二度の退職、うつ病を経て見つけた未来への扉〜一個人として向き合ってくれる職場に就職できた〜

矢島あかねさん(仮名、インタビュー時20代後半。画像は全てイメージです)
病気・特性など:うつ病、ADHD、ASD
KBC通所期間:約8か月(就職後も、KBCによる就労定着支援を受けています)
※掲載画像は全てイメージです
大学中退後に就職した職場で、人間関係によるストレスやうつ病などで2回の退職を経験した矢島あかねさん。
KBCと出会い、現在は会計系の会社で障害者雇用枠のフルタイム勤務としてデータ入力の仕事をしています。半年ごとの契約更新を経て、就業してから2年3か月が経ちました。
そんな矢島さんに診断されてからの流れやKBCへの率直な感想について語ってもらいました。
目次
学生時代から発達障害の特性による「違和感」はあった〜大学は中退〜
発達障害だと診断されたのは、後で述べる「うつ病の診断」の後のことです。しかし今振り返ってみると、学生時代から発達障害の特性はありました。
高校時代にはこだわりの強さや忘れ物の多さ、物を捨てられないといった特徴があり、心の奥では「何か自分は他の人と違うのではないか」と感じることが多々ありました。
私の高校はほとんど全員が大学に進学するところで、自分も周囲の流れに合わせて国公立大学に進学しました。
大学進学を機に地元を離れて新しい環境で一からやり直そうと思ったのですが、期待とは裏腹に孤独感や焦燥感が募り、学業への意欲を失いました。
結果的に大学を中退し、地元に戻って休養することになりました。
ストレスやプレッシャーから2回の退職。サポートを探し始める
その後、家のポストにチラシが入っていたことがきっかけとなり、当時はまだ珍しかった「ユニバーサル雇用制度(病気や障害などのために、働きたくても働けない人の就職をサポートする制度)」を利用。障害者雇用枠で、地元の食品会社で製造管理の仕事に就きました。
しかし、厳しい職場環境や人間関係のストレスによって、試用期間中に退職を余儀なくされました。
退職後は、ハローワークを通じて自動車部品の組み立て作業を行うアルバイトに就きました。コツコツとした単純作業が得意だったため、1年後には正社員として登用されました。
そして、業務量が増えるにつれてプレッシャーも大きくなり、親族経営特有の人間関係の難しさも重なり、うつ病を発症。心身ともに限界を迎え、退職を決意しました。
その頃、医師からADHDとASDの診断を受けました。障害者手帳2級の取得を経て、ようやく自分の特性を正確に理解し、適切なサポートを受ける道を探し始めました。
KBCとの出会い〜新しいスキルを学べる、オンラインで利用できる〜
就労移行支援の存在は、以前から知っていました。地元でも事業所を探したのですが、地元の事業所は学びよりも仕事紹介が中心でした。新しいスキルを学びたいと考えていた私が求めるものとは異なっていました。
そんな中、インターネットで見つけたのがキズキビジネスカレッジ(KBC)です。
地元から月に一度東京へ通う必要はありましたが、実用的なスキルを身に着けるための本格的なオンライン講座が充実していたため、チャンスだと考え、挑戦を決意しました。
KBCでスキルを身につけ、過去を前向きに受け止める〜「リモートならではの不便さ」はなかった〜
KBCに入所後は、色々な講座に参加しました。
エクセルの講座ではVBAの資格を取得し、業務に役立つスキルを身につけることができました。心理講座では自己理解を深め、過去の経験を前向きに受け止められるようになりました。
また、金曜日にやっていたコミュニケーション講座でのカードゲームでは他の利用者と自然に交流ができました。徐々にコミュニケーションもとれるようになり、精神的にも安定しました。
いわゆる学校の授業のようにスライドがあったり、対面で講座を受講している人ともコミュニケーションが取れたので、オンライン(リモート)ならではの使いにくさのようなものは全くなかったです。
また、「月に一度の、新宿校への通所」も、負担にはならず気分転換として楽しめました。講座の後には東京在住の友人と遊んだり、上野動物園を訪れたりと、リフレッシュする時間も大切にしていました。
KBCのサポートを受けて、安心して就職活動を行えた
就職活動では、KBCの履歴書の書き方や面接対策などのサポートに加え、障害者雇用専門のエージェント「フレミー」を利用しました。フレミーとKBCを併用することで、安心して活動を進めることができました。
私は心配性で、「これでいいのかな?」と不安になることが多い性格なんです。KBCの担当の方がいつも背中を押して励ましてくれたことで、自信を持って面接に挑めました。
また、KBCに任せっきりにするのではなく、働く練習の一つとして、自分でエントリー先を見つけることも大切にしていました。
一個人として向き合ってくれる就職先。給料も過去よりも上がった
そうして見つけた今回の就職先は、「正解」だったと感じています。
障害者雇用の面接では、「配慮」という壁を感じることが多かったんです。しかし、現在の会計系の会社では、障害者雇用枠でありながら一個人として向き合ってくれています。この辺りはKBCとも似ているなと感じています。
会社としては出社メインなのですが、配慮をいただきフルリモート勤務で就業しています。通勤のストレスから解放されたことで、仕事に集中できるようになりました。
給与も安定しており、障害年金の申請は必要ありませんでした。正直、地元の一般雇用で働いていた時より給料を多くもらっています(笑)。
一歩踏み出してみることが大切
現在はうつ病の症状は寛解し、日々の生活に充実感を感じています。
KBCの担当者との定着面談では、自分の働きぶりを客観的に振り返ることができ、さらなる成長への意欲と安心感を与えてくれています。
過去の私のように悩んでいる方へ伝えたいのは、「一歩踏み出してみることの大切さ」です。KBCでの学びや仲間との出会いが、私の人生を大きく変えてくれました。
きっと、あなたにも自分らしく輝ける場所が見つかるはずです。