ひきこもり当事者の居場所。対面での開催にこだわり続ける理由

連載「居場所の現在地」第3回

 コロナ禍における緊急事態宣言により、ひきこもり当事者の居場所もオンラインで開催されているケースが増えています。そうしたなか、オフライン、つまり対面式の居場所の開催にこだわる動きもあります。そのひとつが「ひきこもりUXラウンジ」。昨年度、全国5カ所で開催された同イベントに携わった室井舞花さんが語る「当事者・家族・支援者が同じ場に集まる」ことの意味と可能性とは(冒頭の写真はイメージ写真です)。

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 昨年度、ひきこもりUX会議は、ひきこもりや生きづらさの当事者・経験者、家族と支援に携わる人が相互につながることのできる「ひきこもりUXラウンジ」(以下、ラウンジ)というイベントを全国5カ所で開催しました。前半ではひきこもり経験のある当事者の体験談、後半は「ひきこもり当事者」「ひきこもり女子」「家族および支援者」に部屋を分けて交流をするという内容です。ラウンジは、群馬、東京、大阪、香川で実施しましたが、多いところでは80名以上の参加がありました。

 しかし、ラウンジの時期は2度目の緊急事態宣言と重なり、直前までシリアスな状況が続きました。ラウンジは各地の自治体、民間団体の方々といっしょに準備を進めましたが、関係者の方から何度も「オンライン開催に振替する方向で考えられますか」と聞かれました。

 それでも、私たちは会場での開催にこだわり続けました。この企画の柱である「ひきこもりや生きづらさを抱える当事者、その家族、ひきこもり支援に関わる人が、同じ場に集まり出会う」というコンセプトがオンラインでは成立しえないと考えていたからです。

【連載】居場所の現在地
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