適応障害で仕事がつらいあなたへ 出やすい症状や対応法について解説

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)です。

仕事に打ち込んでいたのに突如として不調になり、病院を受診したら、適応障害と診断された人もいるのではないでしょうか。

仕事を頑張ろうとしても、思うように出勤できなかったり、職場・仕事に対して恐怖心が生じたりして「どうすればよいのだろう」と悩んでいる人もいるかもしれません。

適応障害のある人が「仕事がつらい」と感じるのは、決して、甘えによるものではありません。

恐怖心・不安感・無気力感などは適応障害による症状の一つであり、きちんと治療に取り組むことで、再び仕事で貢献できるようになります。

このコラムでは、適応障害のある人が優先してすべきことや、出やすい症状、向いてる仕事などについて解説します。あわせて、利用できる支援を紹介します。

適応障害の症状に悩みながらも「仕事を頑張りたい」と思っている人は、ぜひご覧ください。

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適応障害で仕事がつらいのは甘えではありません

適応障害は、何らかのストレスが原因となって心身のバランスが崩れ、さまざまな症状が出る障害です。

仕事、学校、家庭、恋愛、性格など、さまざまな要素が関わることで、誰でも発症する可能性があります。

適応障害の症状が出ると、対人関係や仕事に影響が出ます。例えば、自己否定感や不安感は主な症状の一つです。

そのため、発症後に「仕事がつらい」と感じるのは、決して甘えや気持ちのたるみから来るものではないといえるでしょう。

適応障害は、特に以下のような人がなりやすい傾向にあります。

  • まじめで、責任感が強く、業務や悩みを抱え込みやすい人
  • 繊細で、傷つきやすい人
  • ストレスへの耐性が高くない人
  • 他人からの頼みごとを断るのが苦手で、必要以上に頑張りがちな人

適応障害はストレスが原因となることから、なかには「うつ病と似ている」と思う人もいるかもしれません。

うつ病との大きな違いは、適応障害はストレスの原因が明確であり、対象から距離を置くことで症状が改善に向かうことが多いという点にあります。

いま「仕事がつらい」と感じていても、きちんと休んで距離を置くことで症状が改善し、再び働けるようになるでしょう。

適応障害については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

適応障害で出やすい症状

この章では、適応障害で出やすい症状について解説します。

症状①「ミスばかり」と自己否定する

適応障害の主な症状の一つに、抑うつ気分があります。抑うつ気分のある状態では、思考力や集中力が低下したり、自己評価が低くなったりします。

その状態で今までどおりに仕事をしようと頑張っても、ミスが増え、さらに自己否定感が強まる場合もあるでしょう。

もし今「ミスばかりしていて、自分はどうしようもない人間だ」と悩んでいても、治療に取り組んで適切な職場を見つければ、再び仕事で貢献できるようになります。

一度、きちんと休んで回復に努めることが大切です。

症状②仕事や職場への恐怖心・不安感

適応障害によって、仕事や上司、職場そのものに対して恐怖心や不安感が生じることもあります。なかには、強い抵抗感を抱き、出社できなくなる人もいます。

このようなケースでは、配置転換や転職など、職場を変える必要性もあるでしょう。

今、仕事や職場に関して恐怖心があり「出社できない」と感じていても、今後も仕事ができなくなるわけではありません。

適応障害のある人で、仕事環境を調整し、復職を叶えた事例もあります。自分自身が無理をせず、負担を抱えずに働ける場所を見つけることが大切です。(参考:こころの耳「専門職として就職したものの事業撤退により専門外の仕事に従事したため休職に至った新入社員の事例」

症状③やる気の喪失や無気力感

適応障害によって抑うつ気分が生じ、以下のような悩みを抱く人も少なくありません。

  • 仕事に行かなくてはならないのに、朝、起きられない
  • やる気や気力が出ず、職場でのコミュニケーションに支障が生じる
  • 無気力感があり、仕事に打ち込めない。積極的に働けない

憂うつな気分が強く、何もする気が起きないときには、治療を優先させましょう。

薬物療法で改善を目指せる場合もあるため、症状を無視して、無理を続けないことが大切です。

症状④涙が出る

仕事中や在宅時など、涙が出るケースも多く見られます。

なかには、不眠症状で眠れずにベッドで泣き明かす人や、仕事中に涙が出て止まらなくなる人もいます。

突然涙が出て止まらなくなるのは、抑うつ気分が深まり、心が限界を迎えているサインです。そのまま頑張り続けようとせずに、医師に相談し、治療に専念しましょう。

症状⑤身体症状

適応障害では、精神的な症状だけでなく、以下のような身体症状が出る場合もあります。

  • 不眠
  • 腹痛や吐き気
  • 食欲不振
  • 頭痛
  • 疲労感、だるさ

身体症状が強まると、思うように出社できなくなる場合があります。

無理をして出社しても、身体症状によって業務に集中できず、ミスが増えて自己否定につながるケースも想定できるでしょう。

適応障害の症状は、人によってさまざまです。しかし、いずれの場合でも、ひとりで抱え込まずに主治医や上司などと相談し、症状を放置しないことが大切です。

仕事環境を整えたり治療を優先させたりすることで、無理をせずに済むようになる可能性もあります。

まずは一度立ち止まって、状況や症状などを振り返り、今後の対応方法について考えてみましょう。

適応障害で悩んだらするべき5つの対応

この章では、適応障害で悩んだらするべき5つの対応について解説します。

対応①医療機関を受診して相談する

適応障害で悩んでいるときには、医療機関を受診しましょう。

まずは医師による治療を受けるとともに、適切な対応をとることが必要です。まだ受診や診断をされていない人は、精神科や心療内科で相談してください。

職場に産業医がいる場合には、産業医に相談するという方法もあります。

産業医とは、労働者の健康管理に関して専門的な立場から助言や指導を行う医師のことです。

産業医は労働安全衛生法に基づいて、常時50人以上の労働者を使用する事業所に1人以上、3000人超の事業所では2人以上が配置されています。(参考:厚生労働省「産業医について」

産業医の診察に際して、料金は発生しません。また、中立的な立場から相談を聴いてもらえるため、面談の結果が給与査定や昇進に響くこともありません。

一方、すでに医療機関を受診している人は、主治医の指示に従うようにしましょう。

あなたの調子次第では、転職活動などをする前に休職を提案されるかもしれません。最終的に退職・転職を決めるのはあなた自身ですが、医師の意見は必ず参考にしましょう。

対応②診断書の内容や主治医の意見を伝える

主治医から診断されると、治療が始まります。状況によっては、診断書が発行されて休職を促される場合もあります。

その際は、主治医の意見や診断書の内容を上司へ伝え、必要な対応を検討しましょう。

例えば「休職と加療の必要性がある」とする診断書が出されれば、繁忙期や人手不足の状況下でも、休職する必要性があります。

一方で、診断書がなく、出勤ができて、業務量や内容を調整すれば問題なく働ける場合には、フォローを受けながらであればそのまま仕事を続けられるかもしれません。

状況や症状の程度を踏まえ、無理なく働ける方法を探りましょう。

もし人手不足で「休めない」と感じても、主治医の指示があった場合にはきちんと守り、休養することが大切です。

対応③休職して治療に専念する

診断書で加療が必要と判断されたときや、通常どおりの勤務が難しいと感じる場合には、休職して治療と回復に専念する必要があります。

適応障害は、ストレスの原因から離れることで症状の改善を期待できます。

一時でも距離を置くとともに、適切な治療を受けることが大切です。以下のように、休職するメリットはほかにもあります。無理をせず、休職を検討しておくとよいでしょう。

  • 休養に専念できる
  • 転職に向けた準備ができる
  • 休職者限定の支援を受けられる
  • 症状が落ち着けば、休職中に転職活動を行うこともできる
  • 職場によっては、満額ではなくとも給与を受け取れる

休職期間を挟むことで、症状に悩まされずに、今後のことを考える時間を得られます。

仕事から離れられれば、冷静に状況を整理し、最適な選択肢を見つけやすくなるでしょう。

さらに休職中は、リワーク・プログラムなどの休職者限定の支援を利用できる可能性があります。

リワーク・プログラムとは、精神疾患が原因で休職している人を対象とする、復職・再就職・転職に向けたリハビリテーションのことです。

リワークについては、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

対応④復職を検討する

休職期間中に、適応障害の原因となったストレスの正体を探り、対応方法を考えておきましょう。

症状が回復して復職を検討する段階になったら、どのような配慮・調整が必要かを明確にし、上司に伝える必要があります。

適応障害の原因が残ったままでは、再発のリスクがあるためです。業務の量や内容の調整だけでなく、必要に応じて部署の異動を相談することも含めて検討しましょう。

主治医から復職可の診断書が発行され、産業医・上司などとの面談でも問題ないことが確認されたら、復職に向けて準備を始めましょう。

適応障害を経験した人の再発防止策については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

対応⑤退職・転職を検討する

「もとの職場に戻るのが怖い」「今の仕事は向いてなかった」など、復職が難しいと感じた場合には、転職も検討しましょう。

業務や職場そのものがストレスとなっている場合には、寛解して復職しても、再発リスクがあるためです。

しかし、適応障害のある人が転職するには、十分な準備が必要です。例えば以下のポイントを踏まえて、適した転職先の条件を探る必要があるでしょう。

  • 自身が何にストレスを感じやすいか
  • 業務内容が合うか
  • 勤務形態が柔軟で、不調なときにも対応できそうか(フレックス制、リモート勤務など)
  • 職場環境が合うか(通勤環境、通勤時間、社風、就労環境など)
  • 福利厚生が手厚いか(有給休暇を取得しやすいか、メンタルヘルスにまつわる研修があるかなど)

適応障害のある人が退職前後にすべき対応については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

適応障害で仕事を休んでいる間に利用できるお金の支援

適応障害のある人が利用できる主な支援制度は、以下の7つです。

  • 傷病手当金
  • 失業保険(失業手当、雇用保険給付)
  • 自立支援医療制度
  • 障害者手帳
  • 障害年金
  • 労災保険(労働が原因の疾病の場合)
  • 生活保護

適応障害のある人が利用できる支援制度について、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

特に、適応障害のある人が生活保護を利用する方法について、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

適応障害のある人に向いてる仕事

適応障害のある人や適応障害を経験した人に向いてる仕事の特徴は、以下の5つです。

  • 時間の制約が少なく、マイペースにできる
  • 職場環境で業務が左右されない
  • 業務が定型化されており、不確定な要素が少ない
  • 周囲との緊密なコミュニケーションを求められない
  • 休みの日数が多く、有給休暇も取得しやすい

適応障害のある人や適応障害を経験した人も、適した内容・環境の仕事を選ぶことで、活き活きと働けるようになります。

業務内容が頻繁に変わるとストレスを感じやすい人は、定型化された仕事であれば続けやすい可能性が高いでしょう。

また、職場との不一致が大きく、ゆとりがほしい人は、自由度の高い仕事が向いてると考えられます。

加えて、適応障害のある人には、以下の働き方・職場環境も向いてると考えられます。無理をせず、自分に合った環境で働けるため、続けやすいでしょう。

  • フリーランス
  • フレックス制での勤務
  • テレワーク主体の勤務

以上の特徴を踏まえると、適応障害のある人に向いてる可能性が高い仕事は以下のとおりです。

  • 公的機関の事務職
  • データ入力管理業務
  • 専門知識を活かした資格職
  • 工場のライン担当
  • 警備員
  • 清掃員
  • 受付事務
  • ガス・電気などの検針員
  • 接客・調理などをするファーストフード店の店員
  • 郵便・新聞や配達員
  • レジ・品出しなどをするスーパーの店員
  • Webライター
  • Webデザイナー
  • ノルマがなくきつくない、歩合制の営業職
  • ドライバー
  • 翻訳家
  • デイトレーダー
  • アフィリエイター
  • 音源・動画などのクリエイター

ただし、仕事の向き不向きは個人差が大きく、職場ごとの状況にも影響されます。

ここまでの内容はあくまでも一般論であり、一つの例として参考にしていただければと思います。性格や特性を基に、あなたに合った仕事を判断するようにしましょう。

仕事探しで悩んだときには、就労移行支援事業所などの支援機関や専門家に相談するとスムーズです。

彼らは、性格や特性に合った職種を提案してサポートできます。向いてる仕事がわからないときや、転職先選びで後悔したくないと悩むときには、一度相談してみることをオススメします。

適応障害のある人の仕事の探し方

仕事探しをするときには、専門家と相談しながら進めると、向いてる仕事を見つけやすくなります。相談することで、心の不調を緩和する効果を期待できます。

適応障害のある人が頼れる相談先は、主治医以外にもたくさんあります。適応障害のある人が、仕事について相談できる主な支援機関は、以下の7つです。

  • 就労移行支援事業所
  • 精神保健福祉センター
  • 地域障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 基幹相談支援センター
  • ハローワーク(公共職業安定所)
  • 転職エージェント

適応障害のある人が利用できる支援機関について、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

適応障害のある人には、複数ある支援機関のなかでも、特に就労移行支援事業所がオススメです。

就労移行支援事業所は、病気や障害のある人を対象として、就職のサポートをする支援機関です。

体調管理の方法、職場でのコミュニケーションの基礎スキル、就職に必要な専門スキルなどを学べるほか、実際の就職活動でのアドバイス、就職後の職場定着支援も含む、総合的な就労支援を受けられます。

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。実際のサービスは、国の基準を満たしたさまざまな民間の就労移行支援事業所が行います。(参考:e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

就労移行支援事業所は各地にあります。私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです。就労移行支援事業所はそれぞれ特徴が異なるため、気になるところがあれば問い合わせてみてください。

就労移行支援事業所については、以下のコラムで解説しています。ぜひご覧ください。

関連動画:【どん底パパの再就職のストーリー】40歳・4児の父 末っ子が産まれて2ヶ月で適応障害・無職に。|キズキビジネスカレッジ卒業生インタビュー

キズキビジネスカレッジ(KBC)では、適応障害から再就職を果たした元利用者のインタビュー動画を公開しております。

ぜひ、ご覧ください。

まとめ:適応障害をきっかけに、自分らしい働き方を見つけましょう

適応障害と診断され、「仕事がつらい」と感じるときには、治療と休養が必要です。

我慢をし続けるのではなく、医療機関を受診して、医師の判断を仰ぎましょう。

診断書が発行されたときには、職場の状況ではなくあなた自身を優先し、きちんと休職することが大切です。

適応障害と診断されても、仕事内容や職場を変えることで、再び仕事で貢献できる可能性があります。診断が出ることは、自分らしい働き方を見つけるよい機会ともいえるでしょう。

このコラムをご覧のあなたが、無理をせずに働けるようになることを願っています。

よくある質問(1)

適応障害で出やすい症状を教えてください。

以下が考えられます。

  • ミスばかり」と自己否定する
  • 仕事や職場への恐怖心・不安感
  • やる気の喪失や無気力感
  • 涙が出る
  • 身体症状

詳細については、こちらで解説しています。

よくある質問(2)

適応障害で悩んだらするべき対応はありますか?

以下が考えられます。

  • 医療機関を受診して相談する
  • 診断書の内容や主治医の意見を伝える
  • 休職して治療に専念する
  • 復職を検討する
  • 退職・転職を検討する

詳細については、こちらで解説しています。

監修キズキ代表 安田祐輔

キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2025年6月現在17校+オンライン校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2025年9月現在9校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。2025年9月現在、首都圏・関西に9校舎を展開しています。トップページはこちら→

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