自虐ネタで幸せになれない、ふたつの理由

連載「仮説なんですが…」vol.52

 子どものころからテレビがきらいだった。とくに、テレビ好きな家族と食事をいっしょにとるときなんかは、観ざるをえなくて、すごくイヤだった。

 「食事のときはテレビを消しましょう」というプリントが学校で配られたとき、「そんなことってあるんだ!」とおどろいて、そのプリントを家族に見せ、テレビを消そうと提案したこともあった。もちろん却下されたけれど。

 テレビ番組のなかでも一番イヤだったのは、親が観ているバラエティ番組だった。今でこそ、批判されて減ってきていると思うが、人の外見をはじめとした特徴を「イジる」ことで笑いを取ることが、とても不愉快だったのだ。 

 「それなら、自分で自分の要素をバカにするのならいいではないか」とある人は言うかもしれない。私も最近までそう思っていた。いわゆる「自虐ネタ」ならOKじゃないか、と。でも、「やっぱりちがう」と考えをあらためた。自虐ネタでは誰も幸せになれない。そう考えた理由は、2つある。

【連載】仮説なんですが
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