょう。

体調に応じて欠勤や遅刻などに対応してもらえるよう、上司や同僚など職場の人に情報を共有し、理解を求めましょう。

職場に関節リウマチについて伝える際には、以下のようなことを伝えましょう。

  • どのような動作が関節リウマチの症状の悪化の原因になるのか
  • どの程度の頻度で通院する必要があるのか
  • 症状が悪化するとどうなるのか

以上のことを伝えることで、関節リウマチの症状の悪化につながるような業務をなくしてもらえる可能性があります。

関節リウマチを発症して以降、仕事をそのまま続けるのが難しい場合は、配置転換の相談をしてみるのもよいでしょう。

あなたの今後の人生をより良いものにしていくためにも、職場へはできるだけ早く伝え、相談しておくことをオススメします。

また、厚生労働省が公開する資料では、関節リウマチのある人が症状や仕事上で困っていることを記入できる基本情報収集票が掲載されています。ぜひ利用してみてください。

コツ⑤症状がひどいときは適切に休む

関節リウマチの症状がひどいときは、適切に休みましょう。関節リウマチの症状と付き合っていくためには、生活習慣から改善するといいとされています。

症状がひどくなる前に、毎日早めに就寝し十分に睡眠時間を確保しましょう。また、日頃から疲れすぎないように、自分の活動量をセーブしておきましょう。

「がんばりすぎて疲れた」「一日中作業して全身がだるい」といった状態にならないように注意が必要です。

また、関節リウマチは朝のこわばりがあったりと、時間帯によって症状の変動があります。自分の症状が強くなる時間帯などを把握することが大事です。

なにより、関節に負荷をかけすぎないことが大切です。

以下のようなことを心がけて、日頃から関節をいたわるようにしましょう。

  • 重いものを持たない
  • 長い立ち仕事を避ける
  • 正座をしない
  • 指に強い力がかからないようにする

また、早めのサポーター、ゴムなどを織り込んだ包帯のような器具の使用をオススメします。あなたに合ったサポーターについては、医師に相談しましょう。

リウマチのある人のなかには、全身の痛みやこわばりから気持ちが落ち込み、抑うつ状態になることも少なくありません。精神的な面からも、よく休むようにしましょう。

コツ⑥障害者雇用を検討する

障害者雇用での就労を検討すると、あなたの体調に合わせた働き方ができるほか、周囲からの理解およびサポートを得やすくなります。(参考:厚生労働省「障害者雇用のご案内」

障害者雇用とは、障害のある労働者が、障害の特徴や内容に合わせて働きやすくするため、安心して働くための雇用枠のことです。

自分の症状の程度や今後のキャリアへの展望などを踏まえて、じっくり考えましょう。

障害者雇用については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

コツ⑦身体障害者手帳の取得を検討する

関節リウマチのある人は、身体障害者手帳の取得を検討できます。

障害者手帳の詳細については、こちらで解説しますが、障害者手帳を取得している人は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の対象となり、さまざまなサポートを受けられます。(参考:厚生労働省「障害者手帳について」、e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

関節リウマチのある人が身体障害者手帳を取得するときは、お住まいの自治体が指定する医師の診断書および意見書を提出します。身体障害者手帳の取得を検討しているときは、かかりつけの医師に相談してください。

注意したいのは、身体障害者手帳は、障害が永続することを前提とした制度という点です。

そのため、障害が永続しないと考えられる場合は交付されない可能性があります。

障害が永続しないと考えられるのは、発病して間もないときや、治療に伴う一時的な手術を受けたときなどです。

あなたの現在の症状を踏まえて、検討しましょう。

障害者手帳については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

補足:関節リウマチがつらいときは休職を視野にいれる

関節リウマチがつらいときや悪化したときは、休職を視野に入れましょう。休職について考えるときは、以下の2つのポイントから判断します。

  • かかりつけの医師に相談する
  • 職場の休職制度を調べる

かかりつけの医師に相談して、適切な指示を仰ぎましょう。医師が治療に専念すべきと判断したときは、上司など職場の人に今後について相談します。

職場の休職制度を調べるのは、休職制度を設けていない企業があるためです。

休職制度は、労働基準法および労働契約法において義務づけられていません。そのため、就業規則にある休職に関する項目を確認してください。

関節リウマチのある人が利用できる支援制度15選

この章では、関節リウマチのある人が利用できる支援制度を紹介します。

あなたが困っていることや求めていることに応じた制度があるかどうかを確認しましょう。

なお、利用にあたっては条件が設けられているものや、審査によって利用できるかどうかを判断されるものがあります。

支援制度①傷病手当金

傷病手当金とは、何らかの病気やケガ、障害のために仕事を休む場合に健康保険の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた支援制度のことです。国民健康保険の加入者は対象外です。(参考:全国健康保険協会「傷病手当金」、全国健康保険協会「傷病手当金について」

傷病手当金は、退職前の在職中に受給するお金です。ただし、一定の条件を満たせば、退職後も継続して受給できます。

傷病手当金の受給対象は、病気やケガ、障害によって就労不能であり、十分な給与が支給されない人です。そのため、医師の診断書が必要です。

傷病手当金の窓口は、全国健康保険協会や各健康保険組合、各共済組合です。

支援制度②失業保険(失業手当、雇用保険給付)

失業保険(失業手当、雇用保険給付)とは、失職した人が就職するまでの一定期間に給付金を支給する支援制度のことです。

原則、以下の2点が条件です。

  • 退職までの一定期間、雇用保険に加入していたこと
  • 求職活動を行っていること

これまで述べてきた失業保険は「基本手当」と呼ばれるものになります。

病気やケガ、障害によって15日間以上、引き続いて求職活動ができない場合は、「傷病手当」という別の給付金を受給することができます

申請は、お住まい自治体に設置されているハローワークで行なえます。(参考:ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」

気になる方は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

支援制度③自立支援医療制度

自立支援医療制度とは、心身の障害を除去・軽減するための医療に関する医療費の自己負担額を軽減する公費負担の支援制度のことです。

(参考:厚生労働省「自立支援医療について」、厚生労働省「自立支援医療制度の概要」、東京都福祉保健局「自立支援医療(更生医療)」

通常、医療保険による医療費の自己負担額は3割です。自立支援医療制度を利用すれば、原則1割まで軽減することができます。この制度は、指定の医療機関・薬局のみで利用可能です。

具体的な支援内容や条件、名称は、自治体によって異なります。

気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

支援制度④障害者手帳

障害者手帳とは、障害がある人に交付される手帳のことです。

障害者手帳をお持ちの人は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」の対象となり、さまざまな支援が受けられます。(参考:厚生労働省「障害者手帳について」、e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

障害者手帳には、障害の内容によって以下の3種類があります。

  • 身体障害者手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 療育手帳

こちらでも解説しましたが、関節リウマチのある人は、身体障害者手帳の取得を検討できます

気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

障害者手帳については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援制度⑤障害年金

障害年金とは、病気やケガ、障害によって仕事や生活に影響が出た場合に年金加入者が年金を受給できる支援制度のことです。(参考:日本年金機構「障害年金」

「事故で足を失った」「生まれつき四肢が不自由」「知的障害がある」などのケースだけでなく、発達障害・精神疾患・生活習慣病なども受給の対象になります。

一般的な年金は高齢者にならなければ受け取れませんが、障害年金は現役世代でも受給できることが特徴です。

障害年金は、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。障害厚生年金に関しては、補足的に障害手当金という制度もあります。

気になる人は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

障害年金については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援制度⑥特別障害者手当

特別障害者手当とは、精神または身体に著しく重度な障害があり、日常生活において常に特別な介護を必要とする在宅生活をしている人に対して、必要となる精神的、物質的な負担の軽減を目的に手当を支給する支援制度のことです。(参考:厚生労働省「特別障害者手当について」

利用できる場合、2023年4月現在では、月額2万7980円を受給できます。

ただし所得制限があり、受給資格者(特別障害者)の前年の所得が一定の額を超えるとき、もしくはその配偶者または受給資格者の生計を維持する扶養義務者(同居する父母など)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。

申請は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口で行えます

気になる方は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

支援制度⑦特別障害給付金制度

特別障害給付金制度とは、国民年金に任意加入していなかったことで、障害基礎年金などの受給要件を満たせず障害年金を受給できない障害のある人に対する福祉的措置として創設された支援制度のことです。(参考:日本年金機構「特別障害給付金制度」

「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」に基づく給付であり、障害基礎年金や障害厚生年金とは異なる制度です。(参考:e-Gov法令検索「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律」

障害基礎年金1級相当に該当する人は月額5万3650円(2023年時点)、障害基礎年金2級相当に該当する人は4万2920円(2023年時点)が、支給されます。

気になる方は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口にご相談ください。

支援制度⑧生活困窮者自立支援制度

生活困窮者自立支援制度とは、仕事や住まいの確保に困窮している人に対して、各々の生活状況に応じた支援を提供する支援制度のことです。(参考:厚生労働省「制度の紹介」、東京都福祉保健局「生活困窮者自立支援制度について」

生活困窮者自立支援制度は、こちらで解説する生活保護の受給に至る前に、対象の人の自立を促進することを目的に制定されました。

経済や就労、住居確保といった幅広い分野について相談することができ、要件を満たす人には家賃相当額を支給するなど経済的な支援も行っています。

また、自立相談支援機関が作成した支援プランに沿って、一定期間、支援員が生活を立て直すためのサポートをしている場合もあります。

生活困窮者自立支援制度の支援内容は多岐に渡り、その内容は自治体によっても異なります。

気になる人は、お住まいの自治体の生活保護を担当する部署・窓口に相談してみてください。

支援制度⑨生活保護

生活保護とは、生活に困窮している人や病気やケガ、障害などで就労できない人に対して、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活の保障と自立の助長を目的とした支援制度のことです。(参考:厚生労働省「生活保護制度」

生活に必要な最低限度のお金を持つことが困難な人がお金を受給できる制度とも言えます。

生活保護で受給できるお金には生活扶助(食費・被服費・光熱費など)や住宅扶助(アパートなどの家賃)、医療扶助(医療サービスの費用など)などがあります。

  • 日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費など)
  • アパートなどの家賃
  • 義務教育を受けるために必要な学用品費
  • 医療サービスの費用
  • 出産費用
  • 就労に必要な技能の修得などにかかる費用
  • 葬祭費用

また、受給金以外にも、国民年金保険料や住民税、NHK放送受信料などの税金・公共料金の支払いが減免されることがあります。

申請は、お住まいの自治体を所管する福祉事務所で行なえますが、まずは、お住まいの自治体の生活保護を担当する部署・窓口に相談してみてください。

ただし、生活保護は「最後のセーフティネット」とも呼ばれるように、本当に支援が必要な人だけを対象とする支援です。

一般的に審査が厳しく、生活保護以外の支援を提案されたり、申請が却下されたりする可能性があるということは、心に留めておいてください。

支援制度⑩生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度とは、所得の低い人や障害のある人などの生活を経済的に支えつつ、その在宅福祉や社会参加の促進を図ることを目的に貸付を行う支援制度のことです。銀行などと比べて、低い金利でお金を借りることができます。

(参考:全国社会福祉協議会「生活福祉資金」、厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」、政府広報オンライン「生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。| 暮らしに役立つ情報」

対象となるのは、「低所得者世帯」「障害者世帯」「高齢者世帯」であり、障害のある人の場合は、障害者手帳などの交付が前提となります。

生活福祉資金貸付制度は大きく分けて下記に分類されます。

  • 生活福祉資金貸付制度の種類
  • 総合支援資金(生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費)
  • 福祉資金(福祉費、緊急小口資金)
  • 教育支援資金(教育支援費、就学支度費)
  • 不動産担保型生活資金(不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金)

この制度は、あくまで「貸付」です。返済の義務があるという点は注意しましょう

気になる人は、お住まいの自治体の生活保護を担当する部署・窓口に相談してみてください。

支援制度⑪指定難病患者への医療費助成制度

指定難病患者への医療費助成制度とは、指定難病のある人の医療費負担の軽減を図るためにその一部を助成する制度のことです。(参考:難病情報センター「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」

申請にあたっては、必要な書類をお住まいの自治体のある都道府県に提出します。提出先は各都道府県ごとに異なるため、お住まいの自治体に問い合わせてください。

主に必要な書類は以下のとおりです。(参考:難病情報センター「申請に必要となる書類(概要)」

  • 特定医療費の支給認定申請書
  • 診断書(臨床調査個人票)
  • 課税状況を確認できる書類(住民票や市町村民税(非)課税証明書など)
  • 健康保険証の写し

支援制度⑫高額介護合算療養費

高額介護合算制度とは、1年間の医療保険と介護保険における自己負担の合算額が高額だったときに、自己負担を軽減できる制度のことです。

申請すると、負担額の一部が払い戻されます。1年間の期間は毎年8月1日〜翌年7月31日です。(参考:内閣府ホームページ「高額介護合算制度 概要」)

申請する際は、あなたが費用の支給対象かどうかを確認してください。

確認するときは、加入している医療保険か介護保険の担当窓口に相談することをオススメします。

支援制度⑬補装具費支給制度

補装具費支給制度とは、身体障害者手帳を持っている人や難病のある人を対象に、日常生活に必要な身体機能を補完・代替する用具の購入・修理などを助成する制度のことです。(参考:厚生労働省「補装具費支給制度の概要」

交付および修理の対象となる主な補助具は、以下のとおりです。

  • 義肢
  • 装具
  • 座位保持装置
  • 視覚障害者用のつえ
  • 義眼
  • 眼鏡
  • 車椅子
  • 人工内耳
  • 電動車いす
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ

申請する際は、難病のある人またはその保護者がお住まいの自治体の部署・窓口に申請します。詳しくは、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口に相談してみてください。

支援制度⑭日常生活用具給付等事業

日常生活用具給付等事業とは、病気や障害のある人に対して、日常生活を円滑に送るための用具を給付または貸与する制度のことです。

自治体が行う地域生活支援事業のうち、必須事業の一つとして規定されています。(参考:厚生労働省「日常生活用具給付等事業の概要」

対象となる人は、以下のとおりです。

  • 重度の身体障害のある人
  • 知的障害のある人
  • 精神障害のある人
  • 難病のある人

日常生活用具の種類は、以下のとおりです。(参考:寝屋川市「介護・訓練支援用具」

  • 介護・訓練支援用具:特殊寝台、体位変換器、移動用リフトなど
  • 自立生活支援用具:入浴補助用具、歩行補助つえ、頭部保護帽など
  • 在宅療養等支援用具:透析液加温器、ネブライザーなど
  • 情報・意思疎通支援用具:情報・通信支援用具、点字タイプライターなど
  • 排泄管理支援用具:蓄便袋、収尿器、紙おむつなど
  • 居宅生活動作補助用具(住宅改修費):手すりの取り付け、扉の取り替えなど

申請する際は、お住まいの自治体の障害福祉を担当する部署・窓口に相談してみてください。

支援制度⑮車椅子の貸出

車椅子の貸出は、病気やケガなどで一時的に車椅子が必要になった人を対象にした支援制度です。(参考:渋谷区社会福祉協議会「車いすの貸出」)

問い合わせ先は、お住まいの社会福祉協議会やボランティアセンター、サポートセンターです。

ただし、介護保険事業や障害者総合支援事業の対象である人は、各事業の支援に車椅子のレンタルが含まれているため利用できません

関節リウマチのある人が利用できる支援機関11選

この章では、関節リウマチのある人が利用できる支援機関を紹介します。

支援機関の利用にあたっては、条件が設けられていたり手続きが必要だったりします。

気になるところがあれば、問い合わせて確認してください。

支援機関①就労移行支援事業所

就労移行支援とは、一般企業などへの就職を目指す、病気や障害のある方向けに、「障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)」に基づいて行われる福祉サービスのことです。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

実際のサービスは、国の基準を満たした様々な民間の「就労移行支援事業所」が行います。

就労移行支援事業所では、体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学ぶことができます。

さらには、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けることが可能です。

就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。それぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。

就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

支援機関②地域障害者職業センター

地域障害者職業センターとは、病気や障害のある人に対して、職業評価や職業指導、職業準備訓練、職場適応援助などの専門的な職業リハビリテーションを提供する支援機関のことです。(参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センターによる支援」、厚生労働省「地域障害者職業センターの概要」

独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しており、障害者雇用促進法に基づいて、全国47都道府県に設置されています。

ハローワークや医療・福祉機関と連携しているため、仕事に関する相談や訓練、復職するためのサポートを行っています

病気や障害に悩む当事者だけでなく、障害のある人を雇用する事業所に対して、雇用管理に関する相談・援助も行っています。

仕事を両立したい人や就労状況について相談したい人におすすめです。

支援機関③障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターとは、雇用や保健、福祉、教育に関する関係機関と連携し、障害のある人の雇用の促進・安定を目的とした一体的な支援を行っている支援機関のことです。(参考:厚生労働省「障害者雇用促進法制の整備について」、厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」

障害のある人の就職活動の支援や求人の紹介、職場定着のためのサポートなどを行います。

就労面だけでなく、金銭管理などの経済面や生活面のことまで、日常および地域生活に関する支援も行っています。

生活習慣や金銭管理、健康管理などについても幅広く相談できるため、生活面のサポートも受けたい人におすすめです。

2023年4月1日時点で、全国に337箇所設置されています。

支援機関④障害者就労支援センター

障害者就労支援センターとは、 障害のある人の就労機会の拡大を図るため、自治体が設置する支援機関のことです。

障害のある人の就労全般に関する相談や、就職に向けたサポート、ハローワークへの同行などの支援を行っています。

障害者就労支援センターの設置は自治体によって異なります。お住まいの自治体のWEBサイトをご確認ください。

また、「お住まいの自治体名+障害者就労支援センター」などのインターネット検索で見つけることもできます。

支援機関⑤基幹相談支援センター

基幹相談支援センターとは、障害のある人をサポートを目的に地域の相談事業を行っている支援機関のことです。(参考:厚生労働省「基幹相談支援センターの役割のイメージ」

基幹相談支援センターでは、一般的に以下のような支援を行っています。

  • 病気・障害のある人のための総合的な相談
  • 適切なサポート団体との連携
  • 権利擁護・虐待防止

基幹相談支援センターの設置は自治体によって異なります。お住まいの自治体のWEBサイトをご確認ください。

また、「お住まいの自治体名+基幹相談支援センター」などのインターネット検索で見つけることもできます

支援機関⑥ハローワーク(公共職業安定所)

ハローワーク(公共職業安定所)とは、仕事を探している人に対して、就労に関連するサポートを行っている支援機関のことです。

(参考:東京労働局「東京ハローワーク」、厚生労働省「こころの健康サポートガイド」、厚生労働省「ハローワークにおける障害者の就労支援」

主に職業相談や職業訓練、求人情報の提示などを行っており、具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、一般的には以下のような幅広いサポートを行います。

  • 仕事で活かせる知識・技能の習得
  • 仕事や私生活で活かせるメンタル面のサポート
  • 「どのような仕事や働き方が向いているのか」のアドバイス
  • 転職先候補の業務や雰囲気を体験できる「職場体験実習(インターン)」の紹介
  • 履歴書・経歴書・エントリーシートの作成支援
  • 面接対策
  • 転職後の職場定着支援

ハローワークでは、病気や障害のある人に向けた支援を行っています。障害者手帳が交付されていない人などでも、専門医による診断書があれば支援を受けることができます。

ハローワークで求職登録を行うと、障害の特性や希望職種に応じた職業相談を受けられます。病気や障害のある人向けの求人を探していることを伝えると、病気や障害のある人に向いていると思われる求人情報を紹介してもらえます

ほかにも、「病気や障害がある状態でどのように就職活動をすればよいのか?」「面接や履歴書には病気や障害の有無・経験をどのように記載すればよいのか?」など、病気や障害のある人の就職活動や履歴書の書き方、面接での病気や障害の伝え方など、細かい疑問も解決できます。

また、ハローワークには、住まいや生活に関する総合相談を行う窓口もあります。経済面や生活面などについても幅広く相談できるため、心配がある場合は相談してみましょう。

支援機関⑦転職エージェント

転職エージェントとは、転職を希望する人をサポートする人材紹介サービスのことです。

現代の仕事探しにおいて、転職エージェントの利用は一般的な方法です。民間の転職エージェントも、病気や障害のある人が利用できる支援機関と言えます。

近年では、病気や障害のある人に特化した転職支援を行う転職エージェントも増加しています。

ご自身に合いそうな転職エージェントを並行的に利用してみましょう。

支援機関⑧ジョブコーチ(職場適応援助者)

ジョブコーチとは、障害のある人の職場適応を支援する職場適応援助者のことです。(参考:厚生労働省「職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業について」

障害のある人が職場への適応に関して課題がある場合、職場にジョブコーチが出向いて、障害の特性を踏まえた専門的な支援を行います。就職後の支援の側面が強いものになります。

当事者の職務の遂行や、職場内のコミュニケーションなどに関して、障害のある人が職場に適応するためのアドバイスをします

また、障害のある人を雇用する事業主に対して、障害の特性を踏まえた作業の提案や、仕事の教え方などをアドバイスするなど、当事者と事業主双方をサポートしています。

具体的な目標を定めた上で策定される「支援計画」に基づいて援助を行い、最終的には上司や同僚などの職場の人の自然な配慮(ナチュラル・サポート)に移行することを目指していきます

ジョブコーチには、以下の3種類があります。

  • 配置型ジョブコーチ:地域障害者職業センターに所属するジョブコーチ
  • 訪問型ジョブコーチ:社会福祉法人などに所属するジョブコーチ
  • 企業在籍型ジョブコーチ:障害のある人を雇用する事業所に雇用されるジョブコーチ

支援機関⑨一般社団法人日本リウマチ学会(JCR)

一般社団法人日本リウマチ学会(JCR)とは、リウマチ性疾患の研究および診療内容の向上・推進を目的に活動する任意の学術団体のことです。(参考:日本リウマチ学会「日本リウマチ学会」

日本リウマチ学会では、関節リウマチのある人やその家族をサポートするための情報を公開しています。

お住まいから最寄りの関節リウマチ専門の医師や支援機関の検索、日常生活で困っていることを医師に伝えやすくするためのチェックシートのダウンロードなどができます。

関節リウマチ専門の医師や支援機関を調べたいときは、以下のページをご覧ください。

参考

日本リウマチ学会「リウマチ専門医・指導医検索」

日常生活で困っていることを医師に伝えやすくするためのチェックシートは、以下のページからダウンロードできます。

支援機関⑩リウマチ情報センター

リウマチ情報センターとは、 日本リウマチ財団が運営するWebサイトのことです。(参考:日本リウマチ財団「リウマチ情報センター」)

関節リウマチへの理解を深め、適切な治療が受けられるようにさまざまな情報を公開しています。

公開している主な情報は以下のとおりです。

  • 関節リウマチの症状や治療方法
  • 日常生活における注意点
  • リウマチ体操
  • 全国の日本リウマチ財団登録医師が所属する医療機関情報

日本リウマチ財団登録医師が所属する医療機関を探しているときは、以下のページから検索できます。

支援機関⑪日本リウマチ友の会

公益財団法人日本リウマチ友の会とは、関節リウマチのある人たちが抱える不安や悩みを解消し、日常生活を維持しやすくするために支援している団体のことです。(参考:日本リウマチ友の会「日本リウマチ友の会」)

最新の医療内容や支援制度などを記載した機関誌を発行したり、補助具を紹介、頒布したりと、さまざまなサービスを受けられます。会員同士での交流を通じて、つらい気持ちを和らげることもできるでしょう。

なお、サービスを受けるにあたっては入会手続きが必要です。手続きの流れや会費については、Webサイトを確認してください。

参考

日本リウマチ友の会「日本リウマチ友の会」

関節リウマチとは?

この章では、関節リウマチの概要と症状、原因、診断基準、治療法について解説します。

関節リウマチの概要

関節リウマチとは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて、関節機能が損なわれる病気のことです。

自己免疫疾患の一種で、何らかの理由で異常を起こした免疫機能が、関節を守る組織や骨、軟骨を外敵とみなして攻撃することで発症します。

一般的に使われるリウマチという言葉は正確な医学名ではないものの、基本的に関節リウマチを指していることが多くみられます。(参考:中外製薬株式会社「おしえてリウマチ」

関節リウマチを放置すると、関節が変形する恐れがあります。ほかの関節の病気と異なるのは、関節部分を動かしていない状態でも激しく痛むことです。

関節リウマチを発症しやすいのは、30代〜50代の女性とされています。また、60歳以降に発症するケースがあります。

関節リウマチの症状

関節リウマチの主な症状は、以下のとおりです。

  • 関節のこわばり
  • 関節の痛みや腫れ
  • 微熱
  • 倦怠感
  • 食欲不振

関節のこわばりは、朝起きたときに起こりやすいとされています。また、体を動かしにくいと感じることがあるでしょう。症状は起きてから30分程度で治まります。

関節が痛んだり熱を持って腫れたりするときは、痛みや腫れが左右対称に現れます。また、複数の関節が同時に腫れることがあるでしょう。

ほかには微熱や倦怠感、食欲不振、目や肺などの臓器に症状が現れる可能性があります。(参考:中外製薬株式会社「リウマチの症状とは」

ただし、以上の症状がすべて関節リウマチに当てはまる訳ではありません。ほかの類似する病気の可能性が考えられるため、気になることがあるときは医師に相談してください。

関節リウマチの原因

関節リウマチの原因は、いまだにはっきりとしていないのが現状です。(参考:あゆみ製薬「関節リウマチは、どんな病気ですか?」

ただし、関節リウマチを発症しやすいきっかけや生活習慣として、以下の5つが挙げられます。

  • 細菌やウイルスの感染
  • 過労やストレス
  • 喫煙
  • 出産
  • けが

関節リウマチは、体質的にかかりやすい人がいるといわれています。なお、一般的にみて強い遺伝性はありません。

関節リウマチの診断基準

関節リウマチの診断は、分類基準に基づいて行われます。なぜなら、関節の病気は関節リウマチ以外にも多く存在し、明確な診断基準が定められていないためです。

かつてリウマチの診断には、1987年に米国リウマチ学会による分類基準が用いられていたものの、早期発見が難しいために見落とす可能性がありました。そのため、2010年に米国および欧州リウマチ学会が合同で新しい分類基準を発表しています。

新たな分類基準は、以下の症状がある人を対象に、状態に応じてスコアを加算します。

項目別の患者さんの状態に応じたスコアが定められており、すべてのスコアを合計して6点以上になったとき、関節リウマチと診断されます。

対象となる状態とスコアが設定されている項目は以下のとおりです。(参考:公益財団法人日本リウマチ財団「関節リウマチの診断」

対象となる状態
  • 1つ以上の関節で腫れを伴う炎症がみられる
  • 炎症の原因として関節リウマチ以外に認められない
スコアが設定されている項目
  • 症状がある関節の数
  • 血清学的検査
  • 急性期反応物質
  • 症状が続いている期間

ただし、関節リウマチ以外の病気でも6点以上になるときがあります。

そのため、医師はほかの病気の可能性がないかを検討したり経過とともに様子をみたりして慎重に判断します。

関節リウマチの治療方法

関節リウマチの主な治療方法は以下の3つです。

  • 投薬治療
  • リハビリテーション
  • 手術

関節リウマチは、投薬を主な治療としながら、状況に応じてリハビリテーションや手術などを行います。(参考:あゆみ製薬「関節リウマチはどのような治療が行われますか?」

従来の治療は、薬で炎症や痛みを抑えるか関節部位を手術で除去するのが主でした。

現在は痛みや炎症を抑える以外にも、関節リウマチの進行を防ぐ効果のある治療薬を使用しています。

体内に存在する免疫細胞がさまざまな要因によって痛みを引き起こしている状態から、投薬治療によって、免疫細胞の働きを抑制できます。

まとめ:関節リウマチのある人が仕事を続けるときは自分に適した働き方をしよう

関節リウマチのある人は、その日の体調や環境によって突然症状が現れる可能性があるため、自分に適した働き方をするのをオススメします。

関節リウマチがある人に適しているのは、自分のペースで働ける仕事です。また、バリアフリー設備が整っている環境であれば、関節への負担を軽減できます。加えて、1年を通して体を冷やさないための工夫をしてください。

関節リウマチは早期に発見および治療ができれば、生活の質を維持しやすくなります。医師の適切な治療を受けながら、無理のない範囲で働きましょう。

よくある質問(1)

関節リウマチがあります。向いてる仕事を知りたいです。

関節リウマチのある人に向いてる仕事・職場として、以下が考えられます。

  • 自分のペースで進められる仕事
  • 勤務形態に柔軟に対応できる仕事
  • バリアフリー設備が整っている職場

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

関節リウマチのある私が仕事を続ける方法を知りたいです。

関節リウマチのある人が仕事を続けるコツとして、以下が考えられます。

  • 長時間同じ姿勢になる状態を避ける
  • 関節が冷えないように対策する
  • 自分のコンディションを把握して周囲に情報を共有する
  • 症状がひどいときは適切に休む
  • 障害者雇用を検討する
  • 身体障害者手帳の取得を検討する

詳細については、こちらで解説しています。

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2024年10月現在、首都圏・関西に6校舎を展開しています。トップページはこちら→

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