「ウチの子、高校辞めました」2人の息子が高校中退した後に選んだ2つの道

「もう、こんなところにはいられない」。私の長男と次男は、こう言って高校をみずからの意思で中退した。さあ、これからどうしよう。私と息子たちが見つけたのは、「通信制高校への転入」と「高卒認定試験」という2つの道。それぞれの道を選んだ長男と次男のケースを、私のママ友のケースとともに紹介する。高校を中退した子にはどのような選択肢があるのか、参考になれば幸いだ。(執筆・棚澤明子)

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 今年の3月末、高校2年生の次男が学校を辞めるという決断をした。本人いわく、「こんな窮屈なハコのなかにはもういられない」とのこと。

 学校外のボランティアなどでさまざまな大人たちから大きな影響を受け、広い世界に目を向けるようになった結果、同調圧力がのしかかるせまい世界でみんなと足並みを揃えることに意味を見い出せなくなった、ということなのだろう。そうした違和感からか、適応障害のような症状を示すようにもなってしまった。

 「自分を大事にするためにも、ここから出たい。大学に行って、もっとおもしろいことを学ぶんだ」。そんな前向きな気持ちからの中退だった。

 じつは、わが家では現在大学2年生の長男も高校を途中で辞めている。長男は将来の夢が明確で、早い時期から受験勉強に打ち込んでいたのだが、みんなと同じ課題をこなすことを強いる先生とのあいだに軋轢が生じて、大きなストレスを抱えることになった。

 その結果、過敏性腸症候群を患い、「こんなことをしていたら受験に支障が出る。勉強に専念したい」といって高3の夏休み前に高校を辞める決心をしたのだ。
 
 小中学生の不登校とはすこしちがって、10代後半になると生き方が明確になるなかで、違和感ゆえに学校から距離を置く子も出てくるのだろう。

 このようなタイプの子の頭のなかは、強いていえば「転職を考える大人」に近いのかもしれない。もちろん、高校で青春をエンジョイできれば、それに越したことはないと思う。でも、できない状況に陥っているのであれば、ちがう選択肢に目を向けることもありなのだと、私自身も子どもの2度の経験を通して学ばせてもらった。

「通信制高校」か「高卒認定」か?

 さて、高校を途中で辞めた子が夢を叶えるには、どうしたらよいのだろう? 大学受験をするのであれば、「高校卒業、または同程度の学力をもっていること」という条件をクリアしなければならない。ほとんどの専門学校、また一部の国家試験などの受験条件も同じだ。そして「高校卒業資格」を得るには、高校に3年以上通って、74単位以上取得しなければならない。

 そこで、多くの子は通信制高校などに移って、残りの単位を取ることになる。完全オンラインタイプや週に数回通学するタイプなど、さまざまな学校があるので、コミュニケーションの機会や居場所を確保したい子には向いているかもしれない。

 もうひとつの方法は、かつて「大検」と呼ばれていた「高校卒業程度認定試験」、いわゆる「高卒認定」だ。これは、高校を卒業していない人が「高卒と同程度の学力がありますよ」と証明してもらうための試験で、合格すれば大学入試やさまざまな国家試験などを受けられるようになる。

 試験は年に2回。レベルは中学生〜高校1年生の学習内容なので、けっして難関ではない。試験科目は最大9科目だが、すでに高校で単位を取っていれば、相当する試験科目が免除される。また受験料は受験科目数によって異なるものの、4500円〜8500円ですむので親としては助かる。ただし、試験に受かっても「高卒資格」は得られないので、合格後に進学をしなければ学歴としては「中卒」のままということになる。

通信制高校を選んで失敗したわが家

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