フラッシュバックの対処法 症状や治療法を解説

こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
このコラムを読んでいるあなたは、日常生活の中でフラッシュバックに悩んでいるかもしれません。
- フラッシュバックがいつ起こるか分からず怖い
- 突然嫌な過去を思い出して気分が憂うつになる
このコラムでは、フラッシュバックの概要やフラッシュバックと発達障害の関係性、フラッシュバックが起きた時の対処法について解説します。
このコラムを読むことでフラッシュバックの不安を解消して、上手に向き合うことができます。
フラッシュバックに悩むあなたへ
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目次
フラッシュバックとは?

フラッシュバックとは、自分の意志に関係なく過去の嫌な記憶を思い出すことで、つらい気持ちになったり苦しくなったりすることです。(参考:心の情報サイト「PTSD」)
また、過去のつらい経験が今まさに起きているかのように強く感じることで、実際は見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえるように感じられたりすることもあります。(参考:白川美也子『トラウマのことがわかる本』)
また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状の1つに、フラッシュバックがあります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害、Post Traumatic Stress Disorder)とは、死の危険や極度の恐怖を感じる出来事に直面したことで、そのショックが心身に影響を及ぼす精神障害のことです。(参考:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 「こころの情報サイト こころの病気を知る - PTSD」)
また、生死に関わる体験だけでなく、その出来事を目撃した場合や、身近な人に起きたことを知ることもPTSDの発症のきっかけになり得ます。
PTSDの場合、一度体験した恐怖や不安が、本人の意思とは無関係に繰り返しよみがえる、悪夢が続く、現実感が薄れるなどの症状が現れることがあります。
そのため、過去に生死に関わる出来事を経験したり目撃したりしてフラッシュバックが生じた場合は、PTSDと診断される可能性があります。
PTSDについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
フラッシュバックによる症状
トラウマによって起こるフラッシュバックでは、精神面や身体面、行動面などにさまざまな症状が見られることがあります。(参考:文部科学省「CLARINETへようこそ」)
- 恐怖
- 不安
- 悲観
- 落ち込み・憂うつ
- 怒り・イライラ
- 不眠
- 動悸
- 筋肉の震え
- 頭痛
- 腹痛
- 吐き気
- 痙攣
- めまい
- 発汗
- 呼吸困難
- 過度な緊張
- 怒りの感情に任せた発言や行動
- ふさぎ込む
- 嫌な記憶に関連する場所やできごと避ける
- 母親など安心できる相手と離れない
- 過食・拒食
- アルコール・薬物依存
フラッシュバックと発達障害の関係性

フラッシュバックと発達障害の関係性は、現段階では明らかになっていません。(参考:明神下診療所 米田 衆介「フラッシュバックの対応と工夫」)
しかし、いくつかの研究結果から、ASD(自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害)のある人は、フラッシュバックが起きやすいと言われています。
ASDの特徴として、特有の記憶法や強いこだわりがあり、それらの影響から過去の嫌な記憶を鮮明に思い出すという、フラッシュバック的な症状が現れることがあります。
ただし、発達障害とフラッシュバックの関係性は、はっきりとしたことは分かっていないのが現状です。(参考:林剛丞、江川純、染矢俊幸「ストレス関連障害を示す発達障害」)
フラッシュバックが起きやすいタイミング
フラッシュバックは、一般的にふとした時に起きるため、こういったタイミングだと必ず起きるといった断定をすることはできません。(参考:心の情報サイト「PTSD」)
しかし、ストレスが溜まっているとフラッシュバックが起きやすいともいわれているため、極力ストレスを軽減することが大切です。(参考:米田衆介「フラッシュバックの対応と工夫」)
フラッシュバックの治療法

フラッシュバックやトラウマに対する治療法として、一般的には心理療法を用いた治療がメインになります。(参考:白川美也子『トラウマのことがわかる本』)
- 治療者とともにトラウマの記憶に立ち戻り、記憶は過去のことであり、今の自分は大丈夫という安心感を見つけていく治療法
- トラウマからの回復を妨げる思考パターンに気づき、修正していくことに重点を置いて治療を進める認知処理療法
- 語ることに重点を置く心理療法。冷凍されたままの記憶を語ることで、通常の記憶への変化を促す
あなたの症状にどの治療法が向いているかは、医療機関を受診したり、専門家に相談したりすることでわかっていきます。具体的な相談先については、こちらで解説しています。
フラッシュバックを予防する方法
フラッシュバックを予防する方法は、たくさんあります。例えば、以下の方法が考えられます。
- フラッシュバックが起こる状況を書き出し避ける
- 嫌な記憶と結びつく場所やものを避ける
- 生活リズムを整える
- 没頭できる趣味を見つける
- 瞑想をして心を落ち着かせる
フラッシュバックは過去の嫌な記憶に関連するものとの接触によって起こる可能性があるため、トリガーとなるものを特定し、避けることが予防につながります。
また、ストレスを強く感じている状態もフラッシュバックが起きやすくなります。そのため、規則正しい生活やストレス発散、リラックス方法などを試し、極力ストレスをためないように心がけてみてください。
ストレスとの付き合い方については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
フラッシュバックが起きたときの対処法4選
この章では、フラッシュバックが起きたときの対処法について解説します。
対処法①まずは落ち着く

フラッシュバックが起きた場合は、まずは落ち着きましょう。
具体的な落ち着き方としては、以下のような方法があります。
- 深呼吸をして気持ちを落ち着かせる
- 自分が好きな音楽や動画を見る
- 仕事中や外出先の場合、トイレなどの個室に移動する
- 今の気持ちをスマホのメモ機能に吐き出す
フラッシュバックが起きた場合、思考をイヤな気持ちから遠ざけたり、安心できる環境に避難したりすることが大切です。
心の平穏を保つことで嫌な記憶から離れ、気持ちを落ち着かせることができると言われています。
ただし、以上の方法はあくまで一例です。医師やカウンセラーなどの専門家にアドバイスをもらいながら実践しましょう。
対処法②雑談をする
フラッシュバックが起きた場合、周りの人と雑談をするといいでしょう。
人と話していると自然と嫌な記憶から遠ざかることができます。
また、もし可能であれば、無理のない範囲で信頼できる人に嫌な記憶やトラウマについて話すのもオススメです。
気持ちがすっきりとするのはもちろん、話を聞いて共感してもらえるだけで安心感が生まれ気分が安定するでしょう。
対処法③嫌な記憶をポジティブに捉える

フラッシュバックが起きた時の対処法として、嫌な記憶をポジティブに捉えるという方法もあります。
急に嫌な記憶が蘇った時は「でも、その経験があったから人に優しくなれた」などと、自分自身で嫌な記憶をポジティブに変換するのです。
フラッシュバックを多く経験していると、「過去を変えたい」「忘れたい」という意識が強くなりがちです。ですが、大事なのは苦痛を、過去のこととして思い出に変えることです。
苦痛のままの記憶は出血しているような痛みを生じますが、思い出になれば記憶は残っても痛みが和らいだり、時間が経つにつれてなくなっていったりすることもあるでしょう。
対処法④これからのことに意識を向ける
フラッシュバックが起きると、過去の出来事に気持ちが引っ張られ、気持ちが落ち込んだり不安になったりすることがあります。
もちろん、過去の嫌な記憶は簡単に忘れられるものではありません。しかし、過去ではなくこれからのことに意識を向けることで、過去の嫌な記憶に気持ちが引っ張られづらくなることもあるでしょう。
また、意図的に意識を過去の嫌な気持ちから遠ざけられるようになると、自分で自分をコントロールできていると実感できるようになっていきます。
フラッシュバックの相談先
フラッシュバックについては、まずは医療機関を受診することが大切です。
また、利用できる支援機関は、たくさんあります。具体的な支援機関は、以下のとおりです。
- 就労移行支援事業所
- 精神保健福祉センター
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 障害者就労支援センター
- 基幹相談支援センター
- ハローワーク(公共職業安定所)
- 転職エージェント
- 地域若者サポートステーション(サポステ)
- ジョブコーチ(職場適応援助者)
- 職業能力開発校
- キャリア形成・リスキリング支援センター
- 発達障害者支援センター
- 障害者雇用支援人材ネットワークシステム
- その他の関連する支援団体や自助会、互助会、家族会、ピアサポート団体
また現在、休職中もしくは離職をして再就職を考えている人は、就労移行支援を利用することをオススメします。
フラッシュバックのある人が安定して働けるように、専門のスタッフがサポートしてもらうことができます。
それぞれの支援機関の詳しい情報については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。
まとめ:相談することが向き合う第一歩

フラッシュバックが頻繁に起きると、気分が落ち込むことはもちろん、さまざまな症状によって私生活や仕事にまで影響することもあるでしょう。
しかし、フラッシュバックに関する悩みは、1人で抱え込む必要はありません。
辛いことや困ったことについて、周囲の人や医療機関に相談することは、フラッシュバックと向き合う第一歩です。
ぜひ、家族や友人などの周囲の人はもちろん、医療機関やこのコラムで紹介した支援機関に、あなたの悩みを相談してみてください。
このコラムが、少しでもあなたのお役に立てていたら嬉しいです。
フラッシュバックとは何ですか?
フラッシュバックとは、自分の意志に関係なく過去の嫌な記憶を思い出すことで、つらい気持ちになったり苦しくなったりすることです。
詳細については、こちらで解説しています。
フラッシュバックが起きたときの対処法を教えてください。
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
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