過干渉な母との20年、解放のきっかけは夫の一言

 翻訳家・ライターの林真紀さんは、幼いころより母親との関係に苦しんできた。現在は、これまで向き合い続けてきた生きづらさについて書籍やネットなどで発信している。同じく母親との関係に苦しんでいる子ども若者編集部記者・ゆりなさんが取材した。

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――ゆりなと申します。私は家族とたがいに充分な信頼関係が築けておらず、とくに過干渉な母との日々の生活は、心が押しつぶされそうになります。林さんも母親との関係で苦労されたとお聞きしましたが、どのようなご家庭だったのですか?

 私の家族は、「高学歴な学校に行かせれば、それで子育ては成功」という人たちでした。逆に言えば、「頭のいい学校へ行けなければ子育ては失敗」ということです。

 とくに母は何かにつけて人の話をするときは、学歴の話題を最初に持ち出すような人でした。私は「頭のいい学校に入らないと見捨てられる」、そう思ってずっと怯えながら生きてきました。

 家庭内での学歴差別もありました。兄弟でも頭のできがよければしっかり面倒を見るし、できの悪いほうは家の外では会話にも出さない。

 私は、そういうことを目の当たりにして生きてきたので、「差別する・される」現場を毎日、家のなかで見続けていたことは、深く心の傷として残っています。

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