「不登校」は心の問題なのか。河合塾講師が考えた末の結論

 「不登校」と聞くと「何かつらいことがあったんだな」とマイナスイメージで捉えがちです。しかしそのような見方だけでよいのでしょうか。寄稿いただきました。

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 私が「不登校」問題に出会ったのは1970年代後半でした。そのころ私は高校教師でした。しかし、6年間勤めたあと、教員としてのあり方に行きづまってしまい、教師を辞め、その後は塾やフリースペースに関わっておよそ40年になります。この数十年間、行政や教育・心の専門家たちのあいだでは、「不登校」はメンタルの問題と捉え続けられています。「心の病」とみられた時期もありました。最近では心理面以外の多角的な観点から言及されるようにはなりましたが、それでも「教育機会確保法」では「不登校児童生徒」を「心理的な負担その他の事由により就学が困難な生徒」であると定義しています。今も依然としてメンタル面が注視され続けているのです。

 心的ストレスを重視し、「何か学校生活でつらいことがあったのでは」とうかがう見方や、3日休んだだけで早期に対応しようとする予防的なまなざしも浸透しています。しかし、「不登校」をメンタルの問題として捉えてしまってよいのでしょうか。

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