統合失調症のある人が社会復帰をするコツ6選 復職・転職どちらも解説
こんにちは。就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。
統合失調症のあなたは、社会復帰(復職・転職など)を考えるにあたって、以下のような点に悩んでいませんか?
- そもそも統合失調症でも社会復帰はできるのか
- 社会復帰までにどういうステップを踏むべきか
- 現職と転職による仕事復帰のどちらがよいのか
以上のようなことは、統合失調症による社会復帰を検討中の人が抱きやすいお悩みかと思います。
もちろん、統合失調症からの社会復帰を考えるとき、「社会復帰」という言葉をどのように捉えるかは人により異なります。
しかし、多くの場合、「仕事に復帰すること」と認識されているのではないでしょうか。
実際、ネットでの検索結果を見る限り、社会復帰にあたって「仕事に戻るのは難しいのか」「仕事を続けられるのか」を気にされている人は多いです。
そこで今回は、統合失調症のある人が社会復帰をするためのコツを徹底解説いたします。
現職と転職、それぞれの場合に確認したいポイントの他に、ご家族に心掛けていただきたい点についても解説します。
統合失調症による社会復帰でお困りであれば、ぜひ読んでみてください。
私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、統合失調症のある人のための就労移行支援事業所です。
- 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
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神田・新宿・横浜・大阪に校舎があり、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。遠方の方は、日常的にはオンラインで受講しながら(※お住まいの自治体が認めた場合)、「月に1回、対面での面談」を行います。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。
目次
統合失調症からの社会復帰は可能
先に結論から伝えますと、統合失調症から仕事に復帰することは充分可能です。
ただし、「しかるべき治療と休養を経て、統合失調症の病状が安定してから(=主治医が『就労できる』と判断してから)」という条件が必須になります。
病状が安定しないうちに仕事復帰をして、再度心身の調子を崩す人は少なくありません。
何よりもまず医師の指示に従い、焦らずに、統合失調症の回復に努めましょう。
また、自己判断で薬の服用を怠ったり、断薬したりしないことも大切です。
それらを踏まえた上で、認知機能障害を緩和するためのリハビリを行い、業務を遂行するだけの能力がある程度、回復した段階で、仕事復帰を考えるのが妥当でしょう。
また、既にリハビリも進んで仕事復帰を考えているなら、「現職に留まるか、転職するか」という点で悩むことが多いかと思われます。
現職と転職のどちらがよいかは、その人の特性や状況によって変わってくるため、一概には言えません。
しかし、一般的には、統合失調症の発症のきっかけが明確に「仕事によるストレス・過労」ではなく、なおかつ業態や職場の雰囲気が自分に合っていると感じているのであれば、現職に留まった方がよいと考えられます。
反対に、統合失調症の誘因として、現職でのストレス・過労が明らかに認められる場合や、業務遂行上、薬の副作用で忌避される行動(車の運転や危険物の取り扱いなど)がどうしても求められる場合には、転職をした方がよいかもしれません。
専門家やご家族の力を借りながら、時間をかけて、あなたにとって無理のない社会復帰の方法を探していくようにしましょう。
統合失調症のある人が社会復帰をするコツ6選
ここからは具体的に、社会復帰をするためのコツを紹介します。
まず前提として、統合失調症のある人が社会復帰をするためには、定期的に医師の診断を受けること、適度に心身を休めることが大切です。
復帰を焦らず、困ったときには主治医を頼る姿勢を忘れないようにしましょう。
その上で、心身を休めることを心がけましょう。
その点に留意して、以下のコツを実践してみてください。(参考:白石弘巳『患者のための最新医学 統合失調症 正しい理解とケア』)
コツ①薬を忘れずに飲む・断薬しない
まずは、「薬を忘れずに飲む・断薬しない」ことを徹底しましょう。
先述したように、統合失調症では薬物療法を続けることが前提となります。
怠薬したり、自己判断で断薬したりすると、幻聴や妄想など、症状がぶり返す恐れがあります。
社会復帰以前に、日常生活に支障が出る可能性がありますので、処方された薬は忘れずに飲むようにしましょう。
もし、処方薬が体質的に合わなかったり、副作用が大きくてつらかったりする場合は、その旨を医師に相談することが大切です。
治療薬を切り替えるときは、主治医に相談をした上で、しっかりと様子を見ながら、慎重に変えていくという意識を持ちましょう。
コツ②定期的にカウンセリングを受ける
専門のカウンセラーによる定期的なカウンセリングを受けましょう。
治療中の人の中には、医師による診察と薬の処方のみで、臨床心理士などのカウンセリングを受けていないこともあるかと思います。
そういう人は、専門のカウンセラーによる定期的なカウンセリングを受けるのも有効です。
カウンセラーは、医師の診察では拾いきれなかった日常の細かな心配ごとやストレス、社会復帰後の不安などを聞き取ります。
もし、認知や思考に偏りがある場合には、それとなく本人が自覚して修正できるようにアドバイスを得られます。
また、経過観察を続けることで、症状に変化が現れたときに気付いてもらいやすくなりますので、よりあなたの状況に合った示唆や助言を得られるようになるという利点もあります。
コツ③支援機関に相談・通所する
支援機関に相談・通所しましょう。
公・民を問わず、統合失調症(などの精神的な病気)のある人の社会復帰をサポートしている支援機関は多数あります。
例えば、各都道府県に設置されている「精神保健福祉センター」では、統合失調症に限らず、精神疾患のある人の日常生活から仕事のことまで、幅広く相談できます。
また、治療が進んで具体的に復職を考える段階に入っているのであれば、「障害者就業・生活センター」で就労に関するアドバイスをもらうのもよいでしょう。
もちろん、「ハローワーク」で実践的な労働習慣の習得を目標とする「職場準備支援」などを受けるのも、一つの手段です。
その他、障害者総合支援法に基づいて福祉サービスを提供している「就労移行支援事業所」では、日常生活のアドバイスから仕事に役立つ専門スキルの指導まで、最低0円からサービスを受けられます。
就労移行支援事業所に継続的に通うことは、以下の項目で述べる「生活リズム」の形成に役立つ点でもオススメです。
「どの支援機関が適しているか分からない」という人は、お住いの市区町村役場の障害福祉担当課が窓口になっている場合が多いため、一度相談してみてください。
- 厚生労働省「就労移行支援事業」
コツ④生活リズムを整える
生活リズムを整えることもコツのひとつです。
「起床や就寝の時間をできるだけ決める」「食事は3食きちんと取る」など、生活リズムを整えることが社会復帰の第一歩です。
特に、睡眠時間を安定させることは、ストレスからの回復を促すだけでなく、再発予防にもつながります。
可能であれば、日中に外に出て陽を浴びるなど、昼夜を意識した生活を送るようにしましょう。
コツ⑤適度な運動をする
適度な運動をすることも大切です。
ご自宅や近所などでできる範囲で構いませんので、散歩やスクワットなどの軽い運動をしましょう。
これは、認知機能障害を軽減するリハビリテーションの一環です。
例えば、実際に仕事復帰をすることになると、業務量が少なくなるように配慮が得られるかもしれません。
しかし、そうした配慮があったとしても、久しぶりの業務では、体力が保たない可能性があります。
そのため、回復期の人だけでなく、寛解期の人も、定期的な運動をして体力の向上に努めることが肝要です。
ただし、無理をすると心身の調子を崩してしまう恐れもあります。
あくまでも可能な範囲で、適度な運動を習慣にすることを心掛けてください。
コツ⑥現職での問題点を洗い出す
最後のコツは、現職での問題点を洗い出すことです。
統合失調症の発症前から現職での業務内容や働き方に問題があった場合はもちろん、発症したことで新たに生じた懸念があるかと思います。
そうした問題点を知ることは、現職に留まるにせよ、転職するにせよ、あなたが無理なく働ける環境を整える上で、大きなポイントになってきます。
例えば、「頻繁な出張がストレスになっていなかったか」「繁閑の差が激しくて生活リズムが乱れやすい働き方をしていなかったか」「対人業務に不安を覚えていないか」など、現職であなたが苦手に感じている点を、思い出すのがつらくならない範囲で確認してみてください。
また、カウンセラーや支援機関の支援員にも、このような問題点を共有することで、あなたが気付かなかった問題点について、アドバイスを得られる場合もあります。
そのため、周囲の助力を得ながら、問題点を検討するようにしましょう。
統合失調症のある人が現職に復職して社会復帰するときのポイント
統合失調症のある人が実際に現職に復職して社会復帰するときのポイントとは、何でしょうか?
前提として、主治医からの就労許可が降りている必要があります。
これは、大抵の企業が復職の条件として、「専門医による復職可能の診断書の提出を求めているから」というのもあります。
現職に復帰するときは、診断書を発行してもらった上で、「上司や人事担当者と業務量や業務内容についてよく相談する」ことが大切です。
現職の問題点を活用しながら、復職直後だけでなく、その後も長く働き続けるために必要と思われる配慮などがあれば、余さず打ち明けた方がよいかと思います。
特に、統合失調症のある人は、異動や配置転換といった予期しない変化に弱い傾向にあることが知られていますので、そういった点はしっかり伝えておくようにしましょう。
もし自分の口から話すのは抵抗があるという場合には、人事や総務を通して、お勤め先にいる「産業医」に相談したり、就労移行支援事業所などの支援機関の担当者に、間に入ってもらったりするのも有効です。
復職までの過程で体調が悪化するようであれば無理をせず、医師に判断を仰ぎながら慎重に調整を進めましょう。
統合失調症のある人が転職活動をして社会復帰するときのポイント
統合失調症のある人が実際に転職活動をして社会復帰するときのポイントとは、何でしょうか?
最初にオススメしたいのは、仕事や就職関係のノウハウ・指導実績が豊富な支援機関や、統合失調症のある人の就職活動を手助けした実績のある転職エージェントなどを頼ることです。
特に、先述した「就労移行支援事業所」では、履歴書の添削や面接指導だけでなく、具体的な就職先を探す手伝いや、インターン先の紹介といった福祉サービスも提供しています。
事業所によっては、精神保健福祉士や社会福祉士など、統合失調症に理解のある専門員がメンタル面での相談にも乗っているため、安心して転職活動を進めることができるしょう。
また、就労移行支援事業所の中には、「就労定着支援」という職場定着のサポートを実施しているところもあります。
2017年の障害者職業総合センターの調査によれば、定着支援を受けた精神障害者の1年後の職場定着率が「73.2%」に対し、受けなかった人たちの職場定着率は「52.6%」と、「20%以上」もの差が出ています。(参考:障害者職業総合センター『障害者の就職状況等に関する調査研究』)
そのため、転職活動での社会復帰を目指している人は、定着支援を受けることで長く働きやすくなるかと思います。
その他、統合失調症のある人の転職活動では、「就労枠を見直す」ことも大きなポイントです。
働き方を病気や障害という観点で考えたとき、求人(雇用枠)には、「障害者枠」と「一般枠」の2種類があるのです。
「障害者枠」というのは、文字どおり、(ある一定の)病気や障害を抱える人たちのための雇用制度で、職場や業務内容について、病気・障害に対する配慮がなされます。
「一般枠」というのは、「障害者枠」ではない雇用のことです。
もし、現職が「一般枠」での雇用なら、精神障害者保健福祉手帳を取得して、「障害者枠」で転職するのも一つの方法です。
障害者枠では、統合失調症の症状に応じて、業務内容や業務量を調整してもらえるなど、特別な配慮を受けることが可能なため、一般枠に比べて働きやすくなるかと思います。
また、体調に合わせて休憩時間を設けたり、薬の服用の時間を考慮してもらえたりする点も、統合失調症のある人には大きなメリットになるでしょう。
ただし、配慮を受けている分、一般枠での雇用に比べて、給与や待遇、キャリア面での希望が叶いづらくなることもあります。
就労移行支援事業所には、「どちらの雇用枠が向いているか」「障害者枠での転職時に気をつけるべき点はなにか」といった専門的な相談にも応じられる支援員がいるため、気になるなら尋ねてみるとよいでしょう。
なお、実際に転職先を探すときには、マイペースにできる職種・職場がオススメです。
具体的には、不意の変化や外部からの影響に戸惑うことがない職種を探すとよいでしょう。
また、職場については、勤務時間の変更がしやすいなど、労働者の目から見て「融通の利く制度が整っている」ところであれば、比較的無理なく働き続けることができるでしょう。
統合失調症のある人のご家族が社会復帰に向けて意識したいこと3点
統合失調症のある人のご家族が、社会復帰に向けて意識したいことを3つご紹介します。
統合失調症のある人には、ご家族の協力も重要です。
しかしもちろん、ご家族だけで抱え込む必要はありません。
折に触れて専門家の意見を聞くことも忘れないようにしてください。
周囲の専門家を適切に頼ることを意識して、以下に解説する点を意識するようにしましょう。(参考:糸川昌成『統合失調症スペクトラムがよくわかる本』)
意識すること①共感して寄り添う姿勢を持つ
まず「共感して寄り添う姿勢を持つ」ことが大切です。
統合失調症のある人は、家族に妄想を話すことが少なくありません。
しかし、どれだけ現実的と思われないことを聞かされても、「そんなわけはない」と否定したり、「またその話か」と聞き流したりすると、本人は「拒否された」と感じて、心を閉ざします。
そのため、内容の真偽を問うことはせず、本人が妄想によって感じている恐怖や不安感を認めて、そのつらさに寄り添うことが大切です。
「そうなんだね、それはつらいね」「そんなに怖い思いをしているなんて大変だね」などのような言葉を上手に用いながら、「共感して寄り添う姿勢を持つ」ことを意識しましょう。
意識すること②ぼうっとしているときは見守る
2つ目は「ぼうっとしているときは見守る」です。
統合失調症の陰性症状(意欲低下や無気力など)が強く現れている時期は、元気がなく、ぼうっとした状態になる時間が多くなります。
これは統合失調症を自覚するとともに、陽性症状で枯渇したエネルギーを蓄えているためでもあります。
それゆえ、ご家族が構いすぎたり、叱咤激励したりすることが、本人にとってプレッシャーになる場合があります。
ご家族の人でも社会復帰を期待したり、焦ったりする気持ちもあるかもしれませんが、ぼうっとしているときはそっと見守ることが、回復のために大切です。
意識すること③家族教室で統合失調症の理解を深める
最後は「家族教室で統合失調症の理解を深める」です。
家族教室とは、医療機関の他に、地域の保健所や保健センターなどで実施されている、病気を理解するための講習会です。
講習は、医師や看護師、医療スタッフといった専門家によって行われ、統合失調症のある人とのコミュニケーションの取り方などを学ぶことができます。
プログラムによっては参加している家族同士での交流の場が設けられているため、同じ悩みを抱える家族の話を聞いて共感できたり、安心感を得たりすることができます。
勉強した内容は、実際に家族の統合失調症のある人と接するときに役立つはずです。
参加したい場合は、通院している病院や、地域の保健福祉担当課が窓口になっていますので、まずは問い合わせてみるとよいでしょう。
改めて、統合失調症とは?
この章では、改めて、統合失調症の概要、主な症状、発症後の経過、治療法をご紹介します。
既にご存知かもしれませんが、これまでに紹介した内容の理解も深まると思いますので、ぜひご覧ください。 (参考:こころの情報サイト『統合失調症』、村井俊哉『統合失調症』、功刀浩『読めば気持ちがす~っと軽くなる 本人・家族に優しい統合失調症のお話』)
①統合失調症の概要
統合失調症とは、思考、知覚、感情、言語などの脳の様々な働きをまとめることが難しくなるために、妄想や幻覚といった症状が生じる精神障害です。
以前は「精神分裂病」という病名で知られていましたが、2002年に「統合失調症」という名称が使われはじめ、現在に至ります。
統合失調症は、およそ100人に1人の割合で発症するとされるため、決して珍しい病気ではありません。
また、統合失調症は若い世代に多く見られます。
発症のピークは20代、次いで10代、30代、40代と続きます。
現時点では、統合失調症の原因は解明されていません。
②統合失調症の主な症状
統合失調症の症状は、後述する経過に沿って、主に4つに分けられます。
- 不安、不眠などの抑うつ的症状
- 軽度の意欲低下や無気力
- 幻覚(主に幻聴)
- 妄想(主に被害妄想)
- まとまりのない会話
- 強い苛立ち、興奮
- 意欲低下や無気力
- 感情の鈍麻
- 表情が平板になる
- 引きこもり、無関心
- 思考の減衰
- 記憶、思考、理解、計算、学習、注意、集中、判断、解決、問題解決といった知的能力に障害が生じる
統合失調症の症状として特に目立つのは、陽性症状と陰性症状です。
症状にあわせて、具体的には以下のような行動が見られます。
- 落ちつきなくうろつく
- ぶつぶつと独りごとを言う
- 光や音に過敏になる
- 注意散漫になり、会話内容などを思いだせない
- 盗聴器が仕掛けられているなどと訴える
- ベッドに寝たきりのままでいることが増える
- 外見や身だしなみに気を払わなくなる
- 喜怒哀楽の感情表現がなくなる
- 何に対しても無関心になる
③統合失調症の経過
統合失調症からの社会復帰を考える上では、医師の診断を聞きながら、ご自身が統合失調症のどの段階にあるかという「経過」を理解することが重要になります。
先述した4種の症状は、基本的には以下の経過に沿うかたちで見られると考えられています。
- 前駆期:発症数年前、前駆期症状が見られる
- 急性期:発症数週間~数ヶ月、陽性症状が多く見られる
- 消耗期:発症数ヶ月~数年、陰性症状が多く見られる
- 回復期:発症数年以後、認知機能障害が多く見られる
- 寛解期:発症数年以後、症状の落ちつきが見られる
以上の期間はあくまでも目安ですので、個人差があります。
主治医の判断にもよりますが、社会復帰を具体的に考えるタイミングとしては、基本的には寛解期に至ってからになるでしょう。
寛解期までは、症状の揺り戻しを繰りかえしつつ、ときには10年以上に渡る療養生活を経て、落ちついた日常生活を送れるようになります。
④統合失調症の3つの治療法
統合失調症の治療法としては、以下の3つが挙げられます。
- 薬物療法
- 精神療法
- リハビリテーション
この中で基本となるのが、精神科の先生から処方される抗精神病薬による薬物療法です。
特に、急性期の陽性症状は、抗精神病薬である程度、抑えることがあります。
再発防止の効果もありますので、医師から減薬を提案されるまでは、処方通りに飲み続け、独自の判断で通院、服薬をやめることがないようにしましょう。
精神療法とは、臨床心理士などとのカウンセリングを通じて考えを整理したり、物事を判断したりするときの癖や思い込みを修正していく治療法です。
リハビリテーションとは、認知機能や日常生活、仕事をしていく能力を回復させるための行動や訓練を言い、仕事に復帰する上では特に重要になってきます。
リハビリテーションの場としては、自宅以外にも、デイケアや地域活動支援センターなどがあります。
まとめると、統合失調症の治療は、薬物療法を中心として、精神療法やリハビリテーションを組み合わせていくことになります。
まとめ:統合失調症があっても、社会復帰は可能です
統合失調症の症状から、社会復帰をするためのコツ、転職活動のポイント、ご家族ができることまでを解説してきましたが、新しいステップを踏みだすのに役立ちそうな情報はありましたか?
繰り返しにはなりますが、社会復帰を考えている人は、まずは医師の診断を受けて、自己判断で薬の服用をやめたりしないことが大切です。
その上で、焦らずに統合失調症からの回復に努めましょう。
社会復帰を具体的に考えるのは、就労を検討しても問題ないという医師からの判断が下りてからにするのが賢明です。
社会復帰への準備を進めていく段階では、一人で抱え込まずに、ぜひご家族などの身近な人や、支援機関の支援員を頼るようにしましょう。
適切な順序を辿れば、社会復帰は充分可能ですので、安心して準備を進めていってください。
監修キズキ代表 安田祐輔
発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2024年10月現在11校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2024年10月現在6校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
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