「算数が苦手すぎて、もうダメだ…」絶望から希望へ。私らしく働ける場所をKBCで見つけるまで | キズキビジネスカレッジ

就労移行支援事業所 キズキビジネスカレッジ

「算数が苦手すぎて、もうダメだ…」絶望から希望へ。私らしく働ける場所をKBCで見つけるまで

佐々木春花さん(仮名、インタビュー時28歳。画像は全てイメージ)
病気・特性など:不安障害、うつ病、算数障害(ディスカリキュア)
KBC通所期間:約5か月(就職後も、KBCによる就労定着支援を受けています)
※掲載画像は全てイメージです

「子どもの頃から、算数への苦手意識が強くて…。『もう、算数ができないせいで人生終わりだ…』と何度も思っていました。」

そう語るのは、現在、経理系の会社の社内ビジネスアウトソーシング(BPO)部署で活躍する佐々木春花さん(28歳)。不安障害とうつ病を経験し、発達障害の一種である算数障害(ディスカリキュリア)のある佐々木さんは、自分らしく、いきいきと働いています。

この記事では、佐々木さんが学生時代から就職、そして現在の仕事に至るまでの道のりを振り返り、KBC(キズキビジネスカレッジ)での学びや、障害者雇用という働き方について紹介します。

1. 多様な業務に挑戦し、自分らしく働く日々

現在私が所属するBPOの部署は、社内の様々な部署からの「人手が足りない」というニーズに応えるチームです。

約20名のメンバー全員が障害者雇用であり、総務から営業まで幅広い業務を担当しています。業務の中で多様な部署の方々と関わり、毎日が新しい発見の連続です。

私自身について言えば、算数障害(ディスカリキュア)の特性への配慮があり、算数や数学を使う仕事はほとんどありません。

雇用形態はアルバイトで、週4日は在宅、週1日は出社という勤務体系です。勤務時間も比較的柔軟で、自身の体調や生活リズムに合わせて働くことができます。

会社は常に新しいことに挑戦する風土で、変化の多い環境です。その分、周りのメンバーと協力し、『無理せず、それぞれのペースで働けるように』と声を掛け合っています。

正社員登用を目指しつつも、それだけに囚われすぎず、何よりも「継続して働くこと」を大切にしています。

また、今は実家暮らしですが、将来的には一人暮らしやパートナーとの生活も考えています。そのためにも、焦らず、着実にステップアップしていきたいです。

2. 子ども時代の苦悩と葛藤〜算数障害、不安の傾向〜

子どもの頃から算数・数学が苦手で、テストの回答も他の子よりも時間がかかり、苦しい思いをしてきました。

完璧主義な性格も災いし、問題を解こうとすればするほど時間がかかりました。子どもの頃は、「算数ができなさすぎて、もう人生終わりだ」とさえ思っていました。

また、子どもの頃から漠然とした不安にいつも怯えていました。そして、診断こそないものの、ADHD・ASDの傾向もあり、衝動的な行動をとることもありました。

それらが入り混じって、好奇心に負けて、ちょっといたずらをした後に「バレないか」「バレたら警察が来るんじゃないか」「サンタさんはもう来てくれないんじゃないか」などを不安に思うこともありましたね(笑)。

高校卒業後の進路では、絵を描くことが好きだったことから、美大に進学しました。

ただ、その進学は、「その大学・学部を、学校の先生に勧められたから」という理由が大きかったんです。自己決定ができていませんでした。

3. 大学時代〜自己決定の苦手さから、不安障害とうつ病を発症〜

大学では、1〜2年生のころはそれなりに「普通」に過ごせていました。しかし、大学3年生になってから、苦労することが増えたんです。

私はもともと、「算数障害や不安の傾向」とは別の話として、本やゲームやアニメや映画などについての空想が好きでした。

考えるソースがそちらに割かれていて、現実のことを考えていませんでした。大学進学について自己決定をしていなかったのも、これが関係します。

そして3年生になってからは、自己決定を求められる場面が増えていきました。

まずは、ゼミが始まったこと。最初に自己紹介を行うのですが、当時の私は自分について話すことが苦手でした。自己紹介用の簡単なスライド作成のために徹夜する日々でした。

次に、就職活動が始まったこと。就職活動が怖くて、社会に出るのも嫌で、課題にも集中できず、どんどん自分が嫌になっていきました。

そして最後に、卒業制作での挫折。自身の作品について「大人数の前でのプレゼン」をする必要があったのですが、それがどうしてもできませんでした。

そうした経緯の中で、不安障害とうつ病を発症しました。

大学は半年間休学することにして、治療を行いました。そして大学の相談室でのカウンセリングも受けつつ、復学後にはなんとか卒業できました。

大学の先生方は、「制作が進んでいなくても、顔を見せに来てくれればいいから」と親身に寄り添ってくれました。

自分の症状を正直に伝えたことが、理解とサポートに繋がったのだと思います。

話が前後しますが、算数障害の診断を受けたのは、数年後に病院を移った際のことです。

4. KBCとの出会いと学び〜一般就労に強いことで興味を持った。親しみやすい雰囲気に安心感〜

大学卒業後に、新卒での就職はしませんでした。就活もしていなかったんです。2年間、アルバイトをしながら生活していました。

そして、「もう少し自立できる働き方をしたい」と考え始めて、最初はサポステ(※)を利用しました。(※地域若者サポートステーション。厚生労働省が委託して行われる、就労をサポートするサービス)

そんな中、知人から「就労移行支援を利用して就職した」という話を聞いたんです。就労移行支援についてはそのとき初めて知って、「そんな場所があるんだ!」と驚き、興味を持ちました。

当時は、「障害者雇用で働きたい」と決めてはいませんでした。そこで、将来の可能性を広げるために、「一般就労にも強い事業所」を探したところ、KBCを見つけたんです。

見学に行ったところ、丁寧な説明と、スタッフの親しみやすい雰囲気に安心感を覚え、入所を決めました。

5. KBCでの学び〜スキルアップと不安の解消〜

KBCでは、自己理解、ビジネスシーン失敗回避術、ウェブライティング、コミュニケーション講座など、様々な講座を受講しました。

簿記の講座を受けるか迷った際には、スタッフに「計算が苦手」と正直に伝えたところ、「無理して受講する必要はない」とアドバイスをもらえたことが印象に残っています。

自分の苦手なことを避け、得意なことに集中できたので、効率よくスキルアップできました。

また、スタッフとの距離が近く、相談しやすい環境も大きな支えとなりました。

当時の私は、些細なことにも不安を覚えていました。スタッフと何かを話した後にも、「今の私の話、大丈夫でしたか?気に触ることありましたか?」などを聞いていたんです。

ただ、実際に仕事を始めたら、同僚や取引先にそういう確認はいちいちできないだろうとも思っていました。

そんな私に、スタッフは「練習台として使っていいですよ」「どんな話なら問題ないのかを判断できるように、練習してきましょう」と言ってくれました。

そのおかげで、安心して気持ちを預けることができました。そして実際に、「確認」は減っていきました。

また、「人の機嫌に左右されないように」というアドバイスも印象に残っています。不安を減らすとともに、自分の気持ちを大切にできるようになりました。

6. 資格取得で自信をつける〜勉強していなかった負い目もクリア〜

「あと半年くらいで、就活を開始」という時期に、資格取得に詳しいスタッフが横浜校に入社しました。

「これは、資格試験に挑むタイミングだ!」と思い、ある資格に挑戦することにしました。

私は、算数障害の関係もあって勉強がとても苦手でした。勉強から逃げていたと言ってもいいかもしれません。

また、私がチャレンジを決めた資格は、目指していた仕事とは全く関係ありません。

KBCのスタッフは、そんな私を応援して、サポートしてくれたんです。

まず、仕事に直接関係ない資格であっても「やってみよう」とサポートしてくれたことが嬉しかったです。

次に、サポートのおかげで、「その資格のための勉強」に限らず、頭に入るための学び方、苦手なことへの取り組み方、目標から逆算したスケジュールの立て方を学べました。

結果として、資格試験に合格。知識や勉強方法が身につき、「これまで勉強できていなかった」という負い目もクリアできました。

7. 初めての就職活動〜KBCのサポートがなかったら就職できなかった〜

KBCでの学びを経て、就職活動を開始しました。大学時代には就活を行っていなかったので、これが初めての就活です。

就活では、0から100までKBCにサポートしてもらいました。具体的には、履歴書や職務経歴書の作成、面接対策などですね。

「在宅勤務が可能な、障害者雇用」の求人を中心に探し、KBCで添削してもらった書類で応募しました。面接も何度も練習したので、本番も落ち着いて臨めました。

現在の会社は、横浜校に貼られていた「就職説明会の案内」のポスターから見つけました。

KBCの支援がなければ、今の会社に就職することはできなかったと思います。

8. 自分らしく働く日々〜理想的な働き方ができている〜

現在の仕事は、私にとって理想的な働き方です。

朝型なので、早く仕事を始めて早く終われるのが、体調に合っています。マルチタスクは大変ですが、様々な業務に挑戦できるので、毎日が充実しています。

「自分たちで主体的に動く」という社風も、大きな魅力です。

コミュニケーションやマニュアル作成など、様々な業務を任せてもらっています。大変なこともありますが、成長できる環境だと感じています。

もちろん、「無理しないでね」という言葉が飛び交い、互いを尊重する職場環境も、大切な要素です。

プロジェクトによっては、向いていないと感じたら抜けたり、スキルアップしたら他の人に交代したり。自分らしく働ける環境がここにはあります。

9. 同じように悩む人たちへ〜自分が楽に続けられる方法を見つけましょう〜

まず、無理をしないでほしいです。

私は、就職活動や仕事を通して、「どうすれば自分が楽に続けられるか」を考えることが大切だと学びました。つらい時は無理せず、動ける時に少しずつ進めば、きっと道は開けます。

もしあなたが、私と同じように生きづらさを感じているなら、一人で抱え込まず、KBCに相談してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたらしい未来への扉が開けるはずです。

相談予約 フォームで相談 LINE相談 資料無料DL 電話相談
LINEで
相談
フォームで
相談
資料
DL
相談
予約