ひきこもり当事者の居場所、オンライン開催で感じる問題点

連載「居場所の現在地」第2回

 コロナ禍の当初、オンライン飲み会が一時期流行ったが、徐々に下火になり、今ではあまり開催されなくなった。それはきっと「心地よくない」からだろう。

 私は一般社団法人ひきこもりUX会議の理事のほかに、当事者発信メディア『ひきポス』の編集長としても活動している。コロナ禍以前は、月に一度、執筆陣で公民館に集まり、特集の方向性、座談会、生きづらさ問題について話し合う編集会議を行なっていた。そこにコロナ禍が訪れ、編集会議はオンラインで開催することとなった。

 一言で言えば、オンラインはむずかしい。まず物理的な点で言えば、回線状況がそれぞれちがうので、会話のタイミングが対面で行なわれるのとくらべるとズレが生じやすい。同時に話し始めたり、リアクションが遅れたりというだけで、会話の心地よさが削がれる。また、雑音が入ったりするので、発言者以外は基本的に音を出さないようにしている。なので発言への反応がわからず、対面のときにあったような「場の盛り上がり」のようなものが生まれにくい。

 とくに編集会議は20人前後で行なっているので、よりそれがむずかしくなっている。また、対面のときの休憩時間はいろいろな人と語るよい機会であったが、オンラインでの休憩時間は各人がひとりで取るので、つながりが持ちにくい。

【連載】居場所の現在地
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