「遅刻するくらいなら休む」 完璧主義の息子の不登校を見守り続けて

 高校生の長男と小学生の次男・三男、3人の息子がみな不登校を経験したという橋本絵美さん(仮名)。迷いと葛藤のなかで3人の息子を育てました。最近の悩みは受験生の長男が過去の不登校経験を全否定していること。「息子を信じて見守りたい」という橋本さんに、お話を聞きました。

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――3兄弟のなかで長男・大吾くん(仮名)が最初に不登校になったのですね。当時のことを教えていただけますか?

 朝、「学校へ行けない」と泣きわめくようになったのは、中1の5月でした。まじめで完璧主義、0か100かで考えがちなタイプな長男は、たとえ理由があっても「遅刻するくらいなら休む」と言ったり、内申点を気にするあまりノートまとめに時間をかけすぎたり。中学生になって急にしなければならないことも増えて、きつかったのでしょうね。

 初めての中間テストは、泣きながら行きました。当時、友だちからのいやがらせもあって、それが不登校の直接的なきっかけになったのかもしれません。でも、先生があいだに入って解決してくれたあとも学校へ行けませんでした。もう、いっぱいいっぱいだったのでしょう。そんなようすを見て、わりとすぐに「しばらく学校を休ませよう」と決めました。勇気のいる決断でしたが、体まで壊してしまったらたいへんですから。でも、「一度休んだら、どんどん堕落していくのでは」という親としての葛藤はずっとありました。

 それからしばらく大吾は、ソファでぐったり横になって、ユーチューブを観たりゲームをしたりしていましたね。でも、3カ月ほどたったころから、すこしずつ変化が見えてきたんです。

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