不登校は法律違反ではありません。教育研究者が子どもに伝えたいこと

 子ども向けに法律を解説した『子ども六法』を発刊し、注目を集めるようになった教育研究者・山崎聡一郎さん。今度は「学校で苦しむ子ども」に向けて書籍をつくるという。その思いをうかがった。

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――KADOKAWAから出版される新著『明日、学校へ行きたくない 言葉にならない思いを抱える君へ』に込めた思いと、出版までの経緯について教えてください。

 2019年にニコニコ生放送番組「明日、学校へ行きたくない」の出演者として呼んでいただいたのがきっかけですね。子どもの自殺が1年でもっとも多くなる9月1日を前に放送された番組で、視聴者からの投稿について他の出演者の脳科学者・茂木健一郎さんと心理学者・信田さよ子さんとともに語るというかたちをとっています。その後、KADOKAWAさんと書籍をつくる話になったときに、この番組の書籍化を提案し、実現することになりました。「学校へ行きたくない」と悶々としている子どもたち、かつてそうだった大人たちの生の声を、まずはじっくり聞いてみようというのが、番組のコンセプトでした。

著・山崎聡一郎ら/2021年刊/KADOKAWA

アドバイスより悩んでる姿を

 相談されたら解決してあげたいという思いがあるから、大人は答えを示しがちなんですよね。だけどそうじゃなくて、まず番組では悩みを聞いて「ああじゃない」「こうじゃない」「こうだと思うんだけど、どうなんだろ」と、専門家でもいろいろ悩んで考えている姿を見せられればいいなと思ったんです。

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