現在の「不登校当事者」が問いかけているものは

 現在の「不登校生」たちは、それぞれどのような「問い」を発しているのでしょうか。それは、社会や学校一般への問いではなく、各個人が置かれた具体的状況に対する問いである、と「不登校という問題」に長くかかわった中島浩籌(ひろかず)さんは言います。(連載「今『不登校』を問うために」第5回)※写真は中島浩籌さん

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 今回は現在の「不登校生」が持つ「問い」の中身について書きます。80年代にあった社会・教育そのものへの問いは、現在では、より多様化し具体化しています。

 LGBTQ+に対する差別、女性差別的状況、異文化への差別感、経済格差など、「不登校」経験者はそれぞれの問題が交差しあった状況のなかで生き、学校教育の問題性を強く感じ、具体的に「問い」を発しているのです。

 10代のLGBTQの52・4%が「学校へ行きたくない」と感じていて、中学生の22・1%、高校生の14・9%が「不登校」を経験しているという調査があります(認定NPO法人ReBit 2022年)。それだけ学校現場では性的指向や性自認に関する偏見・差別が強いということなのです。

【連載】今「不登校」を問うために
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