離島における不登校の現実、親のしんどさ 奄美大島に誕生した「フリースクールMINE」

 2021年、初の民間フリースクールとなる「フリースクールMINE」が鹿児島県奄美市に誕生しました。代表を務める林花穂さんは自身、不登校の子を持つ母親でした。わが子の不登校をめぐって「最初は不登校を受けいれられなかった」「せめて高校ぐらいはと葛藤し続けた」と語る林花穂さんは、母親としてわが子の不登校とどう向き合ってきたのか。そして、みずからフリースクールを立ち上げるに至った背景にはどのような思いがあったのか。「不登校の概念をなくしたい」と語る林花穂さんに、お話をうかがいました(※写真はフリースクールでのようす)。

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――林さんの不登校とのかかわりからお聞かせください。

 子どもが3人いまして、真ん中の娘と末っ子の息子が不登校でした。当初は子どもの不登校をなかなか受けいれることができなかったんですが、2013年に「一歩の会」という不登校の親の会を、あるスクールソーシャルワーカーが立ち上げてくれました。「一歩の会」の世話人は現在、私が引き継いでいまして、これが私の転機であり、また原点でもあります。

――「フリースクールMINE」を立ち上げたいきさつをお聞かせください。

 東京で開催されたフォーラムに娘といっしょに参加した際、フリースクールやホームエデュケーションで育った子どもたちの話を直接聞く機会がありました。そんな育ち方があるのかと、まさに目からうろこ。親子そろって衝撃を受けました。

親の会、娘の一言が後押しに

 それからフリースクールについて調べ、フリースクールスタッフ養成講座に参加するなかで「奄美にもフリースクールがほしい」と思うようになりました。

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