不登校からの進学 わが子と話をする際に大事な5つのテクニック

 不登校の子どもは進学の話を拒みがち。新しい学校で心機一転を図りたい気持ちがある一方で、進学に向けて自信を失っていたり、不安があったり。そんな子どもの気持ちがわからず、親は焦ってしまいます。そんなときに学校から「進学の話は」と言われたら、もうたいへん。進路を迫ってしまい、子どもとの溝が深まることも。一方で、フリースクールでは毎年、子どもがスタッフと個別に進路の話をします。どうやって子どもの本音を引き出すのか。子どもに無理のない進路をどう決めていくのか。フリースクール「クレイン・ハーバー」代表・中村尊さんに、不登校の子と進路の話をする技術をうかがいます。

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 「話をする」という場合、「話したいことがあるとき」と「相手の思いを聞きたいとき」の二種類があります。子どもと進学の話をする場合は、おもに後者でしょう。しかし、子どもの思いを聞くつもりが、つい「自分の思いを伝えたい」になることもすくなくありません。すると、子どもは「聞かされている」と感じ、こちらの思いは伝わりません。もっと言えば「お説教が始まったよ」とさえ受け取ることもあります。

 自分の思いを話すときは、「聞かされている」と相手が受け取らないように話すことが必要です。そして、「言わせよう」と相手を誘導しないことも大事です。理由は、誘導すると心を閉じてしまうからです。たとえば「学校は行くの?」「いつから行くの?」と聞いたら、これは誘導です。押し問答になるのが嫌で、子どもは「明日から行く」と言うかもしれません。でも、本心とはちがいます。その結果、明日になっても学校へ行かないということになります。また、相手の思いを聞き出そうとするのもNGです。事情聴取をされているように感じたら、言いたくなくなるのも無理はありません。

子どもは本心をなぜ言わない?

 「進学について本人の考えがわからない」、そう困っている親御さんも多いと思います。子どもが自分の考えを言わないのは、親が望む進路を察しているため、という場合も多いです。それが自分の考えとちがうと、なかなか言い出せません。

 進路についての考えは、親子で一致しないことが多いのですが、その場合、本人の意思と思いを尊重するのが大事です。そして、子どもの思いを実現するために、親もいっしょに考えること。これは今後にも大きく影響します。

 たとえば「高校へ行きたくない」と言われたら、親としては受けいれがたいかもしれません。

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