ひきこもりって悪いこと?2人の専門家に聞くひきこもりの現在地

 ひきこもりは悪いことか。ひきこもりをめぐる状況はこの20年でどう変わったのか。ひきこもり支援の現状はどうなっていて、今後の課題としてどのようなことがあるのか。20年以上に渡り、ひきこもりに関わり続けてきた一般社団法人「ひきこもりUX会議」共同代表の林恭子さん、松山大学人文学部教授の石川良子さんは昨年末、それぞれひきこもりに関する単著を出版された。今回はそのお二人をお招きし、ひきこもりの現在地、今後の課題をめぐり、お二人はどう捉えているのか。ひきこもりのこれまで、これからを語っていただいた(※写真左から石川良子さん、林恭子さん)。

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――著書を通じて伝えたかったことからうかがいます。林さん、お願いします。

(林恭子、以下林)ひきこもりに関する誤解や偏見を解きたいというのがもっとも伝えたかったことです。そのために「当事者の思いを知ってほしい」「ニーズに合った支援をしてほしい」ということを、当事者の周囲にいる家族や支援者に向けて「発信」したかった。ただし、葛藤もありました。『ひきこもりの真実』という本の見出しがストレートすぎるうえに、私はひきこもりの代表でもなければ、私ごときが真実なんて語れるわけがないと思っていたからです。

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